【再編前最後】東証一部配当利回り上位10銘柄の投資判断

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銘柄検証

引き続きロシアのウクライナ侵攻で揺れ動いている株式市場ですが、今回は2022年3月4日時点の東証一部配当利回り上位10銘柄の投資判断を検証したいと思います。

定期的に行っている東証一部や全市場上位10銘柄の検証ですが、ご存じの様に4月からは東京証券取引所が再編され、東証一部という市場は無くなります。

という事で東証一部の配当利回り上位10銘柄の検証は今回が再編前最後になると思います。

また、最後には最近の相場について思う事や今後とるべき行動について現状の考えをまとめています。

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東証一部配当利回り上位10銘柄(2021年11月12日時点)

それでは本題ですが、東証一部の配当利回り上位10銘柄の検証は昨年11月にも行っており、約4ヶ月ぶりになりますので、まずは今回との比較としてその時の上位10銘柄を表にまとめています。

順位銘柄コード株価予想配当配当利回り評価備考
1明和産業810383011814.22×急激な増配が一時的な可能性が高くNG
2商船三井9104673080011.89×業績・配当の増減が大きすぎ
3日本郵船9101776080010.31×業績・配当の増減が大きすぎ
4乾汽船930820861577.53×業績・配当の増減が大きすぎ
5西松建設182035252216.272024年度以降の配当方針に不安有り
6ユニオンホールディングス681533752106.22×配当性向100%超え
7小野建741416451026.20商品市況の恩恵だが、業績、配当は安定
8日鉄物産981048553006.18商品市況下落時に減配リスク有り
9フィデアホールディングス87131216756.17地銀の将来性に不安有り
10コナカ7494328206.10×業績不振

この時個人的におすすめ銘柄にしていたのは小野建の1社だけでした。

今回の上位10銘柄は昨年11月時点と比較して5銘柄が入れ替わっていますので、新たな有望株はないか、また以前検証した銘柄も内容に変更がないか検証していきたいと思います。それでは2022年3月4日時点の東証一部配当利回り上位10銘柄を10位からみていきます。

10位 日本製鉄(6.52%)

日本製鉄は日本最大手の鉄鋼メーカーです。

今期は鋼材価格の上昇や昨年度断⾏した抜本的コスト改善、海外グループ会社の収益⼒向上等により業績が急回復しています。

業績の急回復により配当も前期の年間10円から130円増の年間配当140円へ大幅増配となり配当利回りも上昇しています。

企業規模は文句なしに日本を代表するメーカーですが、業績や増配の振れ幅が大きすぎる為、もう少し様子を見たいところではあります。

9位 ディア・ライフ(6.64%)

ディア・ライフは東京都内を中心に投資用マンションの開発、販売を手掛ける企業です。ディア・ライフは9月決算の為、昨年11月に本決算を発表し、今期配当予想を年間34円と前期から4円増配見込みで発表した事と新株予約権の発行で株主価値の希薄化警戒より株価が大きく下落した事により配当利回りが上昇しています。

業績好調の要因はホテルや商業用不動産の需要が急減した一方で、新しい生活様式の浸透により、物流施設をはじめ賃料の安定した住居系不動産、戸建て住宅に対する不動産ニーズは高い水準で推移しており、外資系ファンドを中心に余剰資金が日本の市場に流入している為としています。

配当方針は配当性向40%を目安にしており、今期配当見込みも現状40%の水準と無理をしている感じではありません。コロナショックで減配した2020年以外は配当金も安定傾向で、株価も最近は全体の下げもあり500円前後の水準まで下がってきていますので、中長期投資銘柄として狙ってみても良いかもしれません。

8位 淺沼組(6.67%)

淺沼組は関西系の中堅ゼネコンです。

淺沼組は昨年11月に今期年間配当を363円と当初予測から103円増額し配当利回りが上昇しています。増配の要因は中期3ヵ年計画(2021年度~2023年度)における株主還元方針を修正した事としており、連結配当性向を従来の50%以上から70%以上に変更しています。

配当性向70%以上は少し高すぎの気もしますし、淺沼組は3月の期末一括配当ですので最近の株価も全体が暴落しているなか、それ程下がっていません。

配当落ち後は権利落ちで株価は大きく下がりそうですが、権利落ちのタイミングで購入すると最初の配当をもらうまで1年以上時間が掛かってしまう為、購入のタイミングが難しい銘柄です。

7位 JT(7.10%)

JTは12月決算の為、2月に本決算を発表しており、前期は海外たばこ事業の好調や円安の影響で業績は大きく改善しています。今期の業績見込みも順調で年間配当も150円と減配前の水準に戻る予測になっています。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻が始まるとロシアやウクライナに工場がある事やロシアでのたばこ販売への懸念から株価は大きく売られ配当利回りも上昇しています。

JTはロシア周辺での利益は全体の2割程度でインパクトがあるとしており、個人的にもJTは200株保有していますので、今後の動向は非常に気になるところです。

しかし、状況が状況なだけに今後を想定する事は難しく、個人的にもしばらくJTの売買は考えていませんので、今後の推移を見守りたいと思います。

5位 ノーリツ鋼機(6.78%)

ノーリツ鋼機は、音楽機器開発・販売、ペン先部材の製造・販売、医療データ分析調査など多角的に事業を展開している銘柄です。

ノーリツ鋼機は12月決算の為、2月14日に本決算を発表しており、その時の今期配当予測は年間40円でした。

しかし、約1週間後に連結子会社JMDCの一部株式をオムロンに売却する事に伴い、売却益を計上する事で最終利益を従来予想の約17倍へ上方修正、年間配当を40円から152円への大幅増配を発表し配当利回りが上昇しています。

今回の大幅増配は株式売却益によるものですが、一過性の要因を除いても業績は安定傾向で、また2月に発表した中期経営計画 FY25で、配当性向25%から40%以上への変更も発表しています。

しかし、今期配当152円の内110円は特別配当ですので、来期以降の配当がどうなるか、もう少し様子を見たいところではあります。

4位 JFEHD(7.99%)

JFEHDは粗鋼生産国内2位のJFEスチールを中核にJFE商事、JFEエンジニアリング、大手造船メーカーのジャパンマリンユナイテッドを傘下に持つ持株会社です。

JFEHDの業績は、堅調な鋼材需要や鋼材市況、販売価格改善の取り組み等により鉄鋼事業を中心に大幅に回復しています。

業績好調により年間配当を前期から130円増の140円へ増配した事で配当利回りが上昇しています。

日本製鉄と同様に今期業績好調の大きな要因は商品市況上昇の為、業績、配当の増減が激しく中長期の高配当株銘柄としては狙いにくいところです。

2位 明和産業(10.03%)

明和産業は、化学品、樹脂などを取り扱う専門商社です。

明和産業は2021年に2回の増配を発表した事で配当利回りが上昇しています。

明和産業の増配は今年予定されている東証再編に絡み、プライム市場への選択方針決定を踏まえたものです。現状流通株式時価総額についてプライム市場への基準を満たしていない為、流通株式時価総額の向上に向けた施策を進めいていくとの事で、増配により株価を上げ時価総額を上げたい意向ですので、増配も一時的な可能性が高く現状の配当性向も200%を超えていますので中長期投資銘柄としてはNGになります。

6位 乾汽船(7.57%)、3位商船三井(9.76%)、1位日本郵船(10.08%)

昨年業績の大幅上方修正から大幅増配が続いた商船株からは今回も3銘柄がランクインしています。各社とも年明けに発表した第3四半期決算で更なる業績の上方修正と増配を発表し、株価も上がりましたが依然配当利回りは高水準を維持しています。

下記に今期の商船3社の増配推移をまとめていますが、今期の増配額がいかに大きい水準だったかが分かると思います。

  • 乾汽船  51円→132円→157円→187円
  • 商船三井 150円→550円→800円→1050円
  • 日本郵船 200円→700→800円→1200円

コロナからの経済回復需要にコンテナや人員の供給が追い付いていない状況が続いているようですが、業績、配当の振れ幅が大きく今後の見通しも不透明な部分が大きい為、中長期の高配当株銘柄としてはNGにしています。

東証一部配当利回り上位10銘柄(2022年3月4日時点)

順位銘柄コード株価予想配当配当利回り評価備考
1日本郵船910111900120010.08×業績・配当の増減が大きすぎ
2明和産業8103117611810.03×急激な増配が一時的な可能性が高くNG
3商船三井91041076010509.76×業績・配当の増減が大きすぎ
4JFEHD541117531407.99×業績・配当の増減が大きすぎ
5ノーリツ鋼機774419121527.95110円は特別配当
6乾汽船930824691877.57×業績・配当の増減が大きすぎ
7JT291421141507.10ロシアウクライナ情勢を見守りたい
8淺沼組185254403636.67配当性向70%、期末一括配当
9ディア・ライフ3245512346.64配当性向40%で配当金も安定傾向
10日本製鉄540121461406.52×業績・配当の増減が大きすぎ

それでは今回紹介した10銘柄を表にまとめていますが、10位の銘柄でも配当利回りは6%を超える水準、トップ3の銘柄は10%前後でかなりの高水準になっています。

その中から今回おすすめ評価にしたのは、ディア・ライフのみです。ノーリツ鋼機とJT、淺沼組については、もう少し様子を見たいという点で△評価にしています。

今期の特徴として資源価格の上昇などで急激に業績が好転し、配当も急激に増えている銘柄が多い様に感じます。急激に増えた利益をそのまま配当にまわす株主還元姿勢は評価したいところですが、資源価格の上昇が止まり、業績も落ち着いた時は配当も元の水準に戻る可能性も高いので注意が必要です。

高配当株投資で1番大切な事は安定ですので、急激な増配や配当性向が100%超えている銘柄は高配当銘柄として基本的にNGです。

業績回復や株主還元姿勢の高まりが一時的なものにならないか見極めながら引き続き銘柄検証を行っていきたいと考えています。

最近の相場状況と今後とるべき行動

最後にロシアのウクライナ侵攻により大きく揺れ動いている株式相場についてですが、日経平均も直近の高値から20%近く下げており、暴落と言えるレベルになってきています。

常々、高配当株投資家にとって暴落は絶好の買い場と言ってきましたが、いざ暴落が始まるとなかなか買いにいけない事も現実だと思います。暴落中はどこまでも下がる気がしますし、暴落の要因になっているロシアウクライナ問題も先行きが不透明なままです。

実際、私が最近購入した株も購入後どんどん下げていく場面が目立ちます。

しかし、暴落とはそういうものです。

2年前のコロナショック時も先行きが見えないなかでしたが、その後株価が大きく戻した事は記憶に新しいところだと思います。

もちろん今回も同様の展開になるかは分かりませんが、長い期間で考えた場合、今が絶好の買い場となる可能性も十分にあります。

そして2年前の暴落と同様、現在は3月権利取りを直前に控えている状況です。

という事で3月権利取りまで約2週間ですが、個人的にも今一度、勇気を出しつつも冷静になり、優良高配当銘柄が大きく売られる場面は狙っていきたいと思います。

その辺りの購入実績は改めて投稿予定ですので宜しくお願いします。

再編前最後の東証一部配当利回り上位10銘柄の検証はYouTubeで動画版を投稿していますのであわせてご覧ください。

【再編前最後】東証一部配当利回り上位10銘柄の投資判断

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