今年から始まった新NISAでは年明け早々にオルカンやS&P500などのインデックス商品が大量に購入されたとして話題になりましたが、日本の個別株にも新NISA経由で多くの買いが入っている状況です。
しかも、新NISAの口座開設期間は恒久化されており、制度自体も永遠に続きますので今後も末永く新NISAによる買い需要が期待できる状況です。
そこで今回はSBI証券における2月9日時点の新NISA(成長投資枠)残高ランキング上位10銘柄を順番に検証していきます。
10位 【5401】日本製鉄
第10位の日本製鉄は日本最大手の鉄鋼メーカーで、元々は新日本製鉄と住友金属工業が2012年に合併して新日鉄住金となり、2019年に日本製鉄へと社名を変更しています。
アジアを中心に海外への売上も増えており、直近の海外売上比率は4割近くを占めています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
日本製鉄 | 5401 | 3588 | 7.0 | 0.7 | 160 | 4.46 | 31.3 |
最近の株価は停滞が続くなか、配当は高水準を維持していますので配当利回りは4%半ばと高水準です。
今期業績は大きく減益見込みですがPER、PBRは市場平均より割安で、配当性向は31%付近と方針通りの水準です。
日本製鐵は新日本製鉄時代から「鉄」の愛称で個人投資家に人気がありましたが、現在の配当利回りが4%半ばと高水準な事も新NISAでの購入に拍車をかけている印象です。また、世界の鉄鋼需要について未曽有の厳しい状況が継続しているとして最近の株価が停滞している事も影響しているのかもしれません。
個人的に日本製鐵は業績悪化時に容赦なく減配している今までの配当推移を踏まえ、購入候補にした事はありませんでしたが、根強い人気を感じる順位でした。
9位 【8316】三井住友FG
第9位の三井住友FGは、メガバンクの三井住友銀行を中核に持つ金融持株会社で国内では三菱UFJFGに次ぐ存在です。
三井住友銀行のほか、SMBC日興証券や三井住友ファイナンス&リース、三井住友カードなどを傘下にしています。
また、インドネシア、インド、ベトナム、フィリピンを中心に海外進出を進めています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
三井住友FG | 8316 | 8071 | 11.6 | 0.77 | 270 | 3.35 | 38.7 |
配当は順調に増配が続いていますが、最近の株価はもの凄い勢いで上昇していますので配当利回りは3%半ばまで低下しています。
業績も好調ですのでPER、PBRは市場平均よりも割安で配当性向は39%付近と方針通りの水準です。
三井住友FGについては、日本を代表するメガバンクとしての企業規模や配当利回りの高さなどを含め、従来から個人投資家に人気がある銘柄でした。そんななか、最近の株価は今後の金利先高観などを要因に大きく上げており、現在の最低購入金額は80万円付近とかなり高額です。
ちなみに最低購入金額80万円は、今回のベスト10位銘柄の中でも断トツのトップですので、それでもこの順位はさすがの人気といったところです。
8位 【7203】トヨタ
第8位のトヨタ自動車は日本最大手の自動車メーカーで、世界での自動車販売台数もトップクラスです。
子会社であるダイハツに加え、スバル、マツダ、スズキなどの自動車メーカーとも提携を結び勢力を拡大しています。
そしてガソリン車廃止の流れに対しては、電気自動車の販売台数を2030年に30車種、350万台にするとの計画を発表し注力しているところです。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
トヨタ | 7203 | 3521 | 10.6 | 1.46 | 30(半期) | ‐ | ‐ |
最近の株価は大きく上昇していますので、今期の年間配当は現状非開示ですが中間配当を2倍した60円で計算しても配当利回りは1%台となります。
今期業績は大きく増益見込みですのでPERは市場平均より割安で、配当性向も年間配当を60円で計算すると18%付近となります。
トヨタ自動車については何と言っても世界を代表するメーカーという事で個人投資家の買いが集まっている印象です。実際、今回ベスト10に入っている銘柄は高配当株が多く、配当利回りが1%台のトヨタ自動車は断トツで1番低い配当利回りになっています。
もちろん現在の余裕ある配当性向を含め、今後の増配を期待した先回り買いも含まれているかとは思いますが、それでもトヨタ自動車の人気を感じる順位です。
7位 【4502】武田薬品工業
第7位は武田薬品工業で国内医薬品企業の中でトップの売上を誇っており、現在約80の国と地域で医薬品を販売しています。
そして、2019年にはアイルランドの製薬大手シャイアーを買収するなど、M&Aを絡め企業規模の拡大を図っています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
武田薬品 | 4502 | 4434 | 74.8 | 1.03 | 188 | 4.24 | 317.0 |
最近の株価は停滞が続いていますが、配当は高水準を維持していますので配当利回りは4%前半となっています。
今期業績は大きく減益見込みですのでPERは市場平均と比較して割高で、配当性向も300%超とあまり見ないほど高水準です。
武田薬品工業も従来から高配当株として個人投資家に人気がある銘柄ですが、今期業績は大きく低迷するなか最近の株価も底堅くは推移していますが、他の高配当株と比較するとそこまで上昇していない事もあってか人気を集めた印象です。
個人的にも武田薬品工業は以前から購入候補にしている時が多いのですが、なかなか購入する決断が出来ずにいますので、背中を押される順位です。
6位 【9443】KDDI
第6位はKDDIでNTT、ソフトバンクと並ぶ大手通信会社です。
モバイル通信サービスはauやUQ mobile、povoのマルチブランド戦略に取り組んでいますので、実際にKDDIの携帯を使用している人も多いかと思います。
そして、通信業界の直近業績は通信料金値下げの影響を受けていますが、金融やDX、決済事業などの通信部門以外の成長領域でカバーしている状況です。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
KDDI | 9433 | 4605 | 14.1 | 1.86 | 140 | 3.04 | 43.0 |
増配は継続していますが、最近の株価は上昇していますので配当利回りは3%前後となっています。
業績は増益が続いていますがPER、PBRに割安感はなく、配当性向は43%付近と方針通りの水準です。
今回の順位は2月9日時点のものとなっており、この順位はKDDIが2月6日に発表したローソンへのTOBが大きく影響している印象です。今回のTOBに関しては5000億円という巨額の投資に見合う効果が期待できるのか不安視する見方も多く、TOB発表以降の株価は大きく下落しましたが、年明け以降上昇していたKDDIにとって良い調整局面だと捉えた個人投資家が多かったのかもしれません。
5位 【4503】アステラス製薬
第5位はアステラス製薬となっており、国内大手の医薬品メーカーで、抗がん剤などの新薬開発にも注力しています。
また、海外医薬品企業の買収などM&Aも含め企業規模の拡大を目指しており、アメリカを中心に直近の海外売上比率は8割を超えています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
アステラス製薬 | 4503 | 1649.5 | 51.0 | 1.97 | 70 | 4.24 | 216.0 |
直近の株価は下落が続いているなか、増配は継続していますので配当利回りは4%前半となっています。
業績は減益が続いていますのでPER、PBRは市場平均より割高で、配当性向は216%付近と、こちらもかなりの高水準です
アステラス製薬については、武田薬品同様に配当利回りが高い医薬品メーカーとして従来から個人投資家に人気がある銘柄ではありましたが、正直この順位に入ったのは意外な印象でした。
この辺りの要因は、やはり去年の夏以降下落が止まらない株価が影響している印象ですが、株価同様に業績も減益が止まりませんので、購入判断も難しいところです。
4位 【8058】三菱商事
第4位は三菱商事でエネルギー、金属などの金属資源部門に強みを持っています。
商社業界No1の会社規模で現在約1300社の連結対象会社と協働したビジネスを展開しており、アメリカを中心に直近の海外売上比率は5割を超えています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
三菱商事 | 8058 | 3250 | 14.1 | 1.54 | 70 | 2.15 | 30.4 |
ここ数年大幅増配が続いていますが、最近の株価も大きく上昇していますので配当利回りは2%前半まで低下しています。
今期業績は減益見込みですがPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は30%付近となっています。
今回総合商社で唯一ランクインしている三菱商事ですが、この辺りの要因は総合商社トップの貫禄に加え、株式分割により30万円前後まで低下している最低購入金額が要因となっている印象です。
しかし、数年前までの株価は株式の3分割前にも関わらず、現在の株価付近で停滞していましたので、改めてバフェット氏の偉大さを感じます。
新NISA(成長投資枠)残高ランキング上位3銘柄
ここまではSBI証券における2月9日時点の新NISA(成長投資枠)残高ランキングを10位から4位まで見てきました。
数も多いため、ここまでは簡単に見ていきましたが、上位3銘柄はもう少し詳しく検証していきます。
3位 【8306】三菱UFJFG
という事で第3位は三菱UFJFGです。
三菱UFJFGはメガバンクの三菱UFJ銀行を中核に持つ金融持株会社で国内最大手の金融グループです。
三菱UFJ銀行のほか、三菱UFJ証券やリースの三菱HCキャピタルなども傘下にしています。
そして近年は、アメリカを中心に海外への積極的な進出も進めています。
直近決算
三菱UFJFGは2月5日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は1兆2979億円と前年同期比9548億円の増益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
業績好調の要因は業務純益の増益に加え、Morgan Stanleyの持分法適用決算期変更や円安の影響としています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 三菱UFJ |
2018年3月期 | 9896 |
2019年3月期 | 8726 |
2020年3月期 | 5281 |
2021年3月期 | 7770 |
2022年3月期 | 11308 |
2023年3月期 | 11164 |
2024年3月期(会社予想) | 13000 |
2018年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックで大幅減益となった2020年以外は順調に増益傾向で、2022年はコロナショックによる倒産に備えていた与信関連費用の戻り入れなどの影響で最終利益は1兆円の大台に乗せています。
前期はMUBの株式譲渡に絡む特別損失の影響で減益とはなりましたが、通期最終利益は1兆円台をキープしています。
そして、今期は本業が引き続き順調に推移するなか、第3四半期時点の通期進捗率は99%付近と既に通期予測並みに稼げていますが、今期の第4四半期は前期特別利益の反動で減益となる可能性が高いので注意は必要です。
配当推移
銘柄名 | 三菱UFJ |
2015年 | 18 |
2016年 | 18 |
2017年 | 18 |
2018年 | 19 |
2019年 | 22 |
2020年 | 25 |
2021年 | 25 |
2022年 | 28 |
2023年 | 32 |
2024年(会社予想) | 41 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、2018年頃からは順調に増配傾向です。
コロナショックで業績が落ち込んだ2021年の配当は据え置きでしたが、ここ数年は業績好調を背景に増配額も大きくなっており、今期は過去最高の引き上げ幅となる9円の増配見込みとしています。
三菱UFJの配当方針は、2023年度までに配当性向40%への累進的な引き上げを目指すとしています。
株価推移
株価はコロナショックで380円まで売られた後は上下を繰り返しながらも順調に上昇しています。
そして、今年に入ると今後の金利先高観が高まった事や全体の強さで急騰し、直近は1500円前後で推移しています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
三菱UFJ | 8306 | 1490 | 13.6 | 0.93 | 41 | 2.75 | 37.3 |
今期配当は大きく増配見込みですが、今年の株価も急騰している事で配当利回りは2%半まで低下しています。
業績は増益が続いていますがPER、PBRは市場平均並みで、配当性向は37%付近と方針通りの水準です。
三菱UFGFGについて、国内最大手の金融グループとして流石の人気を誇っています。国内金融グループ第2位の三井住友FGは先ほど紹介した様に9位でしたのでかなり差が付いていますが、この辺りは国内トップの存在感に加え、何より最近の株価上昇でも最低購入金額が10万円台と格安な事も影響している印象です。
ただ、そうは言っても最近の株価上昇は凄いペースで、配当利回りも2%台まで下落してしまいましたので、この人気がいつまで続くかは注目です。
2位 【9432】NTT
第2位の銘柄はNTTです。
NTTは通信事業を主体とするNTTグループの持株会社で、2020年にはNTTドコモを完全子会社化しています。
今後の方針として次世代の情報ネットワークに関する構想であるIOWNによる新たな価値創造や金融サービス、ヘルスケア・メディカルサービスなどに注力する方針で、今後5年間で成長分野へ約8兆円を投資予定としています。
直近決算
NTTは2月8日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は1兆111億円と前年同期比214億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比減益の要因は地域通信事業が落ち込んでいるためとの事ですが、四半期ごとに着実に利益改善しており、第4四半期に更なる増益を見込むとしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | NTT |
2019年3月期 | 8545 |
2020年3月期 | 8553 |
2021年3月期 | 9161 |
2022年3月期 | 11810 |
2023年3月期 | 12131 |
2024年3月期(会社予想) | 12550 |
2019年からの通期最終利益について、コロナショックを受けた2020年でもぎりぎり増益を維持しているなか、ここ数年の増益幅は数年前と比較して勢いが付いています。
業績好調の要因は通信料金値下げの影響があるなか、企業のデジタル変革の取り組みが急速に広がり国内外でITサービスの需要が増えたことや、テレワークの拡大で家庭向けのインターネットサービスの契約が増えたためとしています。
そして、今期は更に増益の見込みとしているなか、第3四半期時点の通期進捗率は81%付近と順調に推移していますが、例年の平均89.8%は下回っている水準です。
配当推移
銘柄名 | NTT |
2015年 | 1.8 |
2016年 | 2.2 |
2017年 | 2.4 |
2018年 | 3 |
2019年 | 3.6 |
2020年 | 3.8 |
2021年 | 4.2 |
2022年 | 4.6 |
2023年 | 4.8 |
2024年(会社予想) | 5 |
2015年からの配当推移をみていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配傾向です。
金額の単位が細かくなっているのは株式分割の影響ですが、今期見込みは2015年と比較すると2倍以上へ増えています。
NTTの配当方針は、株主還元の充実は当社にとって最も重要な経営課題の一つとし継続的な増配の実施を基本的な考え方としています。
株価推移
株価は2020年10月に85円まで売られましたが、その後は停滞する時期を挟みながらも右肩上がりの状況です。
そして、今年に入ってからも堅調な動きが続き、直近は180円付近で推移しています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
NTT | 9432 | 180.6 | 12.1 | 1.65 | 5 | 2.77 | 33.6 |
配当は順調に増配が続いていますが、株価も上昇が続いていますので配当利回りは2%台となっています。
業績も過去最高益が続いていますのでPERは市場平均と比較して割安で、配当性向は34%付近となっています。
NTTも従来から個人投資家に人気がありましたが、第2位となった要因はやはり去年行った株式の25分割が大きく影響している印象です。実際、NTTも株式分割前と比較して株主数は1.7倍に拡大していると発表しており、特に40代以下の層が約4倍と個人株主の年齢構成も多様化しているとの事です。
以上の点を踏まえると、最近は単元未満株で購入できる証券会社も増えていますが、やはり単元株の最低購入金額が低い事も個人投資家の投資基準になっている様です。
1位 【2914】JT
いよいよ第1位の銘柄はJTで、メインのたばこ事業のほか医薬品や加工食品なども製造しています。
喫煙者人口の減少や紙たばこ需要の減少を受け、最近は加熱式たばこ「プルームシリーズ」のシェア拡大を推進しているところです。
そして、グローバルタバコメーカーとして130ヶ国以上の国と地域で販売しており、直近の海外売上比率は7割を超えています。
直近決算
JTは12月決算ですので2月13日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は4822億円と395億円の増益となっており、配当も従来予想から6円増額の年間194円としています。
今期予測は最終利益が4550億円と272億円の減益見込みとしていますが、配当は据え置きの年間194円で発表しています。
前期業績好調の要因は、たばこ事業におけるプライシング効果がサプライチェーンにおけるコスト上昇影響を上回った事や金融損益の改善・法人税負担減少などのためとしています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | JT |
2019年12月期 | 3481 |
2020年12月期 | 3102 |
2021年12月期 | 3384 |
2022年12月期 | 4427 |
2023年12月期 | 4822 |
2024年12月期(会社予想) | 4550 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、2020年を底に回復傾向が続いており、特に最近の業績は大きく伸びています。
前期も日本やロシアでの燃焼性たばこ需要の減少や円高が懸念材料として期初当初は減益見込みにしていましたが、たばこ事業におけるプライシング効果や円安水準が続いている事で海外たばこ事業が堅調に推移しているとして第2四半期、第3四半期決算で上方修正を繰り返し、最終着地も増益となっています。
今期予測は現状5%程度の減益見込みとしていますが、このまま順調な流れは続きそうですので、今期も増益となる可能性は十分ありそうです。
配当推移
銘柄名 | JT |
2015年 | 118 |
2016年 | 130 |
2017年 | 140 |
2018年 | 150 |
2019年 | 154 |
2020年 | 154 |
2021年 | 140 |
2022年 | 188 |
2023年 | 194 |
2024年(会社予想) | 194 |
2015年からの配当推移について、2019年までは順調に増配傾向でしたが、据え置きとなった2020年には配当性向が90%付近まで上昇し、2021年は上場後初の減配となりました。
しかし、2022年は業績が大きく回復した事で大幅増配となっており、前期も本決算で6円の増配が発表されました。
今期は現状据え置きの予測となっていますが、今後の業績次第では今期も増配となる可能性はありそうです。
JTの配当方針は強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指すとし、具体的な数値としては配当性向75%±5%程度を目安にしています。
株価推移
株価は2016年2月には4850円の高値を付けていますが、そこからは右肩下がりの状況でした。
しかし、2020年7月に1796円まで売られた後は業績の回復とともに上昇に転じ、直近は4000円前後で推移しています。
株価指標(2024年2月22日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
JT | 2914 | 3955 | 15.4 | 1.83 | 194 | 4.91 | 75.7 |
最近の株価は大きく上昇していますが、増配も継続していますので配当利回りは5%前後と高水準です。
業績は増益が続いていますがPERは市場平均並みで、配当性向は76%付近と方針通りの水準です。
堂々第1位のJTですが、個人的な感想としては正直意外な結果でした。確かに以前から高配当株として個人投資家に人気の銘柄ですが、メインがたばこ事業という事で好き嫌いが分かれる銘柄でもあります。
その様な状況でも今回1位となった要因は、やはり5%前後の高水準な配当利回りが大きく影響している印象です。
まとめ
今回はSBI証券における2月9日時点の新NISA(成長投資枠)残高ランキング上位10銘柄を検証しました。
算出している方法によって順位に多少の違いがあるかもしれませんが、現状年明けから新NISAで買われている個別銘柄はこの辺りになっているかと思います。
この様に振り返るとやはり高配当株に人気が集まっている印象で、冒頭でもお伝えした様に新NISAの制度は永遠に続きますので、今後も個人投資家に人気がある高配当株へは継続的な買い需要が期待できそうな印象です。
新NISAの成長投資枠で買われている銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。
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