新NISAで永久に保有したい12個の高配当株

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銘柄検証

今年から始まった新NISAですが、従来の制度から大きく内容が改善された事もあり既に新NISAでの取引を始めた人や新たに新NISAで投資を始めようと考えている人も多いかと思います。

新NISAでは様々な点が旧NISAから改善されていますが、個人的には非課税期間が無期限化された事が1番のメリットに感じています。

何故なら、私は高配当株へ投資する際に10年、20年、もっと言えば一生保有する事を前提として購入していますので、保有している銘柄の配当が永遠に非課税で受け取れる事は夢の様な話です。

ただ、肝心の配当が永久に支給されるかは投資する銘柄によりますので、今回は配当目的で永久に保有できるポイントを4つのテーマに分類し、新NISAで永久に保有したいと思える合計12個の銘柄を検証しています。

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安定した配当

まず1つ目の永久保有ポイントは安定した配当です。永遠に配当を受け取る事を目的に購入していますので当たり前にはなりますが配当が安定している事は大きな永久保有ポイントです。そこでまずは過去の配当推移が安定している2銘柄を見ていきます。

【5020】ENEOS

配当が安定している最初の銘柄はENEOSです。

ENEOSは日本を代表するエネルギー・資源・素材企業グループで、石油や天然ガス開発、金属事業などを手掛けており、サービスステーション「ENEOS」の数は全国で1万を超えています。

また、再生エネルギーや水素・バイオ燃料などエネルギートランジションの実現に向けた取り組みも加速させています。

配当推移

銘柄名ENEOS
2015年16
2016年16
2017年16
2018年19
2019年21
2020年22
2021年22
2022年22
2023年22
2024年(会社予想)22

2015年からの配当推移を見ていきますが、2020年からは22円で変わっていないです。

ちなみにこの間の業績は商品市況価格の影響で大きく上下しており、2020年に至っては赤字に転落していますが、業績とは関係なく配当は安定しています。

ENEOSの配当方針は安定的な配当継続に配慮し、2025年度までの中期経営計画中は年間22円を下限としたうえ、3か年平均で在庫影響除き当期利益の50%以上を配当と自社株買いで還元するとしています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ENEOS5020624.37.80.61223.5227.6

最近の株価はじわじわ上昇していますが、配当は22円で安定しているため配当利回りは3%半ばとなっています。今期は増益見込みとしているなかPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は28%付近と余裕を感じる水準です。

ENEOSについて、業績は商品市況の影響で大きく上下していますが、配当は一定の水準で安定しています。

今後の業績も原油価格などに大きく影響を受ける事が予想されますが、現在の配当方針や余裕ある配当性向に加え、赤字に転落した時でも減配していない配当推移を踏まえると、今後の安定配当にも期待できそうですので新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【4502】武田薬品工業

配当が安定している2番目の銘柄は武田薬品工業です。

武田薬品工業の売上は国内医薬品企業の中でトップとなっており、現在約80の国と地域で医薬品を販売しています。

そして、2019年にはアイルランドの製薬大手シャイアーを買収するなど、M&Aを絡め企業規模の拡大を図っています。

配当推移

配当金
2015年180
2016年180
2017年180
2018年180
2019年180
2020年180
2021年180
2022年180
2023年180
2024年(会社予想)188

2015年からの配当推移を見ていきますが、前期までの年間配当は毎年180円で、遡ると2009年から10年以上180円で変わっておらず、30期以上減配はしていません。

そんななか、今期はレバレッジ低下の進捗および将来の成長に対する自信に基づく増配として、久しぶりに8円の増配見込みとしています。

武田薬品工業の配当方針は、毎年の年間配当金を増額または維持するとしており、今期より累進配当を導入しています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
武田薬品4502425971.80.991884.41317.0

年明けの株価は上昇していますが、今期は久しぶりの増配という事もあり配当利回りは4%半ばと高水準です。今期業績は大幅減益見込みとなっていますのでPERは市場平均よりもかなり割高で、配当性向も300%超と、こちらもあまり見ないほど高水準です。

武田薬品工業について、最近の業績推移は新薬の開発中止や後発品の影響に加え、M&Aに絡む損失の発生などで、大きく増減を繰り返しています。

そんななかでも年間配当は安定していますが、配当性向が100%を超える年も多く、今期の配当性向も300%超と通常であれば投資対象にはできないほど高水準です。

しかし、武田薬品工業は今期から配当方針に累進配当を導入したばかりですし、今までの配当推移からも今後の安定配当が期待できるかと思いますので、新NISAで永久に保有したい銘柄です。

右肩上がりの配当

2つ目の永久保有ポイントは右肩上がりの配当です。先程は配当が安定している2銘柄を見ましたが、やはり理想を言えば配当は右肩上がりの方が嬉しいです。という事でここからは配当推移が右肩上がりの3銘柄を見ていきます。

【8001】伊藤忠

右肩上がりの配当最初の銘柄は総合商社の伊藤忠で、三菱商事や三井物産と並ぶ5大総合商社です。

伊藤忠は従来から繊維や食品などの非資源部門に強みを持っていますが、ここ数年の業績は商品市況上昇に円安の追い風も加わり好調な状況が続いています。

また、最近はビックモーターの買収を検討していると報じられた事が話題になりました。

配当推移

銘柄名伊藤忠
2015年46
2016年50
2017年55
2018年70
2019年83
2020年85
2021年88
2022年110
2023年140
2024年(会社予想)160

2015年からの配当推移を見ていきますが、順調に増配が継続しており、コロナショックで業績が落ち込んだ2021年でも増配しています。

そして、直近の増配額は業績好調を背景に大きくなっており、今期見込みは2015年と比較すると3倍以上の水準です。

伊藤忠の配当方針は2023年度までの中期経営計画中は累進配当を継続としており、今期は保守的な期初利益計画を踏まえ、期中上方修正時には総還元性向40%を目途とした追加還元を実施としています。

株価指標(2023年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
伊藤忠8001657211.81.851602.4328.8

配当は順調に増配が続いていますが、最近の株価も大きく上昇していますので配当利回りは2%半ばまで低下しています。

業績も高水準で安定していますのでPERは市場平均より割安で配当性向は29%付近と余裕を感じる水準です。

伊藤忠について、2022年以降の業績は高水準で横ばいが続いていますが、配当は累進政策のもと増配が続いています。

累進配当を宣言している現在の配当方針は今期までとなっていますが、今までの配当推移や現在の余裕ある配当性向を踏まえると来期以降も更に株主還元を高めてくれると思いますので新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【1925】大和ハウス

右肩上がりの配当2番目の銘柄は大和ハウスです。

大和ハウスは大阪が本社の住宅総合メーカーで、住宅の他に物流施設・商業施設・医療介護施設・食品工場なども手掛けています。

また、現在25の国と地域で地域密着型の事業を展開するなど海外への進出も注力しており、直近の海外売上比率は1割を超えています。

配当推移

銘柄名大和ハウス
2015年60
2016年80
2017年92
2018年107
2019年114
2020年115
2021年116
2022年126
2023年130
2024年(会社予想)140

2015年からの配当推移をまとめていますが、減配はもちろん据え置きの年もなく順調に増配が続いています。

コロナショックの影響を受けた2020年頃は増配幅が1円程度の年も続きましたが、最近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっており、今期も業績は現状減益見込みですが配当は10円増配の予測になっています。

大和ハウスの配当方針は連結当期純利益35%以上、かつ一株当たり配当金額の下限は130円として業績に連動した利益還元を行い、かつ安定的な配当の維持に努めるとしています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
大和ハウス1925433510.51.131403.2334.1

配当は順調に増配が続いていますが、年明けの株価は急騰していますので配当利回りは3%前半となっています。

今期業績は減益見込みですがPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は34%付近と方針通りの水準です。

大和ハウスについて、最近の業績はコロナショックや米国不動産市況の影響を受け増減が続いていますが、配当は順調に増配が続いています。

そんななか、今後の金利先高観や景気減速懸念は住宅メーカーにとって懸念事項ですが、今までの配当推移や現在の余裕ある配当性向を考慮すると、業績が仮に今後も増減を繰り返しても右肩上がりの配当は期待できそうですので新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【7466】SPK

右肩上がりの配当最後の銘柄はSPKです。

SPKは自動車や産業、建設機械の部品を中心に取り扱っており、メーカー、モデルを問わず、あらゆる国産車、輸入車を対象に補修部品などを供給しています。

販路は国内のみに限らず、80か国、350社以上の顧客に高品質な自動車用補修部品を提供しています。

配当推移

銘柄名SPK
2015年29.5
2016年30.5
2017年31.5
2018年32.5
2019年33.5
2020年36
2021年37
2022年40
2023年44
2024年(会社予想)50

2015年からの配当推移について、数年前までは年間1円ずつの増配でしたが、前期は4円、今期は6円の増配見込みと以前と比較して増配ペースに勢いが付いており、増配は前期までで25期連続となっています。

SPKの配当方針は連続増配も意識しながら、業績に連動した従来以上に積極的な株主還元に努めるとしています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
SPK746620109.20.83502.4922.8

増配は継続していますが、最近の株価も上昇していますので配当利回りは2%半ばとなっています。

業績は順調に推移していますのでPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は23%付近と余裕を感じる水準です。

SPKについて、数年前までの業績は横ばいでコロナショックでは減益にもなりましたが配当は増配を継続しており、25年連続増配は国内でトップ5に入る記録となっています。

最近は業績も順調に推移するなか、現在の配当性向にも余裕がありますし、今期から配当方針には「連続増配も意識しながら」の文言が加わっていますので、今後の増配も期待して新NISAで永久に保有したい銘柄です。

右肩上がりの配当と業績

ここまでは配当が安定している銘柄や配当が右肩上がりの銘柄を検証しましたが、できれば配当だけでなく業績も右肩上がりの方が永久保有ポイントは高まりますので、ここからは配当に加え業績も右肩上がりの5銘柄を見ていきます。

【8316】三井住友FG

配当と業績が右肩上がり最初の銘柄は三井住友FGです。

三井住友FGは、メガバンクの三井住友銀行を中核に持つ金融持株会社で国内では三菱UFJFGに次ぐ存在です。

三井住友銀行のほか、SMBC日興証券や三井住友ファイナンス&リース、三井住友カードなどを傘下にしています。

また、インドネシア、インド、ベトナム、フィリピンを中心に海外進出を進めています。

通期最終利益(億円)

銘柄名三井住友FG
2018年3月期7343
2019年3月期7266
2020年3月期7038
2021年3月期5128
2022年3月期7066
2023年3月期8058
2024年3月期(会社予想)9200

2018年からの通期最終利益について、コロナショックの影響を受けた2021年は5000億円台へ大きく減益となりましたが、その2021年以外は7000億円台で安定しています。

そんななか、前期はコロナからの経済回復を受けて法人貸出の増加や付帯取引の獲得、好調な決済ビジネスなどにより各事業部門の主要ビジネスがバランスよく増益になったとして、最終利益は8000億円台での最終着地となりました。

そして、今期も好調な流れは継続する見込みとして更に増益の予測にしているなか、第3四半期時点の通期進捗率は86%付近と順調に推移しています。

配当推移

銘柄名三井住友FG
2015年140
2016年150
2017年150
2018年170
2019年180
2020年190
2021年190
2022年210
2023年240
2024年(会社予想)270

2015年からの配当推移について、たまに据え置きの年はありますが順調に増配傾向です。

特に最近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっており、今期見込みも期初当初は10円の増配予測となっていましたが、第2四半期決算で増額され一気に30円の増配見込みになっています。

三井住友FGの配当方針はボトムラインの成長を通じて増配を実現するとしており、配当は累進的で具体的な目安は配当性向40%としています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
三井住友FG8316756510.80.722703.5738.7

大幅増配は継続していますが、最近の株価も大きく上昇していますので配当利回りは3%半ばまで低下しています。

業績は増益が続いていますのでPER、PBRは市場平均よりも割安で、配当性向は39%付近と方針通りの水準です。

三井住友FGについて、最近の業績は順調に推移するなか配当も累進政策のもと増配が続いています。

現在の配当性向は目安の40%付近ですが、来期以降も業績の伸長や配当性向の引き上げにより増配を継続してくれる可能性は高そうですので、新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【9433】KDDI

配当と業績が右肩上がり2銘柄目はKDDIです。

KDDIはNTT、ソフトバンクと並ぶ大手通信会社です。

モバイル通信サービスはauやUQ mobile、povoのマルチブランド戦略に取り組んでいますので、実際にKDDIの携帯を使用している人も多いかと思います。

そして、通信業界の直近業績は通信料金値下げの影響を受けていますが、金融やDX、決済事業などの通信部門以外の成長領域でカバーしている状況です。

通期最終利益(億円)

銘柄名KDDI
2019年3月期6176
2020年3月期6397
2021年3月期6514
2022年3月期6724
2023年3月期6774
2024年3月期(会社予想)6800

2019年からの通期最終利益について、6000億円台で安定しているなかコロナショックも関係なく増益が続いています。

ここ数年は通信料金の値下げに加え、前期は2022年7月に大規模通信障害を引き起こし加入者への賠償額として総額約75億円を支払った事などが減要因として影響していましたが、DXや金融などの注力領域でカバーし増益を維持しています。

そして、今期は通信料収入の反転や注力領域の更なる成長などで増益見込みとしているなか、第3四半期時点の通期進捗率は80%付近と順調に推移しています。

配当推移

銘柄名KDDI
2015年56
2016年70
2017年85
2018年90
2019年105
2020年115
2021年120
2022年125
2023年135
2024年(会社予想)140

2015年からの配当推移を見ていきますが、据え置きの年すらなく順調に増配が続いており、前期までで21期連続の増配を継続中です。

ここ数年の増配幅は5円から10円とものすごく大きいわけではありませんが、安定して増配している印象です。

KDDIの配当方針は配当性向40%超と利益成長に伴うEPS成長の相乗効果により、今後も持続的な増配を目指すとしています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
KDDI9433446713.71.801403.1343.0

増配は継続していますが、年明けの株価は大きく上昇していますので配当利回りは3%前後となっています。

業績も増益が続いていますがPER、PBRに割安感はなく、配当性向は43%付近と方針通りの水準です。

KDDIについて、ここまで業績や配当がじわじわ増え続ける銘柄は珍しく、派手さは無いですが着実に成長を続ける姿勢は高配当株に最適です。

先日はローソンに対するTOBが発表された事も含め、今後は通信会社にとどまらない成長が期待できるかと思いますので、新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【7267】ホンダ

配当と業績が右肩上がり3銘柄目はホンダです。

ホンダは日本を代表する輸送機器メーカーで、オートバイの販売台数、売上高は世界1位となっており、国内に限らず北米やアジアなど世界各国に製品を販売しています。

EV化や自動運転など大きな過渡期を迎えている自動車業界ですが、EV化については2030年までに四輪車で年間200万台超の生産を目標にしています。

通期最終利益(億円)

銘柄名ホンダ
2019年3月期6103
2020年3月期4557
2021年3月期6574
2022年3月期7070
2023年3月期6952
2024年3月期(会社予想)9600

2019年からの通期最終利益について、コロナショックで大きく減益となった2020年以降は順調に推移していましたが、前期は減益での最終着地となりました。

前期減益の要因は半導体供給不足の影響による四輪車の生産・販売台数減少に加え、原材料価格の高騰やインフレ影響による製造コストの上昇などとしています。

しかし、今期は従来から取り組んできた商品価値向上に見合う値付けや事業体質の更なる強化に加え、四輪車の生産・販売台数増加などの影響で期初当初から大きく増益の見込みにしていました。

そんななか、収益体質の更なる強化や為替影響を反映し第3四半期決算で通期見通しを上方修正していますが、それでも進捗率は91%付近と順調に推移しています。

配当推移

銘柄名ホンダ
2015年29.3
2016年29.3
2017年30.6
2018年33.3
2019年37
2020年37.3
2021年36.6
2022年40
2023年40
2024年(会社予想)58

2015年からの配当推移を見ていきますが、ホンダは去年9月末に株式分割を行っていますので金額は調整した金額になっています。

コロナショックの影響を受けた2021年は減配になっていますが、概ね順調に増配傾向となっており、前期は減益となった業績の影響もあり据え置きとなりました。

そして、今期は第2四半期決算で増額された事もあり一気に18円と大幅増配の見込みになっています。

ホンダの配当方針は、連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努める方針です。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ホンダ72671703.58.60.69583.4030.4

年明けの株価は上昇していますが、増配が継続している事で配当利回りは3%半ばとなっています。

今期は大幅増益見込みですのでPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は30%付近と方針通りの水準です。

ホンダについて、前期は減益となりましたがここ数年の業績は順調に推移しており、特に今期は大きく増益の見込みになっています。

好調な業績と連動し配当も増配が続いていますが、今後の自動車業界は世界的なEV化により更に大きな変革が進んでいくと思いますので、新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【8593】三菱HCキャピタル 

配当と業績が右肩上がり4銘柄目は三菱HCキャピタルです。

三菱HCキャピタルは機械や器具備品のリース、割賦販売、貸付を中心に、再生エネルギーや不動産、航空・モビリティ領域なども手掛けています。

また、直近業績の海外売上比率も3割程度に迫るほど国際的な企業です。

通期最終利益(億円)

銘柄名三菱HCキャピタル
2019年3月期687
2020年3月期707
2021年3月期553
2022年3月期994
2023年3月期1162
2024年3月期(会社予想)1200

2019年からの通期最終利益をみていきますが、コロナショックで業績が落ち込んだ2021年以外は順調に増益傾向となっています。

前期業績が好調の要因は、2021年11月に完全子会社化した米国の海上コンテナリース会社CAIの利益貢献や貸倒関連費用の減少としています。

そして今期は、前期に計上した税金費用の減額効果の剥落などの影響で微増益の見込みにしているなか、期初計画外の米国不動産事業における損失や環境エネルギー事業における減損損失の影響で第3四半期時点の通期進捗率は67%付近と最終着地が心配な水準になっています。

配当推移

銘柄名三菱HCキャピタル
2015年9.5
2016年12.3
2017年13
2018年18
2019年23.5
2020年25
2021年25.5
2022年28
2023年33
2024年(会社予想)37

2015年からの配当推移をまとめていますが順調に増配傾向が続いており、連続増配は前期までで24期連続となっています。

増配額もコロナショック時の2021年は0.5円とぎりぎりの増配でしたが、ここ数年の増配幅は好調な業績を背景に大きくなっています。

三菱HCキャピタルの配当方針は、株主還元は配当によって行うことを基本とし、利益成長を通じて配当総額を持続的に高めていくとしており、具体的な目安は配当性向40%以上としています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
三菱HCキャピタル85931042.512.50.91373.5544.2

最近の株価は上昇していますが、増配も継続している事で配当利回りは3%半ばとなっています。

業績も増益が続いていますがPERにそれ程割安感はなく、配当性向は44%付近と方針通りの水準です。

三菱HCキャピタルについて、今期業績は現状苦戦していますが、航空事業の純利益が下期偏重である事や期初計画比で海上コンテナリース事業が好調を継続する事に加え、アセット売却益の上振れも見込めるとしていますので、まだまだ挽回できる可能性は高そうです。

そんななか、配当は20年以上増配が続いており、今後の安定した増配にも期待できそうですので新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【8584】ジャックス

配当と業績が右肩上がり最後の銘柄はジャックスで三菱UFJ銀行系列の大手クレジット会社です。

ジャックスはオートローンなどのクレジット事業や一括・分割ショッピングのクレジットカード・ペイメント事業に加え、ファイナンス事業などを手掛けています。

通期最終利益(億円)

銘柄名ジャックス
2019年3月期89
2020年3月期107
2021年3月期117
2022年3月期183
2023年3月期216
2024年3月期(会社予想)230

2019年からの通期最終利益を見ていきますが順調に増益傾向で、コロナショックの影響を受けた2020年頃も減益には陥っておらず、特に2022年以降は業績が大きく伸びています。

2022年以降の業績が好調の要因は、コロナからの経済回復によりオートローンを中心に取扱高が増加しクレジット事業が堅調に推移した事やカードショッピングの取扱高が増加した事に加え、海外事業もクレジット事業の取扱高が好調に推移したためとしており、前期は過去最高益を記録しています。

そして、今期も好調な流れは継続するとして更に増益の見込みにしているなか、第3四半期時点の通期進捗率は79%付近と順調に推移しています。

配当推移

銘柄名ジャックス
2015年70
2016年70
2017年75
2018年80
2019年80
2020年95
2021年105
2022年160
2023年190
2024年(会社予想)210

2015年からの配当推移について、たまに据え置きの年はありますが減配はなく順調に増配が続いており、特に最近の増配幅は業績好調を背景に大きくなっています。

そして、今期も期初当初は10円の増配見込みとしていましたが、第2四半期決算で更に10円の増額を発表しています。

ジャックスの配当方針は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置付け、具体的な目安を連結配当性向30%としています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ジャックス858454408.20.852103.8631.7

大幅増配が続いていますが、年明けの株価も上昇していますので配当利回りは3%後半となっています。

今期業績も増益見込みですのでPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は32%付近と方針通りの水準です。

ジャックスについて、数年前の業績は100億円前後で推移していましたが、最近は一気に2倍以上の水準へ増えています。

好調な業績と連動し配当も増配が続いていますが、現在の配当性向には依然余裕がありますので、新NISAで永久に保有したい銘柄です。

将来の増配を予測している銘柄

ここまでは今までの配当や業績推移を踏まえ永久保有したい銘柄を選定してきましたが、最後のパートでは将来の増配を予測している銘柄を検証していきます。

通常、3月期銘柄は5月頃に発表する本決算で今期の配当見込みを公表しますが、銘柄によっては数年先の配当額や配当の目安まで予測している場合があります。

もちろん予測ですので今後の業績によっては変更になる可能性はありますが、数年先の配当予測額まで公表する事は企業の自信の表れだとも言えますので、最後は将来の増配を予測している2銘柄を検証していきます。

【3431】宮地エンジニアリング

将来の増配を予測している最初の銘柄は宮地エンジニアリングで、橋梁や鉄骨などを施工する建設会社です。

既設橋梁の保全や補修、シールドトンネル向けの鋼製セグメントなども手掛けており、国土交通省や高速道路会社などの官公庁が主要顧客となっています。

配当推移

宮地
2015年10
2016年20
2017年20
2018年20
2019年30
2020年40
2021年40
2022年70
2023年70
2024年(会社予想)180

2015年からの配当推移について、据え置きが続く期間もありましたが減配はなく、増配傾向となっています。

そんななか、最近の増配額は特に大きくなっており、今期配当は創立20周年の記念配当も10円含まれてはいますが、第1四半期決算で目安の配当性向を引き上げた事や第3四半期決算で20円の配当増額が発表された事で大幅増配見込みになっています。

宮地エンジニアリングの配当方針は、好業績時には機動的な株主還元を実施するなど、株主還元の維持や拡⼤を図るとしており、中期経営計画中の2027年3月期までは具体的な目安を総還元性向60%としています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
宮地エンジニアリング3431349512.51.251805.1564.5

最近の株価は上場来の高値付近まで上昇していますが、大幅増配の影響で配当利回りは5%前後と高水準です。今期業績は増益見込みですがPERにそれほど割安感はなく、配当性向は64%付近となっています。

宮地エンジニアリングについて、業績は安定しているなか去年8月に配当性向の目安を引き上げ大幅増配となっており、配当性向を引き上げた現在の配当方針については2027年3月期まで維持する方針です。

そして、決算書では現在の業績予想計画に基づき2025年3月期の配当予測を年間170円、2027年3月期の配当予測を年間180円としていましたが、2月9日に発表した第3四半期決算で今期配当を年間180円まで増額しています。

という事で既に3年後の目標をクリアしてしまいましたが、今後の更なる増配を期待して新NISAで永久に保有したい銘柄です。

【8566】リコーリース

将来の増配を予測している2番目の銘柄はリコーリースです。

リコーリースは複合機やパソコンなどのオフィス関連機器に加え、医療機器や産業工作機械、計測器などのファイナンス・リースや法人向けに融資を行っているリコー系のリース会社です。

リース銘柄らしい抜群の株主還元力に加え、ここ数年の業績や配当は順調に推移しています。

配当推移

銘柄名リコーリース
2015年50
2016年55
2017年60
2018年70
2019年80
2020年90
2021年100
2022年120
2023年145
2024年(会社予想)150

2015年からの配当推移を見ていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配が継続しており、前期までで28期連続増配を継続中です。

そして、最近の増配幅は好調な業績を背景に大きくなっています。

また、リコーリースは去年10月に発表した決算で株主還元方針を見直しており、配当の累進性と業界トップクラスの還元水準を意識し、配当性向は 26年3月期に40%以上、30年3月期に50%を目安と従来の目安35%から引き上げています。

株価指標(2024年2月9日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
リコーリース8566503010.80.711502.9832.1

最近の株価はじわじわ上昇していますが、継続して増配している事で配当利回りは3%前後となっています。

今期業績は減益見込みですがPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は32%付近と余裕を感じる水準です。

リコーリースについて、今期は減益見込みになっていますが業績は概ね順調に推移しているなか、配当は30年近く増配が続いています。

また、先程お伝えした様に去年の第2四半期決算で配当方針を見直し、「累進」という文言を入れた事や配当性向の引き上げを発表しています。

ちなみに、今期のEPSを2030年3月期の配当性向目安50%で計算すると年間配当は約233円となり、今期見込みよりも83円高く、配当利回りも現在の株価で計算すると4%半ば付近になりますので、新NISAで永久に保有したい銘柄です。

まとめ

今回は新NISAで永久保有したいと思う高配当株を4つのテーマに分け、合計12銘柄を検証しました。

冒頭でもお伝えした様に、高配当株投資における新NISA1番のメリットは配当を永遠に非課税で受け取れる事だと思っていますが、保有している銘柄からの配当が永遠に続かないと意味が無くなります。

その様な意味で、もちろん未来の事は誰にも分かりませんが、今回検証した12銘柄には永遠に配当を出し続けてくれる可能性を感じますので、それぞれ新NISAで永久に保有したい銘柄です。

新NISAで永久に保有したい銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。

新NISAで永久保有したい高配当株12選

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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