今回は2023年に購入を検討している15銘柄のうち後半8銘柄の現状を個別に検証していきます。
前半7銘柄の記事をまだご覧になっていない方は下記リンクからご覧下さい。
前半の投稿では2023年の購入候補7銘柄に加え、私の投資方針や2023年の投資予定金額についてもまとめています。
それでは以上の点を踏まえ、2023年に購入を検討している高配当株15選の後半7銘柄の現状を前半に引き続きコード番号順に検証していきます。
【8058】三菱商事
8番目の銘柄は三菱商事です。
三菱商事は三菱グループの総合商社でエネルギー、金属などの金属資源部門に強みを持っています。
最近の業績は資源価格上昇の影響で好調を維持しており、今期の通期最終利益見込みは商社業界初の1兆円超となっています。
商社株は現在、伊藤忠と三井物産を保有していますが、総合商社最大手の三菱商事もポートフォリオに加えたい銘柄です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 三菱商事 |
2019年3月期 | 5907 |
2020年3月期 | 5353 |
2021年3月期 | 1725 |
2022年3月期 | 9375 |
2023年3月期(会社予想) | 10300 |
2018年からの通期最終利益を見ていきますが、2020年以降は増減の激しい展開となっています。
2021年はコロナショックの影響で大幅減益となりましたが、前期は商品市況の上昇で大幅増益となっています。
今期は商品市況の落ち着きを想定し当初は減益見込みとしていますが、継続している商品市況上昇や円安の追い風もあり、第2四半期決算で通期最終利益見込みを前期比925億円増の1兆300億円へ上方修正しています。
そして今回の上方修正後でも通期進捗率は70%付近と高水準ですので、今後の上方修正にも期待できそうです。
配当推移
銘柄名 | 三菱商事 |
2015年 | 70 |
2016年 | 50 |
2017年 | 80 |
2018年 | 110 |
2019年 | 125 |
2020年 | 132 |
2021年 | 134 |
2022年 | 150 |
2023年(会社予想) | 155 |
2015年からの配当推移をまとめていますが、2016年以降減配はなく順調に増配傾向です。
コロナ禍で業績を大きく落とした2021年にも増配しており、株主還元姿勢の高さを感じます。
三菱商事の配当方針は2024年度までの中期経営戦略において、減配せず持続的な利益成長に応じて増配していく「累進配当」を継続としており、具体的な数値目標は総還元性向で30%から40%を目安としています。
株価推移
株価はコロナショックで2094円まで売られた後は好調な業績を背景に上昇傾向で、今年6月には4845円まで上昇しました。
その後はロシアウクライナ情勢の影響もあり3740円台まで売られる場面もありましたが、今回の決算やウォーレン・バフェットが商社株を買い増したと報じられた事もあり直近は4500円前後で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
三菱商事 | 8058 | 4505 | 6.4 | 0.83 | 155 | 3.44 | 21.9 |
最近の株価は高値圏で推移していますが、増配も継続していますので配当利回りは3%半ばの水準です。好調な業績を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は22%付近と余裕を感じます。
三菱商事について現在の業績は絶好調で推移しており、企業規模や将来性も含め購入したい銘柄です。
ただ1つ問題があるとすれば好調な業績を背景に右肩上がりが続く株価です。現在の株価でも指標面に割高感はありませんが、今後商品市況の下落や円高局面があると株価は大きく下落する可能性もありますので、三菱商事については来年の調整局面を待ちたいと思います。
【8096】兼松エレクトロニクス
9番目の銘柄は兼松エレクトロニクスです。
兼松エレクトロニクスは総合商社兼松のグループ会社で、ITを基盤に企業の情報システムに関する設計・構築、運用サービス及びシステムコンサルティングとITシステム製品、ソフトウェアの販売などを行っています。
兼松エレクトロニクスについては今年購入候補にした事はありませんでしたが、以前銘柄検証を行った時に業績や配当の安定性に加え、企業内容に将来性も感じましたので今回初めて購入候補にしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 兼松エレクトロニクス |
2019年3月期 | 67 |
2020年3月期 | 73 |
2021年3月期 | 73 |
2022年3月期 | 87 |
2023年3月期(会社予想) | 91 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが順調に増益傾向で、2021年はコロナショックによる企業の設備投資抑制などの影響があり前年並みでしたが、その2021年以外は順調に増益傾向です。
業績好調の要因は、リモートワークの拡大により高度化・多様化したサイバー攻撃の急増に伴うセキュリティ対策への需要や人手不足を背景に業務効率化や自動化を目的とした戦略的なIT投資などの需要が高まっている為としています。
需要の高まりにインフラ構築ビジネスの展開やビジネスの基盤である「仮想化」「セキュリティ」などのソリューションビジネスで対応した事が業績好調の要因との事です。
配当推移
銘柄名 | 兼松エレクトロニクス |
2015年 | 65 |
2016年 | 75 |
2017年 | 90 |
2018年 | 110 |
2019年 | 125 |
2020年 | 135 |
2021年 | 135 |
2022年 | 155 |
2023年(会社予想) | 160 |
配当についても好調な業績を背景に増配が続いており、業績が前年並みだった2021年は据え置きですが、その2021年以外は増配が続いています。
今期も当初は据え置きの予測としていましたが、第2四半期決算で通期最終利益を上方修正した事にあわせ年間の配当見込みも増額しています。
兼松エレクトロニクスの配当方針は、中長期的な企業成長のための事業基盤の強化に努め、安定的かつ継続的な配当を実現していくことを基本方針としており、具体的な数値としては2025年3月期までの中期経営計画中は配当性向50%以上を目安にしています。
株価推移
株価はコロナショック時に2714円まで売られましたが、その後は2020年の年末にかけて4650円まで上昇しています。
その後は3500円付近まで値を下げましたが、最近の株価は業績好調を背景に再び上昇に転じ、直近の株価は4500円付近で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
兼松エレクトロニクス | 8096 | 4390 | 13.8 | 1.96 | 160 | 3.64 | 50.3 |
最近の株価は高値圏で推移していますが、安定して増配していますので配当利回りは3%半ばの水準です。
業績の上方修正はありましたがPER、PBRに割安感はなく、配当性向は50%付近と方針通りの水準です。
兼松エレクトロニクスについては、ITに特化している企業体制や安定している業績、配当など高配当株として魅力を感じる銘柄だと思います。
ただ、現在の株価は高値圏で最低購入金額も40万円台と高めですので、様子をみながらチャンスがあれば狙いたいと考えています。
【8101】GSIクレオス
10番目の銘柄はGSIクレオスです。
GSIクレオスは繊維と工業製品を中心に取り扱う事業創造型の専門商社で、繊維事業では企画提案や素材、テキスタイルの開発・調達から製品の⽣産までを手掛けており、工業製品事業では化学品や機械・材料、ホビー・ライフの分野で専⾨性豊かな商品・商材を提供しています。
GSIクレオスは今年何回か購入候補にしていましたが、急激な株価上昇に付いていけず購入できませんでしたので、改めて購入候補にしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | GSIクレオス |
2019年3月期 | 11 |
2020年3月期 | 10 |
2021年3月期 | 20 |
2022年3月期 | 16 |
2023年3月期(会社予想) | 17 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、2021年をピークに減少傾向となっています。
2021年は、コロナ感染拡大による医療・衛⽣対策商品のアンチウイルス技術を活⽤したマスクや医療⽤ガウン・ 防護服などの需要に対応した事で最終利益が大きく伸びましたが、前期はコロナ特需の反動で減益となりました。
そして今期は現状増益見込みとなっており、コロナ前の水準と比較すると業績は大きく伸びている状況です。
配当推移
銘柄名 | GSIクレオス |
2015年 | 10 |
2016年 | 10 |
2017年 | 15 |
2018年 | 17.5 |
2019年 | 20 |
2020年 | 22.5 |
2021年 | 30 |
2022年 | 65 |
2023年(会社予想) | 70 |
配当は安定して増配が続いていましたが、2022年の配当は一気に2倍以上に増配しています。前期の配当が急激な増配となっている要因は、昨年11月に2024年度までの中期経営計画中は、配当方針を従来の配当性向25%から50%へ引き上げた為です。
業績が好調に推移している事に加え配当性向の引き上げにより、前期以降の配当額は大幅増配になっています。
株主優待
GSIクレオスには株主優待もありますので内容を表にまとめています。
保有年数/保有株数 | 100株以上300株未満 | 300株以上 |
3年未満 | 1000円 | 2000円 |
3年以上 | 2000円 | 3000円 |
保有株数や保有年数によってQUOカードが貰える優待になっていますが、株主優待の権利確定は決算月とは異なり9月末となっていますので注意が必要です。
株価推移
株価は2021年11月に845円まで売られる場面がありましたが、配当性向引き上げの発表をきっかけに株価は上下を繰り返しながらも上昇傾向が続いています。
今年8月には1607円まで上昇しその後は少し反落していますが、直近は1400円台で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
GSIクレオス | 8101 | 1452 | 10.5 | 0.70 | 70 | 4.82 | 50.5 |
最近の株価はここ数年の高値圏で推移していますが、大幅増配を受けて配当利回りは4%後半と高水準です。
業績も好調に推移していますのでPERやPBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は50%付近と方針通りの水準です。
GSIクレオスはコロナ特需により業績を大きく伸ばした反動で2021年からは減益となっていますが、数年前と比較すると業績は順調に推移しており、配当性向の引き上げにより配当利回りも高水準です。
その分株価も底堅く推移していますが、押し目があれば来年は狙いたい銘柄です。
【8439】東京センチュリー
11番目の銘柄は東京センチュリーです。
東京センチュリーはオートリースや航空機リースなどを手掛ける伊藤忠系の大手総合リース会社です。
リース会社は株主還元力の高い企業が多く、既にオリックス、三菱HCキャピタル、リコーリースの3銘柄を保有していますが、来年はリース業種から新規銘柄の購入を検討しています。
東京センチュリーの今期は、ロシアのウクライナ侵攻を受けてロシアの航空会社向けリース機体を特別損失として計上した事で大幅減益となっており、株価も大きく下げていますので購入候補にしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 東京センチュリー |
2019年3月期 | 522 |
2020年3月期 | 563 |
2021年3月期 | 491 |
2022年3月期 | 502 |
2023年3月期(会社予想) | 200 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、前期までは500億円前後で安定していましたが、今期は大きく減益見込みとなっています。
今期大幅減益の要因としては、先程もお伝えした様にロシアのウクライナ侵攻により、連結子会社を通じてロシアへ航空機をリースしていた事が大きな要因です。
リース機体について将来のキャッシュ・フロー見積りが困難になったとして帳簿価額の全額約470億円を特別損失として計上しています。
ロシアウクライナ情勢の今後は不透明な状況が続いていますが、東京センチュリーとして他の事業は順調に推移しているとしており、今後ロシアウクライナ情勢により更なるマイナス要因が発生する可能性は低いとしています。
配当推移
銘柄名 | 東京センチュリー |
2015年 | 65 |
2016年 | 80 |
2017年 | 100 |
2018年 | 114 |
2019年 | 124 |
2020年 | 136 |
2021年 | 138 |
2022年 | 143 |
2023年(会社予想) | 143 |
ここ数年の業績は停滞が続いていましたが配当は順調に増配傾向で、そして今期の業績は大きく減益見込みですが配当は据え置きの予測としています。
東京センチュリーの配当方針は、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本とし、持続的な利益成長を果たしたうえで配当性向の向上も図っていきたいとしています。
具体的な配当性向などの目安はありませんが、他のリース銘柄同様、株主還元力は強いです。
株主優待
東京センチュリーには、保有株数や保有継続年数によってクオカードがもらえる株主優待がありますので内容を表にまとめています。
保有継続年数 | 金額 | 優待品 | |||
100株以上1000株未満 | 2000円 | QUOカード | |||
1000株以上3000株未満 | 4000円 | ||||
3000株以上 | 6000円 |
1000株以上保有の場合は、2年以上の継続保有で金額が2000円UPします。
株価推移
株価はコロナショックで2870円まで売られた後、2021年1月に9340円の高値を付けていますが、その後は右肩下がりの状態が続いています。
今年に入ってからはロシアのウクライナ侵攻を受けて春ごろには4000円を割れる場面もあり、直近は少し戻し4500円前後で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
東京センチュリー | 8439 | 4545 | 27.8 | 0.70 | 143 | 3.15 | 87.5 |
株価は停滞が続いていますが配当は据え置きとなっていますので、配当利回りは3%前後の水準です。
しかし、業績低迷を背景にPERは市場平均と比較してかなり割高で、配当性向は87%付近とかなりの高水準です。
東京センチュリーの今期業績はかなり厳しい状況となっており、株価も大きく下げています。しかし要因はロシアウクライナ情勢に絡む特殊なもので、これ以上業績に与える影響は低そうです。
そうはいっても来期以降業績が以前の水準に戻るか不安な部分はありますが、勇気を出して購入してみたい気もします。
【8584】ジャックス
12番目の銘柄はジャックスです。
ジャックスはオートローンなどのクレジット事業や一括・分割ショッピングのクレジットカード・ペイメント事業、ローンの保証などを行うファイナンス事業、また東南アジアを中心に海外事業なども手掛ける大手信販会社です。
ジャックスは今年購入候補にした事はありませんでしたが、業績、配当は順調に推移していますので今回初めて購入候補にしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | ジャックス |
2019年3月期 | 89 |
2020年3月期 | 107 |
2021年3月期 | 117 |
2022年3月期 | 183 |
2023年3月期(会社予想) | 205 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが順調に増益傾向で、コロナショックの影響を受けた2020年頃も減益には陥っておらず、特に前期は業績が大きく伸びています。
今期は更に増益見込みとなっており、業績好調の要因はコロナからの経済回復によりオートローンを中心に取扱高が増加しクレジット事業が堅調に推移した事やカードショッピングの取扱高が増加した事に加え、海外事業もクレジット事業の取扱高が好調に推移した為としています。
配当推移
銘柄名 | ジャックス |
2015年 | 70 |
2016年 | 70 |
2017年 | 75 |
2018年 | 80 |
2019年 | 80 |
2020年 | 95 |
2021年 | 105 |
2022年 | 160 |
2023年(会社予想) | 185 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、たまに据え置きの年はありますが減配はなく順調に増配傾向で、特に最近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっています。
ジャックスの配当方針は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置付け、安定的な配当の継続及び業績などを総合的に勘案のうえ配当を行うことを基本方針としています。
株価推移
株価はコロナショックで1527円まで売られた後は、順調に右肩上がりの状況が続いています。そして直近の株価はここ数年の高値圏で推移しており4000円を超える水準まで上昇しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
ジャックス | 8584 | 4120 | 7.0 | 0.73 | 185 | 4.49 | 31.3 |
株価は右肩上がりの状況が続いていますが、大幅増配により配当利回りは4%半ばと高水準です。
株価は上昇していますが、業績好調を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は30%付近と余裕を感じます。
ジャックスの業績、配当は順調に推移していますが、株価もここ数年の高値圏で推移しており、最低購入金額も40万円付近と高水準です。
コロナショック以降はなかなか押し目らしい場面もありませんが、来年株価の調整局面があれば狙いたいと思っています。
【8766】東京海上HD
13番目の銘柄は東京海上HDです。
東京海上HDは、東京海上日動火災保険や日新火災海上などを傘下にしている保険持株会社です。
保険株は今年始めにSOMPOHDを購入候補にしていましたが結局買えませんでした。
現在保険株は保有していませんので、来年はポートフォリオの一部として購入を検討していますが、直近の業績に加え東京海上HDは今年10月から株式を3分割した事で買いやすくなっていますので購入候補にしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 東京海上 |
2019年3月期 | 2745 |
2020年3月期 | 2597 |
2021年3月期 | 1618 |
2022年3月期 | 4204 |
2023年3月期(会社予想) | 3700 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響を受けた2021年にかけては減益傾向が続いていましたが、2022年は大幅増益となっています。
前期業績が大きく伸びた要因としては、⾃然災害の減少やコロナの反動、北⽶のキャピタルゲインなどの一過性要因に加え、運用資産を背景としたインカム収益の拡大としています。
今期については先日発表した第2四半期決算で業績を下方修正した事により減益見込みとなりましたが、それでも数年前と比較すると最終利益は大きく伸びている状況です。
配当推移
銘柄名 | 東京海上 |
2015年 | 31.67 |
2016年 | 36.67 |
2017年 | 46.67 |
2018年 | 53.33 |
2019年 | 83.33 |
2020年 | 75 |
2021年 | 78.33 |
2022年 | 85 |
2023年(会社予想) | 100 |
2015年からの配当推移について見ていきますが、コロナショックで減配となった2020年以外は順調に増配が続いています。
また、東京海上HDは今年10月に株式分割を行っていますので、今期の数字も含め分割調整した金額になっています。
東京海上HDの配当方針は今期は100円を維持し、来期以降も配当原資の移動平均的拡大と配当性向引上げ(48.5%→50%)を背景に、持続的に年間配当を引き上げていくとしており、また原則減配はしないとの事です。
株価推移
株価はコロナショックで1388円まで下落した後は、上下を繰り返しながらも右肩上がりの状況が続いています。
そして株式分割の権利が落ちた今年9月末以降もしっかりとした動きは続き、直近は2800円前後で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
東京海上HD | 8766 | 2788.5 | 15.1 | 1.52 | 100 | 3.59 | 54.2 |
業績好調を背景に株価は上昇が続いていますが増配も継続している為、配当利回りは3%半ばの水準です。
しかし株価上昇に伴いPERに割安感はそれ程なく、配当性向は54%付近と方針通りの水準です。
東京海上HDも業績、配当推移は順調に推移している事で株価も上昇が続いています。現在の株価だと指標面に割安感はありませんが、保険株は来年ポートフォリオに加えたい業種ですので、ある程度株価の部分は妥協して購入を検討しています。
【9303】住友倉庫
14番目の銘柄は住友倉庫で大阪が本社の倉庫物流企業です。
住友倉庫は今年後半に購入候補としていましたが、NISA枠との絡みもあり購入できませんでしたので、来年は購入したいと考えています。
倉庫銘柄は元々業績が安定していますが、最近の業績はコロナ特需を取込み絶好調で、株価も上昇していますが、同業種の三菱倉庫や三井倉庫よりも現在の株価や配当利回りは投資妙味があると思い購入候補にしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 三井倉庫 |
2019年3月期 | 51 |
2020年3月期 | 63 |
2021年3月期 | 115 |
2022年3月期 | 145 |
2023年3月期(会社予想) | 135 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが順調に増益傾向です。
コロナの影響があった2021年は減益となっていますが、その2021年以外は順調に推移しており、特にここ数年の増益幅は大きくなっています。
業績好調の要因は、倉庫及び港湾運送における荷動きの回復や海運事業の市況改善・輸送数量回復などに加え、海運子会社の譲渡に伴う特別利益などの計上により大きく伸びているとの事です。
今期も引き続き業績は堅調に推移しており、実際先日発表した第2四半期決算で通期最終利益の見込みを17億円上方修正しています。
配当推移
銘柄名 | 三井倉庫 |
2015年 | 47.5 |
2016年 | 50 |
2017年 | 25 |
2018年 | 0 |
2019年 | 12.5 |
2020年 | 37.5 |
2021年 | 55 |
2022年 | 129 |
2023年(会社予想) | 164 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配傾向で、特にここ数年の増配幅は業績好調を背景に大きくなっています。
住友倉庫の配当方針について2022年度までの中期経営計画中は、利益水準にかかわらず1株につき47円の年間配当額を維持する事とし、過去7年間に引き続き今後3年間も増配の継続を目指すとしていますが、具体的な配当性向については定めないとの事です。
株価推移
株価はコロナショックで1009円まで売られた後は順調に上昇傾向です。
しかし、今年3月に2412円の高値を付けた後は調整局面に入り、直近は2000円前後で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
住友倉庫 | 9303 | 1961 | 6.7 | 0.74 | 100 | 5.10 | 34.3 |
配当は順調に増配が続くなか直近の株価は少し停滞している事もあり、配当利回りは5%前後と高水準です。
業績好調を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は34%付近となっています。
住友倉庫は業績、配当推移は好調ですが直近の株価は少し停滞が続いています。業績好調の要因は倉庫業に加え海運市況の上昇なども加わっている為、今後は今までの反動などがある事は懸念材料ではあります。
しかし、コロナ前も今よりも水準は落ちますが業績、配当は安定しており、個人的に倉庫株は保有していませんので、来年の購入を検討しています。
【9432】NTT
最後の銘柄はNTTです。
NTTは通信事業を主体とするNTTグループの持株会社で、2020年にはNTTドコモを完全子会社化しています。
通信株は現在KDDIとソフトバンクを保有しており、NTTも今年ずっと購入候補にしていながら、株価の上昇に付いていけず購入できませんでしたので、来年は是非購入したい銘柄です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | NTT |
2018年3月期 | 8978 |
2019年3月期 | 8545 |
2020年3月期 | 8553 |
2021年3月期 | 9161 |
2022年3月期 | 11810 |
2023年3月期(会社予想) | 11900 |
通期最終利益は、コロナショックを受けた2020年頃は減益や据え置きの年もありましたが、ここ数年の増益幅は数年前と比較して勢いが付いています。
業績好調の要因は、企業のデジタル変革の取り組みが急速に広がり国内外でITサービスの需要が増えたことや、テレワークの拡大で家庭向けのインターネットサービスの契約が増えた為としています。
携帯料金値下げの影響はありましたが通信部門以外の分野でカバー出来ている状況で、実際第2四半期の決算も通信大手3社の中でNTTだけが前期比増益と好調を維持していました。
配当推移
銘柄名 | NTT |
2015年 | 45 |
2016年 | 55 |
2017年 | 60 |
2018年 | 75 |
2019年 | 90 |
2020年 | 95 |
2021年 | 105 |
2022年 | 115 |
2023年(会社予想) | 120 |
2015年からの配当推移をみていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配傾向です。
NTTの配当方針は、株主還元の充実は当社にとって最も重要な経営課題の一つとし継続的な増配の実施を基本的な考え方としています。
具体的な配当性向などの目安は掲げていませんが、今後も好調な業績が続けば更なる増配が期待できそうな配当推移です。
株価推移
株価は菅ショックで2127円まで売られましたが、その後は右肩上がりの状況です。去年夏頃に少し停滞した時期はありましたが、今年10月には4128円まで上昇しました。
しかし、第2四半期の決算後は何故か大きく下落する場面もあり、直近は3800円前後で推移しています。
株価指標(2022年12月9日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
NTT | 9432 | 3753 | 10.9 | 1.53 | 120 | 3.20 | 34.8 |
順調に増配が続いていますが株価も上昇が続いている事で、配当利回りは3%前後の水準です。
そしてPERも株価上昇により割安感はそれ程なく、配当性向は35%付近と余裕を感じます。
NTTの株価は今年に入り右肩上がりの状況が続き、多少下がる場面があってもすぐに値を戻す印象でした。
その分、今年はなかなか購入に踏み切れませんでしたが、高配当株投資家として通信最大手のNTTは来年こそ購入したい銘柄です。
2023年に購入を検討している高配当株15選(2022年12月9日時点)
最後に前半の7銘柄を含めた2023年に購入したい高配当株15選を表にまとめています。
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
積水ハウス | 1928 | 2421 | 9.2 | 0.98 | 104 | 4.30 | 39.6 |
エディオン | 2730 | 1269 | 9.2 | 0.63 | 44 | 3.47 | 31.9 |
武田薬品 | 4502 | 4091 | 20.7 | 0.95 | 180 | 4.40 | 91.1 |
アルテリア・ネットワークス | 4423 | 1220 | 10.1 | 2.25 | 60.52 | 4.96 | 49.9 |
ホンダ | 7267 | 3257 | 7.6 | 0.47 | 120 | 3.68 | 28.0 |
SPK | 7466 | 1389 | 8.2 | 0.66 | 44 | 3.17 | 26.0 |
任天堂 | 7974 | 5716 | 16.6 | 6.06 | 172 | 3.01 | 50.0 |
三菱商事 | 8058 | 4505 | 6.4 | 0.83 | 155 | 3.44 | 21.9 |
兼松エレクトロニクス | 8096 | 4390 | 13.8 | 1.96 | 160 | 3.64 | 50.3 |
GSIクレオス | 8101 | 1452 | 10.5 | 0.70 | 70 | 4.82 | 50.5 |
東京センチュリー | 8439 | 4545 | 27.8 | 0.70 | 143 | 3.15 | 87.5 |
ジャックス | 8584 | 4120 | 7.0 | 0.73 | 185 | 4.49 | 31.3 |
東京海上HD | 8766 | 2788.5 | 15.1 | 1.52 | 100 | 3.59 | 54.2 |
住友倉庫 | 9303 | 1961 | 6.7 | 0.74 | 100 | 5.10 | 34.3 |
NTT | 9432 | 3753 | 10.9 | 1.53 | 120 | 3.20 | 34.8 |
配当利回りは3%付近から4%台の銘柄が中心で、配当性向は50%以下の銘柄が中心となっています。
武田薬品工業と東京センチュリーは配当性向が極端に高いですが、個別の銘柄検証時に触れた様に武田薬品工業は30年以上減配していない実績、東京センチュリーは今期ロシアウクライナ情勢による特殊要因による損失という部分を考慮して購入候補にしています。
高配当株投資は中長期の運用になりますので、本来は業績、配当が安定しており、配当性向も低い銘柄の方が望ましいですが、様々な要因を考慮してこの15銘柄を来年の購入候補に選定しています。
まとめ
今回は2023年に購入を検討している15銘柄のうち後半8銘柄の現状を中心に個別に検証しました。
前半の7銘柄を含め業績は一部の銘柄を除き順調に推移しており、株価も上昇している銘柄が多いですが、購入のタイミングについては銘柄ごとに状況を見極めて、少しでも株価の安い時を狙っていきたいと考えています。
そして購入の大まかな目安として例年1月中旬から3月上旬にかけて株価は下がる傾向が強いですので、3月の権利取りまでに200万円くらいを目途に購入できればと思っています。
また、今回購入候補とした15銘柄は全て私が現在保有していない銘柄になりますが、もちろん現在保有している銘柄の中にも来年買い増しを検討している銘柄があります。
という事で次回12月17日に投稿する記事では、保有銘柄の中から「2023年に買い増しを検討している9つの高配当」についてまとめたいと考えていますので、引き続きご覧下さい。
2023年に購入を検討している高配当株の後編銘柄については、YouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。
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