【2021年11月】東証一部配当利回り上位10銘柄の投資判断

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銘柄検証

今回は2021年11月12日時点の東証一部配当利回り上位10銘柄の投資判断を検証したいと思います。

配当利回りの高さだけでなく、会社の現状と今後踏まえ高配当株銘柄として投資可能か検証
していきます。

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2021年9月6日時点東証一部配当利回り上位10銘柄

東証一部の配当利回り上位10銘柄の検証は9月にも行っていますので、まずは今回との比較としてその時の上位10銘柄を表にまとめています。

順位銘柄コード株価予想配当配当利回り評価備考
1明和産業810312861158.94×急激な増配が一時的な可能性が高くNG
2日本郵船910198307007.12×業績・配当の増減が大きすぎ
3アイモバイル653514581006.86×特別配当70円
4商船三井910489805506.12×業績・配当の増減が大きすぎ
5JT291421801305.96業績上向き傾向
6極東貿易809325411455.71×特別配当75円(配当性向高すぎ)
7小野建74141614925.70商品市況の恩恵だが、業績、配当は安定
8淺沼組185246402605.60業績・配当の増減が大きい
9ソフトバンク94341535.5865.60携帯会社の枠を超えた事業体制
10コナカ7494361205.54×業績不振

先に言いますとこの時の上位10銘柄で今回も残っているのは5銘柄だけです。

約2ヶ月で半数の銘柄が入れ替わっていますので動きの激しさを感じます。

この時個人的におすすめ銘柄にしていたのは小野建とソフトバンクの2社だけでしたので
今回も新たな有望株はないか注目したいと思います。

それでは2021年11月12日時点の東証一部配当利回り上位10銘柄を10位からみていきます。

10位 コナカ(6.1%)

紳士服チェーン大手のコナカですが、前回に続いてのランクインです。

以前より株価が下がり配当利回りは6%台になっています。

今月発表された決算では久しぶりに黒字になっていますが、配当性向は100%を超えており
紳士服業界の先行きも不透明な為、中長期の高配当株投資としてはNGにしています。

9位 フィデアホールディングス(6.17%)

フィデアホールディングスは宮城県が本社の金融持ち株会社で荘内銀行(山形県)と北都銀行
(秋田県)を傘下に置いています。

11月発表の第2四半期決算で年間配当を15円増配の75円にしています。

業績もコロナ前の水準に戻ってきており順調に推移していますが、将来性を考えると地銀と
いうところが引っ掛かります。

配当利回りでは少し見劣りしますが、中長期の投資を考えると銀行ならばメガバンクの方が
良いのかなという感じです。

8位 日鉄物産(6.18%)

日鉄物産は日本製鉄系列の専門商社で鉄鋼を主軸に産業機械や繊維を取り扱っています。

11月に発表の第2四半期決算で年間配当を当初見込みから40円、昨年からは140円増の300円
に増配しています。

鋼材市況の上昇等を背景に、 2021年度の経常利益・当期純利益は共に過去最高益を更新する
見込みです。

現在の好業績は商品市況の恩恵を受けている状況ですが、今までも業績、配当は安定傾向です。

しかし、配当方針については連結配当性向30%以上を目安に業績に応じた配当を行うことを基
本方針としており、今後商品市況が下落した時の減配リスクには注意が必要です。

実際2021年3月期はコロナショックによる業績低迷で40円の減配を実施しています。

7位 小野建(6.20%)

小野建は前回に続いてのランクインで以前より株価は上がっていますが11月発表の第2四半期
決算で10円の増配を発表した為、配当利回りは6%を超えています。

引き続き商品市況の恩恵を受けている状況ですが、今までも業績、配当は安定しており、今回
の増配でも配当性向は30%前半と余裕がある為、評価は〇にしています。

6位 ユニオンホールディングス(6.22%)

ユニオンホールディングスは無線機器やコードレス電話が主力で米国、豪州ほか海外事業の
比率が高めです。

10月に配当を期初予想より110円増額し210円にした事で配当利回りが上昇しています。

しかし、増額した配当で昨年と同額であり、それでも今期の配当性向は100%を超えています。

また、業績、配当の増減幅も大きく中長期投資の銘柄としてはNGにしています。

5位 西松建設(6.27%)

西松建設は準大手ゼネコンでダムやトンネルなど、土木に実績があります。

国内土木事業や建築が順調に推移しているとの事で業績は安定しています。

また配当については2021年度から2023年度までの3ヵ年については連結配当性向を継続的
に70%以上にする方針です。

業績は安定していますが今期の配当は昨年の2倍以上の水準です。

2024年度以降の配当方針も気になるところですので、もう少し様子を見たいかなというところです。

4位 乾汽船(7.53%)、3位日本郵船(10.31%)、2位商船三井(11.89%)

商船株は前回より1銘柄増えて3銘柄がランクインしています。

商船株各社は先日発表された第2四半期決算でも下記のように更なる増配を発表した事に
加え、株価が9月末頃より大きく下落した為、配当利回りは上昇しています。

株価下落の要因は9月中間配当の権利が落ちた事に加え運賃動向を示す代表的指標のバル
チック海運指数が下落した事が要因かと思います。

商船3社の増配額

  • 乾汽船 132円→157円
  • 日本郵船 700→800円
  • 商船三井 550円→800円

第2四半期決算好調の要因は、引き続きコンテナ船の旺盛な貨物需要と運賃上昇による大幅な
増益に加え、ドライバルク船全般の好市況、自動車船の輸送台数回復に伴う損益改善等が貢献
としています。

ドライバルク船とは鉄鉱石、石炭、穀物等の様々な資源を、梱包せずに大量にそのまま輸送
する「ばら積み船」の事です。

コロナからの経済回復需要にコンテナや人員の供給が追い付いていない状況が続いているようですが、業績、配当の振れ幅が大きく今後の見通しも不透明な部分が大きい為、中長期の高配
当株銘柄としてはNGにしています。

1位 明和産業(14.22%)

第1位は前回と変わらず明和産業です。明和産業は10月に発表した第2四半期決算で更に3円
増配した事に加え、9月の権利確定以降大きく株価を下げた事もあり配当利回りは断トツの
14%超えです。

明和産業の増配は2022年に予定されている東証再編に絡み、プライム市場への選択方針決定を
踏まえたものです。

現状流通株式時価総額についてプライム市場への基準を満たしていない為、流通株式時価総額
の向上に向けた施策を進めいていくとの事です。

つまり増配により株価を上げ時価総額を上げたい意向ですので、増配も一時的な可能性が高く
中長期投資銘柄としてはNGになります。

2021年11月12日時点東証一部配当利回り上位10銘柄

順位銘柄コード株価予想配当配当利回り評価備考
1明和産業810383011814.22×急激な増配が一時的な可能性が高くNG
2商船三井9104673080011.89×業績・配当の増減が大きすぎ
3日本郵船9101776080010.31×業績・配当の増減が大きすぎ
4乾汽船930820861577.53×業績・配当の増減が大きすぎ
5西松建設182035252216.272024年度以降の配当方針に不安有り
6ユニオンホールディングス681533752106.22×配当性向100%超
7小野建741416451026.20商品市況の恩恵だが、業績、配当は安定
8日鉄物産981048553006.18商品市況下落時に減配リスク有り
9フィデアホールディングス87131216756.17地銀の将来性に不安有り
10コナカ7494328206.10×業績不振

それでは今回ご紹介した10銘柄を表にまとめています。

増配や株価下落により10位の銘柄でも配当利回りは6%を超えています。

今回おすすめ評価にした銘柄は小野建のみになっています。

小野建は前回に引き続きのおすすめ評価です。

業績好調の要因は商品市況上昇によるものですが、同様の理由でランクインしている日鉄物産
と比較すると今期の増配幅も小さくおすすめにしています。

また、急激な増配や配当性向が100%超えている銘柄は高配当銘柄として基本的にNGです
が、今回△評価にしている西松建設とフィデアホールディングスについては今後の動向を
見守りながら改めて検証したいとも思っています。

まとめ

配当利回りの高さだけでは購入をおすすめ出来ない銘柄が多いですが、コロナからの業績回復
や株主還元姿勢の高まりで優良な高配当株銘柄が増えている事も事実だと思います。

しかし高配当株投資家にとって1番怖い事は減配ですので、業績回復や株主還元姿勢の高まり
が一時的なものにならないか見極めながら引き続き銘柄検証を行っていきたいと考えています。

また、東証一部上位10銘柄の投資判断はYouTubeで動画版も投稿していますので
あわせてご覧下さい。

【2021年11月】東証一部配当利回り上位10銘柄の投資判断

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube版)

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