【4銘柄が利回り6%超!!】高配当株投資に欠かせない5つの銘柄

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銘柄検証

最近の日本株はコロナからの経済回復や商品市況上昇に加え、継続している円安などの影響で強い動きが続いており、なかでもバリュー株が多い高配当株は、ここ数年で2倍、3倍に上昇している銘柄も多いです。

保有している高配当株が上昇する事は嬉しい気持ちもありますが、今から新規で購入する場合や更なる買い増しを検討している場合などは悩ましく思う時もあります。

という事で、今回はここ数年の株価が上昇しておらず、買いやすい水準でありながら利回り6%超の銘柄が複数あるインフラファンド5銘柄を個別に検証し、おすすめの買い場などを紹介していきます。

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インフラファンドとは

まずインフラファンドについて簡単にまとめていきます。

インフラファンドとは、太陽光発電設備をはじめとする再生可能エネルギーや空港、鉄道、道路といったインフラに投資し、そのインフラから得られる収益を分配金として配当するファンドの事です。

日本の成長戦略の1つとしてインフラ投資に民間資金を投入させる目的があり、インフラファンドには配当可能利益の90%超を投資家に分配することなどを条件として法人税の非課税期間が20年間となる優遇制度が設けられています。

そんななか、現在5銘柄が上場していますが、全てのインフラファンドが太陽光発電を保有物件に組み入れており、保有物件が不動産という点は違いますがREITの太陽光発電版の様なイメージです。

インフラファンドのメリット

そんなインフラファンドのメリットをまとめていきます。

利回りが高い

現在上場している5銘柄中4銘柄は利回りが6%を超えており、利回りの高さはインフラファンド最大の魅力です。

基準価格、分配金が安定している

日経平均が大きく上下している時でも基準価格が大きく動く事はあまりなく、基本的にそこまで値動きの激しい銘柄ではありません。

また、分配金も余程の事が無い限りは安定していますし、銘柄によっては2026年までの分配金予想を発表している銘柄もありますので、中長期で安心して保有する事ができます。

再生可能エネルギー銘柄として今後注目を浴びる可能性有り

太陽光発電は、世界的な脱炭素の流れやESG関連として今後注目される可能性がある事もインフラファンドのメリットです。

インフラファンドのデメリット

続いてはインフラファンドのデメリットをまとめていきます。

FIT(固定価格買取制度)終了後の売電価格下落

FITとは再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取る事を国が約束する制度の事で、発電事業者が受け取る固定買取価格は調達期間20年間固定です。

現在売電価格は下落が続いており、FIT終了後の売電価格はインフラファンドの懸念点です。

自然災害などによる設備被害リスク

台風や地震などの自然災害により保有物件の設備が被害を受けてしまう可能性や天候不順により想定ほど発電出来ない可能性があります。

従って保有物件が全国に分散されている銘柄は、この様な自然災害リスクを軽減する事ができます。

そして、最近は電力の需給バランスを保つために発電を停止する出力制御の影響を受ける事もインフラファンドのデメリットです。

減価償却について

また、インフラファンドは保有する資産の大半が発電設備という仕組みですので減価償却費が多く、それを利益超過分配金として利益分配と一緒に投資家へ分配金として支払います。

銘柄によって利益超過分配金の比率は違いますが、多い銘柄だと分配金の半分前後が利益超過分配金の場合もあります。

利益超過分配金自体に問題がある訳ではありませんが、減価償却も永遠にできるものではありませんので、比率が高すぎると将来的には減配のリスクとなります。

それではここからは、現在上場しているインフラファンド5銘柄を個別に検証していきます。

【9282】いちごグリーンインフラ投資法人

最初の銘柄はいちごグリーンインフラ投資法人です。

現在15件の発電所を保有しており、エリアは沖縄から北海道まで分散されてはいますが、北海道が7件と半数を占めています。

6月権利確定の年1回分配ですが、2026年の分配金予想まで公表しています。

また、抽選にはなりますが、Jリーグのチケットが当たる株主優待も設定されています。

分配金推移

銘柄名いちごグリーンインフラ
2018年4226
2019年3865
2020年3802
2021年3922
2022年4248
2023年4095
2024年(会社予想)4065
2025年(会社予想)3885
2026年(会社予想)3540

2018年からの分配金推移について、2022年にかけては増配が続きましたが今年は減配となっています。

そして、現状2026年までの分配金予測が発表されていますが、徐々に減配傾向な点は気になる部分です。

株主優待

いちごグリーンインフラには株主優待が設定されており、抽選ですがJリーグのチケットが当たります。

なかなか抽選倍率も厳しいですが、私は去年、一昨年と2年続けてシーズンで1回ずつ当選しており、今年は1回も当選しませんでした。

基準価格推移

基準価格は2016年の上場後に7万3400円まで上昇しましたが、コロナショックで5万2800円まで下落しています。

そこから反発した後は、7万円台での値動きが中心で直近も7万1000円前後で推移しています。

また、いちごグリーンインフラは6月の年1回分配ですので、権利落ち後の下落が大きい点も特徴です。

基準価格指標(2023年11月24日時点)

銘柄名コード基準価格分配金確定月予想分配金利回り
いちごグリーンインフラ投資法人9282714006月40655.69

今年の分配金は減配となりましたが、それでも利回りは5%後半となっています。

ただ、通常であればかなりの高水準ですが、インフラファンドの中では現状唯一利回りが6%を割れている銘柄で、今後の分配金予測が減配傾向な点も気になる部分ではあります。

【9284】カナディアンソーラー・インフラ投資法人

2番目の銘柄はカナディアンソーラー・インフラ投資法人です。

現在30件の発電所を保有しており、エリアは九州から北海道まで分散されていますが、九州地方の割合が6割を超えています。

カナディアン・ソーラー・グループが有する豊富なスポンサー・パイプラインを中心に、グループの特徴である垂直統合モデルを最大限に活用しながら資産規模を拡大していく方針です。

分配金推移

銘柄名カナディアン・ソーラー
2019年7300
2020年7400
2021年7450
2022年7653
2023年(会社予想)7500
2024年(会社予想)7550

2019年からの分配金推移を見ていきますが、7000円台半ばで安定しています。

今年は現状少し減配の予測になっていますが、12月の分配金次第では増配となる可能性もありそうです。

基準価格推移

基準価格は2017年の上場後にコロナショックで9万5500円まで下落しましたが、約半年で14万円付近まで反発しています。

しかし、その後はじわじわと下落が続き、直近は12万円前後で推移しています。また、今年6月に大きく下落している要因は公募増資を発表したためです。

基準価格指標(2023年11月24日時点)

銘柄名コード基準価格分配金確定月予想分配金利回り
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人92841191006月、12月75006.30

最近の基準価格はじわじわ下落していますが、分配金は安定していますので利回りは6%を超えており、また6月、12月が権利確定月となっています

インフラファンドでは珍しく基準価格が下落傾向ですが、今年は公募増資も行っていますし、下落幅も1年前と比較して1万円程度ですので、他の高配当株と比較すれば値動きは安定している方かと思います。

【9285】東京インフラエネルギー投資法人

3番目の銘柄は東京インフラエネルギー投資法人です。

現在23件の発電所を保有しており、エリアは九州、東北、北海道、関東地方と比率も分散されています。

再生可能エネルギー発電設備関連資産への投資を通じて、良質な投資機会を創出し、投資主価値を最大化するとともに、政府が掲げる再生可能エネルギー発電普及の目標達成及び地域社会活性化に貢献することを目標としています。

分配金推移

銘柄名東京インフラ
2019年6398
2020年6378
2021年6298
2022年6097
2023年(会社予想)5600
2024年(会社予想)6024

2019年からの分配金推移を見ていきますが、去年までは6000円台前半で安定していたなか、今年は500円程度の減配予測になっています。

今年の分配金が減配予測になっている要因は、保有している発電所がケーブル盗難被害に遭った事による復旧工事費用や警備費用を見込むためとの事です。

かなり特殊な要因により今年の分配金は減配となりそうですが、来年は去年の水準に戻る予測になっています。

基準価格推移

基準価格は2018年の上場後約1年で12万円付近まで上昇しましたが、その後は反落し、ここ2年くらいは9万円台での値動きが中心です。

そんななか、今年は先程お伝えした減配で値を下げており、直近は9万2000円前後で推移しています。

基準価格指標(2023年11月24日時点)

銘柄名コード基準価格分配金確定月予想分配金利回り
東京インフラ・エネルギー投資法人9285914006月、12月56006.13

今年の分配金は減配となっていますが、それでも利回りは6%を超えており、また6月、12月が権利確定月となっています。

そして、増配予測となっている来年の分配金で利回りを計算すると6.5%付近まで上昇しますので、今年基準価格が下がっているタイミングは購入チャンスかもしれません。

【9286】エネクスインフラ投資法人

4番目の銘柄はエネクスインフラ投資法人です。

現在12件の発電所を保有しており、エリアは九州から北海道まで分散されていますが、取得価格ベースで見ると関東と中部で9割を超えます。

2021年までは11月の年1回分配でしたが、2022年より5月、11月権利月の年2回分配へ変更しています。

分配金推移

銘柄名エネクス・インフラファンド
2019年5980
2020年6000
2021年6000
2022年6030
2023年(会社予想)6000
2024年(会社予想)3000(半期)

2019年からの分配金推移を見ていきますが、6000円前後で安定しています。

また、来年も現状は5月の分配金予測しか発表されていませんが、3000円の見込みになっています。

基準価格推移

基準価格は2019年の上場後11万9500円まで上昇しましたが、コロナショックで7万3100円まで値を下げました。

その後は9万円台での値動きが中心で、直近も9万1000円前後で推移しています。

基準価格指標(2023年11月24日時点)

銘柄名コード基準価格分配金確定月予想分配金利回り
エネクス・インフラ投資法人9286907005月、11月60006.62

最近の分配金、基準価格は安定しているなか、利回りは6%半ばと高水準です。

インフラファンドは利回りの高さが売りの1つではありますが、6%半ばの利回りは現在上場しているインフラファンドのなかでもトップクラスで、また以前までは年1回分配でしたが、5月、11月の年2回分配へ変更された事で購入しやすくもなっています。

【9287】ジャパンインフラ投資法人

最後の銘柄はジャパンインフラ投資法人です。

現在45件の発電所を保有しており、エリアは九州から北海道まで分散されていますが、東北と北陸で5割を超えています。

現在上場しているインフラファンドでは1番新しく、2020年2月に上場しています。

分配金推移

銘柄名ジャパンインフラ
2020年4148
2021年5903
2022年5985
2023年(会社予想)5990
2024年(会社予想)2980(半期)

2020年からの分配金推移を見ていきますが、6000円付近で安定しており、来年も現状半期分の予測しか公表されていませんが、今までと同様の水準になっています。

基準価格推移

2020年の上場後すぐにコロナショックで8万1200円まで値を下げた後は、約半年で10万円付近まで急速に値を戻しました。

その後2年半くらいは9万円台での値動きが中心で直近も9万円前後で推移しています。

基準価格指標(2023年11月24日時点)

銘柄名コード基準価格分配金確定月予想分配金利回り
ジャパンインフラ投資法人9287903005月、11月59906.63

ここ数年の基準価格、分配金は安定しているなか利回りは6%半ばと高水準で、権利月は5月、11月となっています。

インフラファンドの中では1番歴史が浅いですが、基準価格や分配金は安定しており、利回りも現時点ではインフラファンドの中でトップとなっています。

インフラファンド5銘柄まとめ

今回検証したインフラファンド5銘柄の最新情報を表にまとめています。

銘柄名コード基準価格分配金確定月予想分配金利回り
いちごグリーンインフラ投資法人9282714006月40655.69
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人92841191006月、12月75006.30
東京インフラ・エネルギー投資法人9285914006月、12月56006.13
エネクス・インフラ投資法人9286907005月、11月60006.62
ジャパンインフラ投資法人9287903005月、11月59906.63

いちごグリーンインフラファンド以外は利回りが6%を超えており、そのいちごでも利回りは5パーセント後半ですのでインフラファンドの利回りの高さが分かるかと思います。

また、3月期決算銘柄が多い日本株の中で、インフラファンドの決算月は分散されていますので、毎月の権利確定を目指すうえでも欠かせない存在で、また、最低購入金額も10万円前後の銘柄が多く、購入しやすい点もメリットです。

インフラファンドのおすすめ買い場

という事でここからは、そんなインフラファンドを購入する場合におすすめだと思うタイミングを検証していきますが、分配金が目的の高配当株投資でも少しでも安いタイミングで購入できた事が良い事に変わりはありません。

そんななか、インフラファンドの基準価格はこれまで見てきた様に基本的には安定していますが、たまに大きく下落するポイントがあったかと思います。

権利落ち

そこで、インフラファンドの基準価格が下落するタイミングをまとめていきますが、1つ目は権利落ちです。権利落ちに関しては通常の高配当株でも同じですが、最初に配当を貰うまでの期間は長くなりますが、長い目で見れば購入チャンスの場合が多いです。

公募増資

そして、もう1つの買い場が公募増資を行うタイミングです。

インフラファンドに限りませんが、公募増資を行う事で発行口数が増え1口当たり価値の希薄化懸念から公募増資は短期的に売り材料になってしまいます。

これは、現在株主還元向上の目的で多くの企業が行っている自社株買いの反対の意味合いでもあります。

そして、インフラファンドは新規物件の購入費用に充てるため、定期的に公募増資を行う銘柄が多く、その度に基準価格は下落しています。

という事でインフラファンド5銘柄が最近行った公募増資を表にまとめていますが、いちごグリーンインフラ以外は上場後に複数回公募増資を行っています。

銘柄名コード日付日付日付
いちごグリーンインフラ投資法人92822016年10月
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人92842018年8月2021年2月2023年6月
東京インフラ・エネルギー投資法人92852020年8月2022年6月
エネクス・インフラ投資法人92862020年11月2023年1月2023年6月
ジャパンインフラ投資法人92872022年5月2022年11月2023年11月

また、定期的に公募増資を行っている銘柄や年に2回公募増資を行っている銘柄など、それぞれ特徴があるかと思います。

もちろん、次回いつ公募増資が行われるかは分かりませんし、公募増資は資産規模を大きくするために行っていますので、中長期の視点で見た場合はマイナス材料ばかりでもありません。

しかし、インフラファンドはこれだけ定期的に公募増資を行っていますし、公募増資発表のタイミングでは基準価格は下がる可能性が高いですので、狙っている銘柄の公募増資を待つ事も有効な投資方法かと思います。

まとめ

今回は高配当株投資を行ううえで、欠かせない銘柄だと思うインフラファンドの最新情報についてまとめました。

冒頭でも触れた様に現在高配当株が多いバリュー株の株価は数年前と比較して大きく上昇している銘柄も多く、なかなか新規購入が難くなっている状況でもあります。

そんななか、今回検証したインフラファンドの基準価格は安定しており、利回りも6%超の銘柄が複数あるほど高水準です。

もちろん、途中で検証した様にインフラファンドにも複数のリスクはありますが、高配当株投資を行ううえで、ポートフォリオに入れておきたい銘柄だと思います。

インフラファンドについてはYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。

【4銘柄が利回り6%超!!】高配当株投資に欠かせない5つの銘柄

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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