武田薬品工業は高配当銘柄として投資可能か検証

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銘柄検証

今回は高配当銘柄として人気の高い武田薬品工業の現状と今後を踏まえ高配当株銘柄として投資可能か検証していきます。

武田薬品工業の最新情報は下記記事で記載しています。

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武田薬品工業とは

武田薬品工業は日本の医薬品企業での売上は第1位で国内最大手の医薬品メーカーです。1781年創業と歴史は古く優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する事を経営理念にしています。

連結売上高の約9割を医療品医薬品売上が占め、消化性潰瘍治療薬や制癌剤等を主力製品としています。

武田薬品工業の現状

武田薬品は2010年頃より業績回復の為、海外企業の買収に力を入れてきました。そして2019年にアイルランドの製薬大手シャイアーを約6兆円で買収し、日本の製薬会社では初めて売上高世界10位以内となります。

武田薬品は従来がん治療や消化器系疾患の分野に注力していましたが、シャイアーは希少疾患、血液製剤分野で強みを持っており、買収により今後新たな分野での成長が期待出来る可能性が有ります。

シャイアー買収以降統合に力をいれていましたが、2021年度以降はトップライン(売上高、営業収益)の加速とパイプライン(新薬候補)の拡充にフォーカスを移す方針です。

パイプラインとは

研究開始から承認・発売にいたるまでの開発品(新薬候補)の事で、武田薬品工業は現状40以上のパイプラインを保有

株価等推移

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
武田薬品4502324427.60.961805.55153.6
※2021年11月5日時点

株価はコロナショック時に3000円を割り込む場面がありましたが、その後は持ち直します。

しかし、直近の動向では2021年10月6日に期待を集めていた新薬候補の臨床試験を中断すると発表し株価は大きく下落しました。

更に10月28日発表の2022年3月期第2四半期決算で業績の下方修正を発表しています。

また、最近の株価下落もあり配当利回りは5%半ばとかなり高水準になっています。

業績推移

銘柄名武田薬品
2018年3月期1868
2019年3月期1351
2020年3月期442
2021年3月期3760
2022年3月期(会社予想)1843
※純利益(億円)

業績にはかなり増減がありますが、2020年3月期の大幅減益はシャイアー買収の影響です。

そして2022年3月期の業績は10月末に2500億円から1843億円へ下方修正しています。要因は買収前のシャイアーが受領した違約金に関する税務費用の影響額を反映したとの事です。

また武田薬品工業の海外売上比率は8割を超えており海外への売上比率が高い企業で、現在グローバルブランド14製品で2021年度上期売上は売上収益の約42%占めている状況です。

武田薬品工業配当推移

配当金配当性向(%)
2015年180赤字
2016年180177.4
2017年180123.8
2018年18075.92
2019年180128.0
2020年180633.8
2021年18074.8
2022年3月期(会社予想)180153.6

2015年からの配当推移をまとめていますが毎年180円です。

会社方針では1株当たり年間配当金180円の確立された配当方針を維持するとしていますが業績に関係なく配当を実施している為、配当性向の高さは気になるところです。

武田薬品の今後

フォーカスを「統合」から「トップラインの加速およびパイプライン」へ転換としておりトップライン(売上高、営業収益)およびパイプライン(新薬候補)へ注力する転換点となる1年に位置付けています。

実質的な売上収益の成長は2021年度に加速する見込みでパイプライン推進のために研究開発投資を強化する方針です。

つまり今までは買収により企業規模の拡大を図っていましたが、今後は買収の効果を発揮し収益の拡大を目指すようです。

武田薬品工業の投資判断

今までの要因をもとに武田薬品工業の投資判断を検証していきます。

武田薬品工業のおすすめ点

  • 製薬会社は景気動向に業績が左右されにくい点
  • 安定した配当方針
  • 今後シャイアー等の買収効果で収益が改善される可能性有り

武田薬品工業の注意点

  • 高すぎる配当性向
  • 買収絡みで今後も費用負担が発生する可能性有り
  • 新薬開発状況が分かり難い

おすすめ点と注意点を踏まえたうえでの投資判断

以上の様に武田薬品工業はメリットとデメリットが入り乱れている状態ですが高配当株銘柄として1番気になるところは配当性向の高さでしょう。

今まで業績に関係なく180円の配当を実施してきていますが、度重なる買収で財務基盤も以前ほど盤石ではなくなってきていますので、今後も同様に配当を維持出来るかは1番気になるところです。

また、10月に発表された新薬の治験中止や買収費用に絡んだ業績の下方修正は個人投資家には予測しにくい部分です。

しかし、製薬会社としての本質はやはり新薬の開発なのだと思います。

現在は14製品で売上の約4割を占めていますので少しでも多く主力製品に加われる新薬を開発出来るかが1番重要です。

そこへシャイアー等の買収効果が収益に影響してくれば期待出来る部分も大きいかと思います。

まとめ

今回は武田薬品工業の投資判断を検証しました。

製薬会社という事で専門用語も多く投資判断も難しい部分がありました。

現状の個人的見解としては最優先で買いたい銘柄ではないですが、購入候補銘柄として動きは追っておきたい銘柄かなというところです。

武田薬品工業の投資判断についてはYoutubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧下さい。

武田薬品工業は高配当銘柄として投資可能か現状と今後を踏まえ検証

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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