増配が連発した12月期銘柄の本決算や増配期待が高まった銘柄

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銘柄検証

先週で今回の決算発表も一段落しましたが、コロナからの経済回復などを背景に好調な銘柄が多かった印象です。

3月期銘柄は第3四半期決算という事で通期最終利益や配当予測を上方修正した銘柄は少なかったですが、目安の進捗率75%をクリアしている銘柄が多く、綺麗な最終着地が期待できそうですし、12期銘柄の本決算では増配発表が連発しました。

という事で今回は、2月7日以降に決算を発表した銘柄の中から保有銘柄を中心に特に気になった9銘柄を検証していきます。

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2月7日(水)

まずは決算発表が佳境を迎えた2月7日に決算を発表した銘柄の中からソフトバンクとジャックス、オリックスの3銘柄を見ていきます。

【9434】ソフトバンク

2月7日決算発表最初の銘柄は、通信会社のソフトバンクです。

ソフトバンクは今期業績見込みを前期に計上したPayPay子会社化に絡む再測定益の反動で大きく減益見込みにしていました。

ただ、第2四半期時点の通期進捗率は72%付近とかなり好調に推移していましたので、引き続き好調な状況が続いているのか、第3四半期決算で上方修正があるのか注目でした。

直近決算

ソフトバンクは2月7日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は4066億円と前年同期比1020億円の減益となっています。

第3四半期決算も前期比減益の状況でしたが、通期最終利益の見込みを420億円上方修正しており、年間配当予測に変更はありませんでした。

直近決算の感想

決算の感想について、通信部門以外の事業が順調に伸びているなか、モバイル部門も契約数の増加などで通信料収入の落ち込みをカバーし大幅に改善してきている状況です。

PayPay子会社化に絡む再測定益の反動が大きく、今回の上方修正後でも通期見通しは減益のままですので今期はこのまま減益着地となりそうですが、来期以降の業績には期待できそうな状況です。

そうなるとソフトバンクには、そろそろ増配の期待もしたくなるところです。

【8584】ジャックス

2月7日決算発表2番目の銘柄はジャックスです。

ジャックスはオートローンなどのクレジット事業や一括・分割ショッピングのクレジットカード・ペイメント事業などを手掛けており、最近の業績は数年前の2倍以上に増えています。

今期も過去最高益を更新する見込みにしているなか、第2四半期時点の通期進捗率も54%付近と順調に推移していましたので、引き続き業績は順調に推移しているのか、通期見通しの上方修正があるのか注目でした。

直近決算

ジャックスは2月7日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は181億円とほぼ前年並みの水準になっており、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

最終利益が前年同期並みだった要因は、オートローンや住宅ローンのけん引などで金融収益が増加しましたが、貸倒引当金の増加や調達金利上昇の影響としています。

直近決算の感想

決算の感想について、第2四半期までの順調な流れが継続し通期進捗率も79%付近で推移しています。

第3四半期単体では減益となってしまった事もあり決算後の株価は売られる場面もありましたが、通期見通しが過去最高益見込みとなっている事を踏まえると十分な内容だと思いますので、本決算が楽しみになります。

【8591】オリックス

2月7日決算発表3番目の銘柄はオリックスです。

オリックスはリース業界の代表的な銘柄ですが、現在はリース業にとどまらず、不動産、金融、事業投資など様々な事業で海外を含む多くの企業と取引しています。

最近の業績は増減を繰り返すなか、今期はコロナからの経済回復や運用収益の拡大により2割程度の増益見込みにしていますが、第2四半期時点の通期進捗率は39%付近となっていましたので、業績に回復の兆しがあるのか注目でした。

直近決算

オリックスは2月7日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は2192億円と前年同期比73億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比増益の要因は、インバウンド関連事業の好調に加え、保険事業が増益となっているためとの事です。

直近決算の感想

決算の感想について、最終利益はコロナからの経済回復による航空機リースや旅館、ホテルなどの不動産経営などが好調な事で前期比増益ではありましたが、通期進捗率は66%付近と引き続き最終着地が心配な水準です。

オリックスは通期目標3300億円の達成に向け、引き続きキャピタルリサイクリング(利益成長)を推進としており、第3四半期単体も順調な内容でしたので期待したい気持ちもありますが、最終着地がどうなるのか今から気になるところです。

【9432】NTT

続いては2月8日に決算を発表したNTTです。

NTTは通信事業を主体とするNTTグループの持株会社で、2020年にはNTTドコモを完全子会社化しています。

業績は順調に増益が続くなか今期も過去最高益の見込みにしており、第2四半期時点の通期進捗率も53%付近と順調に推移していましたが前期比では減益の状況でしたので、今回の決算で前期比増益となっているのか注目でした。

直近決算

NTTは2月8日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は1兆111億円と前年同期比214億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比減益の要因は地域通信事業が落ち込んでいるためとの事ですが、四半期ごとに着実に利益改善しており、第4四半期に更なる増益を見込むとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、第3四半期時点でも前期比減益の状況に変わりはありませんでしたが、通期進捗率は81%付近となっています。

普通の銘柄であれば順調な水準ですが過去5年の平均は89.8%ですので、例年と比較して見劣りする事は否めません。

ただ、先ほどお伝えした様に第4四半期に更なる増益を見込むと決算書に明記していましたので、最終着地では綺麗に増益となる事を期待したいです。

2月9日(金)

続いては週末という事で決算発表がピークを迎えた2月9日からENEOS、大和ハウスの2銘柄を見ていきます。

【5020】ENEOS

2月9日決算発表最初の銘柄は石油元売り最大手のENEOSです。

石油元売り銘柄の業績は、その時の原油価格によって以前仕入れて現在在庫で持っている石油の価格も増減し、販売するガソリンなどの石油製品の利益も変わってくるため、原油価格に大きく左右されます。

そのため、ENEOSの業績も大きく増減を繰り返していますが、今期は増益見込みにしているなか第2四半期時点の通期進捗率は72%付近と順調に推移していましたので、更なる上方修正があるのか注目でした。

直近決算

ENEOSは2月9日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は2067億円と前年同期比1107億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比増益の要因は、白油・輸出マージンの前期マイナスタイムラグが反転した事や円安の影響としています。

また、利益目標達成を見込み、還元方針に沿って500億円の自社株買いを発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、底堅く推移している原油価格や継続している円安の追い風で第2四半期までの好調な流れが継続した内容でした。

そして、通期進捗率も86%付近と高水準になっており、第4四半期も現状円安が続いている事を踏まえると今期は大きく増益での着地となりそうです。

そうなってくると、ENEOSには久しぶりの増配を期待したくなりますが、今回の自社株買いで総還元性向は58%付近になりますので、今期の配当増額は厳しそうな印象です。

【1925】大和ハウス

2月9日決算発表2番目の銘柄は大和ハウスです。

大和ハウスは大阪が本社の住宅総合メーカーで住宅の他に商業施設や事業施設も手掛けています。

ハウスメーカーにとって今後の金利先高観は、住宅ローン金利上昇に繋がる部分でもマイナス材料となり、大和ハウスも今期は減益見込みにしていますが、第2四半期時点の通期進捗率は59%付近と順調に推移していましたので、引き続き順調に推移しているか注目でした。

直近決算

大和ハウスは2月9日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は2162億円と500億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比増益の要因は、ポートフォリオの最適化に向けた大和リゾート株式会社の株式などの譲渡や大和ハウスリート投資法人の投資口の一部売却などによる特別利益の計上に加え、米国住宅事業をはじめとした海外事業も計画を超えて推移したためとの事です。

直近決算の感想

決算の感想について、本業は順調に推移しており、懸念されていたアメリカの住宅事業も当初計画を大きく超えて推移しているとの事で通期進捗率82%付近と順調です。

今期は前期の第4四半期に退職給付に関する数理計算上差異により大きく増益となっていた反動がありますので、通期では減益での着地となりそうですが、来期以降にも期待できそうな内容でした。

2月13日(木)

続いては、いよいよ決算発表も終盤を迎え12月期銘柄の本決算発表も増えてきた2月13日からJTとINPEXを見ていきます。

【2914】JT

2月13日決算発表最初の銘柄はJTです。

JTの業績は海外たばこ事業の好調や円安の追い風もあり堅調に推移しており、第2四半期、第3四半期決算でそれぞれ通期見通しを上方修正するなか、通期進捗率は95%付近とかなり高水準でした。

しかし、上方修正はあっても配当増額がないなか配当性向は72%付近と目安の75%を下回っていましたので、本決算で前期配当の増額があるのか、そして今期の見込みをどの様に出すのか注目でした。

直近決算

JTは12月決算ですので2月13日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は4822億円と395億円の増益となっており、配当も従来予想から6円増額の年間194円としています。

今期予測は最終利益が4550億円と272億円の減益見込みとしていますが、配当は据え置きの年間194円で発表しています。

前期業績好調の要因は、たばこ事業におけるプライシング効果がサプライチェーンにおけるコスト上昇影響を上回った事や金融損益の改善・法人税負担減少などのためとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、第3四半期までの好調な流れが継続した内容で前期の最終利益は従来の予測を180億円程度上回り、配当も6円の増額となりました。

今期予測は約5%の減益となっていますが、期初の予測ですので今期も前期同様に今後の上方修正で増益となる可能性は十分ありそうです。

事前の期待が高く株価が決算前に上昇していた反動もあり、決算後の株価は売られる場面もありましたが、今期も期待できそうな雰囲気です。

【1605】INPEX

2月13日決算発表2番目の銘柄はINPEXで石油や天然ガスなどの開発生産を手掛ける国内最大手の石油開発企業です。

現状は石油、天然ガスの開発生産がメイン事業ですが、脱炭素社会への流れを受け再生可能エネルギーやカーボンリサイクル事業にも注力しています。

そんななか、第3四半期時点の通期進捗率は82%付近と順調に推移していましたので、前期の最終着地や今期見込みをどの様に発表するのか注目でした。

直近決算

INPEXは12月決算ですので2月13日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は3715億円と895億円の減益となっていますが、配当は従来の予想通り年間74円となっています。

今期予測は最終利益が3300億円と415億円の減益見込みとしていますが、配当は2円増配の年間76円で発表しています。

前期の業績は減益となりましたが、従来の予想を300億円程度上回る最終着地となっています。

直近決算の感想

決算の感想について、減益の状況に変わりはありませんでしたが、従来予想を上回る順調な最終着地だったかと思います。

今期も減益予測のスタートとなっていますが、今期は油価を73ドル、為替を138円の設定にしており、それぞれ油価は1ドルの上下で±60億円、為替は1円の上下で±24億円最終利益が上下するとしています。

油価は現状を少し下回る設定で、為替は現状10円近く円安で推移していますので、今期も外部要因に左右される展開は続きそうですが、引き続き期待したいです。

【2503】キリンHD

最後は2月14日に本決算を発表したキリンHDでキリンビールやキリンビバレッジなどを傘下に持つキリングループの持株会社です。

前期業績はプレミアム戦略や価格改定などにより事業利益は増益ですが、第1四半期に計上したミャンマー事業の連結撤退に伴う損失により第3四半期までは前期比減益の状況が続いていました。

ただ、2022年第4四半期は赤字に転落していましたので、前期はその反動で通期最終利益が予測通り増益着地となるのか注目でした。

直近決算

キリンHDは12月決算のため、2月14日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は1126億円と16億円の増益となっており、配当も従来予想から2円増額の年間71円としています。

今期予測は最終利益が1310億円と184億円の増益見込みにしているなか、配当は据え置きの年間71円で発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、前期最終利益は従来の予想から3億円程度減ってしましましたが、予測通りの増益着地となり、配当も2円増額されました。

今期着地も16%程度の増益見込みとなっていますので、現状は据え置きの配当にも更なる増配の期待がかかります。

以上の点を踏まえると、決算翌日の株価は売られてしまいましたが、今後が楽しみな内容だったと思います。

まとめ

今回は2月7日以降に発表された決算発表の中から保有銘柄を中心に特に気になった9銘柄を検証しました。

3月期銘柄は第3四半期決算という事で通期見通しの上方修正を発表した銘柄は少なかったですが、12月期銘柄は3銘柄とも前期の配当や今期の配当を増額しており、最近の流れである株主還元の向上を感じます。

今の流れを考えると、3月期銘柄の本決算が発表される4月末から5月にかけては大幅増配や自社株買いが連発しそうな雰囲気ですので、今から楽しみです。

直近決算9銘柄についてはYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。

増配が連発した12月期銘柄の本決算や増配期待が高まった銘柄

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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