今の株価が高くても買いたい4つの高配当株

スポンサーリンク
銘柄検証

最近の日本株は強い動きが続いており、なかなか押し目らしい調整局面が無い状況です。

高配当株投資は中長期に渡って配当を受け取り続ける事が目的で、株価の値上がり益を求めるものではないですが、それでも少しでも株価が安い時に購入できた方が良い事に変わりはありません。

しかし、最近の強い相場では、買い場を待っている間にどんどん株価が上がっていき、結局最初に狙っていたタイミングよりも高い株価で購入してしまったり、購入自体をあきらめてしまう様な時もあるかもしれません。

もちろん高配当株投資は無理に高値を追いかける必要はなく、時には購入をあきらめる勇気も必要ですが、今回は敢えて、今の株価はかなり高いところですが、それでも買いたいと思う4つの高配当株を検証していきます。

スポンサーリンク

【6301】コマツ

最初の銘柄はコマツで油圧ショベルやブルドーザなどを製造する総合建設機械メーカーです。

海外の売上比率は9割近くを占めるほど国際的な企業で、建設機械の世界シェアは第2位となっています。

直近決算

コマツは4月28日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は3263億円と1014億円の増益、配当は43円増配の年間139円としています。

今期予測は最終利益を2990億円と273億円の減益見込みとしていますが、配当は据え置きの年間139円で発表しています。

通期最終利益(億円)

銘柄名コマツ
2020年3月期1538
2021年3月期1062
2022年3月期2249
2023年3月期3263
2024年3月期(会社予想)2990

2020年からの通期最終利益を見ていきますが増減の激しい展開が続いており、2021年にかけてはコロナショックの影響で大きく減益となっています。

その後はコロナからの経済回復で業績は回復しており、前期は建設機械・車両部門の物流増や販売価格改善に加え、円安の追い風があった事で過去最高益を記録しています。

今期業績は、販売価格のプラス影響はあるものの、為替のマイナス影響や物流減を想定し減益見込みとしていますが、数年前と比較すると業績は大きく伸びています。

配当推移

銘柄名コマツ
2015年58
2016年58
2017年58
2018年84
2019年110
2020年94
2021年55
2022年96
2023年139
2024年(会社予想)139

2015年からの配当推移を見ていきますが、業績が大きく落ち込んだ2021年にかけては減配となっている年もありますが、概ね順調に増配が続いています。

そして前期は好調な業績を背景に大きく増配となっており、今期は現状据え置きの見込みとしていますが、既にコロナ前を上回る配当額になっています。

コマツの配当方針は、成長への投資を主体としながら株主還元とのバランスをとるとしており、具体的な目安を連結配当性向40%以上としています。

株価推移

株価は2018年に4475円の高値を付けた後は右肩下がりの状況が続き、コロナショックでは1507円まで値を下げました。

その後は上下を繰り返しながらも上昇し、直近は3900円付近で推移しています。

株価指標(2023年6月30日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
コマツ6301388112.31.451393.5843.9

最近の株価は上昇が続いていますが、大幅増配により配当利回りは3%半ばとなっています。

業績は好調ですがPERにそれ程割安感はなく、配当性向は44%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容からコマツの投資判断ですが、直近の業績は順調に推移しているなか大幅増配により配当利回りも上昇しています。

今期は減益見込みとしていますが、減要因の1つにしている為替について、コマツは現状125円を想定レートにしていますので、今の為替相場を踏まえると今後上方修正の可能性があるかもしれません。

その分、最近の株価は上昇傾向ですが、まだ2018年の高値は超えられていませんので、世界トップクラスの建設機械メーカーである事も含め、いつかは購入したい銘柄です。

【5108】ブリヂストン

2番目の銘柄はブリヂストンです。

ブリヂストンは世界最大手のタイヤメーカーで、日本だけに限らず、アジアやアメリカ、ヨーロッパなど様々な国へ製品を販売しています。

乗用車やトラック、二輪車、航空機など様々な車種や環境に対応するタイヤを開発しており、またチューブやホイールなどのタイヤ関連用品も販売しています。

そして海外に150以上の生産開発拠点を展開しているなか、海外の売上比率は8割近くを占めるほど国際的な企業です。

直近決算

ブリヂストンは12月決算のため、5月15日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は904億円と前年同期比366億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

業績好調の要因は、米欧を中心とした景気減速を背景に市販用タイヤの需要が減少するなか、戦略的価格マネジメントを推進した事や低採算領域の見直しを加速させた事に加え、円安の追い風があったためとしています。

通期最終利益(億円)

銘柄名ブリヂストン
2019年12月期2401
2020年12月期-233
2021年12月期3940
2022年12月期3003
2023年12月期(会社予想)3350

2019年からの通期最終利益について、2020年はコロナショックの影響で赤字に転落していますが、2021年は過去最高益の水準へ一気にV字回復しています。

2021年業績好調の要因は、新車用タイヤにおいては半導体不足による車両減産の影響を受けましたが、市販用タイヤは各国での経済活動再開や新車不足に伴う中古車市場の活況で需要が堅調に推移した事に加え、円安の影響としています。

前期はV字回復の反動もあり減益となりましたが、今期は半導体不足改善に伴う需要回復や引き続きコロナからの経済回復も進む見込みとして増益予測にしているなか、第1四半期時点の通期進捗率は27%付近と順調なスタートを切っています。

配当推移

銘柄名ブリヂストン
2015年130
2016年140
2017年150
2018年160
2019年160
2020年110
2021年170
2022年175
2023年(会社予想)200

2015年からの配当推移を見ていきますが、赤字に転落した2020年は大きく減配となっていますが、その2020年以外は概ね増配傾向となっています。

そして業績が回復した2021年はコロナ前を上回る水準へ大きく増配となっており、今期も25円の増配見込みとしています。

ブリヂストンの配当方針は持続的な企業価値向上を通じて、安定的且つ継続的な配当額の向上に努めるとしており、連結配当性向40%を具体的な目安にしています。

株価推移

株価はコロナショックで2861円まで売られた後、約1年かけて5000円付近まで値を戻しました。

そこからは5000円前後で停滞する時期が続きましたが、直近は5900円付近と上場来の高値付近で推移しています。

株価指標(2023年6月30日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ブリヂストン5108589212.01.332003.3940.9

最近の株価は上場来の高値付近で推移していますが、増配が続いている事で配当利回りは3%半ばとなっています。

業績は好調ですがPERに割安感はそれ程なく、配当性向は41%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容からブリヂストンの投資判断ですが、世界を代表するタイヤメーカーでコロナショックにより業績は落ち込みましたがすぐに回復しており、配当利回りも3%半ばと魅力的です。

ただ、最近の株価は上場来の高値付近で推移しており、権利落ちで株価は下がったとはいえ最低購入金額も50万円台と高額ですので、個人的にはNISA枠との絡みもあり来年以降の購入を検討しています。

【8015】豊田通商

3番目の銘柄は豊田通商で、5大総合商社に双日を加えた7大総合商社の一角とされています。

そんな豊田通商はトヨタグループの総合商社で、トヨタやダイハツなどの車両や車両部品に加え、海外で生産された車両の輸出販売も手掛けています。

また、120カ国以上のグローバルネットワークにより、自動車関連だけでなく化学品や合成樹脂に加え、エネルギーや食料品なども取り扱っています。

直近決算

豊田通商は4月27日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は2841億円と619億円の増益、配当は42円増配の年間202円としています。

今期予測は最終利益を2800億円と41億円の減益見込みとしていますが、配当は2円増配の年間204円で発表しています。

通期最終利益(億円)

銘柄名豊田通商
2019年3月期1326
2020年3月期1355
2021年3月期1346
2022年3月期2222
2023年3月期2841
2024年3月期(会社予想)2800

2019年からの通期最終利益について、数年前までは1300億円台で安定していましたが、2022年以降は業績が大きく伸びています。

2022年以降の業績が大きく伸びた要因は、コロナからの経済活動再開もあり海外の自動車販売数が増加した事や商品市況上昇により金属や化学品セグメントが大きく伸びた事に加え、円安の影響としており、前期は過去最高益を記録しています。

今期は商品市況の落ち着きなどを想定し現状減益見込みとしていますが、減益幅はわずかですので、今後上方修正の可能性も十分あるかと思います。

配当推移

銘柄名豊田通商
2015年56
2016年62
2017年70
2018年94
2019年100
2020年110
2021年112
2022年160
2023年202
2024年(会社予想)204

2015年からの配当推移を見ていきますが順調に増配が継続しているなか、直近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっており、前期までで13年連続増配となっています。

豊田通商の配当方針は連結配当性向25%以上を基本方針とし、安定的な配当の継続並びに配当の増額に努めていくとしています。

株価推移

株価はコロナショックで2046円まで下げましたが、その後は約1年をかけて5000円付近まで上昇しました。

そこからは5000円付近で停滞する時期もありましたが、直近はバフェット氏の総合商社買い増し報道もあり7000円付近まで急騰しています。

株価指標(2023年6月30日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
豊田通商801571399.01.312042.8625.6

最近の配当は大きく増配となっていますが、直近の株価急騰で配当利回りは3%前後となっています。

業績好調によりPERは市場平均より割安で、配当性向は25%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容から豊田通商の投資判断ですが、トヨタグループという抜群の安心感に加え、直近の業績や配当推移も順調です。

そして10年以上増配が続いている事や現在の低水準な配当性向を考慮すると今後の増配にも期待できます。

ただ最近の株価は他の総合商社同様に急騰しており、最低購入金額も70万円前後と高額ですので、ブリヂストン同様に来年以降の購入を目指したいです。

【8584】ジャックス

最後の銘柄はジャックスで三菱UFJ銀行系列の大手クレジット会社です。

ジャックスはオートローンなどのクレジット事業や一括・分割ショッピングのクレジットカード・ペイメント事業に加え、ファイナンス事業などを手掛けています。

また、直近の海外売上比率は1割程度とそこまで高くはないですが、東南アジアを中心に二輪車の販売金融を通じて海外でも事業を展開しています。

直近決算

ジャックスは5月12日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は216億円と33億円の増益、配当は30円増配の年間190円としています。

今期予測は最終利益を230億円と14億円の増益見込みとしているなか、配当は10円増配の年間200円で発表しています。

通期最終利益(億円)

銘柄名ジャックス
2019年3月期89
2020年3月期107
2021年3月期117
2022年3月期183
2023年3月期216
2024年3月期(会社予想)230

2019年からの通期最終利益を見ていきますが順調に増益傾向で、コロナショックの影響を受けた2020年頃も減益には陥っておらず、特に2022年以降は業績が大きく伸びています。

2022年以降の業績が好調の要因は、コロナからの経済回復によりオートローンを中心に取扱高が増加しクレジット事業が堅調に推移した事やカードショッピングの取扱高が増加した事に加え、海外事業もクレジット事業の取扱高が好調に推移したためとして、前期は過去最高益を記録しています。

そして今期も好調な流れは継続するとして、更に増益の見込みにしています。

配当推移

銘柄名ジャックス
2015年70
2016年70
2017年75
2018年80
2019年80
2020年95
2021年105
2022年160
2023年190
2024年(会社予想)200

2015年からの配当推移について、たまに据え置きの年はありますが減配はなく順調に増配傾向で、特に直近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっています。

そして今期は現状10円の増配見込みですが、このまま業績が順調に推移すれば更なる増額も期待できそうな配当推移です。

ジャックスの配当方針は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置付け、安定的な配当の継続及び業績などを総合的に勘案のうえ、配当を行うことを基本方針としています。

株価推移

株価はコロナショックで1527円まで売られた後は、順調に右肩上がりの状況が続いています。

そして最近の株価は更に上昇ペースを加速し、直近は上場来高値の5000円付近で推移しています。

株価指標(2023年6月30日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ジャックス858450207.60.582003.9830.2

最近の株価は上場来の高値付近で推移していますが、大幅増配により配当利回りは4%前後と高水準です。

株価は上昇が続いていますが、業績好調を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は30%付近と余裕を感じます。

投資判断

今までの内容からジャックスの投資判断について、直近の業績や配当は順調に推移しているなか株価も上場来の高値圏で推移していますが、配当利回りは4%前後と高水準です。

そして今期の業績見込みや現在の配当性向を踏まえると、今後の更なる成長にも期待できそうです。

ただ、最低購入金額は50万円付近と高水準ですので、個人的には来年以降の購入候補かなというところです。

まとめ

今回は堅調な相場が続くなか、株価は高いけれども買いたいと思う高配当株を4銘柄検証しました。

4銘柄とも最近の株価は右肩上がりの状況で、上場来の高値付近の銘柄も複数あるほど株価は高値圏で推移しています。

しかしその分、直近の業績や配当は順調に推移しており、事業内容も国際的で将来に期待ができる様に感じました。

本当はこの様な優良高配当株については、コロナショック時の様な暴落局面を待ちたいところですが、次の暴落がいつ来るかは誰にも分かりません。

以上の事を踏まえると、今回の4銘柄の様に業績や配当推移に加え、会社規模や事業内容に将来性を感じる銘柄は、株価の部分はある程度妥協して購入しておく事も1つの手かと思います。

今の株価は高いけれでも買いたいと思う高配当株については、YouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

今の株価が高くても買いたい4つの高配当株

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

コメント

タイトルとURLをコピーしました