メガバンク(三菱UFJ、三井住友FG)2022年3月期決算検証

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銘柄検証

今回は先日発表されたメガバンクの三菱UFJと三井住友FGの本決算内容を中心に2銘柄の現状と今後を比較検証していきます。

個人的にも三菱UFJは700株、三井住友FGは300株保有していますので、今後の買い増しを含め、メガバンクは高配当銘柄として投資可能かまとめていきます。

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銀行株の現状

それではまず銀行業界の現状ですが、コロナショックで2020年以降メガバンクも大きく業績を落とす時期もありましたが、2022年3月期は

前期からの反動やコロナショックでの倒産に備えていた貸倒引当金を想定程使用しなくて良かった事もあり、業績は急回復しています。

株価は好調な業績やアメリカの金融緩和策終了に向けて長期金利が上昇している事を背景に、年明け以降特に強い動きが続いていましたが、ロシアのウクライナ侵攻や3月権利落ちを受けて最近は直近高値から少し売られているところです。

米国10年債利回り

こちらは米国10年債の利回りを示したグラフですが、今年に入り特に利回りは上昇しています。銀行の場合、金利の上下によって貸し出し金利や運用商品の金利収入が増減しますので、金利の値動きによって株価は大きく影響を受けます。

そしてアメリカではインフレ対策による利上げの動きが続いており、今後も利上げの動きが加速していきそうですので、銀行株の値動きを見る場合は、金利の値動きにも注意を払う必要があります。

メガバンク最終利益予想

銘柄コード会社予想(億円)コンセンサス予想(億円)
三菱UFJ83061050011421
三井住友FG831667006985

メガバンクの最終利益について決算発表前の会社予想と四季報のコンセンサス予想を比較していきます。

前期は業績好調な状態が続いており会社予想も良い数字ですが、2銘柄ともコンセンサスは更に高い数字となっています。

実際、第3四半期時点の業績でも三菱UFJの通期進捗率は100%を超えており、三井住友FGも90%を超えていましたので、最終利益がどこまで伸びるかは本決算の注目点でした。

それでは以上の数字を踏まえた上で、メガバンクの実際の本決算をみていきます。

三菱UFJ本決算

三菱UFJは5月16日に本決算を発表しており、最終利益は1兆1308億円と3538億円の増益となっており、年間配当は従来予想通り28円で変更ありません。

今期予測は最終利益が1兆円と1308億円の減益見込みで発表していますが、年間配当は32円へ4円増配見込みで発表しています。

業績好調の要因は、国内外の貸し出し利ざや改善に加え、コロナショックによる倒産に備えていた与信関連費用の戻り入れ等としています。

配当推移

銘柄名三菱UFJ
2015年18
2016年18
2017年18
2018年19
2019年22
2020年25
2021年25
2022年28
2023年(会社予想)32

2015年からの配当推移をまとめていますが、2018年頃からは順調に増配傾向です。

コロナショックで業績が落ち込んだ2021年の配当は据え置きでしたが、ここ数年は増配に勢いが出ています。

三菱UFJの配当方針は配当を基本として株主還元の充実に努める方針で、2023年度までに配当性向40%への累進的な引き上げを目指す方針です。

株価推移

株価はコロナショックで380円まで売られましたが、その後は値を戻しています。今年に入ってからはアメリカの長期金利上昇や業績好調を背景に株価は800円を超える水準まで買われましたが、3月権利落ち以降は値を下げ直近は730円付近で推移しています。。

三井住友FG本近決算

三井住友FGは5月13日に本決算を発表しており、最終利益は7066億円と1938億円の増益となっており、年間配当は従来予想通り210円で変更ありません。

今期予測は最終利益が7300億円と234億円の増益、年間配当は220円と10円増配見込みで発表しています。

業績好調の要因はロシアウクライナ情勢によるマイナス影響はあったが、コロナからの経済活動回復などで顧客部門やグローバルの各事業部門が増益となった為としています。

配当推移

銘柄名三井住友FG
2015年140
2016年150
2017年150
2018年170
2019年180
2020年190
2021年190
2022年210
2023年(会社予想)220

2015年からの配当推移をまとめていますが、こちらも順調に増配傾向です。

コロナショックの影響が出た2021年など据え置きとなっている年もありますが、概ね安定して増配をしているイメージです。

三井住友FGの配当方針は、株主還元は配当を基本に機動的な自己株取得も実施していくとしており、配当は累進的とし配当性向は2022年度までに40%を目指す方針です。

株価推移

株価はコロナショックで2507円まで売られた後は順調に値を戻しています。今年に入ってからは三菱UFJ同様、業績好調や長期金利上昇を背景に4400円を超える水準まで買われましたが、その後は3月権利落ちや子会社日興証券不祥事の影響もあり3900円前後での動きになっています。

業績推移比較

銘柄名三菱UFJ三井住友FG
2018年3月期98967343
2019年3月期87267266
2020年3月期52817038
2021年3月期77705128
2022年3月期113087066
2023年3月期(会社予想)100007300

三菱UFJと三井住友の2018年からの最終利益推移を比較検証していきます。

2銘柄ともコロナショックの影響を受けた2020年以降は大きく業績を落とす場面もありましたが、前期はコロナからの経済回復などにより業績が急回復しています。

特に三菱UFJは既にコロナ前の水準を超える最終利益となっており、三井住友FGも今期見込みはコロナ前の水準へ迫る予測になっています。

また、三菱UFJの今期は現状減益見込みになっていますが、安定的に1兆円以上稼ぐことのできる会社を目指すとしており、今後の業績推移も期待できそうです。

最終着地コンセンサス比較

銘柄コード最終利益(億円)会社予想(億円)コンセンサス予想(億円)
三菱UFJ8306113081050011421
三井住友FG8316706667006985

2銘柄の最終利益について冒頭で触れた事前予想と比較していきます。

三菱UFJは会社予想を808億円上回りましたが、コンセンサスには113億円届きませんでした。

三井住友FGは会社予想を366億円、コンセンサスを81億円上回る力強い最終着地となっています。

三菱UFJはコンセンサスに少し届きませんでしたが、それでも十分凄い決算です。

配当推移比較

銘柄名三菱UFJ三井住友FG
2015年18140
2016年18150
2017年18150
2018年19170
2019年22180
2020年25190
2021年25190
2022年28210
2023年(会社予想)32220

2015年からの配当推移を比較検証していきます。

2銘柄とも順調に増配傾向ですが、特に2018年頃から増配のペースが上がっている様な感じです。コロナショックで業績が大きく落ち込んだ2021年は配当が据え置きになっていますが、2018年以降基本的には増配傾向で特にここ数年は増配額が上がってきています。

株価指標比較

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
三菱UFJ8306738.89.30.55324.3340.3
三井住友FG831639607.40.452205.5641.3

2銘柄の株価指標を比較していきますが、両銘柄とも今回の増配や最近の株価下落を受けて配当利回りは上昇しており、三菱UFJで4.3%付近、三井住友は5%半ばと高水準です。

業績好調によりPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は三菱UFJ、三井住友FGともに40%前半とそこまで無理をしている水準ではないです。

メガバンクの今後

メガバンクの今後を見ていくと直近では長期金利は上昇傾向ですが、以前と比較すると長期金利は低迷している事に変わりはなく、また国内市場は少子高齢化や人口減少の問題もあり今後の飛躍的な成長は難しいです。

そこで、三菱UFJと三井住友FGは、それぞれ海外への市場開拓を進めています。

三菱UFJは成長戦略の1つにアジアビジネスを掲げており、成長するASEANを面で捉えた戦略・施策を展開としてMUFG協働による地場の顧客基盤拡大やプロ集団による支援強化で地場顧客へ知見やノウハウのアドバイスを目的とし、アジアの商業銀行への出資を行っています。

三井住友FGは第2、第3のSMBCグループを創るとしてマルチフランチャイズ戦略に基づき、成長ポテンシャルの高いインドネシア、インド、ベトナム、フィリピンへの出資を行い各国の成長を取り込むプラットフォームの構築を目指すとしています。

メガバンクの投資判断

今までの内容を基に三菱UFJと三井住友FGの投資判断を検証していきますが、2銘柄とも日本を代表する企業であり、業績や配当方針、今後の海外展開なども期待が持てる内容だと思います。

銀行の場合は地方銀行でも配当利回りが高く、海外へ進出している銘柄もありますが、企業規模や今後の展開を考えた場合、銀行株に投資するのならばメガバンク2社への投資が1番良いと思います。

冒頭でメガバンクの株価は長期金利の影響を受けると説明しましたが、業績については以前ほど金利の影響を受けなくなってきています。

メガバンクのここ数年の最終利益を見てきましたが、金利が低下していた時期でもしっかりと利益を生み出していた事が確認できたと思います。

銀行は長い間、金利低下の影響で苦戦していた事もあり、金利収入に頼らない収益構造の確立を目指し、その成果が着実に積み上がってきている証拠だと思います。

以上の様にメガバンク2銘柄は、今後も十分高配当株として購入を検討できる優良銘柄だと思いますので、個人的にも現在三井住友FGを300株、三菱UFJを700株保有していますがタイミングをみて更なる買い増しを検討中です。

しかし、三井住友FGは現状最低購入単価が40万円前後になる為、NISA枠との絡みもあり、今年買い増すならば7万円くらいから購入可能な三菱UFJになるかなというところです。

メガバンクの本決算検証はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

メガバンク(三菱UFJ、三井住友FG)2022年本決算を検証

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