最近は増配や自社株買いなどにより株主還元力を高めている銘柄が多いですが、株主還元の一環として株式分割を行う企業も増えています。
株式分割をしても資産価値自体は変わりませんが、保有している株数が自動的に増える事は嬉しいですし、株式分割により最低購入金額が下がる事で購入しやすくなりますので、株式分割は好材料と捉えられる事が多いです。
しかし、株式分割を発表した銘柄は「買い」かとなると一概には言えない部分もありますので、今回は既に今年株式分割を行った銘柄と最近株式分割を発表した銘柄の株価動向を検証したうえで、来年株式分割を発表しそうな3つの高配当株を検証していきます。
株式分割とは
そもそも株式分割とは、1株をいくつかに分割し発行済みの株式数を増やす事です。
1株が2株に分割されると保有株数は2倍になりますが、理論上株価は半分になりますので資産価値としては変わりません。資産価値は変わらないのに企業が株式分割を行う理由は、株式分割により株価が下がる事で購入しやすくする事が目的の1つです。
そして、東証も望ましい投資単位としている5万円以上50万円未満の水準へ移行するため、投資単位の引下げに関する考え方及び方針などを開示するよう義務付けています。実際、最近は最低購入金額の高い銘柄やNTTの様な大企業が株式分割を発表する事も増えています。
そして、株式分割は好材料と捉えられる事も多いため、株式分割を発表した銘柄の株価は上昇する事も多いですが、権利が落ちた後は株式分割により株数が増える事で利益確定の売りが増え、上値が重たくなる場合もあります。
特に株式分割前に株価が大きく上がっていた銘柄は、保有株の一部を売却する動きも出やすい恐れがあります。
という事でまずは、今年株式分割を行って既に権利が落ちている銘柄を見ていきます。
【7267】ホンダ
今年株式分割を発表し既に権利が落ちている銘柄はホンダです。
ホンダは日本を代表する輸送機器メーカーで、オートバイの販売台数、売上高は世界1位となっており、国内に限らず北米やアジアなど世界各国に製品を販売しています。
そんななかホンダは、今年8月の第1四半期決算で9月末を基準日とした株式の3分割を発表し、既に権利が落ちている状況です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | ホンダ |
2019年3月期 | 6103 |
2020年3月期 | 4557 |
2021年3月期 | 6574 |
2022年3月期 | 7070 |
2023年3月期 | 6952 |
2024年3月期(会社予想) | 9300 |
2019年からの通期最終利益について、コロナショックで大きく減益となった2020年以降は順調に推移していましたが、前期は減益での最終着地となりました。
前期減益の要因は半導体供給不足の影響による四輪車の生産・販売台数減少に加え、原材料価格の高騰やインフレ影響による製造コストの上昇などとしています。
しかし、今期は従来から取り組んできた商品価値向上に見合う値付けや事業体質の更なる強化に加え、四輪車の生産・販売台数増加などの影響で期初当初から大きく増益の見込みにしていました。
そんななか、高収益の二輪事業に加え、四輪事業も大きく改善したとして第2四半期決算で通期見通しを上方修正していますが、それでも通期進捗率は66%付近と順調に推移しています。
配当推移
銘柄名 | ホンダ |
2015年 | 29.3 |
2016年 | 29.3 |
2017年 | 30.6 |
2018年 | 33.3 |
2019年 | 37 |
2020年 | 37.3 |
2021年 | 36.6 |
2022年 | 40 |
2023年 | 40 |
2024年(会社予想) | 58 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、ホンダは9月末に株式分割を行っていますので金額は調整した金額になっています。
コロナショックの影響を受けた2021年は減配になっていますが、概ね順調に増配傾向となっており、前期は減益となった業績の影響もあり据え置きとなりました。
そして、今期は第2四半期決算で増額された事もあり一気に18円と大幅増配の見込みになっています。
ホンダの配当方針は、連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努める方針です。
株主優待
ホンダには株主優待があり、100株以上の保有で希望者全員にホンダのカレンダーが1部もらえます。
また、いずれも抽選にはなりますが1年以上の継続保有でレースやEnjoy Hondaの入場券、3年以上の継続保有で事務所やHonda Jetの見学会に参加できますので、ホンダファンの人にとっては嬉しい株主優待です。
株価推移
株価はコロナショック時に706円まで売られましたが、その後は上下を繰り返しながら約1年で1000円を超える水準まで上昇しています。
そこからは1000円付近での値動きが中心でしたが、今年5月以降の株価は急騰し分割権利落ち前の9月には1820円まで上昇しましたが、権利が落ちた後は下落し直近は1600円前後で推移しています。
株価指標(2023年11月24日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
ホンダ | 7267 | 1570 | 8.2 | 0.62 | 58 | 3.69 | 30.4 |
最近の株価は直近の高値から下落していますが、増配が継続している事で配当利回りは3%半ばとなっています。
業績好調を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は30%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からホンダの投資判断ですが、最近の業績や配当は順調に推移しているなか、株式分割により最低購入金額が下がった事で購入しやすくもなりました。
そして、株式分割に絡む株価の動きを振り返ると、株式分割発表後に値を上げ、権利取り前に高値を付けた後、権利落ち後は株価が低迷しています。
この辺りの動きは、先日発表された第2四半期決算が好調な内容でありながら、事前予想に届かなかった事で売られた影響もありますが、株式分割で増えた株数が売り圧力となっている印象もあります。
【8058】三菱商事
続いての銘柄は最近株式分割を発表しましたが、まだ権利が落ちていない三菱商事です。
三菱商事は三菱グループの総合商社でエネルギー、金属などの金属資源部門に強みを持っています。
商社業界No1の会社規模で現在約1300社の連結対象会社と協働したビジネスを展開しており、アメリカを中心に直近の海外売上比率は5割を超えています。
そんななか、三菱商事は先日の第2四半期決算で12月31日を基準日とした株式の3分割を発表しています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 三菱商事 |
2019年3月期 | 5907 |
2020年3月期 | 5353 |
2021年3月期 | 1725 |
2022年3月期 | 9375 |
2023年3月期 | 11806 |
2024年3月期(会社予想) | 9500 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、2020年以降は増減の激しい展開となっています。2021年はコロナショックの影響で大幅減益となりましたが、2022年はコロナからの経済回復や商品市況の上昇で大幅増益となっています。
前期は商品市況の落ち着きを想定し当初は減益見込みとしていましたが、継続している商品市況上昇や円安の追い風もあり、最終的には最終利益が商社業界初の1兆円超となっています。
今期も商品市況の落ち込みを想定し期初当初は大きく減益見込みとしていますが、第2四半期決算で上方修正を発表しています。
上方修正後でも減益には変わりありませんが通期進捗率は49%付近ですので、今後の更なる上積みがあるかもしれません。
配当推移
銘柄名 | 三菱商事 |
2015年 | 70 |
2016年 | 50 |
2017年 | 80 |
2018年 | 110 |
2019年 | 125 |
2020年 | 132 |
2021年 | 134 |
2022年 | 150 |
2023年 | 180 |
2024年(会社予想) | 210 |
2015年からの配当推移を見ていますが、2016年以降減配はなく順調に増配傾向で、コロナ禍で業績を大きく落とした2021年にも増配しています。
そして2022年以降は好調な業績を背景に増配幅も大きくなっており、今期見込みは2015年と比較すると3倍の水準です。
三菱商事の配当方針は、2024年度までの中期経営戦略において減配せず持続的な利益成長に応じて増配していく累進配当を継続としており、具体的な目安は総還元性向で40%程度としています。
株価推移
株価はコロナショックで2094円まで売られた後は、停滞する時期を挟みながらも右肩上がりです。
特に今年に入ってからは急騰しており9月には7732円と上場来高値を更新しましたが、直近は7000円前後まで反落しています。
株価指標(2023年11月24日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
三菱商事 | 8058 | 7071 | 10.3 | 1.12 | 210 | 2.97 | 30.7 |
ここ数年大幅増配が続いており、株価も直近の高値から反落していますが配当利回りは3%前後まで低下しています。
今期業績は減益見込みですがPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は31%付近となっています。
投資判断
今までの内容から三菱商事の投資判断ですが、最近の業績や配当は順調に推移している事に加え、バフェット氏による買い増し報道で、ここ数年の株価は大きく上昇しています。
そのため、配当もかなりのペースで増配となっていますが、配当利回りは3%前後まで低下しています。
そんななか、直近の株価は高値から下落していますが、年末に向けては株式分割の権利取りで再度上昇する可能性がありそうです。
以上の点を踏まえると、来年以降に株式分割の権利が落ちて株価が下がる場面があれば狙いたいかなというところです。
株式分割の権利が落ちた銘柄と今後権利が落ちる銘柄のまとめ
ここまでは既に株式分割の権利が落ちたホンダと年末に権利が落ちる三菱商事の検証を行ってきました。
2銘柄とも業績や配当推移は順調に推移するなかでの株式分割でしたが、ホンダの株価は株式分割の権利が落ちた後に下落しています。
三菱商事の株価も権利落ちの年明けに下落するかは分かりませんが、もし下がる場面があれば、なかなか押し目が無かった総合商社株にとっては購入チャンスにも思えます。
しかし、いずれにしても本来であれば株式分割を発表する前に購入しておく事が理想的ではありますので、ここからは今後株式分割を発表しそうな3つの高配当株を検証していきます。
【2651】ローソン
今後株式分割を発表しそうな最初の銘柄はローソンで、国内2位の大手コンビニエンスストアです。
コンビニ以外にもスーパーの成城石井やユナイテッド・シネマ、ローソン銀行なども運営しています。
また、中国やタイ、インドネシアを中心に海外への進出も行っており、直近の海外売上比率は1割に迫る水準となっています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | ローソン |
2020年2月期 | 201 |
2021年2月期 | 86 |
2022年2月期 | 179 |
2023年2月期 | 297 |
2024年2月期(会社予想) | 470 |
2020年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響で減益となった2021年以降は順調に増益が続いています。
前期は店舗改装やマーケティング施策の効果などにより既存店売上が増えた事やエンタテインメント関連事業及び金融関連事業が順調に推移した事で増益となっています。
今期も期初当初は前期並みの予測としていましたが、「ハピろー!」などのマーケティング施策効果や店舗理想形改装効果などの影響で既存店売上が増えている事に加え、中国市場がロックダウン影響からの黒字転換で大幅な増益となっている事により、第2四半期決算で上方修正を発表し、大きく増益の見込みになっています。
しかし、上方修正後でも通期進捗率は69%付近と順調に推移していますので、更なる上積みも期待できそうです。
配当推移
銘柄名 | ローソン |
2015年 | 240 |
2016年 | 245 |
2017年 | 250 |
2018年 | 255 |
2019年 | 255 |
2020年 | 150 |
2021年 | 150 |
2022年 | 150 |
2023年 | 150 |
2024年(会社予想) | 235 |
2015年からの配当推移について、数年前までは250円付近で安定していましたが、人手不足や人件費上昇などへの加盟店支援策が急務として2020年に大きく減配となった後は150円で据え置きの期間が続きました。
そして、今期は業績好調を背景に久しぶりの大幅増配見込みとなっていますが、まだコロナ前の水準へは届いていない状況です。
ローソンの配当方針は、2025年度に向けての段階的な増配などにより、株主還元を強化するとしており、具体的な目標を連結配当性向50%としています。
また、2023年度から2025年度までの累計総還元性向の目途を70%としており、 機動的・柔軟な追加還元を検討する方針です。
株価推移
株価は2016年には1万円を超える水準まで上昇していましたが、2022年6月には4210円まで値を下げました。
しかし、その後は業績の回復と共に右肩上がりの状況で、直近は7400円前後で推移しています。
株価指標(2023年11月24日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
ローソン | 2651 | 7378 | 15.7 | 2.67 | 235 | 3.19 | 50.0 |
最近の株価は上昇しているなか、今期配当は大幅増配見込みですので配当利回りは3%前半となっています。
業績は増益が続いていますがPERに割安感はなく、配当性向は50%付近と方針通りの水準です。
株式分割を行いそうな理由
今までの内容からローソンが株式分割を行いそうな理由ですが、最近の業績は順調に増益が続いているなか海外進出にも注力しており、今後にも期待できそうな状況です。
その分、最近の株価も上昇している事で最低購入金額も70万円付近と東証が目安としている50万円を超えています。
そんななか、配当も据え置きの期間が長かったですが、今期は大幅増配見込みでコロナ前の水準へ近づいていますので、今後の更なる株主還元として株式分割にも期待したいです。
【1878】大東建託
今後株式分割を発表しそうな2番目の銘柄は大東建託です。
大東建託は土地活用のパートナーとして土地所有者へ建物賃貸の企画や提案、賃貸マンション、アパート建築などを提案する賃貸住宅建設の大手です。
一括借上の「賃貸経営受託システム」や不動産管理運営代行、入居者斡旋なども手掛けており、CMなどで目にする機会も多いかと思います。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 大東建託 |
2020年3月期 | 903 |
2021年3月期 | 622 |
2022年3月期 | 695 |
2023年3月期 | 703 |
2024年3月期(会社予想) | 730 |
2020年からの通期最終利益について、2020年に過去最高益を記録した後は減益となっていますが、ここ数年は700億円前後で安定しています。
2020年の業績が好調だった要因は、一括借上事業で利益が増えた事や人件費、広告宣伝費減少のためとしています。
2021年以降はコロナショックの影響で大きく減益となっていますが、前期はコロナの収束に伴う営業活動の制限緩和や過去最高水準の入居率を背景に増益となっています。
今期も同様の流れは継続見込みとして増益予測にしているなか、第2四半期時点の通期進捗率は53%付近と順調に推移しています。
配当推移
銘柄名 | 大東建託 |
2015年 | 375 |
2016年 | 432 |
2017年 | 536 |
2018年 | 583 |
2019年 | 606 |
2020年 | 653 |
2021年 | 455 |
2022年 | 511 |
2023年 | 516 |
2024年(会社予想) | 535 |
2015年からの配当推移について、業績好調を背景に2020年にかけては増配が続いていましたが、業績が落ち込んだ2021年は大きく減配となっています。
その後は業績の回復と共に増配となっていますが、まだコロナ前の水準へは戻れていない状況です。
大東建託の配当方針は、株主に対する利益還元を最重要経営課題として認識し、経営基盤の強化による安定配当を基本的スタンスとしながら、基準配当100円に連結業績に応じた利益還元分を含めた配当性向50 %を目標としています。
株価推移
株価は2017年12月に2万3550円の高値を付けた後は右肩下がりで、コロナショックでは8032円まで値を下げました。
その後は上下を繰り返しながらも反発し、直近は1万6600円前後で推移しています。
株価指標(2023年11月24日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
大東建託 | 1878 | 16635 | 14.9 | 2.50 | 535 | 3.22 | 47.8 |
最近の株価は上昇していますが、増配も続いていますので配当利回りは3%前半となっています。
ここ数年は増益が続いていますがPERに割安感はなく、配当性向は48%付近と方針通りの水準です。
株式分割を行いそうな理由
今までの内容から大東建託が株式分割を行いそうな理由ですが、何といっても最低購入金額が160万円付近となっている株価です。
まだ最終利益や配当額はコロナ前の水準へ戻れていませんが、東証が目安としている金額を大きくオーバーしており、来年から投資限度額が拡大される新NISAでも手を出しにくい水準です。
という事で、今後の住宅業界には資材やエネルギー価格高騰に加え、金利上昇懸念など先行き不透明な状況もありますが、5分割くらいの株式分割を期待したいです。
【8001】伊藤忠
今後株式分割を発表しそうな3番目の銘柄は総合商社の伊藤忠で、三菱商事や三井物産と並ぶ5大総合商社の一角とされています。
伊藤忠は従来から繊維や食品などの非資源部門に強みを持っていますが、ここ数年の業績は商品市況上昇に円安の追い風も加わり好調な状況が続いています。
また、最近はビックモーターの買収を検討していると報じられた事が話題になりました。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 伊藤忠 |
2019年3月期 | 5005 |
2020年3月期 | 5013 |
2021年3月期 | 4014 |
2022年3月期 | 8202 |
2023年3月期 | 8005 |
2024年3月期(会社予想) | 8000 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックで2021年は減益となっていますが、2022年からの業績は商品市況上昇の影響などで過去最高益の水準へV字回復しています。
前期は商品市況反動などの影響で減益にはなりましたが、他の総合商社と比較して減益率は低く、今期見込みも第2四半期決算で上方修正を発表した事で前期並みの予測となっているなか、通期進捗率は52%付近で推移していますので、増益での最終着地も期待できそうな水準です。
配当推移
銘柄名 | 伊藤忠 |
2015年 | 46 |
2016年 | 50 |
2017年 | 55 |
2018年 | 70 |
2019年 | 83 |
2020年 | 85 |
2021年 | 88 |
2022年 | 110 |
2023年 | 140 |
2024年(会社予想) | 160 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、コロナショックで業績が落ち込んだ2021年でも増配を継続しています。
そして、直近の増配額は業績好調を背景に大きくなっており、今期見込みは2015年と比較すると3倍以上の水準です。
伊藤忠の配当方針は2023年度までの中期経営計画中は累進配当を継続としており、今期は保守的な期初利益計画を踏まえ、期中上方修正時には総還元性向40%を目途とした追加還元を実施としています。
株価推移
株価はコロナショックで1911円まで売られた後は、停滞する時期を挟みながらも上昇傾向です。
そして、今年に入ると上昇ペースが加速し、直近は上場来高値の6000円前後で推移しています。
株価指標(2023年11月24日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
伊藤忠 | 8001 | 5959 | 10.8 | 1.66 | 160 | 2.69 | 29.0 |
最近の配当は大幅増配が続いていますが、株価も上場来の高値付近で推移していますので配当利回りは2%半ばまで低下しています。
業績好調によりPERは市場平均より割安で配当性向は29%付近と余裕を感じる水準です。
株式分割を行いそうな理由
今までの内容から伊藤忠が株式分割を行いそうな理由ですが、直近の業績や配当は順調に推移しているなか、株価も上昇している事で配当利回りは2%台まで低下しています。
そんななか、最低購入金額も60万円前後と東証が望ましいとする50万円未満を上回ってきました。
また、先日の決算で同じ総合商社の三菱商事が株式分割を発表していますので、伊藤忠にも株式分割への期待が高まります。
まとめ
今回は既に株式分割を行ったホンダと最近株式分割を発表した三菱商事の株価動向を検証したうえで、2024年に株式分割を発表しそうな3つの高配当株を検証しました。
最近の日本株が強い理由の1つとして株主還元力の向上は間違いなく大きな要因を占めていると思いますので、今後も株式分割を発表する銘柄は増えていくと思います。
しかし、途中でも触れた様に株式分割を発表した銘柄が「買い」かとなると微妙なところもありますので、できれば今後株式分割を発表しそうな銘柄を先回りで購入しておきたいところです。
という事で、今回検証した3銘柄が実際に株式分割を発表するかは分かりませんが、更なる株主還元を期待して見守りたいと思います。
来年株式分割を行いそうな3銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。
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