3大メガバンク(三菱UFJ、三井住友FG、みずほFG)のおすすめランキングを検証

スポンサーリンク
銘柄検証

今回はメガバンク3社(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の2022年3月期第2四半期決算内容を踏まえメガバンク3社のおすすめランキングを検討していきます。

スポンサーリンク

メガバンク3社の現状(2010年頃~コロナショック迄)

メガバンク3社の収益は長引く長期金利の低迷により、民間企業への貸出利回り、個人向け住宅ローン等の貸出利回りともに低下し金利収入も減っています。

また、国債等の運用についても利回りが低下し運用益が下がっている状況です。

この様な現状の中長く続く世界的な低金利の流れもあり、日経平均がアベノミクスで順調に上がるなか銀行株は苦戦を強いられてきました。

金利低下=銀行株下落という事は、両方のチャートを比較すると明らかです。

こちらはここ約3年の米国10年債のチャートと三菱UFJの株価チャートです。

この様に両者の動きはシンクロしている部分が多いです。今回は三菱UFJとの比較ですが、他の銀行でも概ね同様の動きです。

銀行の場合、金利の上下によって金利収入が増減する事が自然の流れですので、金利の値動きによって株価が影響を受ける事は致し方ない部分があるのも事実です。

メガバンク3社の業績(2022年3月期第1四半期迄)

こちらにメガバンクの2022年第1四半期までの決算をまとめています。

銘柄名三菱UFJ三井住友FGみずほFG
2018年3月期989673435765
2019年3月期87267266965
2020年3月期528170384485
2021年3月期770051284710
2022年3月期(会社予想)850060005100
通期最終利益(億円)

世界的な長期金利低下が進む中、業績は順調に推移しています。

コロナの影響があったここ数年は、業績が大きく下がっていますが赤字に転落するメガバンクはありませんでした。

その要因としては、各銀行が低金利でも収益を上げられる構造を構築している事が言えると思います。

長引く低金利が続くなか、各銀行は従来の金利収入に頼らず、収益を上げる方向を模索し続けてきました。

メガバンク3社の配当推移(2022年3月期第1四半期決算迄)

続いてメガバンクの配当推移を2015年からまとめています。

銘柄名三菱UFJ三井住友FGみずほFG
2015年1614075
2016年1815075
2017年1815075
2018年1917075
2019年2218075
2020年2519075
2021年2519075
2022年(会社予想)2720075

銀行は株主還元姿勢の高い企業が多く、メガバンクもみずほ以外は増配傾向です。

また三井住友は減配せず配当水準を維持または増配し続ける累進配当を採用しています。

メガバンク3社の2022年3月期第2四半期決算内容

それではここからはメガバンク3社が先日発表した決算を個別に検証していきます。

三菱UFJの上期決算

  • 通期純利益を2500億円増の1兆500億円へ上方修正
  • 配当は期初予測から1円増額し昨年からは3円増の年間配当28円へ増配
  • 総額1500億円を上限とする自社株買いを決議(発行済株式数の2.33%)

業績好調はポートフォリオの改善や米国の経済環境見通し改善に伴う引当金の戻り等により、与信関係費用の大幅改善した事が大きな要因です。

政府の財政支援が支えとなり融資先の倒産が少なかったほか、欧米などの経済回復が追い風となっています。

株価等データ

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
三菱UFJ8306637.27.80.46284.3934.2
※2021年11月19日時点

三菱UFJの株価はコロナショック以降順調に値を上げコロナ前の水準を超えてきています。

また、配当利回りは今回の増配で4%半ば程度に上昇しています。

三井住友FGの上期決算

  • 通期純利益を700億円増の6700億円へ上方修正
  • 配当は期初予測から10円増、昨年からは20円増の年間配当210円へ増配
  • 総額1,000億円(発行済み株式の2.4%)を上限とする自己株取得を決議、取得した株式は全株消却予定

業績好調の要因は、与信関係費用が昨年度引当を計上した大口先を中心に戻入が発生し、前年同期比で大幅に改善した事や関西みらいFG再編に伴う株式売却や ETFの売却益増加等により株式等損益が改善した為。

株価等データ

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
三井住友FG831638878.000.432105.4043.0
※2021年11月19日時点

三井住友の株価もコロナショック以降順調に上げてきていますが4000円を超えると売り圧力が強まってくる印象です。

三井住友の配当利回りは今回の増配で5%半ばの水準です。

みずほFGの上期決算

  • 通期純利益を200億円増の5300億円へ上方修正
  • 配当は5円増の年間配当80円へ増配
  • 業績好調の要因は資産運用ニーズの高まりで証券関連業務等の顧客部門が堅調に推移との事

株価等データ

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
みずほFG84111458.57.00.39805.4938.2
※2021年11月19日時点

みずほの株価もコロナショック以降戻してきていますが、最近は多発しているシステム障害に絡む問題で売られている状況です。

みずほFGの配当利回りは今回の増配で5%半ばの水準です。

メガバンク3社の第2四半期決算後の業績比較

ここからはメガバンク3社の第2四半期決算後の内容を比較検証していきます。

通期最終利益(億円)

銘柄名三菱UFJ三井住友FGみずほFG
2018年3月期989673435765
2019年3月期87267266965
2020年3月期528170384485
2021年3月期770051284710
2022年3月期(会社予想)1050067005300

3銘柄とも通期最終利益を上方修正しています。

三菱UFJの最終利益はコロナ前の水準を上回り大台の1兆円超えです。

上期最終利益(億円)

銘柄名三菱UFJ三井住友FGみずほFG
2020年3月期第2四半期606943192876
2021年3月期第2四半期400827012155
2022年3月期第2四半期781445603856
2020年3月期通期進捗率(%)114.961.464.1
2021年3月期通期進捗率(%)52.152.745.6
2022年3月期通期進捗率(%)74.468.172.8

3銘柄とも中間決算時点で通期進捗率は70%前後で推移しています。

今後の状況次第では更なる上方修正があるかもしれません。

配当比較

銘柄名三菱UFJ三井住友FGみずほFG
2015年1614075
2016年1815075
2017年1815075
2018年1917075
2019年2218075
2020年2519075
2021年2519075
2022年(会社予想)2821080

配当についても3銘柄とも今回の決算で増配を発表しています。

また、みずほFGは2015年以来の増配です。

株価等指標比較

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
三菱UFJ8306637.27.80.46284.3934.2
三井住友FG831638878.000.432105.4043.0
みずほFG84111458.57.00.39805.4938.2
※2021年11月19日時点

今回の増配で3銘柄とも配当利回りが上昇していますが、配当性向は40%前後とまだまだ余裕を感じる水準です。

メガバンクの今後

最初に説明したように以前と比較して長期金利が低迷する状況の為、各銀行とも金利収入に頼らない収益構造の確立は共通の課題です。

そこでここからはメガバンク3社の今後の方針について銘柄ごとにまとめています。

三菱UFJの今後

三菱UFJは企業変革にデジタルトランスフォーメーションを掲げています。

外部事業者との協働を通じ、個人・法人のお客さまとの新たなサービス・接点を拡充

スマートフォン起点で幅広い金融商品等を提供するMoney Canvasや中小企業向けに、新たな金融サービス(請求代行サービス等)を提供するBiz Forwardのサービスを年内に開始予定。

金融・デジタルプラットフォーマーへ向けた新たな取り組み

11月に㈱BusinessTech を子会社化予定で22年度より「ビジクル」を活用し企業のDX支援を開始予定

また今後の方向性として米国市場の重要性は不変としており、銀信証連携・ モルガンスタンレー協働強化等で法人取引に集中する方針

三井住友FGの今後

第2、第3のSMBCグループを創るとしてマルチフランチャイズ戦略に基づき、成長ポテンシャルの高いインドネシア、インド、ベトナム、フィリピンへの出資を行い各国の成長を取り込むプラットフォームの構築を目指すとしています。

また質を伴った成長を目指すとして当面は既存出資先のPMIや提携強化に注力しつつ、投資基準を遵守して質の高い成長機会を目指す方針。

PMI

企業がM&Aを行う場合に統合の問題点などを事前に検証し、M&Aを行った後に企業や事業の統合を最大限に効率化するために行うもの

みずほFGの今後

顧客との新たなパートナーシップを構築すべく、「金融そのものの価値」を越えて、非金融を含めた「金融を巡る新たな価値」を創造する事を基本戦略としオープン&コネクトと熱意と専門性を行動軸とする。

オープン&コネクト

「顧客」「地域」「機能」等を縦横無尽に組み合わせ、金融を巡る新たなバリューチェーンをよりオープンに創出

熱意と専門性

お客さまの夢や希望をもとに、社員一人ひとりが想いをもってお客さまに向き合い高い専門性に裏打ちされた強みを発揮し、顧客ニーズを先取りして「考え・動き、そして実現する」

メガバンク3社の今後

以上のようにメガバンク3社とも従来私たちがイメージする銀行の業務に限らない収益構造の確立を目指している事が分かるかと思います。

特に三菱UFJや三井住友FGは海外への展開も拡大しており、今後に期待が持てます。

メガバンク3社のおすすめランキング

今までの検証内容をもとにメガバンク3社のおすすめランキングを検討していきたいと思いますが3位はみずほFGになるでしょう。

従来の企業規模で他の2銘柄と比較して見劣りする部分がある事に加え、最近のシステム障害の問題もあり積極的には狙いにくい状況です。

残り2社の優劣は難しいところです。

企業規模や内容から考えると三菱UFJを1位に推す人が多いかもしれませんが、個人的には三井住友を1位にしたいと思います。

三菱UFJと比較して1%程度高い配当利回りや累進配当の導入、またアジアを中心に海外展開も進んでおり今後への期待が持てるかと思います。

まとめ

今回はメガバンク3社の中間決算を中心におすすめランキングを検証しました。

みずほFG以外は中長期の高配当銘柄として十分狙える銘柄だと思います。

個人的には現状三菱UFJ700株、三井住友FG300株の保有ですので今後の展開次第では更なる買い増しも検討しながら動向を見守りたいと思っています。

メガバンク3社のおすすめランキングについてはYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の中間決算を踏まえおすすめランキングを検証

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube版)

にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村

投資の達人になる投資講座

コメント

タイトルとURLをコピーしました