サムティは高配当銘柄として投資可能か検証

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銘柄検証

今回は高配当で優待もある為、個人投資家にも人気のある不動産会社サムティが高配当銘柄として投資可能かサムティの現状と今後を踏まえながら検証していきたいと思います。

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サムティの事業内容と現状

サムティグループは賃貸マンション等の用地仕入、企画開発、賃貸募集、物件管理、保有および売却、REIT等のファンド運用、マネジメントをグループ内で完結できる「総合不動産会社」で、不動産開発や売買により収益を獲得する「キャピタルゲインビジネス」と賃料収入やホテルの客室収入、各種マネジメントフィー等による「インカムゲインビジネス」で、グループの収益基盤を構成しています。

現状については、賃貸マンションは景気動向やコロナ禍の影響を受けにくいことから稼働率、賃料水準及び物件売買価格のいずれも堅調に推移しているとしており、ホテル業界においては、緊急事態宣言解除に伴い停滞していた人の流れが緩やかに戻り回復傾向としています。

サムティ直近決算

サムティは11月決算の為、1月14日に本決算を発表していますが最終利益は従来予想135億円から100億円へ下方修正し、前期106億円と比較すると約6億円の減益となっています。配当については年間配当90円で前期から8円の増配です。

また、2022年11月期の最終利益予想は微増の102億円、配当予想は据え置きの90円予測としています。

最終利益下方修正の要因は企業結合に関する会計処理に関し2021年12月に監査法人が再検討した結果、負ののれん相当額の算定金額の見積もり及び収益計上区分について訂正が必要であると指摘があり、社内で慎重に検討を行った結果、訂正を行った為としています。

「負ののれん」とは

そもそも「のれん」とは買収した企業の純資産額と買収価格との差の事で、実際に買収した企業の純資産額よりも低い金額で買収した場合は、その差額が負ののれんとなります。

「負」という文字からマイナスのイメージに感じますが、買収した企業の資産額よりも安く買収出来たとの事ですので、負ののれん発生で利益が増える格好になります。

今回のサムティは元々算定していた負ののれん額について、監査法人より見直しを求められ、従来算定していた負ののれん額を少なく訂正した事で利益が減少し最終利益の下方修正となっています。

サムティ株価推移

サムティの株価はコロナショックで1,000円割れ寸前まで売られた後は順調に右肩上がりで2,600円を超える場面もありましたが、11月の権利落ち以降値を下げ、直近では1月6日に予定していた本決算発表を1月14日に延期した事で警戒感が強まり2052円まで売られましたが、決算発表を受けて株価は少し戻す展開になっています。

サムティ業績推移

銘柄名サムティ
2019年11月期97
2020年11月期106
2021年11月期100
2022年11月期102
※最終利益(億円)

サムティの2019年からの業績をまとめていますが、今月発表の本決算で最終利益を下方修正した事もあり、ここ数年の最終利益は横ばいが続いています。

下方修正の要因は先程触れましたように企業買収に絡むものですが、サムティは企業買収を積極的に行っており、企業買収絡みで利益が上振れしている場合も当然あります。企業買収に絡む利益は一時的なものであり、また今回の決算の様に突如下方修正の要因にもなりかねませんので、利益の内容も見極める事が大切です。

サムティ配当推移

配当推移
2015年33
2016年33
2017年47
2018年68
2019年79
2020年82
2021年90
2022年(会社予想)90

サムティの2015年からの配当推移をみていきますが、順調に増配傾向です。しかし、2018年頃の増配額と比較する最近は少しペースが落ちている感じです。

配当方針は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つであると認識しており、配当につきましては業績を反映させるとともに、今後の事業計画、財政状態等を総合的に勘案した上で実施することを基本方針としています。

今後の事業展開、業容拡大、財務体質強化等を踏まえ、将来に備えた内部留保の充実を図ることで、実績に裏付けられた利益還元を行うとしています。

サムティ指標

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
サムティ324420979.61.03904.2941.00
※2022年1月21日時点

サムティの株価は一時期と比較して下落している事もあり配当利回りは4%前半です。配当性向は今期業績見込みですと現状40%を超える水準です。

サムティ株主優待

サムティにはサムティが関与する全国各地のホテルの無料宿泊券が貰える株主優待がありますので内容をまとめています。200株からにはなりますが、保有株数によって細かく貰える優待券の数が指定されており、利用出来るホテルは関東、関西、福岡、広島など現状12ホテルです。

所有株式数優待券の枚数
200株~300株未満1枚
300株~600株未満2枚
600株~1000株未満3枚
1000株~2000株未満4枚
2000株~5000株未満6枚
500株~10000株未満8枚
10000株以上10枚

サムティの今後

サムティは中期経営計画「サムティ強靭化計画(アフターコロナ版)」で、2025年11月期に自己資本比率30%を維持したうえで、売上高・営業利益ベースで現在の約2倍の水準を目指すとしています。

そして中期経営計画の基本方針として「開発して保有する」ビジネスへの転換、ホテルREIT設立に向けた取り組み、地方大都市圏における戦略的投資、海外事業での収益基盤の構築を掲げています。

また、収益構造の改革としてキャピタルゲイン(開発利益等)中心から安定収益であるインカムゲイン(賃貸収入等)を拡大させていくとしており、2025年11月期までにインカムゲインの営業利益比率を現在の15%から50%に引き上げる事を目標にしています。

サムティ投資判断

今までの点を踏まえサムティの投資判断ですが、配当は増配傾向で利回りも4%台ですので高配当銘柄として魅力を感じます。しかし、最近の業績は横ばいであり増配ペースも以前程の勢いはない様にも感じます。

先程触れたサムティ強靭化計画通りに、安定収入である賃貸収入の比率は上がり、更に売上が2倍になるようですと非常に魅力が増しますが、動向をもう少し様子をみたい気持ちもあります。

また、株価についても最近はリート全体も売られており、不動産株全般が軟調に推移している状況です。もちろん株価が安い場面は狙い時なのですが、今後の業績推移同様、サムティについては、もう少し様子を見ながら、購入のタイミングを狙うような感じが現状良いような気はします。

サムティの投資判断はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧下さい。

不動産会社サムティは高配当銘柄として投資可能か株価や今後踏まえ検証

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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