JR九州が高配当銘柄として投資可能か現状の株価や今後を踏まえ検証

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投資関連

今回はJRグループのJR九州が高配当銘柄として投資可能かJR九州の株価や現状と今後を踏まえながら個別に検証していきたいと思いますが、まずはJRグループの現状を簡単にまとめていきます。

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JRグループとは

そもそもJRグループには6つの旅客事業会社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)がありますが、現在上場しているのはJR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社です。

本州以外の旅客3社(JR北海道、JR四国、JR九州)は、もともと採算の厳しい路線が多く、経営努力だけでは限界があることが当初より想定されていた為、JRTT(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が全株式を保有する特殊会社でしたが、2015年6月にJR会社法が改正された後、2016年4月1日よりJR九州が同法の適用から除外され、法令上は特殊会社から民間会社に移行しました。その後JRTTが保有していた同社の株式は全て売却され2016年に東京証券取引所に上場、本州以外から初の完全民営化を果たし現在の上場4社体制となっています。

上場JR4社の業績推移比較

銘柄名JR東日本JR東海JR西日本JR九州
2018年3月期288939551104504
2019年3月期295243871027492
2020年3月期19843978893314
2021年3月期-5779-2015-2331-189
2022年3月期(会社予想)-1600-300-99034

コロナショックの影響が出始めた2020年3月期頃から各社とも業績を大きく落とし、度重なる緊急事態宣言等でコロナの影響を大きく受けた2021年3月期は各社とも更に大きな赤字に転落しています。2022年3月期の業績予想は赤字の額は減少傾向になっていますが、JR九州以外の3社は現状赤字見込みとなっています。

上場JR4社の配当推移比較

銘柄名JR東日本JR東海JR西日本JR九州
2015年120120125
2016年130125135
2017年13013514038.5
2018年14014016083
2019年15014517593
2020年165150182.593
2021年10013010093
2022年(会社予想)10013010093

JR4社の2015年からの配当推移をまとめていますが、コロナの影響を受ける2020年までは各社とも増配傾向でしたが、コロナで業績が赤字に転落した2021年にJR九州以外の3社は減配しています。今期の配当見込みは現状4社とも昨年と同額の配当見込みになっています。

上場JR4社の株価データ等比較

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
JR東日本902071601.141001.40
JR東海9022159400.881300.82
JR西日本902149721.181002.01
JR九州91422415111.61.01933.85430.5
※2021年12月17日時点

コロナショックによる業績赤字を受けて4社とも株価を大きく下げていますが、JR九州以外の3社は減配の影響もあり現状配当利回りは2%付近を下回る水準です。この水準では高配当株として検討する事は厳しいですので、ここからは現状配当利回りが3%後半のJR九州が高配当銘柄として購入可能か個別に検証していきます。

JR九州とは

JR九州は九州地方を中心に旅客鉄道等を運営する鉄道事業者です。

2016年3月期まで一度も営業黒字を計上したことがありませんでしたが、2015年度に実施された減損会計による原価償却費の大幅な圧縮や合理化などにより、2017年3月期の決算で初の黒字化を達成しています。

現在は鉄道事業を補完するため旅行、ホテル、不動産、船舶、飲食業、農業など事業の多角化を推し進めており、その営業範囲は首都圏や海外にも展開しています。

JR九州の2022年3月期第2四半期決算内容

  • 中間決算時点の最終利益は20億円の赤字(前年中間決算は102億円の赤字)
  • 最終利益を期初見込みから95億円減の34億へ下方修正
  • 配当は当初見込みと変更なく年間配当93円のまま

通期最終利益を下方修正した要因はコロナ感染再拡大に伴う移動需要の減少等による鉄道運輸収入等の減少に加え、当初想定からの需要回復の遅れによる下期の減収等を見込んでおり、鉄道事業、ホテル事業、流通、外食事業を中心に下方修正した為としています。

JR九州配当推移

銘柄名JR九州
2015年
2016年
2017年38.5
2018年83
2019年93
2020年93
2021年93
2022年(会社予想)93

JR九州の配当推移を見ていきますがここ数年は93円で変わらない水準です。

JR九州の配当方針は株主還元については長期的に行っていくことが重要であるとしており2022年3月期までの間は1株当たり配当金93円を下限として、連結配当性向35%を目安にしています。また加えて資本効率の向上を図るため、状況に応じて自己株式取得を行う方針です。

また2021年3月期同様コロナによる今後の業績への影響等を慎重に見極める為、2022年3月期も中間配当は行わず期末配当の年1回配当予定。

JR九州の株価等データ

JR九州の株価はコロナショックで2000円付近まで売られた後は、2800円を超える水準まで少しずつ株価を戻していましたが、最近はコロナ感染再拡大の警戒もあり2400円付近まで売られています。

また、コロナショックでも減配しなかった為、配当利回りは3%後半の水準ですが今期の配当性向は現状400%を超えている為、現在の配当水準を来年以降も維持出来るかは注意が必要です。

JR九州の今後

ここからはJR九州の今後について検証していきますが、JR九州は九州における人口減少・少子高齢化、激甚化する自然災害という従来からの課題に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による消費者の急激な行動変容が当社グループの新たな課題としており、今後についても足元では鉄道利用については緩やかな回復はあるものの、当面はコロナ前の水準には戻らないと想定しています。

このような環境の変化や各事業における新型コロナウイルス感染症の影響の違いを踏まえ今後の戦略として3つの柱を掲げています。

事業ポートフォリオの強化

今までは鉄道事業を軸に、各事業を駅周辺に集中することで成長を遂げてきましたが、「駅への人流」に過度に依存しないポートフォリオの構築を通じて、パンデミック等のボラティリティへの耐性強化が必要

事業ポートフォリオ強化の一環として、グループの強みや経営資源を活かし、鉄道と不動産による物流事業への参入を進めており、九州新幹線を活用した荷物輸送サービスや新幹線荷物輸送を活用した新たな形態のお取り寄せサービスを開始しています。

また従来のM&Aに加え、今期より取り組みを開始した地域特化型ファンドも活用し、九州の元気に貢献し得る企業への出資を通じて、グループの主力事業の強化や事業領域の拡大に加え、グループの長期的な成長を見据えた九州の持続的な発展に貢献していく方針としています。

既存事業の構造改革

特に固定費割合が高く大きな赤字を計上した鉄道事業とホテル事業については、コスト削減を中心とした構造改革が急務

鉄道事業の業務運営プロセス及び業務運営体制を再構築し、次期中期経営計画期間中に固定費で毎年140億円以上の削減を目指す方針。

ホテル事業においてもコスト構造改革を進めており、マルチタスクの推進、委託業務の内製化、出向拡大等を通じて、固定費の削減、損益分岐点稼働率の改善に取り組み、対コロナ前比で人件費25%削減、損益分岐点稼働率10ポイント以上の改善を実現。

また、きっぷ販売におけるネットシフトの推進を取り組み、自社完結割引きっぷのネット販売比率は新幹線では100%となるなど、ネットシフトが進んでいる状況。

拠点地域のまちづくりの更なる推進

駅を中心としたまちの価値向上を図り、人口減少が進む中でも九州の「定住人口・交流人口・雇用」を拡大させることを目的として、今後も推進する方針。

コロナ禍でもパイプラインの開発は順調に進捗しており、今期は既に開業した熊本に加え、長崎・鹿児島といった拠点地域の開発への投資を計画。

また今後の旅行需要の回復を見据え、国内レジャー及びインバウンド需要を獲得する為に外資系ホテルや新たな旅館開発を推進する方針。

JR九州の投資判断

今までの点をもとにJR九州の投資判断を行いたいと思いますが、上場しているJRグループ4社の中でJR九州だけが現状今期黒字への回復を見込んでいます。JR九州と他の3社の違いは売上に鉄道事業が占める割合だと思います。JR九州以外の3社は6割以上を占めていますが、JR九州の売上に占める鉄道事業の割合は約4割程度です。

そしてJR九州は会社方針として今後も鉄道だけでなく様々な事業の展開を目指しており、その点は非常に面白い存在だと思います。

しかし、現在の状況を考えると配当性向は400%を超えており、今後も同水準の配当を維持出来るかは不透明です。高配当株投資の基本は長期的な安定投資であり、その部分で考えると今すぐの投資は少し怖いところがあります。JR九州を高配当株銘柄として購入するのならば、少なくても来期以降の配当方針を確認したうえで投資判断を行うくらいの気持ちで動向を見守る事が現状は良いような気がします。

まとめ

JR九州の投資判断はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧下さい。

JR九州が高配当銘柄として投資可能か現状の株価や今後を踏まえ検証

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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