最近の株価が下落している高配当株4選

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銘柄検証

高配当株へ投資する1番の目的は長期にわたって配当をもらい続ける事です。従って株価による値上がり益(キャピタルゲイン)を狙って投資する訳ではありませんが、それでも株価が安いタイミングで購入する事で購入金額も下がりますし、配当利回りも上昇しますので、株価が少しでも安いタイミングで購入した方が良い事に変わりはありません。

という事で今回は最近の株価が下落傾向な高配当株を4銘柄選出し個別にまとめていきます。

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株価が大きく下がっている高配当株7選(2022年4月28日時点)

株価が大きく下がっている高配当株については約3ヶ月前の5月1日にも検証記事を投稿しており、その時の銘柄がこちらの7銘柄で検証時点(2022年4月28日)の株価と現在の株価を表にまとめています。

銘柄コード株価(4月28日)株価(8月5日)
日経平均2684728175
花王445252315882
東京センチュリー843940054825
キリンHD25031900.52217
JT29142223.52293
ヤマダHD9831387469
スカパーJSAT9412420530
アサンテ607314661580

7銘柄とも数年前と比較して株価を大きく下げている状況でしたが、3ヶ月前と比較するとそれぞれ現在の株価は上昇しています。日経平均も1000円以上上げていますが、上昇率で比較しても結構上昇している銘柄もあるかと思います。

投稿時にこの7銘柄を特別おすすめとしていた訳ではありませんし、実際私がこの7銘柄のなかで保有しているのは、キリンHD、JT、ヤマダHD、スカパーJSATの4銘柄のみですが、株価が下がっているという事は1つの買い材料になるのだと改めて実感しました。

もちろん株価が下げ続けているからといって必ずしもチャンスという訳ではありませんし、長期間にわたり株価を大きく下げている要因はそれなりにあるはずですが、株価が下落している要因と現在の状況や今後の展望を踏まえ、自分なりに納得する事が出来れば購入を検討しても良いのではないかと思います。

以上の点を踏まえここからは、最近の株価が下落気味の高配当株4選を個別に検証していきます。

【7453】良品計画

最初の銘柄は良品計画です。

良品計画は1980年「無印良品」は「わけあって、安い。」をキャッチコピーに、従来の商品の規格からすると少し外れてしまうような商品の企画からスタートし、現在国内では無印良品、海外ではMUJIブランドの商号で世界32の国、地域で店舗を展開しています。

2030年の事業イメージとして、今後日本では年平均純増100店舗、中国大陸では年平均純増50店舗、その他アジア地域においては年平均純増30店舗を出店するなど出店を加速していく方針です。

良品計画通期最終利益(億円)推移

銘柄名良品計画
2020年2月期232
2020年8月期(6ヵ月)-169
2021年8月期339
2022年8月期(会社予想)200

良品計画の2020年2月期からの最終利益推移をみていきます。

良品計画は2020年に8月決算へ決算時期を変更している為、2020年8月期は半年分の決算と不規則になっていますが、その2020年8月期はコロナショックの影響で大きな赤字に転落しています。

その後はコロナからの経済回復や海外事業の収益改善が進み業績を戻していますが、今期業績は衣服・雑貨の販売苦戦に伴う値下げ処分、および急激な円安に伴う為替影響に加えて物流コスト上昇圧力に伴う物流費の悪化などの影響により、6月30日に通期最終利益予想を70億円減の200億円へ今期2回目の業績下方修正を発表しています。

良品計画配当推移

銘柄名良品計画
2016年2月24.6
2017年2月29.3
2018年2月34.5
2019年2月38.7
2020年2月36.4
2020年8月(6ヵ月)5
2021年8月40
2022年8月(会社予想)40

2016年からの配当推移をみていきますが、コロナショックの影響を受けて赤字に転落した2020年8月期に大幅減配となっています。

先程触れた様に良品計画の2020年8月期は決算時期変更により半年分の不規則な決算ですが、それでもかなり大幅な減配です。

2021年以降の配当はコロナ前の水準を上回る金額になっており、先程お伝えした通り先日業績の下方修正はありましたが、今期配当予測に変更はありませんでした。

良品計画の配当方針は連結業績に基づいた配当性向30%(年間)を基準とし、株主の皆様への継続的な利益還元を実施する方針としています。

良品計画株価推移

株価は2018年に4120円まで上昇しましたが、その後は右肩下がりの状況が続き、コロナショックで969円まで売られました。

その後は3000円に迫る水準まで値を戻しましたが、業績低迷を背景に再び株価は売られ、直近では1300円前後での動きとなっています。

良品計画株価指標(2022年8月5日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
良品計画7453129017.01.47403.1052.7

良品計画の配当利回りは、株価が下落を続けるなか配当はコロナ前の水準に戻していますので3%前後の水準です。

PER、PBRに割安感はなく、配当性向は52%と目安にしている30%を上回っている水準です。

良品計画の投資判断

今までの点を踏まえ良品計画の投資判断ですが、今期は業績の下方修正が相次いでおり通期最終利益の着地が気になるところです。

業績の下方修正でも現状配当予測は維持されていますが、配当性向は50%付近まで上昇しており、減配リスクは高まっている印象です。

しかし、株価は4年で7割近く売られていますので、今後の出店加速からの売上増を信じる事ができれば、今の株価は割安に見えてきます。

【7198】アルヒ

アルヒは日本最大手の住宅ローン専門金融機関で2017年に東証に上場しており、住宅ローン「フラット35」の取り扱い実行件数では12年連続のシェアNo.1を継続中です。

住宅関連業界は通年の新設住宅着工戸数がコロナ感染拡大前の水準に近づいた一方で、住宅の引き渡しは一部でウッドショックによる建築資材不足、住宅設備機器の欠品、遅延が発生したことによる中古物件の供給減、三大都市圏における競争激化などの影響で直近の業績は低迷しています。

アルヒ通期最終利益(億円)推移

銘柄名アルヒ
2019年3月期43
2020年3月期49
2021年3月期51
2022年3月期42
2023年3月期(会社予想)43

2019年からの最終利益を見ていきますが、2021年をピークに減益傾向です。

2021年もコロナ感染拡大により厳しい状況でしたが、テレワーク普及による在宅時間の増加などで快適な住環境が重視された事や住宅ローン減税の効果もあり持ち直しの動きが見られ、新設住宅着工戸数、中古マンション、中古戸建住宅の成約件数は回復傾向として最終利益は過去最高の水準でした。

しかし、2022年3月期は中古物件の在庫不足、給湯器などの調達遅延の影響や他社との競合により業績を落としている状況です。

アルヒ配当推移

銘柄名アルヒ
2018年22
2019年44
2020年51
2021年55
2022年60
2023年(会社予想)60

アルヒは上場が2017年ですので2018年からの配当推移を見ていきます。

上場後は順調に増配が続いていますが、今期予測は現状据え置きとなっています。

アルヒの配当方針は余剰資金については継続して安定的に配当を実施していくことを基本方針としており、具体的には配当性向35%以上を目標としています。

アルヒ株価推移

株価は2017年の上場後、2018年には3005円まで上昇しましたが、その後は右肩下がりの状況です。コロナショックで854円まで売られた後は、2000円台を回復する場面もありましたが、そこからは再び右肩下がりの状況が続いており、直近は1050円付近で推移しています。

アルヒ株価指標(2022年8月5日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
アルヒ719810698.81.19605.6149.2

株価は下落が続くなか配当は増配から据え置きとなっていますので、配当利回りは5%半ば付近と高水準です。

PERは市場平均と比較して割安ですが、配当性向は50%付近と目標としている35%を上回っている状況です。

アルヒの投資判断

今までの点をもとにアルヒの投資判断ですが、前期、今期の業績は低迷気味ですが、配当は増配が続いており配当利回りも5%半ばと高水準です。

フラット35事業が今後飛躍的に伸びていく事は想像しにくいですが、今後は住宅ローンだけでなく、住宅に関わるものを付随して提案していく方針です。

株価は4年で3分の1程度まで売られていますので、住宅事業の今後に期待する事ができれば、今の株価はお買い得の様な気はします。

【9069】センコーグループHD

センコーグループHDは、総合スーパーやドラッグストアなどの物流業務や住宅、建材業界、化学製品のケミカル業界などを中心に様々な商品の物流を手掛けています。

また、食品業界向けには冷凍・冷蔵倉庫を保有し、輸送では保冷トラック・鉄道コンテナを利用するなど全国規模で低温物流のネットワークを構築していますので、実際に「センコー」と名前の入ったトラックを見かける事も多いかと思います。

センコーグループHD通期最終利益(億円)推移

銘柄名センコーHD
2019年3月期116
2020年3月期120
2021年3月期142
2022年3月期152
2023年3月期(会社予想)160

2019年からの最終利益を見ていきますが順調に増益傾向です。コロナショックの影響を受けた2020年も減益にはなっておらず、2020年以外の年は増益率も大きくなっています。

直近の業績は燃料費高騰などのマイナス影響はありましたが、コロナからの経済回復を受けた物流需要の高まりを受けて順調に推移しています。

センコーグループHD配当推移

銘柄名センコーHD
2015年17
2016年20
2017年22
2018年22
2019年26
2020年26
2021年28
2022年34
2023年(会社予想)34

配当についても順調な業績と連動して順調に増配傾向です。

コロナの影響を受けた2020年など据え置きの年もありますが、減配はなく安定傾向です。

センコーグループHDの配当方針は、安定配当に加え業績連動を考慮した配当の実施ならびに配当性向の向上を目指す中で株主還元の充実を目指すとしています。

センコーグループHD株価推移

株価はコロナショックで707円まで売られた後、2021年3月には1168円まで上昇しました。その後はじわじわと値を下げ、今年6月には824円まで値を下げましたが、直近は900円台まで値を戻しています。

センコーグループHD株価指標(2022年8月5日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
センコーグループHD90699218.60.93343.6932.6

配当は順調に増配が続いているなか、株価は停滞していますので配当利回りは3%後半の水準です。

PER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向も30%台前半と余裕を感じます。

センコーグループHDの投資判断

今までの点を踏まえセンコーグループHDの投資判断ですが、業績、配当は順調に推移しており、指標面にも割高感はありません。

物流の需要は今後も高まっていく事が想定されますので将来性も楽しみな銘柄です。

何故株価がこの1年くらい右肩下がりなのかは分かりませんが、長期的に見た場合、今の株価が割安に思える日がくるかもしれません。

【4423】アルテリア・ネットワークス

アルテリア・ネットワークスは、インターネット事業、ネットワーク事業などを手掛ける電気通信事業者です。

主要都市部を中心に光ファイバー網を各地に敷設しており、他社回線を利用してサービスを展開する通信事業者が多数を占める中で、独自の回線を有する点は新規サービス開発やコストコントロールなどの面において大きなアドバンテージを持っているとしています。

また、今年6月には「GameWith」と資本業務提携を行い、eスポーツへの参入も表明しています。

アルテリア・ネットワークス通期最終利益(億円)推移

銘柄名アルテリア
2019年3月期46
2020年3月期52
2021年3月期55
2022年3月期60
2023年3月期(会社予想)60

2019年からの最終利益を見ていきますが、順調に増益傾向です。

前期業績好調の要因は、クラウド利⽤の拡大やテレワークの普及による新たな高速通信やセキュリティの高いネットワークサービスなどへの需要を取り込めた事や非注力事業の見直しによるデータセンター事業の⼀部譲渡において譲渡益が発生した為としています。

今期の最終利益は現状据え置きの予測になっていますが、今期は前期のデータセンター譲渡益による⼀時収益影響を見込んでいない為、本業では増収増益基調を維持としています。

アルテリア・ネットワークス配当推移

銘柄名アルテリア
2019年26.22
2020年52.97
2021年55.37
2022年60.45
2023年(会社予想)60.52

アルテリア・ネットワークスは上場が2018年の為、2019年からの配当推移を見ていきます。

順調に増配傾向ですが、配当額は小数点第2位まで細かく設定されています。

最初は株式分割の調整かと思ったのですが、計算するとちょうど配当性向50%になる様に小数点以下も調整している様です。

アルテリア・ネットワークスの配当方針は今期も配当性向50%を維持としており、期首公表値を下限として前期比増配を予定としています。

アルテリア・ネットワークス株価推移

株価は2020年4月に2259円まで上昇した後は下落が続いています。2020年の年末に1466円まで下げた後は値を戻す場面もありましたが、その後は再び下落が続き、直近の株価は1200円台で推移しています。

アルテリア・ネットワークス株価指標(2022年8月5日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向

アルテリア・

ネットワークス

4423128310.62.4660.524.7249.8

配当は小幅ですが増配が続くなか、株価は右肩下がりの状況ですので配当利回りは4%後半と高水準です。

株価は下げていますがPERに割安感はそれ程なく、配当性向は50%付近と方針通りとなっています。

アルテリア・ネットワークスの投資判断

今までの点を踏まえアルテリア・ネットワークスの投資判断ですが、業績は少しずつですが安定して増益傾向で、配当も小数点まで配当性向50%に寄せている点は高配当株銘柄として魅力を感じます。

企業規模はそれ程大きくありませんが、事業内容はネットワークサービスを中心にしており将来性も期待できます。

株価は2年前の高値から半値近くまで売られていますが、ネットワークサービスの今後へ期待を持つ事ができれば、今の株価は売られすぎの様な気もします。

最近の株価が下落傾向な高配当株4選(2022年8月5日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
良品計画7453129017.01.47403.1052.7
アルヒ719810698.81.19605.6149.2
センコーグループHD90699218.60.93343.6932.6
アルテリア・ネットワークス4423128310.62.4660.524.7249.8

今回紹介した4銘柄の2022年8月5日時点の株価や現在の配当利回りを表にまとめています。

配当利回りは1番低い良品計画で3%付近、1番高いアルヒで5%半ばとなっています。

株価が下落している要因は、業績不振が要因とみられる銘柄もあれば、業績、配当は好調でも売られている銘柄、株価は下がっていても指標面がそれ程割安でない銘柄など様々ですが、株価は企業の将来を示す指標ですので、株価が下落している要因と現在の状況や今後の展望を踏まえ、自分なりに納得する事が出来れば購入を検討しても良いのではないかと思います。

株価が下落している4銘柄はYouTubeで動画版を投稿していますのであわせてご覧ください。

最近の株価が下落傾向な高配当株4選

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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