【購入チャンス!?】株価暴落のなか、超絶好決算を発表した高配当株

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銘柄検証

最近の株式市場は日銀が今後の利上げについて強気の見通しを示唆した事やアメリカの利下げが見えてきた事などを要因に円高が進んだ事で大きく下落する動きとなっており、特に昨日は過去最大の下げ幅を記録するほどの暴落となりました。

そんななか、先週からは3月期銘柄の第1四半期決算や12月期銘柄の第2四半期決算を中心に決算発表も本格化しています。もちろん、これだけ株価が下落している相場状況ですと、多少決算が良くても関係なく売られてしまいますが、長期的な視点で見た場合はお得な買い場になる可能性も十分あります。

という事で今回は、先週から昨日までに発表された決算の中から、保有銘柄を中心に暴落とは関係なく、好決算を発表した銘柄を検証していきます。

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7月31日(水)

まずは、日銀が追加利上げを決定した事で日経平均が乱高下を繰り返す動きとなった7月31日から、武田薬品工業とリコーリース、イエローハット、伊藤忠エネクスの4銘柄を見ていきます。

【4502】武田薬品

最初の銘柄は武田薬品工業で、最近の業績は減益傾向が続いているなか、今期も6割近い減益予想で発表しています。大幅減益見込みの要因は、VYVANSEを含む独占販売期間満了によるマイナス影響としており、また今期の前提為替は150円/米ドルとしていましたので、今回の決算で通期見通しの修正はないかと思いますが、順調なスタートを切れているのか注目でした。

直近決算

武田薬品工業は7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は952億円と前年同期比59億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比増益の要因について、後発品によるVYVANSEの減少が想定より緩やかだった事に加え、成長製品や新製品の伸びが独占販売期間満了によるマイナス影響を上回ったためとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、通期見通しを大幅減益予測にしているなかではありますが、第1四半期決算で通期予測を大きく上回る最終利益は衝撃的でした。ただ、その様な状況にも関わらず通期見通しの上方修正が無かった点については、後発品によるVYVANSEの減少が今後数四半期で加速すると想定している事や研究開発費が下期に集中する事などを理由に挙げています。また、最近の円高で為替も前提としている水準を下回っていますので、手放しに喜べる状況では無さそうです。

【8566】リコーリース

2番目の銘柄はリコーリースです。リコーリースの業績はここ数年順調に増益が続いていましたが、前期は保有する有価証券のうち、時価が著しく下落したものについて、減損処理による評価損約50億円を計上した事で大きく減益となりました。

しかし、本業は順調に推移しており、今期は前期の反動も期待できる事から大幅増益見込みにしていましたので、期待が持てる第1四半期決算でした。

直近決算

リコーリースは7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は35億円と前年同期比26億円の増益になっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比増益の要因は、インベストメント事業及びサービス事業が伸⻑した事に加え、前期に計上した特別損失の反動としています。

直近決算の感想

決算の感想について、前期に計上した投資有価証券評価損の反動もあり、前期比大幅増益のスタートとなっていますが、引き続き本業も順調に推移しています。また、先日の追加利上げを受けて今後の調達コスト増も懸念されますが、⾦利変動リスクや流動性リスクを考慮し資⾦調達を実施ともしています。

以上の点を踏まえると、通期進捗率も24%付近で推移していますので、順調なスタートと言えるかと思います。

【9882】イエローハット

3番目の銘柄はイエローハットでカー用品を専門に取り扱う量販店です。前期業績は減益となりましたが、ここ数年は過去最高益を記録する事も多く、今期は再び増益見込みとしていましたので、再び過去最高益を目指せるほど順調なスタートが切れているのか注目でした。

直近決算

イエローハットは7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は22億円と前年同期比2億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比減益の要因は、3月が寒冷だった事でスタッドレスタイヤから夏用タイヤへの履き替えが4月へ移行した事や5月の大型連休のドライブ需要などによりタイヤ・オイル・バッテリーなど消耗品の店頭販売が順調に推移し、売上は過去最高を記録しましたが、人件費をはじめとする店舗運営コスト上昇などの影響としています。

直近決算の感想

決算の感想について、売上は順調に推移していますが販管費の上昇により前期比6%程度の減益になっています。ただ、本業は順調に推移しており、通期進捗率も21%付近とまずまずのスタートです。

そんななか、最近の株価は決算前に投資ファンドが大量購入している事が報告され、思惑から上昇していましたので、直近はさすがに売られていますが、他の銘柄と比較すると底堅い動きになっています。

【8133】伊藤忠エネクス

7月31日決算発表最後の銘柄は伊藤忠エネクスです。伊藤忠エネクスは伊藤忠グループ中核のエネルギー商社で、最近では親会社伊藤忠と一緒にビックモーターの再建を手掛けると発表した事で話題になりました。

そんななか、最近の業績は過去最高益が続いていますが、今期は3%程度の減益見込みで発表していましたので、どの様なスタートになるのか注目でした。

直近決算

伊藤忠エネクスは7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は36億円と15億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比減益の要因は、ホームライフ事業や電力・ユーティリティ事業の採算改善があった一方で前年同期のメガソーラー売却反動のためとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、前年同期で比較すると大幅減益になっていますが、前期はメガソーラー売却による特殊要因により大きく伸びていましたので想定内の結果だと思います。そんななか、株価は決算発表前にTOBへの期待から1900円付近まで上昇しており、直近は全体の下落と連動して1500円付近まで下落するなど乱高下しています。

ただ、通期進捗率は27%付近と順調なスタートですので、個人的には安心して保有を続けます。

8月1日(木)

続いては、株式市場に不穏な空気が流れ始めた8月1日から、総合商社の三井物産とメガバンク三菱UFJFGの決算を見ていきます。

【8031】三井物産

最初の銘柄は総合商社の三井物産です。最近の業績は商品市況上昇の影響で大きく伸びていますが、前期の最終着地は商品市況の反落もあって減益となっており、今期も15%程度の減益見込みで発表しています。

それでも数年前と比較して業績は大きく伸びている状況ですので、今期も順調なスタートが切れているのか注目でした。

直近決算

三井物産は8月1日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は2761億円と前年同期比233億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比増益の要因は、インドネシアの石炭火力発電事業の売却益などで機械・インフラのセグメント利益が大きく伸びた事や円安の追い風があったためとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、資産売却による特殊要因はありましたが、通期進捗率は31%付近と好調なスタートを切っています。今後の市場環境については利上げと円高が懸念されていますが、利上げについては実質金利はまだ低く、経済や企業活動全体に及ぼす影響はそれほど大きくないとしており、為替についても緩やかに円高が進んでいく事がベストシナリオとしていますので、今後の為替推移は少し気になるところです。

【8316】三菱UFJFG

2番目の銘柄は三菱UFJFGで、メガバンクの三菱UFJ銀行を中核に持つ国内最大手の金融グループです。最近の業績は金利上昇や円安などを要因に貸金収益や海外の融資関連などの各種手数料収入が増加した事で好調に推移しており、前期の最終利益も過去最高益を大きく上回る水準へ増益となっています。

そして、今期も更に増益の見込みにしていますので、好調な状況が続いているのか注目でした。

直近決算

三菱UFJFGは8月1日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は5558億円と前年同期比25億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比減益の要因は、顧客ビジネスが国内外で好調を維持した事や保有株式の売却益増加に加え、子会社であるタイの大手銀行KS(クルンシィ)の決算期変更影響がポジティブ要因となりましたが、前期にあったMS決算期変更影響の反動としています。

直近決算の感想

決算の感想について、前期のMorgan Stanleyに続き、今期も子会社であるタイの大手銀行KS(クルンシィ)の決算期変更が一時的要因として業績に影響を与えていますが、これらの決算期変更控除後でも第1四半期は551億円の増益になっているとの事です。

また、日銀の追加利上げにより更なる収益増も期待できるなか、通期進捗率は37%付近と好調な水準ですので、今後も期待できそうです。

8月2日(金)

続いては、日経平均がブラックマンデー以来の下げ幅を記録した8月2日から、12月決算のJTとメガバンクの三井住友FG、そして通信会社のKDDI決算を見ていきます。

【2914】JT

最初の銘柄はJTで、メインのたばこ事業のほか医薬品や加工食品なども製造しています。最近の業績は海外たばこ事業の好調や価格改定により好調を維持していますが、今期は5%程度の減益見込みにしています。

ただ、第1四半期時点の通期進捗率は34%付近と順調なスタートを切っていましたので、今回の決算での上方修正が期待できる状況でした。

直近決算

JTは8月2日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は3051億円と前年同期比181億円の増益となっているなか、通期最終利益を200億円上方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。

業績上方修正の要因は、たばこ事業における価格改定効果や円安によるポジティブ影響が当初見込比で拡大する見込みのためとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、引き続き海外を中心にたばこ事業が好調を維持しており、業績の上方修正も発表されました。配当については据え置きで変わりありませんでしたが、今回の上方修正後でも通期進捗率は64%付近で推移しており、現状の配当性向も約72.5%と目安の75%を下回っています。

以上の点を踏まえると、今後の為替推移が不安材料ではありますが、更なる業績の上方修正や増配も期待したくなります。

【8316】三井住友FG

2銘柄目はメガバンクの三井住友銀行やSMBC日興証券などを傘下に持つ三井住友FGです。最近の業績は三菱UFJ同様順調に推移しており、前期は過去最高益を記録しているなか、今期は初めて1兆円を超える見込みで発表していましたので、順調なスタートが切れているのか注目でした。

直近決算

三井住友FGは8月2日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は3713億円と前年同期比1233億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比増益の要因は、良好な業務環境の中でも特に国内のホールセール・リテールが増益を牽引しているとの事です。

直近決算の感想

決算の感想ですが、前期までの好調な流れを引き継ぎ順調なスタートになっており、通期進捗率も35%付近まで持ってきています。そんななか、3月のマイナス金利解除や今回の利上げにより年間1000億円の利益上積みが期待できるとしており、さらなる金利上昇時のアップサイド追求のための取組も継続するとしています。

以上の点を踏まえると、直近の株価は急落していますが、第2四半期以降の上方修正も十分期待できそうな印象です。

【9433】KDDI

3銘柄目は通信会社のKDDIです。KDDIの業績も最近は増益が続いていましたが、前期は第4四半期にミャンマー事業に絡む特別損失を計上した事で久しぶりに減益となっています。

しかし、通信部門以外の成長領域が順調に伸びているなか、通信料収入の落ち込みにも反転の兆しが見えて来ていましたので、実際にどうなっているのか注目でした。

直近決算

KDDIは8月2日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は1769億円とほぼ前年同期並みの数字となっているなか、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

業績が前年並みだった要因は、通信料収入の反転やDXをはじめとした注力領域は引き続き順調に推移していますが、楽天ローミング収入減少のためとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、前期はまさかの減益着地となりましたが、今期はほぼ前年同期並みとまずまずのスタートになっています。また、2月にTOBが発表されたローソンについても今後本格的な協業が始まる状況です。

以上の点に加え、通期進捗率は25%付近で推移しているなか、前期の第4四半期はミャンマー事業の影響で大きく減益となっていますので、今後が楽しみになります。

8月5日(月)

最後は日経平均が過去最大の下げ幅を記録した8月5日から伊藤忠とオリックスの2銘柄を見ていきます。

【8001】伊藤忠

最初の銘柄は総合商社の伊藤忠で前期業績は商品市況反落の影響で減益に陥る総合商社が多いなか、ファミリマートや食料関連取引などの非資源部門でカバーし、ぎりぎりで増益を維持しました。

そして、今期も減益見込みの商社が多いなか、大部分を非資源部門で稼ぐ予定として1割程度の増益見込みにしていますので、順調なスタートが切れているのか注目でした。

直近決算

伊藤忠は8月5日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は2066億円と66億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比減益の要因は、前年にリチウムイオン電池事業の再評価益を計上した反動としていますが、一過性を除く基礎収益は拡大しているとの事です。

直近決算の感想

決算の感想について、前期比3%程度の減益スタートとなりましたが、要因は一時的収益の反動ですので、そこまで心配する必要はないかと思います。実際、通期進捗率も23%付近と許容範囲に収まっています。

以上の点を踏まえると、急速な円高が今後の懸念事項ではありますが、第2四半期以降にも期待したい銘柄です。

【8591】オリックス

最後の銘柄はオリックスです。オリックスのここ数年の最終利益は3000億円付近で停滞が続いていましたが、前期は3400億円台に乗せ、今期は3900億円の大幅増益見込みになっています。

また、今期から株主優待が廃止となり、今後は配当などに利益還元を集約するとの事でしたが、今期は現状据え置きの見込みにしています。

ただ、今期の配当方針は配当性向39%、もしくは前年度配当金(98.6円)のいずれか高い方としており、現状は下限の予測ですので今後の増配が期待できる状況でした。

直近決算

オリックスは8月5日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は867億円と238億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比増益の要因は、金融事業が引き続き安定収益をあげているなか、インバウンド需要増加により、航空機リースや運営する空港、旅館・ホテル事業が収益を伸ばした為としています。 

直近決算の感想

決算の感想について、今期大幅増益見込みにしているオリックスですが、第1四半期から前期比37%の増益、通期進捗率も22%付近と順調なスタートを切っています。そんななか、業績好調の大きな要因となったのは一時的要因では無く、インバウンド需要ですので、今後も期待できそうです。

以上の点を踏まえると、第2四半期決算では増配を発表してくれそうな気がします。

まとめ

今回は日経平均の暴落が続くなか、先月7月31日(水)から昨日8月5日(月)までに決算を発表した銘柄を検証しました。これだけ下落が続く相場状況ですと、決算なんかどうでもよくなる投資家がいるかもしれませんが、冒頭でお伝えした様に現在の相場は好決算でも関係なく売られている銘柄が多いですので、バーゲンセール状態でもあります。

そんななか、3月期銘柄は第1四半期決算という事で上方修正を発表した銘柄はありませんでしたが、好調な決算を発表した銘柄が多く、もちろん、急速に進んでいる円高や今後の景気後退は懸念事項ではありますが、引き続き期待できそうな銘柄も多く感じました。

株価暴落のなか、好決算を発表した銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。

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