高配当株投資1番の魅力は安定した配当を長期的に受け取れる事ですが、デメリットとして配当利回りの高い銘柄は成熟企業で成長性の乏しい企業が多いため、株価の上昇が期待できないという意見があります。
確かに高配当株の中には、株価の下落が続いている事で利回りが上昇しているケースや新規投資先が無い事で配当による還元が増えているケースなどもありますが、私が数年前に購入した高配当株の中には、現在の株価が2倍どころか、3倍、4倍に迫る水準まで大きく上昇している銘柄もありますので、高配当株だからと言って株価の値上がりが期待できない事は全く無いと思っています。
そこで今回は、高水準の配当を受け取り続ける事ができる高配当株でありながら、今後の株価が大化けする可能性も秘めていると思う5つの高配当株を検証していきます。
【6486】イーグル工業
最初の銘柄はイーグル工業でメカニカルシール・機器製品の総合メーカーです。ちなみにメカニカルシールとは機械で取り扱われる水や油などの流体が機械外部への漏れを防ぐパッキン部品の一種で、世界中の自動車や船舶などで利用されています。
そして、メカニカルシールは宇宙関連でも航空機や宇宙ロケットのジェットエンジンに使用されていますので、今後飛躍的な成長が期待される宇宙事業と共に株価もロケットの様に大きく上昇する可能性を秘めています。
直近決算
イーグル工業は8月5日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は25億円と前年同期比3億円の増益になっているなか、決算発表直前の7月25日に通期最終利益の見込みを7億円上方修正し、配当も10円増配の年間110円予測に修正しています。
業績上方修正の要因は、自動車や建設機械業界向け事業に加え、舶用業界向け事業が当初予想を上回る見込みになったためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | イーグル工業 |
2020年3月期 | 29 |
2021年3月期 | 40 |
2022年3月期 | 57 |
2023年3月期 | 67 |
2024年3月期 | 74 |
2025年3月期 | 48 |
2026年3月期(会社予想) | 92 |
2020年からの通期最終利益について、半導体業界セグメントが堅調に推移した事や航空宇宙業界向けの売上も順調に成長した事で増益が続いていましたが、前期は自動車、半導体セグメントの売上減少や人件費増、原材料費の値上がりなどの影響で大きく減益となっています。
しかし、今期はコストダウンや生産性向上、販売価格の値上げ継続に加え、半導体セグメントの回復によりV字回復する見込みにしていたなか、第1四半期決算の前に上方修正を発表するほど好調なスタートを切っています。
配当推移
銘柄名 | イーグル工業 |
2016年 | 45 |
2017年 | 45 |
2018年 | 50 |
2019年 | 50 |
2020年 | 50 |
2021年 | 50 |
2022年 | 50 |
2023年 | 70 |
2024年 | 80 |
2025年 | 100 |
2026年(会社予想) | 110 |
2016年からの配当推移について、数年前までは50円で据え置きの期間が長かったですが、2023年は久しぶりに20円の増配となっています。そして、2024年も10円の増配となり、前期も業績は大きく減益でしたが20円の増配で、今期も期初時点では据え置きの見込みでしたが、7月に上方修正が発表された事で10円の増配予測になっています。
イーグル工業の配当方針は、2026年3月期までの中期経営計画中は年間100円を目安としています。
株価推移

2023年春以降の株価は上昇ペースが加速し、去年10月には2180円まで値を上げています。
しかし、その後は低迷し、4月の暴落では1580円まで売られましたが、直近は7月に上方修正が発表された事で2600円前後まで上昇しています。
株価指標(2025年9月18日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
イーグル工業 | 6486 | 2615 | 12.9 | 1.02 | 110 | 4.21 | 54.2 |
最近の株価はここ数年の高値圏まで上昇していますが、増配も続いていますので配当利回りは4%前半と高水準です。
今期は増益見込みですのでPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は54%付近となっています。
投資判断
今までの内容からイーグル工業の投資判断について、メカニカルシールなどの商品を自動車や半導体向けへ提供しており、前期は大きく減益になりましたが、今期は早速V字回復の見込みと業績は概ね順調に推移しています。この辺りの要因は、自動車や半導体業界などの市場動向が大きかった印象ですが、メカニカルシールはH3ロケットなどでも使用されており、今後も航空宇宙産業は成長が見込まれ、当社固有の技術が活かせる分野のため、各案件へ積極的に取り組んでいく方針としています。
以上の点を踏まえると、今後は宇宙事業を中心に業績が更に伸びる可能性もありますので、最近の株価は既に大きく上昇していますが、依然4%付近と高水準な利回りも含め、注目したい銘柄です。
【9412】スカパーJSAT
2番目の銘柄はスカパーJSATで日本唯一の衛星通信専業会社です。メイン事業は衛星多チャンネル「スカパー!」などを運営しているメディア事業と軌道衛星を活用した衛星通信サービスを展開している宇宙事業となっています。
そんななか、最近では宇宙事業が利益の8割近くを稼いでおり、社長も「うちは放送会社ではない」と明言しています。
直近決算
スカパーJSATは8月6日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は55億円と前年同期比5億円の増益になっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比増益の要因は、国内衛星通信分野において回線需要が増加した事や減価償却費の減少影響があったためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | スカパーJSAT |
2021年3月期 | 133 |
2022年3月期 | 145 |
2023年3月期 | 158 |
2024年3月期 | 177 |
2025年3月期 | 191 |
2026年3月期(会社予想) | 210 |
2021年からの通期最終利益を見ていきますが、最近の業績は宇宙事業の好調を背景に増益が続いています。実際、2024年も衛星画像の販売や国内衛星ビジネス分野などの市場拡大に加え、メディア事業でも収支改善策が進んだ事で過去最高益を記録しています。
そして、前期も画像データ販売やグローバル・モバイル分野に加え、メディア事業のオペレーション効率化が進んだ事などで増益となっており、今期も2030年以降の飛躍に向けた変革元年として積極的な投資を実行するなか、収益基盤の強化と事業の進化の取り組みも進めるとして、更に増益の見込みにしているなか、第1四半期時点の通期進捗率は26%付近と順調なスタートを決めています。
配当推移
銘柄名 | スカパーJSAT |
2016年 | 14 |
2017年 | 18 |
2018年 | 18 |
2019年 | 18 |
2020年 | 18 |
2021年 | 18 |
2022年 | 18 |
2023年 | 20 |
2024年 | 21 |
2025年 | 27 |
2026年(会社予想) | 38 |
2016年からの配当推移について、数年前は18円で横ばいの時期が続いていましたが、2023年以降は好調な業績と連動して増配が続いています。ただ、2024年までの増配幅は1円から2円と特別大きかった訳ではなく、前期も期初時点では1円の増配見込みでしたが、第3四半期決算で5円増額された事で合計6円の大幅増配になっており、今期は更に配当方針を変更した事もあり、期初から11円の大幅増配見込みで発表しています。
スカパーJSATの配当方針は、下限を従来の16円から38円に引き上げ、更に目安の配当性向も30%以上から50%以上に引き上げています。
株価推移

2023年夏頃からの株価は右肩上がりで去年3月には1107円まで上昇しました。
その後は4月の暴落で673円まで下落する場面はありましたが、8月には1485円まで上昇し、直近は1400円前後で推移しています。
株価指標(2025年9月18日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
スカパーJSAT | 9412 | 1411 | 19.0 | 1.40 | 38 | 2.69 | 51.3 |
最近の株価はここ数年の高値圏で推移していますので、配当も大幅増配が続いていますが配当利回りは2%台まで低下しています。
今期も過去最高益の見込みですがPERは市場平均より割高で、配当性向は51%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からスカパーJSATの投資判断について、最近の業績は宇宙事業の好調で過去最高益が続いており、社長が言う様に今や完全に宇宙関連の銘柄となっている印象です。そんななか、7月には防衛省が「宇宙領域防衛指針」を公表しており、宇宙領域における防衛能力強化の方向性や民間企業の関連技術への投資を進める方針が示されています。
その辺りの影響もあり、最近の株価も堅調に推移していますが、今後も宇宙事業は国策として更に成長が加速しそうですので、数年後の株価はとんでも無い事になっているかもしれません。
【3393】スターティアHD
3番目の銘柄はスターティアHDで、中小企業向けにITインフラやサーバーなどを提供しているスターティア株式会社が中核です。また、最近はデジタルマーケティング事業に注力しており、営業支援ツールや見込み顧客化・商談化ツールなどのマーケティング支援ツールや業務自動化ツールなども手掛けています。
直近決算
スターティアHDは8月8日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は約4億円と前年同期比約8700万円の減益になっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比増益の要因は、株式給付による法人税負担が増加した事や人件費などのコストが増えたためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | スターティア |
2021年3月期 | -13 |
2022年3月期 | 9 |
2023年3月期 | 12 |
2024年3月期 | 15 |
2025年3月期 | 19 |
2026年3月期(会社予想) | 20 |
2021年からの通期最終利益について、コロナショックの影響で2021年は赤字に転落していますが、その後は順調に増益が続いています。実際、2024年はITインフラが堅調に推移するなか、デジタルマーケティング事業もマーケティングオートメーションツールの牽引やサブスクリプション売上の積み上げなどにより利益化した事で過去最高益を記録しました。
そして、前期もセキュリティ強化の需要や光コラボと新電力の受注再開による拡販も寄与した事などで増益となっており、今期も好調な流れは継続する見込みとして更に増益の予測にしているなか、第1四半期時点の通期進捗率は20%付近とまずまずのスタートを切っています。
配当推移
銘柄名 | スターティア |
2016年 | 9 |
2017年 | 9 |
2018年 | 12 |
2019年 | 9 |
2020年 | 9 |
2021年 | 10 |
2022年 | 14 |
2023年 | 41 |
2024年 | 69 |
2025年 | 114 |
2026年(会社予想) | 125 |
2016年からの配当推移について、数年前は10円付近で停滞している期間が長かったですが、2021年以降は増配傾向が続いています。特に最近は業績好調により増配幅も大きくなっており、2024年は28円、前期も45円と大幅増配が続き、今期も最初は3円の増配スタートでしたが、創立30周年の記念配当8円を実施する事をその後に発表し、合計11円の増配予測になっています。
スターティアHDの配当方針は財務健全性の維持に努め、連結業績や今後の事業展開などを総合的に勘案し、累進配当を継続的に実施すると共に、連結ベースの配当性向 55%を目途としています。
株価推移

2022年以降の株価は右肩上がりの状況で、去年春には2000円付近まで上昇しています。
その後は停滞する時期もありましたが、今年春以降は再び急騰し、直近は2700円前後で推移しています。
株価指標(2025年9月18日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
スターティア | 3393 | 2746 | 12.8 | 3.67 | 125 | 4.55 | 58.4 |
最近の株価はここ数年の高値圏で推移していますが、大幅増配も続いていますので配当利回りは4%半ばと高水準です。
今期も過去最高益の見込みですのでPERは市場平均より割安で、配当性向は58%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からスターティアHDの投資判断について、最近の株価はここ数年の高値圏まで上昇していますが、6月以降は停滞気味で、従来から急騰と停滞を繰り返す傾向があります。そんななか、業績は過去最高益が続いており、今後の業績もITインフラの堅調な需要や急速に業績が伸びているデジタルマーケティング事業も含め、期待できる部分が大きいです。
以上の点に加え、現在の利回りは依然4%台と高水準を維持しているなか、累進配当まで導入していますので、停滞している直近の株価は狙い目にも見えていきます。
【9882】イエローハット
4番目の銘柄はイエローハットで、カー用品を専門に取り扱っており、メイン店舗のイエローハットに加え、2りんかん、バイク館、Y’s Roadを全国に700店舗以上展開しています。取り扱い製品はタイヤやカーナビに加え、車検やオイル交換などのメンテナンスも行っており、車全般に関わるサービスを手掛けています。
また、3月末に株式の2分割を行っています。
直近決算
イエローハットは7月31日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は26億円と前年同期比4億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比増益の要因は、主力商品であるタイヤが、価格改定前の駆け込み需要もあって期間を通じて好調に推移した事や5月の大型連休のドライブ需要などにより、オイル・バッテリーなど消耗品の店頭販売も順調に推移したためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | イエローハット |
2019年3月期 | 73 |
2020年3月期 | 73 |
2021年3月期 | 85 |
2022年3月期 | 96 |
2023年3月期 | 106 |
2024年3月期 | 102 |
2025年3月期 | 112 |
2026年3月期(会社予想) | 114 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響もそれ程関係なく、概ね増益傾向が続いています。実際、2024年は暖冬や春の天候不良によりタイヤ販売が不振だったとして久しぶりの減益になっていますが、前期はタイヤ・オイル・バッテリーなど消耗品の店頭販売が順調に推移した事やメンテナンスメニュー及びWEB作業予約メニューの拡充などにより過去最高益を記録しており、今期も新規出店を進める事や消耗品のラインナップを拡充する事で更に増益の予測にしているなか、第1四半期時点の通期進捗率も23%付近と順調にスタートしています。
配当推移
銘柄名 | イエローハット |
2016年 | 13.5 |
2017年 | 15 |
2018年 | 16.5 |
2019年 | 18 |
2020年 | 23 |
2021年 | 27 |
2022年 | 29 |
2023年 | 31 |
2024年 | 33 |
2025年 | 50 |
2026年(会社予想) | 58 |
2016年からの配当推移をみていきますが、据え置きの年すらなく順調に増配が継続しており、増配は前期までで15期連続となっています。また、最近の増配幅は業績好調に配当方針の変更も加わった事で大きくなっており、前期は本決算で15円増額された事で合計17円の大幅増配、今期も期初から更に8円の増配見込みとしています。
イエローハットの配当方針は、2028年3月期までは配当性向45%を目標に、総還元性向を3年累計で100%以上にする方針で、従来の配当性向30%から大きく引き上げています。
株主優待
イエローハットの株主優待ですが、保有株数によって全国の店舗で使用できる割引券がもらえますが、今回の株式分割にあわせて200株以上の条件が新設されましたので、株式分割前に100株保有していれば、自動的に貰える内容が1.5倍に拡充されています。

こちらの内容を3月と9月の年2回もらえ、私は現在別名義の口座で200株ずつ保有していますので、1年間で割引券60枚、金額にして1万8000円分を貰っており、割引券は1000円毎に1枚しか使えませんが、有効期限は1年と長いですので、車検やオイル交換などで役立っています。
また、1名義ごとにウォッシャー液2.5Lがもらえる商品引換券もあり、半年に1回こちらのウォッシャー液を2個ずつ貰っています。

ウォッシャー液については、正直使い切れないところもありますが、普通に買うと500円近くしますので、車をよく利用する人にはおすすめの株主優待です。
株価推移

株価は750円から1000円のボックス圏で推移する期間が長かったですが、2024年以降は上昇傾向でした。
そんななか、4月の暴落で1192円まで下落する場面はありましたが、直近は1700円前後まで上昇しています。
株価指標(2025年9月18日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
イエローハット | 9882 | 1725 | 13.2 | 1.26 | 58 | 3.36 | 44.3 |
最近の株価は順調に上昇していますが、大幅増配も続いていますので配当利回りは3%半ばとなっています。
今期も過去最高益の見込みですのでPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は44%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からイエローハットの投資判断ですが、最近の業績は過去最高益が続いていたなか、配当も連続増配を継続中で、更に今期から配当性向の目安を引き上げた事で、直近の配当は大幅増配となっています。
その辺りの影響もあり、株価も順調に上昇していますが、今までの配当推移や現在の配当方針から、今後の継続的な増配も期待できますので、気付けば数年後の株価は大きく化けている可能性もありそうです。
【3861】王子HD
最後の銘柄は王子HDで国内トップの製紙メーカーです。段ボールなどの産業包装資材から新聞、情報用紙など様々な製品を国内に限らず海外にも販売しています。
実際、直近の海外売上比率はアジアを中心に4割近くを占めている状況です。
直近決算
王子HDは8月4日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は51億円の赤字と前年同期の黒字から赤字転換していますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
第1四半期が赤字に転落した要因は、原燃料価格・物流費・人件費などのコスト上昇に加え、ニュージーランドにおける段ボール原紙事業の撤退決定に伴う事業構造改善費用を計上したためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 王子HD |
2022年3月期 | 875 |
2023年3月期 | 564 |
2024年3月期 | 508 |
2025年3月期 | 461 |
2026年3月期(会社予想) | 650 |
2022年からの通期最終利益を見ていきますが、減益傾向が続いています。業績低迷の要因は、コストの増加や東南アジアにおける競合他社との価格競争に加え、前期は事業構造改善費用を特別損失に計上した影響などとなっています。
そんななか、今期は国内事業が好調に推移する見込みな事や政策保有株式、賃貸用不動産の売却を予定している事に加え、前期に計上した特別損失の反動もあるとして、4割程度の増益予測にしていますが、第1四半期は赤字と心配なスタートになっています。
配当推移
銘柄名 | 王子HD |
2016年 | 10 |
2017年 | 10 |
2018年 | 10 |
2019年 | 12 |
2020年 | 14 |
2021年 | 14 |
2022年 | 14 |
2023年 | 16 |
2024年 | 16 |
2025年 | 24 |
2026年(会社予想) | 36 |
2016年からの配当推移について、据え置きが続く期間はありますが、減配はなく、概ね増配傾向となっています。そんななか、最近は業績が低迷するなかでも増配が続いており、前期は8円、そして今期は配当性向が引き上げられた事もあって、一気に12円の大幅増配見込みになっています。
王子HDの配当方針は、今期から配当性向の目安を従来の30%から50%へ引き上げるなか、下限を年間24円としています。
株価推移

株価は500円台で停滞する期間も続きましたが、今年春以降は右肩上がりの状況です。
実際、4月の暴落では572円まで下落する場面がありましたが、直近は800円前後まで上昇しています。
株価指標(2025年9月18日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
王子HD | 3861 | 834.4 | 11.7 | 0.74 | 36 | 4.31 | 50.6 |
最近の株価は上昇傾向ですが、今期は大幅増配の見込みですので配当利回りは4%半ばと高水準です。
今期は増益見込みですのでPER、PBRは市場平均より割安で、配当性向は51%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容から王子HDの投資判断について、最近の業績は減益が続いており、今期は久しぶりの増益予測になっていますが、第1四半期は赤字スタートと今後の下方修正も心配される水準です。ただ、その様な状況でも増配は続いており、直近は配当性向の目安を引き上げた事で大幅増配の予測となっている事や全体の強さもあってか、株価はここ数年の高値圏まで上昇しています。
以上の点を踏まえると、今後の業績に懸念点もありますが、まだ株価は動き始めたレベルですので、今からでも間に合いそうに感じます。
まとめ
今回は高水準な配当を受け取りながら、株価の上昇も期待できる5つの高配当株を検証しました。高配当株投資の目的は長期間に渡って配当を受け取り続ける事ですが、その間に株価も上昇してくれた方が精神的にも良い事は間違いないです。
そんななか、今回検証した5銘柄は国策として宇宙事業全体の成長と共に業績が伸びそうなイーグル工業やスカパーJSAT、ITインフラ成長の恩恵を受けられそうなスターティアHDに加え、オーソドックスに業績や配当が堅調に推移しているイエローハット、王子HDなど、高水準な配当を受け取りながら更なる株価の上昇も期待できそうに感じました。
今後の株価が大化けしそうな5銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。
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