さすがに今年の株価は下げ過ぎで、来年は上昇しそうな7つの高配当株

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銘柄検証

今年の日経平均は初めて5万円の大台を突破し、TOPIXは今月に入っても連日で史上最高値を更新する場面があるなど、2025年の相場は記録にも記憶にも残る1年として、投資家の心に刻まれたまま、終わりを迎えようとしています。実際、春のトランプショック時の絶望感を思い出すと、その後の展開は驚異的ですらありますが、本格的なインフレが始まり、金利のある世界が戻ってきた日本において、2025年は大相場の入り口に過ぎないと捉える事もできます。

ただ、どんな銘柄も上昇していた様に感じる今年の相場でも株価が下落していた銘柄はあり、もちろん株価低迷の要因はそれなりにありますが、最近の株価上昇で最低購入金額が高額になっている銘柄も増えていますので、来年以降これらの出遅れ銘柄に注目が集まる可能性は十分あります。

そこで今回は、今年の強烈に強い相場と比較して、さすがに現在の株価が下げ過ぎで、来年は上昇しそうに思える7つの高配当株を検証していきます。

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【1928】積水ハウス

最初の銘柄は積水ハウスで、国内外で不動産開発を手掛けており、日本を代表するハウスメーカーです。戸建てや賃貸住宅、マンションなど幅広い物件を手掛けているなか、アメリカを中心に海外市場の開拓も進めており、直近の海外売上比率はアメリカの住宅メーカーMDC社を子会化した事で3割を超える水準まで拡大しています。

直近決算

積水ハウスは1月決算ですので、12月4日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は1470億円と前年同期比178億円の減益になっていますが、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありません。

前期比減益の要因について、売上は昨年4月に連結化したMDC社の業績が期初から貢献した事で過去最高を更新しており、国内事業も増益ですが、先行き不透明感が継続する米国戸建住宅事業の販売が低調に推移したためとの事です。

通期最終利益(億円)

銘柄名積水ハウス
2019年1月期1285
2020年1月期1412
2021年1月期1235
2022年1月期1539
2023年1月期1845
2024年1月期2023
2025年1月期2177
2026年1月期(会社予想)2320

2019年からの通期最終利益について、コロナショックの影響を受けた2021年は減益となっていますが、2022年以降は増益傾向となっており、最近は過去最高益が続いています。業績好調の要因は高付加価値住宅の提案やボリューム効果もあり国内市場が順調に回復している事に加え、アメリカを中心に海外市場も堅調に推移しているためとの事です。

そして、前期もアメリカの住宅メーカーMDC社の連結化や既存ビジネスの成長によって、過去最高益を更新しており、今期も好調な流れは続く見込みとして更に増益の予測にしていますが、第3四半期時点の通期進捗率は63%付近と最終着地は減益となる可能性もありそうです。

配当推移

銘柄名積水ハウス
2015年50
2016年54
2017年64
2018年77
2019年79
2020年81
2021年84
2022年90
2023年110
2024年123
2025年135
2026年(会社予想)144

2015年からの配当推移を見ていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配が続いており、前期までで13年連続の増配を継続中です。そんななか、最近の増配幅は業績好調を受けて大きくなっており、前期は本決算で6円の増額が発表された事で合計12円の増配、今期も現状は9円の増配予測としています。

積水ハウスの配当方針は中期的な平均配当性向40%以上に加え、一株当たり配当金の下限値を年間110円と設定しています。

株主優待

積水ハウスには株主優待もあり、魚沼産のコシヒカリが5kgもらえます。しかし、1000株保有が条件となっており今の株価だと350万円くらい必要ですので、優待目当てで買うのは厳しそうです。

株価推移

2023年以降の株価は上昇ペースが加速して、去年9月には4134円の高値を付けています。

しかし、その後は右肩下がりの状況で、4月の暴落で2906円まで売られた後も停滞していましたが、直近は3500円前後で推移しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
積水ハウス192834429.61.161444.1840.2

最近の株価は少し動き出していますが、増配も続いていますので配当利回りは4%前半と高水準です。

今期も過去最高益の見込みですのでPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は40%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容から積水ハウスの投資判断について、最近の業績は過去最高益が続いているなか、今期も更に増益の予測になっていますが、第3四半期時点の進捗率を踏まえると、今期は減益着地となる可能性もあります。今期業績が苦戦している要因は、売上が拡大していたアメリカ市場の低迷が大きく、国内市場でカバーしていますが、今期予測を達成できるかは不透明です。

その辺りの影響もあり、今年の株価は全体が強いなかでも低迷していましたが、来年はアメリカの利下げによって住宅ローン金利の低下も期待できますので、さすがに現在の株価は割安すぎに見えてきます。

【5401】日本製鉄 

2番目の銘柄は日本製鉄で日本最大手の鉄鋼メーカーですが、世界での生産量も第4位となっています。実際、直近の海外売上比率はアジアを中心に4割近くを占めており、最近ではアメリカの製鉄会社USスチールの買収でも話題になりました。

そんななか、今年9月末で株式の5分割を行っています。

直近決算

日本製鉄は11月5日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は1133億円の赤字と前年同期2433億円の黒字から大きく赤字転落しているなか、通期最終利益の見込みも600億円の赤字へ200億円下方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。

業績下方修正の要因は、コスト低減を中心としたさらなる収益改善があるものの、米国市場の不透明感が強い事を踏まえた、USスチールの業績見直しや事業再編損の計上などもあるためとの事です。

通期最終利益(億円)

銘柄名日本製鉄
2022年3月期6373
2023年3月期6940
2024年3月期5493
2025年3月期3502
2026年3月期(会社予想)-600

2022年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナからの経済回復による鉄鋼需要の高まりや価格改定の影響で2023年に過去最高益を記録した後は、世界の鉄鋼需要が低迷している事で減益が続いています。

そして、前期も鉄鋼需要の低迷が想定を超えて深刻化した事やコストの増加に加え、中国の新規投資などにより世界的に鉄鋼業が過剰になっている影響もあって減益となっており、今期も厳しい市場環境の継続やトランプ関税の影響を考慮して、期初から約1500億円の減益見込みで発表していたなか、第1四半期、第2四半期と連続で下方修正を発表した事で、現状は大きく赤字に転落する予測になっています。

配当推移

日本製鉄
2016年9
2017年9
2018年14
2019年16
2020年2
2021年2
2022年32
2023年36
2024年32
2025年32
2026年(会社予想)24

2016年からの配当推移を見ていきますが、変動が激しくなっており、コロナショックで業績が低迷した時期には無配のレベルにまで減配しています。そんななか、2022年以降は業績の回復とともに大きく増配となりましたが、直近は減益が続く業績と連動して減配傾向で、今期は赤字に転落する予測のなか、8円減配の年間24円予測となっています。

日本製鉄の配当方針は、連結配当性向30%程度を目安としつつ、2030年度までの中長期経営計画中は下限を年間24円としています。

株価推移

2023年頃からの株価は上昇が続き、去年3月には769円の高値を付けました。

しかし、その後は低迷して、今年4月には530円まで下落し、9月には690円まで反発しましたが、直近は600円前後で推移しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
日本製鉄5401602.40.61243.98

最近の株価は低迷していますので、今期配当は減配見込みですが配当利回りは4%前後と高水準です。

今期は赤字の見込みですので、PERや配当性向は算出できない状況です。

投資判断

今までの内容から日本製鉄の投資判断について、鉄鋼需要は世界景気の影響を大きく受ける事もあって、従来から業績の変動は激しいですが、最近は中国が雇用維持を目的に高水準の生産を継続し、余剰鋼材を大量輸出している影響もあり、特に厳しい状況が続いています。そのため、直近の配当も減配傾向ですが、今期は赤字に転落する予測になりましたので、以前なら無配に転落しても不思議では無かったなか、何とか粘っていると捉える事もできます。

実際、先週発表された中長期経営計画では、世界No.1の鉄鋼メーカーへ復権する事を戦略として掲げているなか、配当も2030年度までは現行の年間24円を下限に設定してくれましたので、さすがに株価はこの辺りが底になりそうな印象です。

【2897】日清食品HD

3番目の銘柄は日清食品HDでカップヌードルやチキンラーメン、どん兵衛などの即席麺を製造する大手の食品メーカーです。また、即席麺以外にもシリアル製品や乳酸菌飲料、冷凍食品なども手掛けています。

そんななか、アメリカを中心に直近の海外売上比率も4割近くを占めており、ブラジル・中国・インド・タイ市場への拡大も進めています。

直近決算

日清食品HDは11月10日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は225億円と前年同期比65億円の減益になっているなか、通期最終利益の見込みを115億円下方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。

前期比減益の要因について、国内事業は資材高騰の影響が大きく、海外市場も米国インフレ急加速による需要の停滞や円高の影響としています。

通期最終利益(億円)

銘柄名日清食品
2022年3月期354
2023年3月期447
2024年3月期541
2025年3月期550
2026年3月期(会社予想)430

2022年からの通期最終利益を見ていきますが、⾼付加価値商品の好調や価格改定の効果に加え、円安の影響もあって順調に増益が続いており、前期もコスト上昇圧力があるなか、効果的なマーケティング活動やブラジル・中国・アジア市場で補完できたとして過去最高益を記録しています。

しかし、今期はコスト増やトランプ関税の影響を考慮して、期初から微減益の見込みにしていたなか、第2四半期決算の下方修正で2割程度の減益予測になっています。

配当推移

銘柄名日清食品
2016年26.6
2017年28.3
2018年30
2019年36.6
2020年36.6
2021年40
2022年43.3
2023年46.6
2024年66.6
2025年70
2026年(会社予想)70

2016年からの配当推移について、コロナショックの影響があった2020年は据え置きになっていますが減配はなく、概ね順調に増配が続いています。実際、2021年以降は3円程度の増配が継続していたなか、2024年は一気に20円と大幅増配になりましたが、今期は現状据え置きの予測になっています。

日清食品HDの配当方針は、持続的な利益成長に合わせ、連結配当性向約40%を目安とした柔軟な増配を行う累進的配当に努めるとしています。

株価推移

株価は2023年頃からは上昇傾向で、その年の12月には5224円まで上昇しました。

しかし、その後は右肩下がりの状況で、直近は2900円前後まで下落しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
日清食品2897293519.61.75702.3946.7

最近の株価は下落が続いていますが、今期配当は据え置き見込みですので配当利回りは2%半ばとなっています。

今期は大きく減益見込みになりましたのでPER、PBRは市場平均と比較して割高で、配当性向は47%付近と目安の水準を少し上回っている状況です。

投資判断

今までの内容から日清食品HDの投資判断について、今期は今回の下方修正で大きく減益見込みになりましたが、ここ数年の業績は好調に推移していたなか、株価は去年以降、右肩下がりの状況です。株価下落の要因は、2024年にかけて株価が急騰していた反動やコスト高の影響に加え、アメリカを中心とした海外市場の先行きも懸念されている印象です。

ただ、ここ2年の株価下落で現状はコロナショック時付近まで値を下げていますので、累進配当が宣言されている事も含め、日本を代表する食品メーカーとして、さすがに狙いたくなる水準です。

【9104】商船三井

4番目の銘柄は商船三井で日本郵船、川崎汽船と並ぶ日本三大海運会社の1つです。グローバルな外航海運会社として鉄鉱石船やタンカーなどの海上貨物運送を手掛けています。

そんななか、アジアを中心に直近の海外売上比率は20%近くを占めています。

直近決算

商船三井は11月4日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は1162億円と前年同期比1323億円の減益になっているなか、通期最終利益の見込みを200億円下方修正していますが、配当は25円増額の年間200円予測に上方修正しています。

前期比減益のなか配当増額を発表した要因は、コンテナ船事業やウェルビーイングライフ事業の下振れを見込み通期業績予測は下方修正しましたが、安定収益資産への投資から期待できる安定したキャッシュフローと強固な財務体質を背景に今後も成長が見込めるためとしています。

通期最終利益(億円)

銘柄名商船三井
2019年3月期268
2020年3月期326
2021年3月期900
2022年3月期7088
2023年3月期7960
2024年3月期2616
2025年3月期4254
2026年3月期(会社予想)1800

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、順調に増益が続いていたなか、2022年と2023年は特に大幅増益となっています。この頃の業績が好調だった要因は、コロナからの経済回復によりコンテナ船やドライバルク船が歴史的な好市況となった事に加え、自動車船の輸送台数回復などのためで、2023年には過去最高益を記録しています。

しかし、2024年はコンテナ船事業の運賃下落などの影響により大幅減益となっており、前期は堅調なエネルギー事業や円安影響などで増益となりましたが、今期はコンテナ船事業などの市況がピークアウトする見込みな事や関税政策によるインフレ、世界経済の停滞が懸念される事に加え、円高影響も織り込み6割近い減益見込みにしているなかではありますが、第2四半期時点の通期進捗率は64%付近で推移しています。

配当推移

銘柄名商船三井
2016年16.67
2017年6.67
2018年6.67
2019年15
2020年21.67
2021年50
2022年400
2023年560
2024年220
2025年360
2026年(会社予想)200

2016年からの配当推移について、業績が大きく伸びた2022年以降は大幅増配が続いていましたが、2024年は業績の大幅減益と連動して大きく減配となりました。ただ、前期は業績が増益となった事で配当も140円の増配となり、今期は再び業績と連動して210円の大幅減配予測からのスタートだったなか、第1四半期、第2四半期と連続で25円の増額を発表していますが、依然前期比160円の減配予測です。

商船三井の配当方針は、関税影響による過度な下振れリスクの後退や足許の株価水準を考慮し、株主還元の強化を決定したとの事で、今期は還元性向40%水準を意識し、年間200円の配当を実施する方針です。

株価推移

株価は2023年夏頃からは上昇傾向で、今年3月には5673円まで上昇しました。

しかし、4月の暴落では4336円まで下落し、8月には5131円まで反発しましたが、直近は4500円前後で推移しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
商船三井910445238.60.602004.4238.1

最近の株価は低迷していますので、今期配当は依然大きく減配見込みですが配当利回りは4%半ばと高水準です。

今期は大きく減益見込みですがPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は38%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容から商船三井の投資判断について、従来から業績は変動が激しく、今期も第1四半期決算では上方修正を発表しましたが、第2四半期決算では一転下方修正と、落ち着きがありません。この辺りの要因としては、業績に大きな影響を与えるコンテナ市況、貨物需要の予想が難しい点が大きく、今期は更にトランプ関税の影響も考慮しないといけませんので、今後の業績も増減を繰り返しそうです。

ただ、今期配当は依然大きく減配見込みですが、現行の水準が下限に設定されており、来期から始まる新中計の還元政策は来年3月に発表予定との事ですが、「1株当たり200円程度を配当のベースとし、業績上振れ時には特別配当や自社株買いで株主還元を強化したい」としていますので、さすがに来年の株価は上昇に転じそうな雰囲気です。

【8897】ミラースHD

5番目の銘柄はミラースHDで、首都圏を中心に分譲マンションの開発や販売を手掛けており、2022年に社名をタカラレーベンから変更しています。

また、最近はM&Aを絡め再生可能エネルギーを活用したエネルギー事業にも注力しているところです。

直近決算

ミラースHDは11月10日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は8億円の赤字と前年同期20億円の黒字から赤字転落していますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

業績が赤字に転落した要因は、新築分譲マンション事業の竣工戸数が下期へ偏重しているためとしており、契約進捗率は76.1%と販売価格が高騰している状況の中でも順調に販売は進んでおり、概ね計画通りに進捗としています。

通期最終利益(億円)

銘柄名ミラースHD
2020年3月期53
2021年3月期46
2022年3月期62
2023年3月期45
2024年3月期81
2025年3月期82
2026年3月期(会社予想)80

2020年からの通期最終利益について、2023年はタカラレーベン・インフラへのTOBによる初期コストが発生した影響や創業50周年を迎えた事による広告宣伝費の増加などにより減益となっていますが、2024年は不動産事業が好調だった事やエネルギー事業の業績貢献に加え、広告宣伝費の減少などにより大きく増益となりました。

そして、前期も好調な流れは続く見込みとして更に大幅増益の予測にしていましたが、工事補償損失の計上や事務所移転費用の増加があった事などで最終着地は2024年と同水準になっており、今期もコア事業である新築分譲マンションで、首都圏のみならず地方の中心市街地における供給を積極的に推進するとしていますが、現状は微減益の予測になっています。

配当推移

銘柄名ミラースHD
2016年13
2017年15
2018年16
2019年16
2020年19
2021年14
2022年18
2023年22
2024年24
2025年30
2026年(会社予想)21

2016年からの配当推移について、コロナショックの影響を受けた2021年は減配となっていますが、その2021年以外は概ね順調に増配が続いていました。そんななか、2023年は50周年の記念配当が2円実施されていましたが、2024年は普通配当で2円の増配となっており、前期は一気に6円の増配となりましたが、今期は期初から9円の減配見込みで発表しています。

ミラースHDの配当方針は、業績に応じた適正な配当を安定的かつ継続的に実施するとしており、具体的な目安を配当性向35%~40%としているなか、2028年3月期までの中期経営計画中は下限を年間21円とし、累進配当も導入としています。

株価推移

2023年春以降の株価はじわじわと値を上げ、去年5月には595円まで上昇しました。

しかし、その後は500円付近で停滞しており、減配を発表した今年5月の決算発表以降は400円前後で低迷しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ミラースHD88973776.40.64215.5735.7

最近の株価は低迷していますので、今期は大幅減配見込みになりましたが配当利回りは5%半ばと高水準です。

今期業績は微減益の見込みですがPER、PBRは市場平均より割安で、配当性向は36%付近と目安の下限付近になっています。

投資判断

今までの内容からミラースHDの投資判断について、最近の業績は順調に推移しており、前期の最終着地も従来予想からは大きく下振れてしまいましたが、過去最高益ですので、そこまで悪い訳ではありません。そんななか、今期は第2四半期時点で赤字と心配な状況ですが、不動産企業の業績は第4四半期に偏る傾向があり、概ね計画通りとしていますので、下期の巻き返しに期待したいです。

以上の点に加え、インフレが進んでいる日本において、今後の不動産価格や賃料は更に上昇し、業績の追い風になる可能性が高いですので、今期は大きく減配となりましたが、現状は累進配当が宣言されている事も含め、来年はさすがに動き出すかもしれません。

【4540】ツムラ

6番目の銘柄はツムラで医療用漢方製剤を主力とする製薬会社です。高齢者関連やがん領域、女性関連領域を重点3領域として注力しています。

また、漢方製剤の主要原料である生薬の約80%を中国から輸入しており、中国市場への事業展開も進めている状況です。

直近決算

ツムラは11月10日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は124億円と前年同期比51億円の減益になっていますが、通期最終利益の見込みを13億円上方修正し、配当も8円増額の年間144円予測に修正しています。

前期比減益のなか業績の上方修正を発表した要因は、国内売上高の減少や原価の増加影響はありますが、新規連結先の貢献や加工費の低減に加え、政策保有株式の売却益もあったためとの事です。

通期最終利益(億円)

銘柄名ツムラ
2021年3月期153
2022年3月期188
2023年3月期164
2024年3月期167
2025年3月期324
2026年3月期(会社予想)243

2021年からの通期最終利益を見ていきますが、2022年にコロナ感染拡大の影響を受けながらもe-プロモーションの拡充を進めた事や主力製品が好調に推移した事で過去最高益を記録した後は、160億円台での推移が続きました。

そんななか、前期は国内や中国市場の伸長に加え、薬価改定に伴う増収効果で大きく増益になりましたが、今期は中国の生産拠点における製造加工費や生薬費の増加に加え、国内外での人件費上昇影響によって期初から3割近い減益予測にしており、第2四半期決算で上方修正は発表していますが、依然25%程度の減益予測になっています。

配当推移

銘柄名ツムラ
2016年64
2017年64
2018年64
2019年64
2020年64
2021年64
2022年64
2023年64
2024年85
2025年136
2026年(会社予想)144

2016年からの配当推移を見ていきますが、2023年までは64円でずっと一定でした。ここまで変わりがない配当推移も珍しいかと思いますが、2024年は株主還元の方針を変更した事で久しぶりに21円の増配となっており、前期も大幅増益と連動して一気に51円の大幅増配となっていたなか、今期は期初時点では減益見込みの業績と連動して据え置き予測でしたが、第2四半期決算で8円の増配が発表されています。

ツムラの配当方針は、DOEの維持・向上を基本とし、2031年度に向けてDOE5%の実現を目指すとしており、ちなみに今期配当のDOEは現状約3.6%となっています。

株価推移

株価は2000円台で停滞する時期も続きましたが、去年3月に薬価改定が報じられると急騰して9月には5138円まで上昇しました。

しかし、その後は低迷して、今年6月には3306円まで売られましたが、直近は今回の決算を受けて4000円前後まで上昇しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ツムラ4540407312.51.031443.5444.1

最近の株価は上昇していますが、今期配当も増配となりましたので配当利回りは3%半ばの水準です。

今期は依然大幅減益見込みですがPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は44%付近となっています。

投資判断

今までの内容からツムラの投資判断について、今期業績は第2四半期決算の上方修正後でも依然大きく減益見込みですが、数年前の水準は上回っており、配当も増配が発表されました。そんななか、今後の配当もDOEの水準を向上させていく方針を掲げていますので、業績の増減とは関係なく高水準な配当が期待できそうです。

以上の点を踏まえると、直近の株価は今回の決算を受けて少し上昇していますが、依然1年前の高値から1000円近く下げている現在の株価は、購入チャンスに見えてきます。

【2502】アサヒグループHD

最後の銘柄はアサヒグループHDで、アサヒビールやアサヒ飲料などを傘下に持つ持株会社です。アルコール類はスーパードライやクリアアサヒが主力商品で、WONDAや十六茶などのソフトドリンクも手掛けています。

そんななか、9月末にサイバー攻撃を受け、システム障害によって出荷ができない状況に陥り、11月に発表予定だった第3四半期決算も依然、公表できていない状況です。

直近決算

アサヒグループHDは12月決算ですので、8月7日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は587億円と前年同期比176億円の減益になっているなか、通期最終利益の見込みを100億円下方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。

前期比減益の要因は、前年にあった事業統合関連費用は減少しましたが、 セグメント変更に伴う減損損失の発生があったためとの事です。

通期最終利益(億円)

銘柄名アサヒHD
2019年12月期1422
2020年12月期928
2021年12月期1535
2022年12月期1515
2023年12月期1640
2024年12月期1920
2025年12月期(会社予想)1675

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響を受けて大幅減益となった2020年以外は1500億円前後で安定していました。そんななか、2022年は原材料価格上昇の影響を大きく受けた事で減益となりましたが売上は大きく伸びており、2023年はブランド投資により主要市場で競争優位性を高めながら持続的な単価向上を実現できたとして過去最高益を記録しています。

そして、前期も欧州を中心としたプレミアム化の進展や価格改定効果などで更に増益となりましたが、今期は前期にあった固定資産売却益の反動もあり期初から7%程度の減益見込みで発表していたなか、第2四半期決算で更に下方修正を発表しています。

配当推移

銘柄名アサヒHD
2015年16.6
2016年18
2017年25
2018年33
2019年33.3
2020年35.3
2021年36.3
2022年37.6
2023年40.3
2024年49
2025年(会社予想)52

2015年からの配当推移を見ていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配が続いており、減配は40年以上ありません。また、業績が大きく落ち込んだ2020年でも増配していたなか、前期は業績好調を背景に約9円の大幅増配となっており、今期も業績は現状減益見込みですが、3円の増配予測で発表しています。

アサヒグループHDの配当方針は具体的な目安をDOE4%以上としており、また今期から累進配当も導入しています。

株価推移

株価は2023年の夏以降1000円台後半で停滞が続いていましたが、今年1月には1562円まで売られる場面がありました。

その後は4月の暴落も関係なく2000円前後で推移していましたが、直近はサイバー攻撃を受けた影響で1700円前後まで下落しています。

株価指標(2025年12月18日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
アサヒHD25021632.514.30.90523.1945.7

最近の株価は下落しているなか、増配も続いていますので配当利回りは3%前後となっています。

今期は減益見込みですがPER、PBRは市場平均並みで、配当性向は46%付近となっています。

投資判断

今までの内容からアサヒグループHDの投資判断について、従来から40年以上減配が無く、実質的に累進配当の様な銘柄でしたが、今期から正式に累進配当が宣言されると共に配当性向の目安がDOE4%という高水準で導入されましたので、今や完全に減配リスクは無くなっています。

そんななか、株価は大きく動く銘柄ではありませんでしたが、直近はサイバー攻撃によるシステム障害の影響で大きく下げています。今回の被害額がどの程度になるかは依然分かりませんが、出荷自体は手作業で受注し、売上金額も前年比で9割を超える水準まで回復しているとの事ですので、さすがに来年は株価も反発しそうに感じます。

まとめ

今回は堅調な株式市場が続くなか、さすがに今年の株価は下げ過ぎで、来年は上昇しそうに思える7つの高配当株を検証しました。7銘柄とも直近の業績が一時的な要因もあって冴えなかったり、今後の業績に懸念があったりと、それぞれ株価が低迷している要因はありました。

ただ、配当に関しては下限が設定されていたり、累進配当を導入していたりと、今後の増配が期待できそうな部分も強かったですので、来年も波乱含みの相場となりそうですが、今年低迷していた銘柄には、より一層来年の株価上昇を期待したいです。

今年の株価が下げすぎに思える7銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。

さすがに今年の株価は下げ過ぎで、来年は上昇しそうな7つの高配当株

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