5大総合商社の2022年3月期第2四半期決算を検証

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銘柄検証

今回は好決算が続出した5大総合商社の決算内容を検証し5大総合商社の今後を比較検討
していきます。

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5大総合商社の現状(2022年3月期第1四半期決算迄)

まずは5大総合商社の現状についてですが、もともと商社は原油や鉄鉱石等の資源原料を取り扱う事が多く、近年は資源価格の下落により業績も芳しくない状態が続いていました。

また、2021年3月期の決算では多くの企業がコロナの影響を受け大幅な減益となり、資源部門から非資源部門への構造改革は各社共通の課題になっています。

業績推移(2022年3月期第1四半期迄)

こちらに5大総合商社の2022年3月期第1四半期迄の決算をまとめています。

銘柄名伊藤忠三菱商事三井物産住友商事丸紅
2018年3月期40035601418430852112
2019年3月期50055907414232052308
2020年3月期5013535339151713-1974
2021年3月期401417253354-15302253
2022年3月期(会社予想)55003800640029002300
※最終利益(億円)

今期の業績は各社ともコロナからの復活を目指すものになっています。

また、資源価格上昇もあり第1四半期決算で早くも三井物産は最終利益を1800億円、住友商事は600億円上方修正しています。

配当推移(2022年3月期第1四半期決算迄)

続いて2022年3月期第1四半期決算迄の配当推移をまとめています。

銘柄名伊藤忠三菱商事三井物産住友商事丸紅
2015年4670645026
2016年5050645021
2017年5580555023
2018年70110706231
2019年83125807534
2020年85132808035
2021年88134857033
2022年(会社予想)94134907034

総合商社の魅力の1つは株主還元姿勢の強さです。

各社とも配当は増配傾向で特にコロナで業績を大きく落とした2021年に増配を行っている企業もあります。

5大総合商社の2022年3月期第2四半期決算内容

それではここからは5大総合商社が先日発表した決算を個別に検証していきます。

伊藤忠商事㈱

  • 最終利益を2000億円増の7500億円へ上方修正
  • 配当は期初予測より16円増額し前期比22円増配の年間配当110円
  • 業績好調の要因は資源(金属)、非資源(情報、金融やファミリーマート)ともに好調な為

また伊藤忠商事は「Brand-new Deal2023 新配当方針」を発表

期間中は累進配当を継続するとしており、2022年度120円/株、2023年度130円/株を下限配当とする事を発表。

三菱商事㈱

  • 最終利益を3600億円増の7400億円へ上方修正
  • 配当は8円増の年間配当142円へ増配
  • 業績好調の要因はコロナの影響を強く受けた昨年同期から幅広い分野で業績が回復した事に加え資源価格も上昇した結果
  • 修正後見通しには下振れリスクを織り込み済み

三井物産㈱

  • 最終利益を800億円増の7200億円へ上方修正
  • 期末配当を5円増配(50円)し、年間配当は95円へ増配
  • 業績好調の要因は、グローバルな需要回復を受け、化学品、鉄鋼商品、食料品のトレーディングが継続して堅調
  • 下半期も業績好調を見込むが、半導体調達難や世界経済の回復進捗には注視が必要

住友商事㈱

  • 最終利益を900億円増の3800億円へ上方修正
  • 配当は20円増の年間配当90円へ増配
  • 業績好調の要因は資源価格、鋼材価格の上昇が大きな要因
  • 配当については70円以上を維持した上で、連結配当性向30%程度を目安にする

丸紅㈱

  • 最終利益を1200億円増の3500億円へ上方修正
  • 配当は17円増の年間配当51円へ増配
  • 業績好調の要因は資源部門(金属)、非資源部門(食料、アグリ事業)ともに大幅伸長の為

2022年3月期第2四半期決算後データ比較

ここからは2022年3月期第2四半期決算発表後の各社データを比較検証していきます。

通期業績推移

銘柄名伊藤忠三菱商事三井物産住友商事丸紅
2018年3月期40035601418430852112
2019年3月期50055907414232052308
2020年3月期5013535339151713-1974
2021年3月期401417253354-15302253
2022年3月期(会社予想)75007400720038003500
※最終利益(億円)

上期業績推移

銘柄名伊藤忠三菱商事三井物産住友商事丸紅
2019年第2四半期28912424234215241117
2020年第2四半期25258671100-6021016
2021年第2四半期50063605404624102058
2019年通期進捗率(%)57.645.359.888.9
2020年通期進捗率(%)62.950.332.845.1
2021年通期進捗率(%)66.748.756.263.458.8
※最終利益(億円)

まず業績ですが今回の決算では各社とも上方修正を発表しており力強い内容となっています。

主な要因はコロナからの需要回復と資源価格上昇です。

この傾向が今後も続くかは不透明ですが、各社とも中間決算時点で進捗率は50%前後から50%を大きく超えている銘柄もあり、今後の状況次第では更なる上方修正も期待出来るかもしれません。

配当推移

銘柄名伊藤忠三菱商事三井物産住友商事丸紅
2015年4670645026
2016年5050645021
2017年5580555023
2018年70110706231
2019年83125807534
2020年85132808035
2021年88134857033
2022年(会社予想)110142959051

今回の決算では5社とも増配を発表しています。

特に伊藤忠は2023年度までの下限配当を公表しており、今後の業績への自信がうかがえます。

株価等データ

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
伊藤忠800132666.51.291103.3721.78
三菱商事805835307.00.891424.0228.33
三井物産803125195.70.86953.7721.34
住友商事80531647.55.40.75905.4629.60
丸紅80021018.55.10.95515.0125.31
※2021年11月5日時点

今回の増配で各社の配当利回りも大きく上昇していますので、各社の株価や配当利回りを表にまとめています。

1番利回りの低い伊藤忠でも配当利回りは3%前半、住友商事や丸紅は5%を超えています。

また、増配しても各社の配当性向は30%以下と低めですので、今後の増配にも期待が持てる数値です。

まとめ

今回は5大総合商社の2022年3月期第2四半期決算についてまとめました。

どの銘柄も非常に好調な決算で先行きにも楽しみな部分が大きいです。

しかし、今回の上方修正の大きな要因は資源価格の上昇です。

資源価格も当然上がり続ける訳ではないですし、反動で下がる場面もあるかと思います。
実際、原油価格はまだ高値圏で推移していますが、鉄鉱石価格は下落が続いています。

当然各社ともその辺りの状況は想定しているかとは思いますし、引き続き非資源部門への構造改革も進んでいくものと思われますが、今回の決算でまだまだ資源価格が業績に与える部分が大きい事も再認識出来ました。

従って引き続き総合商社については、今後の資源価格や構造改革の動向を注視しながら、株価が安くなる場面があれば購入していきたいと考えています。

5大総合商社の決算検証はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

好決算や増配が続出した5大総合商社の2022年3月期第2Q決算内容を検証

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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