今回は優待まで含めた総合利回りが約6%のGSIクレオスが高配当銘柄として投資可能かGSIクレオスの現状や今後を踏まえて検証してみたいと思います。
GSIクレオスとは
GSIクレオスは繊維と工業製品を中心に取り扱う事業創造型の専門商社で、社名のGSIには、「グローバルで洗練された知性」という意味があり、クレオスには「創造する新しい方向へと進める曙の女神」という意味が込められています。
繊維事業では、企画提案や素材、テキスタイルの開発・調達から製品の⽣産までを手掛けており、工業製品事業では化学品や機械・材料、ホビー・ライフの分野で専⾨性豊かな商品・商材を提供しています。
GSIクレオスの現状
GSIクレオスの現状ですがコロナ感染拡大を受けて繊維原料や⽣地の取引は低調に推移していましたが、医療・衛⽣消耗品の需要に対応した事やホビー関連商材では国内の巣ごもり需要と海外市場開拓・深耕が堅調に推移し2021年3月期は大幅増益となっています。
特に医療・衛⽣対策商品のアンチウイルス技術を活⽤したマスクや医療⽤ガウン・ 防護服などの供給が利益増加に貢献している状況です。
直近決算
GSIクレオスは5月13日に本決算を発表しており最終利益は約16億円で約4億円の減益、配当は5円増配の年間60円となっています。
今期予測は最終利益が17億円と約6000万円の増益、配当は5円増配の年間70円見込みで発表しています。
2022年3月期減益の要因は景気回復の動きがみられる中、工業製品事業は増収増益でしたが、前期業績に貢献した医療・衛生消耗品の需要が一巡した為としています。
株価推移
株価はコロナショックで419円まで売られた後は、上下を繰り返しながら上昇しています。
2021年3月には1436円の高値を付けましたがその後は売られ、去年後半には再び1000円を割れる場面がありましたが、直近は1300円台に株価を戻してきています。
最終利益(億円)推移
銘柄名 | GSIクレオス |
2019年3月期 | 11 |
2020年3月期 | 10 |
2021年3月期 | 20 |
2022年3月期 | 16 |
2023年3月期(会社予想) | 17 |
2019年からの最終利益を見ていきますが、2021年3月期が現状ピークになっています。
2021年3月期は先程も触れた様に、コロナ感染拡大により医療・衛⽣対策商品が伸びた事で最終利益が大きく伸びています。
コロナ特需の反動もあり前期は減益となりましたが今期は増益見込みとなっており、コロナ前の水準と比較すると業績は大きく伸びている状況です。
配当推移
銘柄名 | GSIクレオス |
2015年 | 10 |
2016年 | 10 |
2017年 | 15 |
2018年 | 17.5 |
2019年 | 20 |
2020年 | 22.5 |
2021年 | 30 |
2022年 | 65 |
2023年(会社予想) | 70 |
2015年からの配当推移を見ていきますが順調に増配が続いているなか、2022年の配当は一気に2倍以上に増配しています。
GSIクレオスは昨年11月に発表した2024年度までの中期経営計画で配当方針を従来の配当性向25%から50%へ引き上げており、配当性向の引き上げによって大幅増配となっています。
株価等指標(2022年6月10日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
GSIクレオス | 8101 | 1314 | 9.5 | 0.66 | 70 | 5.33 | 50.4 |
大幅増配を受けて株価は上昇していますが、配当利回りは5%を超えています。
PERやPBRは市場平均と比較して割安で配当性向は50%付近と方針通りの水準です。
株主優待
GSIクレオスには優待もありますので内容を表にまとめています。
保有年数/保有株数 | 100株以上300株未満 | 300株以上 |
3年未満 | 1000円 | 2000円 |
3年以上 | 2000円 | 3000円 |
保有株数や保有年数によってQUOカードが貰える優待になっていますが、権利確定は決算月とは異なり9月末となっています。
GSIクレオスの今後
GSIクレオスは昨年11月に2024年度までの中期経営計画を発表しており、事業創造型商社としてニッチな分野で新しい価値を提供しサステナブルな社会づくりに貢献する事を方針として掲げています。
そして2つの挑戦として過去最高純利益の更新と資本市場からの信任度の向上を挙げています。
過去最高純利益の更新では、工業製品事業を成長ドライバー、繊維事業を根幹事業と位置づけ2025年3月期の最終利益目標を22億円としています。
資本市場からの信任度の向上では、現状流通株式時価総額100億円以上がプライム市場上場基準に達していない為、プライム市場上場を確実なものとする為に企業価値の向上を目指す方針です。
また成長ドライバーとしている工業製品の注力事業としては、各国の半導体需要急増を背景に日本・米国・中国の3拠点連携により関連製造装置用・設備用部材の拡販やGSIクレオスグループの繊維・工業製品、国内・海外関係会社の協働で有力メーカーと連携し、メディカル関連事業を展開していく方針です。
また、プラモデルキットや模型用塗料・ツールなど世界で評価されている自社ブランド・ホビー商材のシェアをグループ連携で高めていくとしています。
GSIクレオスの投資判断
今までの点を踏まえGSIクレオスの投資判断ですが、業績はコロナ特需を受けて大きく伸びており、配当利回りも5%超えと高配当株銘柄として魅力を感じる水準です。
GSIクレオスは繊維原料から半導体部材、人口透析器に加えプラモデルキットまで幅広い商品を取り扱っているなか、海外の売上比率も50%超と将来性も楽しみな企業です。
株価は配当性向が引き上げられた去年11月以降しっかりした動きが続いていますが、指標面に割高感はなく、10万円台で購入可能な株価も魅力的です。
配当が期末一括配当な点とQUOカードの株主優待は、最近の公平な株主還元の流れで今後どうなるか分かりませんが、優待はおまけ程度の気持ちで考えれば中長期運用の高配当銘柄として十分検討できる銘柄だと思います。
GSIクレオスの投資判断はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。
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