【警告】購入するのが少し怖い高配当株3選

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銘柄検証

高配当株を選ぶうえで配当利回りの高さは大きな選定ポイントですが、配当利回りの高さだけで銘柄を選んでしまうと思わぬ罠銘柄を購入してしまう可能性があります。

配当利回りが高かったのは一時的ですぐに減配や無配に転落してしまう銘柄、業績が低迷しているなか高配当を出し続けている為、長期に渡り株価が下落を続けている銘柄など高配当な銘柄にも様々なリスクが潜んでいます。

高配当株として理想的な銘柄は、業績、配当は右肩上がりで配当性向、株価は割安な銘柄ですが、実際にその様な銘柄にはなかなか出会えませんので、リスクとリターンのバランスを見極めながら銘柄を選ぶ事が重要です。

という事で今回は敢えて現状配当利回りは高いですが、購入するのが少し怖いと思う高配当株を3銘柄選んで個別に検証していきます。

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高配当株を選定する時のポイント

それでは本題に入る前に個人的に高配当株を選ぶ時にポイントにしている点に触れておきます。

業績、配当の安定

まず1番重視する点は業績、配当の安定です。

高配当株投資は中長期の投資になりますので業績、配当の安定は1番大切な部分になります。

業績の浮き沈みが激しくその度に配当も増減を繰り返す様な銘柄は高配当銘柄には向いていませんので、長期に渡って安定した配当を受け取る為にも業績の安定は重要なポイントです。

余裕のある配当性向

2つ目に重視するポイントは配当性向の水準です。

配当性向とは当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標です。

配当性向が低い会社は株主還元姿勢が低く感じますし、配当性向が高い会社は業績悪化や配当方針の変更などによる減配リスクも高まります。

一般的な目安となる配当性向は30%から40%とされていますが、配当性向は各企業の配当方針に大きく影響を受けますので、配当性向の数値も高配当株を選ぶ時の重要なポイントです。

以上の点を踏まえ、現状配当利回りは高いですが購入するのが少し怖いと思う高配当株を3銘柄個別に紹介していきます。

【9104】商船三井

最初の銘柄は海運会社から商船三井です。

商船三井は日本郵船、川崎汽船と並ぶ日本の三大海運会社です。

海運会社は、鉄鉱石や石炭、木材チップ、肥料、穀物などの資源や液化天然ガスを始めとしたエネルギーなどを世界各地へ輸送しています。

海運業界の現状はコロナからの経済回復に人員やコンテナの供給が追い付いておらず、各社とも需給バランスによる賃料UPがコンテナ船、ドライバルク船の歴史的な好市況に繋がり業績は大きく伸びています。

通期最終利益推移(億円)

銘柄名商船三井
2019年3月期268
2020年3月期326
2021年3月期900
2022年3月期7088
2023年3月期(会社予想)5000

2019年からの最終利益を見ていきますが、凄い勢いで伸びている事が分かるかと思います。

2021年の決算でも前期の約3倍ですが、2022年はそこから更に8倍程度伸びています。

先程お伝えした通り海運業界全体で好調な状況が続いていますので、海運会社は各社同じ様な状況ですが、なかなか見る事のできない業績推移だと思います。

今期は物流混乱の正常化が徐々に進む点や世界的インフレの進行、地政学的リスクの顕在化に伴い世界経済が減速し荷動きが弱含むことを想定しているとの事で減益見込みですが、それでも数年前と比較するともの凄い水準です。

配当推移

銘柄名商船三井
2015年23.33
2016年16.67
2017年6.67
2018年6.67
2019年15
2020年21.67
2021年50
2022年400
2023年(会社予想)350

2015年からの配当推移を見ていきますが、業績と連動して配当も凄い勢いで増配が続いています。

また商船三井は今年3月に株式を3分割していますので、以前の年間配当額は分割後の水準で調整していますのでご注意下さい。

商船三井の配当方針は、連結配当性向20%を目安として業績に連動した配当を行うとしており、中長期経営課題として配当性向の向上にも取組む方針です。

株価推移

株価推移を見ていきますが、株価も3分割後に調整した水準でみていきます。

コロナショックで500円を割れる水準まで売られた後は徐々に値を戻していましたが、去年春頃からは好調な業績を背景に上昇ペースに勢いが付いています。

そして去年夏以降は上昇ペースが更に加速し直近は3000円を超える水準で推移しています。

株価指標(2022目年6月24日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
商船三井910430252.20.8635011.5725.2

株価は上昇が続いていますが、大幅増配により配当利回りは10%超えています。

好調な業績を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で配当性向は現状25%付近と余裕を感じる水準です。

商船三井の購入が怖い理由

今回は高配当だけど購入するのが少し怖いというテーマで進めていますが、商船三井については正直普通に怖いです。

理由はあえて説明するまでも無いかもしれませんが、業績の振れ幅が大きする点です。

配当は業績に連動する方針の為、今後の業績次第では配当も大きく増減する可能性があり、最初にお伝えした業績、配当の安定という部分で高配当株としては狙いにくい銘柄です。

【9434】ソフトバンク

続いての銘柄は通信会社よりソフトバンクです。

ソフトバンクはNTT、KDDIと並ぶ大手通信会社で、購入するのが少し怖いというテーマですが個人的に既に800株保有しています。

通信会社はソフトバンクを始め2020年の秋に菅総理による携帯料金値下げ圧力を受けた事で各社とも携帯料金の値下げプランを発表しました。

値下げによる通信料収入の減少のほか、国内市場は飽和状態で今後の飛躍的な成長が見込めない事もあり、各社とも通信部門以外での収益確立を目指すようになっています。

通期最終利益(億円)推移

銘柄名ソフトバンク
2018年3月期4007
2019年3月期4307
2020年3月期4731
2021年3月期4912
2022年3月期5175
2023年3月期(会社予想)5300

2018年からの最終利益を見ていきますが順調に増益傾向です。

2022年3月期の決算については通信料金値下げの影響が懸念されており、実際の決算でも通信料金値下げの影響は業績に出ていましたが、通信部門以外の法人やヤフー、LINE事業でカバー出来た為、最高益を更新できたとしています。

配当推移

銘柄名ソフトバンク
2019年37.5(期末のみ)
2020年85
2021年86
2022年86
2023年月期(会社予想)86

ソフトバンクは上場が2018年の為、2019年からの配当推移をまとめていますが、ここ数年はほぼ横ばいの動きです。

ソフトバンクの配当方針は、2021年3月期から2023年3月期においては、親会社の所有者に帰属する純利益に対する総還元性向85%程度を目安に、安定的かつ継続的に1株当たりの配当を実施する方針です。

株価推移

株価は今年に入ってから1400円台を中心にボックス圏での動きとなっています。

NTTやKDDIは右肩上がりで株価が上昇していますので、同じ通信銘柄と比較すると物足りない動きです。

株価指標(2022年6月24日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ソフトバンク9434151713.54.26865.6776.3

配当は据え置きが続いていますが株価も停滞してますので、配当利回りは5.7%付近と高水準です。

業績は好調ですがPER、PBRに割安感はなく、配当性向は70%後半と高水準です。

ソフトバンクの購入が少し怖い理由

ソフトバンクの購入が少し怖い理由は高い配当性向です。

業績や配当は安定しており配当利回りも5%後半と高水準ですので高配当株としての魅力を感じますが、配当性向が80%付近と高水準な点は気になる部分です。

ソフトバンクは2023年3月期までは総還元性向85%を目安にしていますので方針通りではありますが、2024年3月期以降の配当方針がどうなるのかを含め購入するのが少し怖い銘柄としています。

【4502】武田薬品工業

最後の銘柄は武田薬品工業です。

武田薬品工業は日本の医薬品企業として売上は第1位で、国内最大手の医薬品メーカーです。現在約80の国と地域で医薬品を販売しており、世界中に製造拠点を有するとともに日本および米国に主要な研究拠点を有しています。

そして2019年にアイルランドの製薬大手シャイアーを約6兆円で買収し、日本の製薬会社では初めて売上高世界10位以内となっています。

通期最終利益(億円)推移

銘柄名武田薬品
2018年3月期1868
2019年3月期1351
2020年3月期442
2021年3月期3760
2022年3月期2300
2023年3月期(会社予想)2920

2018年からの最終利益推移を見ていきますが増減の激しい展開が続いています。

売上は企業買収の効果もあり増収傾向が続いていますが、最終利益は買収に絡む費用や研究開発費の増加などで安定していない点は懸念材料です。

配当推移

配当金配当性向(%)
2015年180赤字
2016年180177.4
2017年180123.8
2018年18075.92
2019年180128.0
2020年180633.8
2021年18074.8
2022年180122.4
2023年3月期(会社予想)18095.1

2015年からの配当推移と配当性向をみていきますが、年間配当は毎年180円です。

配当は2009年から180円で変わっておらず、30期以上減配はしていません。

武田薬品工業の株主還元方針は、売上と利益が中期的に伸長していくことを見込んでおり、1株当たり年間配当金180円の確立された配当方針を維持した上、自己株式の取得は適切な場合に取り組むとしています。

配当が180円で安定している点は高配当株としての魅力を感じますが、最終利益の振れ幅が激しく配当性向が100%を大きく超える年がある点は懸念材料となります。

株価推移

株価は2021年後半に期待を集めていた新薬候補の臨床試験を中断すると発表した事や買収前のシャイアーが受領した違約金に関する税務費用の影響額を反映して業績を下方修正した事でコロナショック時の安値に迫る2993円まで売られています。

今年に入ってからは好調な売上などを背景に値を戻し3800円を超える場面もありましたが、直近は3700円台で推移しています。

株価指標(2022年6月24日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
武田薬品4502370719.61.011804.8695.1

年間配当は180円で変化がないですが、株価は数年前と比較すると低迷していますので配当利回りは4%後半の水準です。

PER、PBRに割安感はなく、今期の配当性向は現状95%とかなりの高水準です。

武田薬品工業の購入が少し怖い理由

武田薬品工業の購入が少し怖い理由は最終利益が安定していない為、配当性向が高水準な点です。

途中でお伝えした様に配当は30年以上減配しておらず、2009年以降は180円で変わっていませんので配当の安定という意味では高配当株に向いています。

しかし、その間も最終利益は大きく増減しており配当性向が大きく100%超える年がある点は購入するのが少し怖くなります。

まとめ

今回は現状高配当ですが購入するのが少し怖いと思う3銘柄を選出しました。

怖いと思うポイントはそれぞれ違いましたので、その理由を自分なりに納得したうえで銘柄を選ぶ事が重要です。

そしてどんな銘柄にもリスクはつきものですが、少しでもリスクを減らせる様に投資を行う事が高配当株投資で1番大切なポイントかと思います。

購入するのが少し怖い3銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

【警告】購入するのが少し怖い高配当株3選

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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