今回のおすすめ本は、恩田陸作品の「Q&A」です。
タイトル通り終盤まで1対1の質問形式で物語は進みます。
大型商業施設で発生した重大死傷事故の真相を究明するべく、関係者への質問
を続けていきますが回答を聞くにつれ、謎は深まっていきます。
小説の紹介
- タイトル Q&A 2004年
- 作者 恩田 陸
- ジャンル ミステリー
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あらすじ
2002年2月11日(祝)午後14時30分頃、都内郊外の大型商業施設で重大死傷事故が発生。
死者69名、負傷者116名の犠牲を出す大惨事だが、事故原因は特定出来ていなかった。
事故原因特定の為、被害者、目撃者、警察官、消防士、弁護士等の関係者へ質問
を行っていく。
謎の液体をばら撒いた若者、万引きを咎められ謎の言葉を発した上品な老夫婦、
防犯カメラに映っていた血の付いたぬいぐるみをひきずりながら歩く少女。
関係者からの目撃証言や回答によって、謎はより一層深まっていく。
おすすめポイント
「Q&A」は、ほぼ全てがタイトル通り質問形式で進んでいきます。
関係者が順番に回答していくにつれ、徐々に全体像が見えてくるようで、更に
謎が深まっていく展開を繰り返します。
パートごとに回答者が変わっていくストーリーは非常に良く練られており、前の
回答者が残した謎がその後のパートで結びつく流れは秀逸です。
ストーリーが進むにつれ雰囲気も怪しさを増し、どんどん引き込まれていきます。
ただ、ラストについては正直、賛否が分かれるところだと思います。
個人的にも、その前のタクシーパートで終わっていても良かったかなという感想です。
まとめ
恩田陸作品は「夜のピクニック」に続き2作目の紹介です。
夜のピクニックは爽やかな青春ストーリーでしたが、今作は不気味なミステリーです。
しかもこの2作品は両方とも2004年に発表されています。
同時期にこれだけ正反対のストーリーを描ける事にも驚愕しました。

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