今回は家電量販店ヤマダ電機を中核に持つヤマダHDが高配当株銘柄として投資可能か検証していきます。
株主優待でヤマダ電機のお買い物優待券が貰える事もあり個人投資家にも人気のある銘柄ですが、現状と今後を踏まえ高配当株銘柄として投資可能か検証していきます。
ヤマダHDの最新情報は下記記事をご覧ください。
【大規模自社株買いの理由】ヤマダHDとエディオンの2022年3月期本決算を検証
ヤマダHDの現状
まずはヤマダHDの現状を簡単にまとめていきます。
ヤマダHDの中核であるヤマダデンキは2002年に当時トップだったコジマを抜いて家電量販店国内最大手となり、2006年度には家電量販業界内売上規模の2割を占めるまでに成長したが、近年はネット通販の普及や販売店の多様化もあり売上は低迷が続いていました。
その様な状況の中、家電をコアとして、住宅や家具・インテリア、リフォーム、不動産、保険・金融などWEBでも店舗でも「暮らしまるごと」のサービスを始めたことで家電だけではなく、住空間をコーディネートして提案できるようになっています。
また、最近では大塚家具やヒノキヤグループを子会社化するなどして企業規模の拡大も図っています。
この様に従来の家電量販店としてでなく、生活に関わる物全てを提案出来る体制を整える為、2020年10月ヤマダHDとして持ち株会社体制へ移行しています。
ヤマダHDの2022年3月期第2四半期決算内容
ここからはヤマダHDが先日発表した決算を検証していきます。
- 上期最終利益は299億円で前期比91億円増
- 通期純利益を70億円増の590億円へ上方修正
- 配当については現状今年の予測を非公表ですが連結配当性向30%以上を目標に決定予定
売上については去年あった給付金の反動もあり減少していますが、利益については各事業セグメントの成果とデンキセグメントにおける組織再編の効果等で増益になるとしています。
株価データ
ここ最近の株価については2018年に700円を付けた後は下落傾向でコロナショックで400円付近まで売られた後は値を戻しましたが、最近は再び下落傾向でコロナショック時を下回る300円台で推移しています。
ヤマダHDの第2四半期決算後の業績・配当推移等比較
続いてはヤマダHD第2四半期決算後の業績・配当等推移を比較していきます。
上期最終利益(億円)
銘柄名 | ヤマダHD |
2020年3月期第2四半期 | 150 |
2021年3月期第2四半期 | 208 |
2022年3月期第2四半期 | 299 |
2020年3月期通期進捗率(%) | 60.97 |
2021年3月期通期進捗率(%) | 40.23 |
2022年3月期通期進捗率(%) | 50.67 |
2020年3月期からの第2四半期決算時の最終利益推移をまとめています。
中間決算時点の最終利益は順調に右肩上がりで、今期中間決算時点の通期進捗率は50%付近です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | ヤマダHD |
2018年3月期 | 297 |
2019年3月期 | 146 |
2020年3月期 | 246 |
2021年3月期 | 517 |
2022年3月期(会社予想) | 590 |
通期最終利益についても企業の買収を進めている関係もあり順調に増加傾向です。
ただ第2四半期決算のところで触れましたが、売上が比例していないところが少し気になるところではあります。
第2四半期決算後の配当推移
銘柄名 | ヤマダHD |
2015年 | 6 |
2016年 | 12 |
2017年 | 13 |
2018年 | 13 |
2019年 | 13 |
2020年 | 10 |
2021年 | 18 |
2022年(会社予想) | ‐ |
ヤマダHDの2015年からの配当推移をまとめていますが、配当については2020年にコロナショックの影響で減配した時以外は概ね安定傾向です。
ヤマダHDの配当方針は継続的かつ安定的に配当を実施しますとし、今後も成長投資や財務状況等を総合的に判断し、利益状況に応じた 適正な水準で還元を行うとしており、具体的な数値としては連結配当性向30%以上を目標にしています。
株主優待制度
ヤマダHDは株主優待も行っていますので内容を下記にまとめています。
100株~ 499株 | 500株~ 999株 | 1,000株~ 9,999株 | 10,000株以上 | |
3月末 | 500円分 (1枚) | 2,000円分 (4枚) | 5,000円分 (10枚) | 25,000円分 (50枚) |
9月末 | 1,000円分 (2枚) | 3,000円分 (6枚) | 5,000円分 (10枚) | 25,000円分 (50枚) |
1年に2回優待券が貰える制度は有難いですが、2021年2月に保有株数によっては貰える優待券の数が減らされたり、長期保有で優待券の数が増えていた制度が廃止になる等の制度改悪が発表されています。
決算後のヤマダHDの株価等指標
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
ヤマダHD | 9831 | 384 | 5.35 | 0.50 | ‐ | ‐ | ‐ |
ヤマダHDの株価は先ほど触れた様にコロナショックを下回り下落が続いています。
また、今期配当予測はまだ公表していませんが、前期と同様の18円ならば配当利回りは4%半ばの水準になります。
ヤマダHDの今後
ここからは家電量販店からの変革を目指すヤマダHDの今後を検証していきますが、ヤマダホールディングスは様々な改革の成果により事業基盤が整うなか、 利益重視の経営目線は変えず次の3つの柱を軸に「事業成長」を加速するとしています。
①売場面積拡大(エリア別店舗開発の推進)
大型店、新コンセプト店を軸に商圏エリア別に店舗の特色を生かした再編成を行うことによる売場面積拡大を事業成長の柱とする方針です。
②リアル&Eコマース事業拡大
自社サイトの基盤強化のためのサイト刷新やテレビショッピング、ラジオショッピングによる情報発信量の拡大、多彩な情報発信チャネルを利用した集中販売品の投入を目指すとしています。
③各セグメント・事業会社の売上・利益最大化
リフォームもやっている家電量販では無く家電と親和性の高い水回り製品を中心に、良いものを接客を通じて提案することを基本としています。
金融セグメントはグループ内金融6社を統合し「ヤマダNEOBANK」の代理店資格を取得したことで総合金融業としての体制を整えており、お客様のライフスタイルに沿った各種金融商品をご提供することを通し「くらしをシアワセにする、ぜんぶ。」の実践に向け今後も金融面から取り組む方針です。
ヤマダHDの投資判断
今までの点を踏まえヤマダHDの投資判断を検証したいと思いますが、今後家電量販店にとどまらない企業体制を目指している点は純粋に楽しみです。全てのセグメントが順調に成長していくかは不透明ですが期待は持てる企業方針だと思います。
しかし、中間決算が出た時点でも今期配当予想が発表されていない点や株主優待制度の改悪等は少し気になるところではあります。
以上の様な点に加え現在の株価がかなり売られている水準である事を考えると、少しずつ様子を見ながら買っていく方針が良いような気がします。幸い今の株価ならば4万円位から購入可能ですので、個人的にも来年の購入候補銘柄に入れておきたいと考えています。
ヤマダHDの投資判断はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧下さい。
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