いよいよ2023年がスタートしましたが、最近は預金金利の低下や老後の資金問題などで資産運用に興味を持つ人達も増えている様に感じます。特に去年は岸田総理による「資産所得倍増計画」のもと、NISA制度の改革が発表され大きな話題となりました。
もちろん資産運用と言っても株式投資だけでなく、債券や不動産投資、最近では暗号資産など様々な種類があります。
そして、株式投資でまとめても個別銘柄のほか投資信託やETFなども有り、投資先も国内のみに限らずアメリカやその他の国へも投資が可能な時代になっています。投資方法も中長期運用の高配当株投資やインデックス投資、短期投資のデイトレードや信用取引と多種多様です。
そんななか、世間的にはアメリカを中心とした海外市場へのインデックス投資が人気だという事は認識していますが、やはり私はずっと記事を投稿している様に高配当株投資が最強の資産運用だと考えており、特に2023年は高配当株投資を始めるのに最適だと考えています。
そこで今回は、高配当株投資をおすすめする理由や高配当株投資に必要だと考えている3つのものに加え、高配当株投資において保有資産がこの様な状況になれば「勝ち」が確定する条件などをかなり個人的な見解でまとめていきたいと考えていますので、是非最後までご覧ください。
高配当株投資をおすすめする3つの理由
それでは最初は私が高配当株投資をおすすめする3つの理由についてまとめていきたいと思います。
投資家を増やす事は国策
高配当株投資をおすすめする1番大きな理由は、「投資家を増やす事は国策」である事です。
冒頭で触れた様に岸田総理は現在、経済政策として個人資産を預金から投資へシフトさせ、個人の資産所得を倍増させる「資産所得倍増計画」を掲げています。
そして資産所得倍増計画の大きな柱として注目されているのがNISA枠の拡充で、去年12月に公表された内容では制度が使える期間や非課税期間が恒久化され、投資限度額も従来の2倍以上に拡大されるなど投資家にとっては素晴らしい内容でした。
日本人は昔から投資よりも預貯金を好むと言われており、実際に日本人の個人金融資産約2000兆円のうち現金・預貯金の割合は半数近くを占めます。
もちろん投資をする事が常に正義ではありませんし、リスクよりも安全を好む国民性は素晴らしいと思いますが、もう少し投資に回すお金が増えた方が良いというのも事実だと思います。
そこで国はNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を作り投資家を増やそうとしていますし、2022年4月からは高校で金融教育の授業がスタートしています。
ネット証券の口座開設数やNISA口座の開設数を見ても、最近は投資に興味を持つ人が増えている事は間違いないですし、学校で金融知識を学ぶ事で投資を身近に感じる事が出来るでしょうから、今後投資を始める若者も更に増えてくると思います。
この様に投資家を増やす事が国策である以上、今後投資家が増えていく可能性は高いと思いますが、これは高配当株投資に限った話ではありませんので、ここからはもう少し高配当株投資に限定したおすすめポイントを紹介していきます。
株主還元姿勢の高さ
高配当株投資をおすすめする2つ目の理由は、「上場銘柄の株主還元姿勢の高まり」です。
私は2020年に約10年ぶりに株式市場に復活したのですが、その時1番驚いた事は上場企業の株主還元姿勢の高まりでした。大手企業の多くが以前の配当利回りと比較して上昇しており、実際に上場企業が配当に回している金額も上昇傾向です。
下記の表に上場企業の2008年からの配当金総額推移をまとめていますが、10年前と比較すると2倍以上に増えていますし、現在の配当金総額は過去最高の水準です。

上場企業の配当金総額がこれ程急激に上昇し続けている明確な理由は不明ですが、投資家の投資判断に株主還元姿勢に対する意識が強まり、昔より各企業が株主還元に力を入れている事は間違いないです。
この様に株主還元力を高めている企業が増えている事は、今後の増配に期待できる部分も大きいかと思いますので、高配当株投資をおすすめする理由の1つです。
売買の回数を減らせる
高配当株投資をおすすめする3つ目の理由は、「売買の回数を減らせる」事です。
株式の売買は経験した事がある方ならば分かると思いますが、想像以上に難しいです。
「頭と尻尾はくれてやれ」という相場の格言がありますが、底値で買って高値で売り抜ける事は狙って出来るものではありません。自分が買うと下がり、売ると上がると感じてしまう事は、取引後誰しも経験がある事だと思います。
また細かい利食いや損切りで売買を繰り返すよりも、購入後ほったらかしにしている方が長期で考えた場合、利益が出やすいという事は歴史が証明しており、実際個人投資家で1番利益を出しているのは、亡くなってずっと放置されていた口座というデータもあります。
その点高配当株投資ならば、中長期の運用が基本になりますので購入さえしてしまえば、売るタイミングを考えなくても大丈夫です。
実際私は保有銘柄を売却するつもりは無く、株価が上がろうと下がろうと配当を利益としてもらい続ける予定です。
「売却せずに利益を確定させる事が出来る方法が配当」個人的にはその様な考え方で高配当株投資をしています。
高配当株投資に必要な3つのもの
ここまでは高配当株投資をおすすめする3つの理由をまとめてきましたが、ここからは以上の点を踏まえ高配当株投資に必要だと考えている3つのものをまとめていきます。
余裕資金
高配当株投資に必要だと考える1つ目は、「余裕資金」です。
高配当株投資の場合は配当目的で中長期の投資になりますので、投資している資金は簡単に動かせなくなってしまいます。もちろん急にお金が必要になった時に売却して現金化する事は可能ですが、株価の状況によっては損失が出てしまう可能性もあります。
その様な事態を避ける為にも、高配当株投資は余裕資金で行う事が鉄則です。
時間
高配当株投資に必要だと考える2つ目のものは、「時間」です。
高配当株投資家にとって時間は最強のアイテムです。
よく借金を複利で契約して雪だるま式に負債が膨らむという話を聞いた事がある人もいると思いますが、投資で得た配当や利益を再投資に回し複利で運用すると、雪だるま式に資金が増えていきます。
下記に500万円を5年から20年、2%から6%の配当利回りで複利運用したグラフを表にしています。

いずれの場合も時間が経つに連れ資産が大きく増えている事が分かるかと思いますが、特に10年を超えてから資産の増え方に勢いがつきます。
そして、いずれのパターンでも20年間の運用で資産が大きく増えている事が分かるかと思います。
この様に時間は高配当株投資家にとって最強のアイテムですので、少しでも早いタイミングで始める事が時間の有効活用に繋がります。
断固たる決意
高配当株投資に必要だと考える3つ目のものは、「断固たる決意」です。
最後は精神論の様なテーマになってしまいますが、10年、20年の中長期運用となる高配当株投資には強靭なメンタルが必要になります。
予期せぬ暴落や減配に加え投資先が倒産してしまう可能性もありますし、保有銘柄の損失がどんどん膨らんでいき投資をやめたくなる場合もあるかと思います。その逆に株価の値上がりで保有銘柄の含み益が大きくなり、売却して利益を確定させたくなる場面があるかもしれません。
しかし、いずれの場合も目先の損益には惑わされずに株式を保有したまま、更に可能ならば余裕資金や受け取った配当で買い増しをしていく事が高配当株投資で大切な事です。特に株価が上昇した時は一旦売却して、また下がったタイミングで買い直そうと思ってしまいがちですが、その様なケースに限って売却後、株価は上昇していくケースも多いです。
この様に高配当株投資は、株価が上がっても下がっても強靭なメンタル「断固たる決意」が必要となります。
高配当株投資のデメリット
ここまでは高配当株投資のメリットを中心にまとめてきましたので、ここからは高配当株投資のデメリットについてもまとめていきます。
減配リスク
最初のデメリットは減配リスクです。
高配当株投資家にとって1番怖い言葉は「減配」です。
いくら現在の配当利回りが高くても減配で配当利回りが下がると意味がなくなります。
そのため業績の急回復や配当性向の引き上げなどで一時的に配当が急増している銘柄などは、減配リスクも高いため注意が必要です。
その他のデメリット
また、高配当株投資のデメリットとしてよく見かけるものとして、高配当株銘柄は成熟企業のため株価の上昇が見込みにくい点や配当に税金が掛かる点を挙げられる事も多いかと思います。
この点について、確かに高配当株は新興市場のグロース株の様に短期間で株価が2倍、3倍に上昇する可能性はほとんど無いかと思いますが、先程触れた様に高配当株投資はそもそも売買による利益を求めるものではないですし、長期で保有する場合は株価も安定している方が精神的にも楽なので、そこまでデメリットには感じていないです。
また、税金の部分については今回のNISA枠拡充により非課税で運用できる投資上限額も増えましたので、こちらも個人的にはそこまでデメリットには感じません。
優良高配当株の選び方
ここからは、具体的な優良高配当株の選び方についてまとめていきますが、もちろん私の選び方が正解な訳ではありませんので、選定方法の1つとして参考にして頂ければと思います。
高配当株の定義
そもそも高配当株の定義ですが、明確に配当利回り何パーセント以上と決まっている訳ではありませんが、個人的には配当利回り3%以上を目安にしています。
もちろん企業の将来性や今後の増配見込みまで期待を込めて3%以下の銘柄を購入する事もありますが、現状は3%を1つの目安にしています。
そして私が銘柄選びの時に1番大切にしている点は業績、配当の安定です。
本当はここに右肩上がりまで加えたいのですが、そこまで求めると選べる銘柄が限られてきますので、業績が現状維持でも安定している銘柄を選定条件にしています。
業績の見方
そこで、まず具体的な業績の選定方法ですが、私の場合は最終利益を1番重視しています。
もちろん売上や経常、PER、PBR、ROEなどチェックするべきポイントはたくさんあるのですが、最初から色々な項目を見る事は大変ですし、全ての項目が優れている銘柄というのも中々ありませんので、特に初心者の方は通期最終利益の推移をメインに見るべきだと思います。
実際私の銘柄検証記事でも業績について記載しているのは通期最終利益のみですが、それでも大まかな雰囲気は掴めます。
配当の見方
続いては配当の見方ですが、配当が安定している企業の選定方法としては、もちろん過去数年分の配当推移を見る事が大切になってきますが、特に私は業績が落ち込んでいる時の配当に注目しています。
最近だとコロナショックで様々な企業の業績が落ち込みましたが、そんな中でも減配しなかった企業は高配当銘柄としておすすめできます。今後も様々な要因で業績が上下する場面はあるかと思いますが、コロナショック時ほど業績に大きな影響を与える出来事は、そうは起きないと思います。
そんなコロナショック時でも減配をしなかった銘柄は、今後並大抵の事では減配しないのではないか、そんな思いで配当推移を見ています。
配当性向
配当について次に注意して見ている項目は配当性向です。
配当性向とは当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標です。
配当性向が25%の場合は、利益の4分の1を配当として出している事になりますし、配当性向が100%を超えている場合は利益以上の配当を出している事になります。
配当性向の目安は各企業の方針もありますので一概には言えませんが、概ね30%から50%くらいが一般的かと思います。
特に配当性向が50%を超えてくると注意が必要で、急激な業績悪化などで減配リスクが高まる可能性があります。
配当性向は決算書に記載している企業もありますし、【1株当たりの配当金÷1株当たり純利益(EPS)×100】で簡単に計算もできます。
配当方針
配当方針も高配当株を選定するうえで重要なポイントです。
配当方針では各企業の配当に対する考え方が分かるほか、配当性向などの具体的な数値を目安として示している企業も多いです。
また銘柄によっては、配当方針として減配せず現在の配当水準を維持または増配し続ける「累進配当」を宣言している企業もあります。高配当株投資家にとって魅力的な累進配当ですが、注意点としては期間を区切って累進配当を宣言している企業も多い事や業績悪化などにより累進配当を取りやめて減配する可能性もゼロではないという点です。
それでも累進配当を宣言していない企業と比較して減配のリスクが小さい事は間違いありませんので銘柄選定の大きなポイントになります。
各企業の配当方針は決算書やHPで確認できます。
保有資産が〇〇になったら勝ち確定
最後は高配当株投資において保有資産がこの様な状況になったら勝ちが確定できるという点を、かなり個人的な見解でまとめていきたいと思います。
ここで言う勝ちの定義ですが、私の最終目標である株価の上下を気にせずに安定した気持ちで株式を保有し、配当を受け取り続ける事ができる状態としています。
10年、20年と運用を続ける高配当株投資では、どれだけ安定した精神状態を維持できるかが大切です。
そしてその様な安定した精神状態を得るには、保有株式が大きな含み損を抱えている状況より、大きな含み益を抱えている状況の方が良い事は明らかです。
しかし、株式市場は常に上下を繰り返しますし、時には大きな暴落に襲われる事もあります。
つまり、今後いずれかのタイミングで必ずくる暴落でも保有銘柄が含み損に陥らない状況を作り出せれば、私の中では勝ちが確定だと考えています。
そこで過去に起きた暴落を表にまとめてみました。
年 | 出来事 | 直近高値 | 直近安値 | 下落率(%) |
2000 | ITバブル崩壊 | 20833 | 11820 | -43.3 |
2008 | リーマンショック | 14489 | 7055 | -51.3 |
2011 | 東日本大震災 | 10254 | 8605 | -16.1 |
2015 | チャイナショック | 20868 | 14953 | -28.3 |
2020 | コロナショック | 23861 | 16553 | -30.6 |
暴落はいつどの位の規模でくるかは誰にも分かりませんが、必ず来ます。
しかし、ここ最近の暴落局面では1番大きく下げたリーマンショック時でも50%程度までの下げだという事がわかるかと思います。
という事は、保有銘柄の株価や受け取った配当金の累計が投資資金の2倍になれば、今後暴落が来ても含み損に陥る事は無いため勝ちが確定だと考えています。
もちろん、今後50%以上下落する大暴落が来るかもしれませんし、そもそも投資資金の2倍まで保有銘柄の株価が上昇する事もかなり困難だとは思いますが、個人的には受け取った配当金も含め投資資金の2倍にする事を目標にしています。
まとめ
今回は、高配当株投資をおすすめする理由や高配当株投資に必要だと考えるものに加え、最終的に私が目標としている保有銘柄の状況までまとめました。
もちろんリスクのある株式投資ですし、投資に対する考え方や投資に回せる金額も人それぞれだと思います。
しかし、今回まとめた様に高配当株投資には無限の可能性があると個人的には信じていますので、今年も高配当株投資に関する記事を投稿していきたいと思っています。
2023年からの高配当株投資をおすすめする理由については、YouTubeで動画版を投稿していますのであわせてご覧ください。





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