【2023年2月後半】直近決算で気になった高配当株9選

スポンサーリンク
銘柄検証

2月も後半へ差し掛かり3月期銘柄は今期終盤へ向けてラストスパート、12月決算銘柄は新しい期が既にスタートしていますが、決算発表も先週で一段落しています。

今回の決算は10月から12月の四半期になりますので、年末にかけて一気に進んだ円高や原材料費高騰の影響がどの程度業績に出ているのか注目でしたが、1月下旬から2月上旬に発表された銘柄の決算は好調な内容が多かった印象です。

そこで今回は2月8日以降に発表された決算のうち、保有銘柄を中心に気になった9銘柄の内容を決算が発表された順番に検証していきたいと思います。

また、今回は9銘柄と数も多いので決算の内容をメインにその他の部分については簡単にまとめていますので是非最後までご覧ください。

スポンサーリンク

【8098】稲畑産業

最初の銘柄は2月8日に決算を発表した稲畑産業です。

稲畑産業は情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の4つの事業を世界17カ国、約60拠点で展開しており、売上比率も50%以上が海外と国際的な企業です。

ここ数年はコロナ感染拡大の影響もあり業績は横ばいが続いていましたが、前期以降は樹脂価格上昇に加え保有株式の売却益も加わり業績は急激に伸びています。

しかし、今期の第1四半期、第2四半期は前期比減益の決算が続き、また決算が場中に発表された事もあり2回とも決算後の株価は急落しましたので、今回も決算後の株価がどう動くかを含め注目でした。

直近決算

稲畑産業は2月8日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は153億円と前年同期比で29億円の減益でしたが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比減益の要因は、原材料の販売価格上昇や円安が寄与した事で売上は増えていますが、販管費増と投資有価証券の売却益減少などの影響としています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、第1、第2四半期に続き場中の減益発表となりましたが、今回は40億円を上限とする自社株買いを発表した事で株価は上昇しました。

そして、今期20億円程度の減益を見込む通期最終利益に対して進捗率は75%付近となっていますが、前期業績が大きく伸びた事を踏まえると、順調に推移しているかと思います。

【7198】アルヒ

2つ目の銘柄は2月9日に決算を発表したアルヒです。

アルヒは日本最大手の住宅ローン専門金融機関で住宅ローン「フラット35」の取り扱い実行件数では12年連続のシェアNo.1を継続中です。

しかし、直近業績は物件価格の高騰などから利用顧客層の購入見送りの影響も見られ厳しい状況が続いており、去年10月には業績の下方修正と配当の減額を発表していましたので、持ち直しの動きが見られるか注目でした。

直近決算

アルヒは2月9日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は25億円と前年同期比12億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当の変更はありません。

業績低迷の要因は、住宅価格の上昇や実質賃金の下落などにより月返済額を抑えた商品の需要拡大が継続している事に加え、長期金利の上昇によりフラット35の実行件数が伸び悩んでいるためとの事です。

直近決算の感想

決算の感想ですが、第2四半期までの流れを引き継ぎ厳しい決算となっています。

減益要因となっている住宅価格の上昇や今後の金利先高観は継続しそうですので、しばらくは厳しい展開が予想されます。

しかし、アルヒはSBIグループによるTOBが成立しており、5月の本決算発表ではSBIグループとの提携施策を検討したうえで、数値計画を含む中期経営計画のアップデート内容を公表予定としていますので楽しみに待ちたいと思います。

2月10日(金)

2月10日は週末という事もあり決算発表が多く、保有銘柄の中から5銘柄を検証していきます。

【5020】ENEOS

2月10日最初の銘柄は石油元売り最大手のENEOSです。

石油元売り銘柄の業績は、その時の原油価格によって以前仕入れて現在在庫で持っている石油の価格も増減し、販売するガソリンなどの石油製品の利益も変わってくるため、原油価格に大きく左右されます。

実際ENEOSは今期の通期最終利益予想を原油価格の反動などを想定し、当初は大幅減益見込みとしていましたが、高止まりする原油価格を受けて第2四半期で上方修正しました。

しかし、上方修正後でも通期進捗率は75%付近と高水準でしたので、更なる上方修正があるか注目でした。

直近決算

ENEOSは2月10日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は960億円と前年同期比で2358億円の大幅減益になっています。

業績低迷に伴い通期最終利益予測を1400億円へ1900億円下方修正していますが、年間配当は従来の予想通り年間22円で変更ありません。

業績低迷の要因は、原油価格下落による石油製品マージンのマイナスタイムラグに加え、 石化市況の低迷やJEPX価格の高止まりによる電気事業の悪化などとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、まさかの大幅減益からの下方修正でした。第2四半期までの内容をみると更なる上方修正も期待できる内容でしたが、上方修正前の予測すら下回る数字に修正されています。

ENEOSとしても原油価格に業績が左右される事は当然投資家以上に警戒しているとは思いますが、それでもわずか3ヶ月でこれだけ予想数値が上下してしまうところがENEOSの悩ましい部分です。

しかし、決算後の株価は10円程度下げただけでしたので、ある意味頼もしい銘柄ではあります。

【1925】大和ハウス

2月10日決算発表2つ目の銘柄は大和ハウスです。

大和ハウスは大阪が本社の住宅総合メーカーで、住宅の他に商業施設や事業施設も手掛けており、また現在25の国と地域で地域密着型の事業を展開するなど海外への進出も注力しています。

大和ハウスの決算については、原材料費高騰や長期金利の上昇に加え、海外での売上も多い事で年末にかけて一気に進んだ円高の影響などが懸念されていました。

直近決算

大和ハウスは2月10日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は1662億円とほぼ前年同期並みの数字でしたが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

最終利益が前年並みだった要因について、売上は開発物件売却を除く全セグメントで増収となっており、米国住宅をはじめとする海外事業も順調に拡大した事で過去最高の水準へ伸びていますが、最終利益は資材価格高騰の影響や開発物件の売却が減少した影響で前年並みになっているとの事です。

直近決算の感想

決算の感想について、売上は順調に伸びていますが原材料費高騰の影響などで最終利益は伸び悩んでいる印象です。

原材料費の高騰は来期以降も続いていきそうですので懸念点ではありますが、販売価格への転嫁も今後更に進んでいくと思います。

第3四半期時点の通期進捗率は74%付近で若干減益にはなっていますが、通期では予想通り増益着地となる事を期待したいと思います。

【8593】三菱HCキャピタル

2月10日決算発表3つ目の銘柄は三菱HCキャピタルです。

三菱HCキャピタルは、2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルの合併により誕生した総合リース会社です。

直近の業績は欧米を中心とした事業の伸長や航空関連における売却益などにより増益傾向となっており、今期の通期最終利益見込みも過去最高益の水準です。

そして、第2四半期時点の通期進捗率も57%付近と順調に推移していましたので、業績の上方修正はあるのか注目でした。

直近決算

三菱HCキャピタルは2月10日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は859億円と前年同期比で102億円の増益ですが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

業績好調の要因は、2021年11月に完全子会社化した米国の海上コンテナリース会社CAI の利益貢献や航空セグメントなどにおける貸倒関連費用の減少に加え、海外地域セグメントの米州子会社を中心とした事業の伸長などとしています。

直近決算の感想

決算の感想について、業績の上方修正はありませんでしたが期待通りの順調な内容でした。

合併の効果も着実に表れ始めており、来期からスタート予定の新中期経営計画にも期待が集まります。

そして第3四半期時点の通期進捗率は78%付近でしたので、来期に向けて弾みがつく様な最終着地を期待したいです。

【7267】ホンダ

2月10日決算発表4番目の銘柄は、ホンダです。

ホンダは日本を代表する輸送機器メーカーで、オートバイの販売台数、売上高は世界1位となっており、国内に限らず北米やアジアなど世界各国に製品を販売しています。

今期業績は第2四半期までは前期比減益が続いていましたので、前期比増益へ業績が回復しているのか注目でした。

直近決算

ホンダは2月10日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は5831億円と前年同期比で10億円の増益ですが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比増益の要因は、中国でのコロナ感染拡大や半導体供給不足の影響により、四輪車の生産・販売台数は減少していますが、二輪車の販売が好調を維持している事に加え、収益改善に取り組んだためとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、年末に一気に進んだ円高の影響もそれ程なく、わずかですが前期比増益となり、上限700億円の自社株買いも一緒に発表した事で決算翌営業日の株価は大きく上昇しました。

原材料価格の高騰や半導体不足など引き続き厳しい事業環境は続いているとの事ですが、通期進捗率は80%付近ですので、綺麗な最終着地が期待できそうです。

【9069】センコーグループHD

2月10日決算発表最後の銘柄は、センコーグループHDです。

センコーグループHDは、量販店や小売チェーン店の物流業務に加え、鉄骨部材、外壁などの住宅物流、化学合成製品の輸送など様々な商品の物流を手掛けています。

最近の業績は物流需要の高まりを受けて増益が続いており、今期見込みも過去最高益となっています。

そして、第2四半期時点の通期進捗率は50%付近でしたので、引き続き好調が維持されているか注目でした。

直近決算

センコーグループHDは2月10日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は149億円と前年同期比23億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

業績好調の要因は、電気料金ならびに燃料価格の上昇などはありましたが、拡販ならびに料金改定に取り組むと共に、 M&Aの収益寄与があったためとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、業績の上方修正はありませんでしたが好調を維持しており、通期進捗率も93%付近と更なる上積みも期待できそうです。

何故か決算翌営業日の株価は30円程度売られる場面もありましたが、下がる場面では買い増したい銘柄です。

2月14日(火)

いよいよ決算発表も終盤を迎えた2月14日は、12月期銘柄の本決算発表が多かったので個別に見ていきます。

【2914】JT

2月14日決算発表最初の銘柄はJTです。

JTの直近業績はロシアウクライナ情勢の影響を受けつつも、海外たばこ事業の好調に加え円安のプラス要因もあり、第3四半期決算で業績の上方修正と配当増額を発表するほど好調な内容でした。

JTは本決算ですので前期の最終着地はもちろんですが、特に配当見込みを含め今期の予測も注目でした。

直近決算

JTは2月14日に本決算を発表しており、通期最終利益は4427億円と1043億円の増益となっており、年間配当は従来の予想通り188円のままです。

今期の予測は、通期最終利益が4400億円と27億円の減益見込みですが、年間配当は据え置きの188円としています。

業績好調の要因は、年間を通じてたばこ事業におけるプライシング効果(価格設定)が牽引した事に加え円安の影響も寄与したとの事で、今期については持続的なプライシング効果が期待できる反面、日本やロシアでの燃焼性たばこ需要の減少や円高が懸念材料としています。

直近決算の感想

決算の感想について、従来の通期見込み4450億円にはわずかに届きませんでしたが、前期比では大幅増益、大幅増配での着地になっています。1年前の今頃は、ロシアウクライナ情勢で大きな不安を抱えていた事を考えると上出来の内容だと思います。

今期予測はほぼ据え置きの予測となっており、まだまだロシアウクライナ情勢や為替動向など懸念点もありますが、今年も期待したい銘柄です。

【2503】キリンHD

最後の銘柄は同じく2月14日に本決算を発表したキリンHDです。

キリンHDは、キリンビールやキリンビバレッジなどを傘下に持つキリングループの持株会社です。

ここ数年の飲料メーカーは度重なる緊急事態宣言の影響による休業要請や外出自粛などにより厳しい状況が続いていました。

そんななか、キリンHDは政情不安が続くミャンマー市場からの撤退を決めた事もあり、今期は大幅増益見込みとしていましたので、最終着地と今期の予測も含め注目でした。

直近決算

キリンHDは2月14日に本決算を発表しており、通期最終利益は1110億円と513億円の増益となっており、配当は年間69円へ従来予想から4円増額しています。

今期予測は、通期最終利益が1130億円と20億円の増益見込みとしていますが、年間配当は据え置きの年間69円としています。

業績好調の要因は、原材料費高騰の影響を受けつつもコロナからの経済回復による酒類事業の回復や医領域、北米飲料事業の好調に加え、円安の影響としています。

直近決算の感想

決算の感想について、連結子会社協和発酵バイオに係る減損損失の影響で従来予想からは200億円くらい下がりましたが、前期比では大幅増益での最終着地になっています。

懸念だったミャンマー事業からの撤退も完了し、今期はコロナからの更なる経済回復も期待できます。

原材料費高騰やミャンマー事業除外の影響は懸念点としていますが、今年も更なる増益を期待したいです。

まとめ

今回は保有銘柄を中心に2月8日から2月中旬にかけて決算を発表した9銘柄を検証しました。

前半で検証した銘柄もそうでしたが、今回検証した銘柄も年末にかけて進んだ円高や原材料費高騰の影響などもそれ程関係なく、順調に推移している銘柄が多かった印象です。

今回検証した3月期銘柄ではENEOSが通期予想を下方修正しただけで、上方修正した銘柄はありませんでしたが、進捗率も第3四半期の目安75%を上回っている銘柄が多かったので最終着地に期待が持てそうです。

そして本決算を発表した12月期銘柄のJTとキリンHDについても前期の最終着地は従来予想には届きませんでしたが、大幅増益となりました。2銘柄とも今期の予測は少し保守的の様な気もしましたが、原材料費高騰や為替の急激な変動、海外市場の不透明感などを考慮すると仕方がないかと思います。

いずれにしても先週で決算発表は一巡しましたので、今回の決算内容を踏まえ今後は3月権利取りに向けて更に有望銘柄を探していきたいと考えています。

2022年2月後半の決算検証については、YouTubeで動画版を投稿していますのであわせてご覧ください。

【2023年2月後半】直近決算が気になった9つの高配当株

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

コメント

タイトルとURLをコピーしました