最近の株式市場は値動きが激しくなっており、春以降はAI・半導体株が急騰した事で日経平均も7万円を超えましたが、7月はAI・半導体株が急落して、これまで低迷していたバリュー株が上昇に転じるなど、落ち着きがありません。ただ、この辺りの動きには相場が本当に強い時に訪れる循環物色の流れを感じますので、本音を言えば、もう少し落ち着いた動きを希望していますが、いずれにしても最近の相場が強い事は間違い無いかと思います。
実際、ここ数年単位で振り返った時に株価が大きく上昇している銘柄は多く、東証が投資単位の目安としている50万円を大きく上回っている企業も増えています。従って、株価が5000円を超えている銘柄には株式分割への期待も高まっており、もちろん株式分割には、株数が増える事による売り圧力やコスト増加などのデメリットもありますが、やはり自然と保有株数が増える事は嬉しいですし、投資単位が下がる事で新たな買い需要も増えるなど、好材料と捉える事ができます。実際、株式分割を発表した銘柄の株価は上昇するケースも多いですので、今回は現在の株価が5000円を超えており、次の決算にも株式分割を発表しそうな6つの銘柄を検証していきます。
【2914】JT
最初の銘柄はJTで売上の約95%を占めるたばこ事業を中心に加工食品なども製造していますが、最近は喫煙者人口、紙たばこ需要の減少を受け、加熱式たばこ「プルームシリーズ」の拡販やM&Aを絡めて海外シェアの拡大も推進しているところです。
実際、2024年にはアメリカ第4位のたばこ会社Vector Groupを買収しており、直近の海外売上比率も8割を超える水準まで増加しています。
直近決算
JTは12月決算ですので、7月30日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は4318億円と前年同期比1119億円の増益になっているなか、通期最終利益の見込みを6440億円へ740億円上方修正し、配当も30円増額の年間272円予測に修正しています。
業績上方修正の要因は、たばこ事業のプライシング効果及び底堅い販売数量に支えられている事やロシアルーブル等の主要通貨高によって、為替影響もポジティブに発現したためとの事です。
通期最終利益(億円)
| 銘柄名 | JT |
| 2019年12月期 | 3481 |
| 2020年12月期 | 3102 |
| 2021年12月期 | 3384 |
| 2022年12月期 | 4427 |
| 2023年12月期 | 4822 |
| 2024年12月期 | 1792 |
| 2025年12月期 | 5101 |
| 2026年12月期(会社予想) | 6440 |
2019年からの通期最終利益について、2020年を底にたばこ事業における値上げ効果や為替も円安に振れた事で海外市場を中心に増益が続きましたが、2024年はネガティブな為替影響が発現した事やカナダでの訴訟に絡む特別損失を計上した事で大きく減益となっています。
しかし、前期は海外市場を中心に堅調な販売が続いた事やVector社買収の効果に加え、2024年特損の反動もあった事で過去最高益の水準へ大きく増益となっており、今期も好調な流れは継続見込みとして、期初から更に1割以上の増益予測にしていたなか、たばこ事業の好調を主因に第2四半期決算で上方修正を発表し、現状は26%程度の増益予測になっています。
配当推移
| 銘柄名 | JT |
| 2016年 | 130 |
| 2017年 | 140 |
| 2018年 | 150 |
| 2019年 | 154 |
| 2020年 | 154 |
| 2021年 | 140 |
| 2022年 | 188 |
| 2023年 | 194 |
| 2024年 | 194 |
| 2025年 | 234 |
| 2026年(会社予想) | 272 |
2016年からの配当推移について、業績が低迷していた2021年は唯一の減配となっていますが、2022年以降は業績が好調に推移した事で概ね増配が続いています。実際、2022年は一気に48円の増配で、2023年は6円の増配だったなか、前期も業績が過去最高だった事で40円の大幅増配となっており、今期も期初時点では8円の増配予測でしたが、第2四半期決算の増額で現状は38円の大幅増配予測になっています。
JTの配当方針は強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指すとし、具体的な数値としては配当性向75%±5%程度を目安にしています。
株価推移

株価は2024年6月には4622円まで上昇しましたが、その後は全体の暴落もあって3453円まで下落しました。
しかし、そこからは急速に4400円付近まで反発し、去年4月の暴落では再度3761円まで売られましたが、直近は今回の決算を受けて7000円前後まで上昇しています。
株価指標(2026年8月6日時点)
| 銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
| JT | 2914 | 7030 | 19.4 | 2.84 | 272 | 3.87 | 74.9 |
最近の株価は上場来の高値付近で推移していますが、今期も大幅増配の見込みになりましたので配当利回りは3%後半となっています。
今期も過去最高益の見込みですがPER、PBRは市場平均より割高で、配当性向は75%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からJTの投資判断ですが、前期業績は海外市場の好調や値上げ効果に加え、Vector社買収の効果で過去最高益を更新しており、今期も更に増益の予測で発表していたなか、第2四半期決算では上方修正が発表され、配当も大きく増額されました。業績好調の主因は、たばこ事業の好調ですので、国内の紙たばこ需要は減少傾向ですが、海外市場やPloomシリーズには、まだまだ期待できそうな雰囲気です。
その辺りの状況もあってか、直近の株価も株式分割の目安となる5000円を大きく超えていますので、秋に発表される第3四半期決算では株式分割があっても不思議では無いです。
【4502】武田薬品工業
2番目の銘柄は武田薬品工業で、売上は国内医薬品企業の中でトップとなっているなか、M&Aを絡め企業規模の拡大を図っている事もあり、現在約80の国と地域で医薬品を販売しています。実際、直近の海外売上比率は5割を超えているアメリカを中心にヨーロッパやカナダなど9割近くを占めている状況です。
直近決算
武田薬品工業は7月30日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は1131億円と前年同期比111億円の減益になっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比減益の要因は、VYVANSEの無形資産償却期間満了による増益影響を、事業構造再編費用の増加が相殺した事や繰り延べ税金資産の回収可能性見直しに伴う税金費用の増加があったためとの事です。
通期最終利益(億円)
| 銘柄名 | 武田薬品 |
| 2020年3月期 | 442 |
| 2021年3月期 | 3760 |
| 2022年3月期 | 2300 |
| 2023年3月期 | 3170 |
| 2024年3月期 | 1440 |
| 2025年3月期 | 1079 |
| 2026年3月期 | -1523 |
| 2027年3月期(会社予想) | 1660 |
2020年からの通期最終利益について、増減の激しい展開が続いていますが、2024年以降はVYVANSEなどの独占販売期間満了による大幅なマイナス影響やコロナワクチンの減収に加え、2025年は事業構造再編費用の計上もあって減益が続きました。そんななか、前期も潰瘍性大腸炎治療薬ENTYVIOなどの主力製品や新製品の売上が堅調に推移した事に加え、調達コスト削減などの効果もあった事で本決算発表時は増益でしたが、その後6月に訴訟引当金などを追加計上した事で赤字転落しており、今期は新製品への転換期となる年として増益予測にしているなか、第1四半期は前期比減益でしたが、通期計画の達成に向けて、想定通りに進捗しているとの事です。
配当推移
| 年 | 武田薬品 |
| 2017年 | 180 |
| 2018年 | 180 |
| 2019年 | 180 |
| 2020年 | 180 |
| 2021年 | 180 |
| 2022年 | 180 |
| 2023年 | 180 |
| 2024年 | 188 |
| 2025年 | 196 |
| 2026年 | 200 |
| 2027年(会社予想) | 204 |
2017年からの配当推移について、2023年までは180円で据え置きが続いていましたが、2024年は配当方針を変更した事で、久しぶりに8円の増配となりました。その後、2025年も更に8円の増配となりましたが、前期は赤字転落のなか4円の増配で今期も現状4円の増配予測で発表しています。
武田薬品工業の配当方針は、毎年の年間配当金を増額または維持するとしており、2024年より累進配当を導入しています。
株価推移

株価は2023年頃から上昇傾向で、その年の9月には4873円まで上昇しましたが、その後は4000円付近で停滞が続きました。
しかし、今年4月には6033円まで値を上げ、6月には4710円まで売られましたが、先月末には再度5903円まで上昇し、直近は5400円前後で推移しています。
株価指標(2026年8月6日時点)
| 銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
| 武田薬品 | 4502 | 5425 | 52.2 | 1.15 | 204 | 3.76 | 196.3 |
最近の株価は乱高下しているなか、増配も続いていますので配当利回りは3%後半となっています。
今期は増益見込みですがPERは市場平均よりもかなり割高で、配当性向も200%に迫る水準です。
投資判断
今までの内容から武田薬品工業の投資判断について、従来から業績は後発品や研究開発費増加の影響で増減が激しく、前期も赤字に転落するなか今期は現状増益予測ですが、第1四半期は前期比減益と波に乗れない状況です。ただ、配当は2024年に累進配当を導入してからは増配が続いており、直近の増配幅は4円刻みと少し物足りない水準ですが、40年以上減配が無い配当推移には安心感があります。
そんななか、今年春以降の株価はバリュー株低迷の流れや訴訟への懸念もあってか急落していましたが、直近は再度5000円を超えてきていますので、株式分割への期待も高まります。
【8411】みずほFG
3番目の銘柄はみずほFGでメガバンクのみずほ銀行を中核に持つ金融持株会社です。国内では三菱UFJFG、三井住友FGに次ぐ、3番目の存在となっており、みずほ銀行のほか、みずほ証券やみずほ信託銀行などを傘下にしています。
また、直近の海外売上比率もアジアや北米を中心に6割に迫る水準となっています。
直近決算
みずほFGは7月30日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は4229億円と前年同期比1324億円の増益になっているなか、通期最終利益の見込みを1兆4000億円へ1000億円上方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。
前期比増益の要因は、国内の法人向けを中心とした手数料収益の増加や株式を中心に国内外の市場部門が好調だった事に加え、日銀の利上げによる円金利上昇の恩恵もあったためとの事です。
通期最終利益(億円)
| 銘柄名 | みずほFG |
| 2019年3月期 | 965 |
| 2020年3月期 | 4,485 |
| 2021年3月期 | 4,710 |
| 2022年3月期 | 5,304 |
| 2023年3月期 | 5,400 |
| 2024年3月期 | 6,789 |
| 2025年3月期 | 8,854 |
| 2026年3月期 | 12,486 |
| 2027年3月期(会社予想) | 14,000 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、構造改革への取り組みにより多額の特別損失を計上した2019年以降は5000億円前後で安定しながらも増益が続いていたなか、2024年以降は非⾦利収⽀の着実な増加やバンキング収益の拡⼤に加え、日銀による政策⾦利の引き上げ効果もあった事で過去最高益が続いています。そして、前期も国内外の非金利ビジネスが好調に推移した事に加え、円安効果や円金利上昇影響の取り込みなどの市場要因も相まった事で大幅増益となっており、今期も好調な流れは続くとして期初から4%程度の増益予測にしていたなか、第1四半期決算から上方修正を発表するほど好調にスタートしています。
配当推移
| 銘柄名 | みずほFG |
| 2017年 | 75 |
| 2018年 | 75 |
| 2019年 | 75 |
| 2020年 | 75 |
| 2021年 | 75 |
| 2022年 | 80 |
| 2023年 | 85 |
| 2024年 | 105 |
| 2025年 | 140 |
| 2026年 | 145 |
| 2027年(会社予想) | 150 |
2017年からの配当推移について、2021年までは75円で据え置きの期間が続いていましたが、2022年以降は増配傾向となっています。そんななか、特に最近は業績好調から増配幅も大きくなっており、2024年は20円、2025年も35円の大幅増配になりましたが、前期は5円の増配で今期も現状5円の増配予測と直近は勢いが衰えています。
みずほFGの配当方針は、累進的な⼀株当たりの増配に加え、安定的な収益基盤の着実な成⻑に基づき、毎期5円を目安に増配を実施するとしており、具体的な目安を総還元性向50%以上としています。
株価推移

2023年頃からの株価は右肩上がりの状況で、去年3月には4503円まで上昇しました。
しかし、その後の暴落で2688円まで売られ、そこからは急騰して今年2月には7960円まで上昇しましたが、3月には5834円まで売られ、直近は8500円前後まで上昇しています。
株価指標(2026年8月6日時点)
| 銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
| みずほFG | 8411 | 8499 | 14.8 | 1.79 | 150 | 1.76 | 26.0 |
最近の株価は上場来の高値を更新していますので、増配も続いていますが配当利回りは1%台まで低下しています。
今期も過去最高益の見込みですのでPERは市場平均より割安で、配当性向は26%付近と余裕を感じる水準です。
投資判断
今までの内容からみずほFGの投資判断について、他のメガバンク同様に最近の業績は過去最高益が続いており、株価も上場来の高値付近で推移しています。業績好調の要因は日銀による利上げ影響が大きく、今後の追加利上げも確実な状況ですので、今の好調な業績は暫く続きそうな印象です。
以上の点に加え、三井住友FGが今年9月に株式の2分割を行った後は、最低購入金額がメガバンクの中で断トツに高額となりますので、今後株式分割を行わない方が不思議です。
【8015】豊田通商
4番目の銘柄は豊田通商で、5大総合商社に双日を加えた7大総合商社の一角です。豊田通商はトヨタグループの総合商社で、トヨタやダイハツなどの車両や車両部品に加え、海外で生産された車両の輸出販売も手掛けています。
実際、130カ国以上のグローバルネットワークにより、自動車関連だけでなく化学品や合成樹脂、エネルギーや食料品なども取り扱っているなか、最近はアフリカ事業にも注力しています。
直近決算
豊田通商は7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は1352億円と前年同期比369億円の増益になっているなか、通期最終利益の見込みを4300億円へ300億円上方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。
前期比増益の要因は、円安進行の影響や資源及びメモリ関連の市況が上昇したためで、足元の事業環境や為替の前提を150円/ドルから155円/ドルに見直した事で通期業績の上方修正を行ったとの事です。
通期最終利益(億円)
| 銘柄名 | 豊田通商 |
| 2019年3月期 | 1326 |
| 2020年3月期 | 1355 |
| 2021年3月期 | 1346 |
| 2022年3月期 | 2222 |
| 2023年3月期 | 2841 |
| 2024年3月期 | 3314 |
| 2025年3月期 | 3625 |
| 2026年3月期 | 3705 |
| 2027年3月期(会社予想) | 4300 |
2019年からの通期最終利益について、数年前までは1300億円台で安定していましたが、2022年以降はコロナからの経済活動再開で海外の自動車販売数が増加した事や商品市況上昇により金属、化学品セグメントが大きく伸びた事に加え、円安の影響で大幅増益が続いています。
実際、前期もグローバルでの堅調な自動車生産や西アフリカを中心とした新興国での販売が増えた影響などで過去最高益を更新しており、今期も好調な流れは続く見込みとして、期初から4000億円台に乗せる予測で発表していたなか、第1四半期決算から早速、上方修正を発表するほど絶好調です。
配当推移
| 銘柄名 | 豊田通商 |
| 2017年 | 23.33 |
| 2018年 | 31.33 |
| 2019年 | 31.33 |
| 2020年 | 33.67 |
| 2021年 | 37.33 |
| 2022年 | 53.33 |
| 2023年 | 67.33 |
| 2024年 | 93.33 |
| 2025年 | 105 |
| 2026年 | 120 |
| 2027年(会社予想) | 125 |
2017年からの配当推移を見ていきますが、順調に増配が継続しており、増配は前期までで16年連続となっています。また、直近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっており、2025年は約12円、前期も15円の増配だったなか、今期も期初から5円の増配予測で発表しています。
豊田通商の配当方針は、2028年3月期までは累進配当を継続し、具体的な目安を自己株式取得を含む総還元性向40%以上としています。
株価推移

2023年以降の株価は急騰して、2024年3月には3544円まで上昇しました。
しかし、去年4月の暴落では2072円まで売られ、今年5月には7559円まで値を上げましたが、6月には5816円まで値を下げ、直近は再度7500円前後まで上昇しています。
株価指標(2026年8月6日時点)
| 銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
| 豊田通商 | 8015 | 7460 | 16.3 | 2.70 | 125 | 1.68 | 27.2 |
最近の株価は乱高下しているなか、増配も続いていますが配当利回りは1%台まで低下しています。
今期も過去最高益の見込みですのでPERは市場平均より割安で、配当性向は27%付近と余裕を感じる水準です。
投資判断
今までの内容から豊田通商の投資判断について、ここ数年の業績や配当は順調に推移しており、前期はトランプ関税の影響も懸念されましたが、価格転嫁が進んだ事や注力しているアフリカ事業の好調もあって、過去最高益が続いており、今期も好調なスタートを決めています。
その辺りの影響で、今年5月には株価も7000円台半ばまで値を上げており、直近はバリュー株低迷の流れもあってか、売られる場面もありましたが、現状は再度上昇に転じており、株式分割の目安である5000円も大きく超えていますので、2024年依頼の株式分割が次の決算で発表される可能性もありそうです。
【5713】住友金属鉱山
5番目の銘柄は住友金属鉱山で、金、銅、ニッケルなどの非鉄金属を手掛けており、鉱山の開発、運営を行う「資源事業」、採掘した鉱物資源から高品質な金属素材を生み出す「製錬事業」、その素材に時代が求める新たな価値を付加する「材料事業」の3つがメイン事業となっています。
そんななか、アメリカを中心に直近の海外売上比率も5割近くを占めるほど国際的な企業です。
直近決算
住友金属鉱山は5月11日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は1762億円と1598億円の増益になっているなか、配当は124円増配の年間228円としています。
今期予測は通期最終利益を1390億円と372億円の減益見込みにしているなか、配当も21円減配の年間207円予測で発表しています。
通期最終利益(億円)
| 銘柄名 | 住友金属鉱山 |
| 2020年3月期 | 606 |
| 2021年3月期 | 946 |
| 2022年3月期 | 2810 |
| 2023年3月期 | 1605 |
| 2024年3月期 | 586 |
| 2025年3月期 | 164 |
| 2026年3月期 | 1762 |
| 2027年3月期(会社予想) | 1390 |
2020年からの通期最終利益について、2022年にはコロナからの経済回復で金属価格が上昇した影響で過去最高益を記録していますが、その後は商品市況の反落やコスト上昇に加え、ニッケル製錬子会社における減損損失を計上した影響などで大幅減益が続きました。
そんななか、前期は既存の操業鉱山や新規鉱山の稼働により銅価格、金価格上昇の恩恵をより享受できた事や円安が進んだ事に加え、データセンター関連需要も材料事業の追い風になった事で久しぶりに増益となりましたが、今期は在庫評価影響の悪化やコスト上昇を見込み、期初時点では2割程度の減益予測で発表しています。
配当推移
| 銘柄名 | 住友金属鉱山 |
| 2017年 | 22 |
| 2018年 | 83 |
| 2019年 | 73 |
| 2020年 | 78 |
| 2021年 | 121 |
| 2022年 | 301 |
| 2023年 | 205 |
| 2024年 | 98 |
| 2025年 | 104 |
| 2026年 | 228 |
| 2027年(会社予想) | 207 |
2017年からの配当推移について、増減の激しい展開が続いているなか、コロナ前は100円以下の水準で上下していましたが、一気に業績が伸びた2021年以降は配当も大幅増配が続きました。そんななか、2023年、2024年は業績の低迷と連動して減配となりましたが、前期は業績の回復と共に124円の大幅増配となり、今期は現状21円の減配予測で発表しています。
住友金属鉱山の配当方針は具体的な目安を原則連結配当性向 35%以上とし、連結自己資本比率が当社の適正水準とする 55%を上回る間は、下限指標を DOE3.5%としています。
株価推移

株価は2023年以降停滞していましたが、去年4月の暴落では2374円まで売られました。
しかし、その後は急騰して今年3月には1万3300円まで上昇しましたが、先月には6578円まで急落し、直近は9000円前後まで反発しています。
株価指標(2026年8月6日時点)
| 銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
| 住友金属鉱山 | 5713 | 9088 | 17.6 | 1.18 | 207 | 2.28 | 39.9 |
最近の株価は直近安値からは反発しているなか、今期配当は減配予測ですので配当利回りは2%前半の水準です。
今期は減益見込みですがPERは市場平均並みで、配当性向は40%付近となっています。
投資判断
今までの内容から住友金属鉱山の投資判断について、業績は商品市況や為替の影響で増減が激しく、配当も増配と減配を繰り返しています。ただ、現在の配当方針では下限をDOE3.5%に設定しており、今期の配当予測も現状下限の数値ですので、以前と比較して減配リスクは低くなっています。
そんななか、直近の株価は金価格の下落を背景に今年3月の高値から急落しましたが、依然株価は5000円を大きく上回っていますので、週明けの第1四半期決算での株式分割発表も期待したくなります。
【8566】リコーリース
最後の銘柄はリコーリースでオフィス機器や医療機器、車両、産業工作機械など幅広い製品のリースを手掛けているリコー系のリース会社です。中小企業を中心に約40万社と取引し、ベンダーリースを通じて多様な業種の販売会社と連携しています。
また、今年12月に社名をリトレス株式会社に変更する事を発表しています。
直近決算
リコーリースは7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は33億円と前年同期比2億円の減益になっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比減益の要因について、各事業の差引利益が順調に増加し、売上総利益は第1四半期の過去最高益を更新しましたが、従業員・役員分配や貸倒費用等の販管費が増加したためとの事です。
通期最終利益(億円)
| 銘柄名 | リコーリース |
| 2020年3月期 | 118 |
| 2021年3月期 | 120 |
| 2022年3月期 | 134 |
| 2023年3月期 | 148 |
| 2024年3月期 | 112 |
| 2025年3月期 | 156 |
| 2026年3月期 | 128 |
| 2027年3月期(会社予想) | 119 |
2020年からの通期最終利益について、2023年までは資産利回り改善の継続やリース&レンタル事業の好調で順調に増益が続いていたなか、2024年は投資有価証券の評価損51億円の計上が響いて久しぶりの減益となっていますが、2025年は前年特別損失の反動や営業資産の拡⼤に加え、資産利回り向上などにより過去最高益の水準へV字回復しています。
ただ、前期は金利上昇による販管費の増加や連結子会社「Welfareすずらん」ののれんなど、減損損失計上の影響があった事で再び大きく減益となり、今期も売上高・売上総利益は増加を見込むとしつつ、販管費の増加によって期初から更に減益の予測で発表しているなかではありますが、第1四半期時点の通期進捗率は28%付近と順調なスタートを切っています。
配当推移
| 銘柄名 | リコーリース |
| 2017年 | 60 |
| 2018年 | 70 |
| 2019年 | 80 |
| 2020年 | 90 |
| 2021年 | 100 |
| 2022年 | 120 |
| 2023年 | 145 |
| 2024年 | 150 |
| 2025年 | 180 |
| 2026年 | 185 |
| 2027年(会社予想) | 256 |
2017年からの配当推移を見ていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配が続いており、前期までで31期連続の増配となっています。そんななか、2024年と前期は業績が大きく落ち込むなかでも5円の増配を行い、今期も業績は減益見込みですが、配当方針を変更した事もあって期初から71円の大幅増配予測で発表しています。
リコーリースの配当方針は成⾧投資と分配を通じて持続的な事業成⾧を実現し、適正な資本構成に基づく安定的な株主還元を目指すとし、累進配当を基本方針としたうえで、今期からの6年間は創業50周年を契機として特別配当を実施する事で、従来の目安30年3月期に配当性向50%を前倒しで達成するとしており、今期の年間配当256円のうち特別配当が70円となっています。
株主還元について
先ほどお伝えした様に、リコーリースの配当方針は今期から変更になりましたが、珍しいパターンですので、決算書を基にもう少し詳しく見ていきます。

まず、今期配当は一気に71円の大幅増配予測になっていますが、大部分が特別配当というのは気になる部分だと思います。
ただ、こちらの決算書に記載の様に今後6年間は連続的特別配当期間と明記しており、またその後も特別配当を含む水準で累進配当の継続を目指すとしていますので、特別配当が無くなった後の減配は心配しなくて良い様です。
株主優待
リコーリースの株主優待は、保有株数や保有継続年数によって、今まではクオカードかカタログギフトがもらえましたが、前期からは全てカタログギフトに変更される事が発表されています。

株価推移

株価は2023年春頃から右肩上がりの状況で、2024年3月には5580円まで上昇しました。
その後は停滞が続いて去年4月の暴落では4705円まで下落しましたが、直近は6500円前後まで上昇しています。
株価指標(2026年8月6日時点)
| 銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
| リコーリース | 8566 | 6570 | 17.0 | 0.84 | 256 | 3.90 | 66.3 |
最近の株価は上場来の高値付近で推移しているなか、今期は大幅増配の見込みになりましたので配当利回りは4%前後と高水準です。
今期も減益見込みですがPERは市場平均並みで、配当性向は66%付近と特別配当の影響もあって最近の中では高めになっています。
投資判断
今までの内容からリコーリースの投資判断ですが、直近の業績は減益が続いており、今期も期初から減益予測で発表しているなか、主な減益要因を金利上昇を背景にした販管費の増加としていますので、今後への不安も残ります。ただ、配当は日本トップクラスとなる30年以上の連続増配を継続中で、今期からは連続的特別配当というイレギュラーな形ですが、一気に71円と衝撃的な大幅増配を発表してくれました。
以上の様に、抜群の株主還元力を示してくれる企業ですので、現状の最低購入金額がリース株の中でもトップクラスに高く、また50万円を大きく超えている事まで踏まえると、年内の株式分割発表も期待できそうです。
まとめ
今回は現在の最低購入金額が東証要請の50万円を超えており、次の決算にも株式分割を発表しそうな6銘柄を検証しました。冒頭で触れた様に、最近の日本企業は株価上昇により最低購入金額が高額になっている銘柄も増えていますので、今後も株式分割を行う企業は増えていく可能性が高いです。 そして、株式分割発表後の株価は上昇するケースも多いですので、対象銘柄の動向は注意深く見守る事が大切です。






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