【2022年最新版】 インフラファンドの利回りや今後を比較検証

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銘柄検証

今回は利回り6%超の銘柄が複数あるインフラファンドの現状と今後を踏まえ、インフラファンドは高配当銘柄として投資可能か検証していきます。

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インフラファンドとは

まずインフラファンドの事業内容を簡単にまとめていきます。

インフラファンドとは、太陽光発電設備をはじめとする再生可能エネルギーや空港、鉄道、道路といったインフラに投資し、そのインフラから得られる収益を分配金として配当するファンドの事です。

日本の成長戦略の1つとしてインフラ投資に民間資金を投入させる目的があり、インフラファンドには配当可能利益の90%超を投資家に分配すること等を条件として法人税の非課税期間が20年間となる優遇制度が設けられています。

2016年に上場した「タカラレーベンインフラ投資法人」がインフラファンド上場第1号で現在7銘柄が上場していますが、全てのインフラファンドが太陽光発電を保有物件に組み入れており、保有物件が不動産という点は違いますがREIT(リート)の太陽光発電版の様なイメージです。

インフラファンドの現状

インフラファンド全体の基準価格の動きは去年後半から冴えない展開が続いていますが、その要因として考えられるのは公募増資と金利の上昇です。

インフラファンドは新規物件取得の為に定期的に公募増資を行う事も多く、2021年だけでも7銘柄のうち4銘柄が行っており、それぞれ公募増資発表と共に基準価格を大きく下げています。

インフラファンドに限りませんが、公募増資を行う事で発行口数が増え1口当たり価値の希薄化懸念から公募増資は短期的に売り材料になってしまいます。

そして公募増資同様、新規物件取得の為に借入れも行っていますので、最近の金利上昇はインフラファンドにとってマイナス材料となってしまいます。

以上の様な点が最近のインフラファンド基準価格が冴えない主な理由かと思いますが、公募増資に関しては資産規模を大きくする為に行っていますので、資産規模の成長という中長期の視点で見た場合はマイナス材料ばかりでもありません。

この辺りの動きについてもREIT(リート)と似ているところがあります。

インフラファンドのメリット、デメリット

ここからはインフラファンドのメリット、デメリットをまとめていきます。

インフラファンドのメリット

上場している銘柄の大半は利回りが6%を超えており、分配金利回りが高い

現在上場している7銘柄中6銘柄は利回りが6%を超えており、分配金利回りの高さはインフラファンドの大きな魅力です。

基準価格・分配金が安定している

公募増資や分配金の権利落ちで基準価格が大きく下がる事はありますが、基本的にそこまで値動きの激しい銘柄ではありません。
また、分配金も余程の事が無い限りは安定していますし、銘柄によっては2026年までの分配金予想を発表している銘柄もありますので、中長期で安心して保有する事ができます。

再生可能エネルギー銘柄として今後注目を浴びる可能性有り

太陽光発電は、世界的な脱炭素の流れやESG関連として今後注目される可能性があります。

インフラファンドのデメリット

FIT(固定価格買取制度)終了後の売電価格下落

FITとは再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取る事を国が約束する制度の事で、発電事業者が受け取る固定買取価格は調達期間20年間固定です。

現在売電価格は下落が続いており、FIT終了後の売電価格はインフラファンドの大きな懸念点です。

自然災害等による設備被害リスク

台風や地震などの自然災害により保有物件の設備が被害を受けてしまう可能性や天候不順により想定ほど発電出来ない可能性もインフラファンドのリスクです。

従って保有物件が全国に分散されている銘柄は、この様な自然災害リスクを軽減する事ができます。

減価償却

インフラファンドは保有する資産の大半が発電設備という仕組みですので減価償却費が多く、それを利益超過分配金として利益分配と一緒に投資家へ分配金として支払います。

銘柄によって利益超過分配金の比率は違いますが、多い銘柄だと分配金の半分前後が利益超過分配金の場合もあります。

利益超過分配金自体に問題がある訳ではありませんが、減価償却も永遠にできるものではありませんので、比率が高すぎると将来的には減配のリスクとなります。

インフラファンド個別銘柄の特徴

それではここからは、現在上場しているインフラファンド7銘柄をコード順に見ていきます。

【9281】タカラレーベンインフラ投資法人

42件の物件を保有しており、エリアは九州から東北まで分散されています。

タカラレーベンインフラは冒頭でお伝えした様に1番最初に上場したインフラファンドですが、2021年と2022年の分配金が下落傾向な点が気になるところ。

【9282】いちごグリーンインフラ投資法人

15件の物件を保有しており、エリアは沖縄から北海道まで分散されてはいますが、北海道が7件と半数を占めています。

6月権利確定の年1回分配ですが、2026年の分配金予想まで公表しています。

またいちごグリーンインフラには抽選ですがJリーグのチケットが当たる優待もありますのでサッカーが好きな方は狙ってみても良いかもしれません。

ちなみに私はいちごグリーンインフラを保有していますので、毎試合申し込みを行っており先日チケットが当選しました。

申し込み出来る席数や席の種類は毎回違いますが、当選した時の席は1人1万円くらいする非常に良い席でした。

いちごグループの優待については、下記記事で詳細をまとめていますので興味のある方はご覧ください。

【Jリーグチケットが当たる!!】いちごグループの優待情報

【9283】日本再生可能エネルギーインフラ投資法人

55件の物件を保有しており、保有物件数はインフラファンドNo.1です。

エリアも九州から北海道までバランス良く分散されており、分配金は6400円前後で安定しています。

【9284】カナディアンソーラー・インフラ投資法人

25件の物件を保有しており、エリアは九州で約7割を占めています。

分配金は7400円前後で安定。

【9285】東京インフラエネルギー投資法人

11件の物件を保有しており、エリアは九州、東北、北海道が中心。

分配金は2021年、2022年と減少傾向なのが気になるところです。

【9286】エネクスインフラ投資法人

9件の物件を保有しており、エリアは九州から北海道まで分散されていますが、取得価格ベースで見ると中部地方で約7割を占めます。

2021年までは11月の年1回分配でしたが、2022年より年2回分配(5月、11月)へ変更しています。

分配金は年間6000円付近で安定しており、現在分配金利回りはインフラファンドNo.1。

【9287】ジャパンインフラ投資法人

36件の物件を保有しており、エリアは九州から北海道まで分散されています。

現在上場しているインフラファンドでは1番新しく2020年2月に上場。

2021年と2022年の分配金は5000円台後半で安定しています。

インフラファンド7銘柄(2022年4月8日時点)

7銘柄の2022年の予想分配金や保有物件数、現在の分配金利回りを表にまとめています。

銘柄名コード株価分配金確定月予想分配金(2022年)利回り利益超過分配金(2022年)保有物件
タカラレーベン・インフラ投資法人92811104005月、11月68506.2077242件
いちごグリーンインフラ投資法人9282686006月39455.75219515件
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人92831042001月、7月64006.14270555件
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人92841211006月、12月75006.19139425件
東京インフラ・エネルギー投資法人9285952006月、12月60826.39198411件
エネクス・インフラ投資法人9286916005月、11月60006.5534379件
ジャパンインフラ投資法人9287912005月、11月58826.45283136件

いちごグリーンインフラファンド以外は利回りが6%を超えており、そのいちごでも利回りは5パーセント後半ですのでインフラファンドの利回りの高さが分かるかと思います。

保有物件数は1番少ないエネクスインフラで9件、1番多い日本再生可能エネルギーで55件と大きく差がありますが、エネクスインフラは現在分配金利回りがインフラファンドNo.1の6.55%です。この辺りの兼ね合いも銘柄選びの際のポイントになるかと思います。

また途中で触れた利益超過分配金についても、2022年の予想とまだ今年の予想が出ていない日本再生可能エネルギーとエネクスインフラは2021年の実績を記入していますが、7銘柄を比較すると大きな差がある事が分かるかと思います。

タカラレーベン、カナディアン、東京インフラの利益超過分配金は分配金全体の1割から2割程度なのに対しいちご、日本再生可能エネルギー、エネクス、ジャパンインフラは全体の5割前後を利益超過分配金が占めています。

もちろん先程お伝えした様に利益超過分配金が悪いという事ではないのですが、長期的な視点で考えた場合は、比率が少ない銘柄の方が減配リスクは低いと言えるかと思います。

分配金推移

7銘柄の2019年からの分配金推移もまとめています。

銘柄名コード2019年2020年2021年2022年(予想)
タカラレーベン・インフラ92817223738271546850
いちごグリーンインフラ92823865380239223945
日本再生可能エネルギーインフラ92836569647364006400
カナディアン・ソーラーインフラ92847300740074507500
東京インフラ・エネルギー92856398679862986082
エネクス・インフラ92865980600060003000(半期)
ジャパンインフラ9287414859035882

分配金については明暗が分かれており、ほとんどの銘柄は安定していますが、タカラレーベンインフラ、東京インフラの様にここ数年下落傾向な銘柄には注意が必要です。ただ先程お伝えした様に、この2銘柄は利益超過分配金の割合が低い銘柄です。

利益超過分配金は資本の払い戻しに相当する為、税金がかからないという投資家にとってメリットになる部分もありますので、この辺りをどの様に判断するかもインフラファンド投資の難しいところです。

インフラファンドの投資判断

今までの点をもとにインフラファンドの投資判断ですが、6%超える分配金利回りや安定している基準価格は高配当銘柄として大きな魅力です。

懸念点としてはFIT終了後の売電価格減少による収益の低下ですが、1番早くFITが終了する発電所でもまだ10年以上期間は残っていますので、過度に気にする必要は無いかと思います。

日本は震災以降多くの原発で稼働が止まっており、3月末の様に不測の事態で供給電力が足りなくなる可能性が今後もあります。

脱炭素の流れも含め火力発電や原発の代替エネルギーとして太陽光を中心とした再生可能エネルギーの今後は注目ですので、インフラファンドの将来にも期待したいところです。

しかし、インフラファンド自体はまだ歴史も浅く資産規模も小さい為、今後資産規模を大きくしていく為に公募増資や資金の借り入れは不可欠になるかと思います。

特に公募増資は冒頭でお伝えした様に短期的には基準価格の大きな下落に繋がりますので、狙っている銘柄が次に公募増資を発表したタイミングを狙って購入を検討するくらいの気持ちで待ち構えても良いかもしれません。

個人的にも現在インフラファンドは上場している7銘柄全てを保有していますが、次に公募増資が発表され基準価格が大きく下がるタイミングがあれば買い増しを検討しようかなくらいの気持ちです。

インフラファンドの銘柄分析はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

【2022年最新版】利回り6%超のインフラファンドを徹底分析

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