【2023年2月前半】最近の決算が気になった9銘柄を検証

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銘柄検証

最近は3月期銘柄の第3四半期決算を中心に決算発表が本格化していますが、10月から12月の四半期になりますので、年末にかけて一気に進んだ円高や原材料費高騰の影響がどの程度業績に出ているのか注目でした。

そこで今回は最近発表された決算のうち、保有銘柄を中心に気になった9銘柄の決算内容を決算が発表された順番に検証していきたいと思います。

また、今回は9銘柄と数も多いので決算の内容をメインにその他の部分については簡単にまとめていますので是非最後までご覧ください。

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【8316】三井住友FG

最初の銘柄は保有銘柄の先頭を切って1月30日に決算を発表した三井住友FGです。

三井住友FGは、メガバンクの三井住友銀行やSMBC日興証券などを傘下に持つ金融持株会社で、国内では三菱UFJFGに次ぐ存在です。

今期業績は貸倒引当金を想定ほど使用しなくて良かった事やコロナからの経済回復の動きもあり順調に推移しています。

そして、第2四半期時点の通期進捗率は68%付近と好調でしたので、第3四半期決算にも期待が集まっていました。

直近決算

三井住友FGは1月30日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は7660億円と前年同期比で1413億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。

業績好調の理由は国内外の法人貸出と付帯取引の獲得や好調な決済ビジネスに加え、政策保有株式の売却益増加のためとしています。

業績好調により通期進捗率は第3四半期時点で99%となっていますが、世界経済が不透明な状況であることを踏まえ、通期目標は変更していないとの事です。

直近決算の感想

決算の感想について業績の上方修正や増配こそありませんでしたが、期待通り好調な内容でした。第4四半期は例年調整が入るため最終利益は落ち込む傾向がありますが、進捗率は99%ですので最終利益8000億円台での着地も現実的です。

配当は今年既に20円の増配となっていますので更なる増額があるかは微妙ですが、どちらにしても本決算も期待できそうな内容です。

【8133】伊藤忠エネクス

2番目の銘柄は、1月31日に決算を発表した伊藤忠エネクスです。

伊藤忠エネクスは伊藤忠グループ中核のエネルギー商社で、エネルギー商社としての売上は業界トップクラスです。

そして、ガスや石油関連商品を全国のガソリンスタンドや工場、病院、一般家庭へ販売しています。

直近決算

伊藤忠エネクスは1月31日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は108億円と前年同期比で5億円の減益ですが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。

前期比減益の要因は、原油価格上昇に伴う国内石油製品の販売価格上昇により売上は増収ですが、電力・ユーティリティ事業において資源価格高騰により調達価格が上昇したことや前年同期における大規模太陽光発電所の子会社化に伴う評価益反動のためとしています。

しかし、第3四半期時点では減益となっていますが、通期進捗率は83%付近と通期目標に対しては順調に推移しています。

直近決算の感想

決算の感想について第3四半期時点では前期比減益となっていますが、要因は前期にあった一過性要因の反動などです。そして、過去最高益だった前期並みの通期最終利益予想に対しても進捗率は83%付近と順調に推移しています。

株価は今年に入りずっと上昇していた事もあり決算後は売られましたが、下がる場面は狙いたい銘柄です。

2月2日(木)

徐々に決算発表も本格化し始めた2月2日は、保有銘柄の中で三菱UFJFGとKDDIの2銘柄が決算を発表していますので順番に見ていきます。

【8316】三菱UFJFG

2月2日決算発表最初の銘柄は三菱UFJFGです。

三菱UFGFGの今期業績について本業は順調に推移していますが、MUB(米国地銀ユニオンバンク)の株式譲渡に絡む臨時損失が発生した事で、第2四半期時点の通期進捗率は約23%と悲惨な状況になっていました。

しかし、損失の大部分はMUB株式譲渡時に特別利益として戻ってくるとしており、株式譲渡は去年12月1日に完了したと発表していましたので、第3四半期で持ち直しの動きが見られるのか注目でした。

直近決算

三菱UFJFGは2月2日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は3431億円と前年同期比7272億円の大幅減益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。第3四半期決算が大幅減益の要因は、引き続きMUB株式譲渡に伴う会計処理に関連した損失としています。

しかし、この損失は特別利益として第4四半期に8017億円が戻ってくるとしており、特別利益を勘案すると第3四半期時点の最終利益は1兆1449億円と既に通期目標をクリアしているとの事です。

直近決算の感想

決算の感想ですが、第3四半期もMUB関連の特別損失で大幅減益となりました。MUB株式譲渡の詳細な流れは正直分かりませんが、去年12月に株式譲渡は完了したと発表していましたので、第3四半期で決着したのかと思っていましたが、そんなに単純ではない様です。

いずれにしても本業は順調に推移しておりMUB関連も今期中には決着する様ですので、5月の本決算を楽しみに待ちたいと思います。

【9433】KDDI

2月2日発表の2銘柄目はKDDIです。

KDDIはNTT、ソフトバンクと並ぶ大手通信会社で、最近は通信料金値下げの影響をその他の成長領域部門でカバーしている状況です。

そして、KDDIは去年7月に大規模な通信障害を引き起こし、加入者への賠償額として総額約75億円を支払いに充てると発表した事も話題にもなりました。

通信障害の賠償もあり第2四半期時点では前期比減益でしたので、第3四半期決算で回復しているのか注目でした。

直近決算

KDDIは2月2日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は5323億円と前年同期比で219億円の減益ですが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。

前期比減益の要因としては、通信料金の減少や燃料費高騰などが影響したためとしています。

しかし、第4四半期で注力領域(DX、金融など)の推進とコスト効率化により、通期では増益を目指すとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、第3四半期決算でも前期比減益の状況は変わりませんでした。しかし、燃料費高騰の影響以外は想定内で進捗しているとの事で、通期進捗率も77%付近とそこまで悪いわけではありません。通信会社の第4四半期は調整などが入るため、他の四半期よりも最終利益が落ち込む傾向はありますが、通期で増益着地になる可能性は十分あるかと思います。

そして、来期に向けて通信料金値下げや燃料費高騰などの影響は緩和される見込みとしていますので、決算翌日の株価は大きく売られましたが引き続き期待したい銘柄です。

2月3日(金)

2月3日は週末という事で決算発表も多く、保有株の中でも4銘柄の決算発表がありましたので順番に見ていきます。

【8001】伊藤忠

2月3日最初の銘柄は総合商社の伊藤忠です。

伊藤忠は従来から繊維や食品などの非資源部門に強みを持っていますが、ここ数年の業績は商品市況上昇の影響も加わり好調な状況が続いています。

そして、第2四半期時点の通期進捗率は60%付近と更なる上方修正も期待できる内容でした。

しかし、去年後半は一気に円高が進みましたので、為替の影響を含め好調を維持できでいるか注目でした。

直近決算

伊藤忠は2月3日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は6822億円と前年同期比で34億円の増益ですが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。

前期比増益の要因は、機械、エネルギー・化学品、住生活を中心とした非資源分野での更なる伸⾧や円安の影響により、多額の一過性利益を計上した前年同期を上回り過去最高益を更新したとの事です。

そして、第3四半期時点の通期進捗率は85%付近と極めて順調に推移しているとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、年末にかけて進んだ円高の影響も関係なく好調な内容でした。

第2四半期時点では前期比減益だった最終利益も34億円ですが増益になっており、力強さを感じます。通期予測の上方修正が無かった事で決算後の株価は売られましたが、通期進捗率は約85%ですので5月の本決算が楽しみな内容です。

【8031】三井物産

2月3日2銘柄目は、同じく総合商社の三井物産です。

三井物産は三菱商事や伊藤忠と並ぶ大手総合商社で従来資源部門に強みを持っていましたが、現在は非資源部門への収益構造改革も進めているところです。

直近の業績はコロナからの経済回復や商品市況上昇の影響で急回復しており、第2四半期決算で通期業績見込みを上方修正しています。

しかし、上方修正後でも通期進捗率は55%付近で推移していましたので、引き続き好調が維持されているか注目でした。

直近決算

三井物産は2月3日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は8407億円と前年同期比で2075億円の増益となっています。

業績好調により通期最終利益を1兆800億円へ1000億円上方修正し、年間配当は従来予想から5円増の年間135円へ増額しています。

第3四半期大幅増益の要因については、エネルギー事業で液化天然ガスのトレーディングが好調な事や北米を中心に自動車、商用車事業が好調なためとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、伊藤忠に続き第3四半期時点で過去最高益となる好調な内容でした。

三井物産は通期最終利益と年間配当の上方修正もありましたので、株価も決算を素直に好感し上昇しています。

上方修正後でも通期進捗率は78%付近ですので、最終着地が楽しみになる決算でした。

【9434】ソフトバンク

2月3日3番目の銘柄は、KDDIに続き通信会社のソフトバンクです。

ソフトバンクもKDDI同様に通信料収入については値下げによる収益減のほか、国内市場は飽和状態であるため、通信部門以外での収益確立を目指すようになっています。

そんななか、第2四半期決算は通信料金値下げや販管費増加により前期比20%以上の大幅減益でしたが、通期最終利益はPayPay子会社化に絡む再測定益が想定を上回ったとして100億円上方修正されました。

今回の決算では、前期比減益の状況が改善しているか注目でした。

直近決算

ソフトバンクは2月3日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は5086億円と前年同期比870億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。

第3四半期決算が増益の要因は、先ほども触れたPayPay子会社化に伴う再測定益2948億円を計上したためとの事です。

直近決算の感想

決算の感想について、第3四半期は一気に大幅増益で通期進捗率も約94%と大きく改善しています。

しかし内訳はPayPayの子会社化に絡むもので、本業は通信料金値下げなどの影響で減益が続いています。

スマホ契約数は増えており、通信料金値下げの影響は今期を底に大幅縮小見込みとしていますが、PayPay子会社化に絡む利益は今期だけですので、来期以降に不安を残す内容ではあります。

【9831】ヤマダHD

2月3日最後の銘柄は家電量販店のヤマダHDです。

ヤマダHDは現在家電だけではなく住空間をコーディネートして提案できる事業内容に変革を進めており、住宅や家具・インテリア、リフォーム、不動産、保険・金融などをWEBでも店舗でも「暮らしまるごと」提案できるサービスを開始しています。

しかし、第2四半期決算発表予定日の1週間前に通期業績の下方修正を発表するなど、今期業績は低迷していましたので、回復傾向が見られるか注目でした。

直近決算

ヤマダHDは2月3日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は305億円と前年同期比で169億円の減益となっていますが、通期最終利益に修正はなく、年間配当は非開示のままです。

前期比減益の要因は、前年度より継続している一過性巣ごもり需要の反動減や前年度におけるコロナ助成金の収入減及び年末の急激な円高に伴う一時的な為替差損の計上に伴う営業外収支の減少などとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、第2四半期に続き前期比大幅減益となっており、通期業績の修正はありませんでしたが、進捗率は70%付近と最終着地に不安が残る内容です。

そしてヤマダHDは期末一括配当な事に加え、まだ今期配当見込みを公表していません。

現状の最終利益予測でいくと配当性向約30%で前期と同額の18円付近ですので、今期減配の可能性は低いかと思いますが、本決算を信じて待ちたいと思います。

【8591】オリックス

最後の銘柄は2月6日に決算を発表したリース業界最大手のオリックスです。

オリックスは現在リース業にとどまらず、不動産、金融、事業投資など様々な事業で海外を含む多くの企業と取引しています。

しかし、今期は保険や米国、欧州市場が減益だった事で第2四半期決算は大きく減益となっており、通期最終利益も前期にあった弥生売却の反動などで減益見込みとなっていましたので、持ち直しの動きが見られるか注目でした。

直近決算

オリックスは2月6日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は2113億円とほぼ前年同期並みの数字になっており、通期最終利益、年間配当見込みに変更はありませんでした。

前年同期並みだった要因について、保険事業はコロナ給付金の支払いで減益となっていますが、コロナからの経済回復を受けて輸送機器や不動産運営事業などが増益となったためとしています。

直近決算の感想

決算の感想ですが、第2四半期時点では前期比で大きく減益となっていましたが、今回の決算では前年並みまで何とか戻した印象です。通期では前期の第4四半期に弥生の売却益1632億円があった反動があるため減益見込みに変わりはありませんが、来期以降に期待できそうな内容です。

通期進捗率も85%付近となっていますので、来期に向けて弾みがつく様な最終着地を期待したいです。

まとめ

今回は保有銘柄を中心に1月末から2月上旬にかけて決算を発表した9銘柄を検証しました。

年末にかけて進んだ円高や原材料費高騰の影響などもそれ程関係なく、順調に推移している銘柄が多かった印象です。

今回は全て第3四半期決算だった事もあり、通期見込みを修正したのは三井物産だけでしたが、銀行株や総合商社を中心に現在の見込みを上回って着地しそうな銘柄も多い様に感じます。

そして決算発表はまだまだ続いていますので、2月中旬以降に決算を発表した銘柄について は、2月23日の朝7時に記事を投稿しますので宜しくお願いします。

2023年2月前半の決算検証については、YouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

【2023年2月前半】直近決算が気になった高配当株8選

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