【未来予想図】本決算を期待したい高配当株12選

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銘柄検証

いよいよGWが明ける明日からは、3月期銘柄の本決算発表が本格化します。日本企業は3月決算銘柄が多く、また本決算は1年の総まとめでもあり今期の予測も示されますので、本決算発表がピークを迎える5月上旬は株式市場にとっても大きなイベントです。

そこで今回は、まもなく発表される本決算について期待できるポイントを4つのテーマに分け、それぞれ該当する銘柄の状況を確認していきたいと思います。

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前期配当の増額期待

まず1つ目の期待ポイントは前期配当の増額が期待できる銘柄です。大半の銘柄は既に前期配当の見込みを発表していますが、前期の配当金額が確定するのは今回の本決算ですので、決算発表で配当額が増減する可能性があります。

という事で最初のパートでは、第3四半期までの状況を踏まえ本決算で前期配当金が増額しそうな2銘柄をみていきます。

【7267】ホンダ

前期配当の増額が期待できる最初の銘柄はホンダです。

ホンダは日本を代表する輸送機器メーカーで、オートバイの販売台数、売上高は世界1位となっており、国内に限らず北米やアジアなど世界各国に製品を販売しています。

第3四半期までの業績は、200億円程度の増益を見込む通期最終利益に対しても進捗率80%付近と順調に推移していますが、配当は据え置き予測となっていますので本決算での増額を期待します。

配当推移

銘柄名ホンダ
2015年88
2016年88
2017年92
2018年100
2019年111
2020年112
2021年110
2022年120
2023年(会社予想)120

2015年からの配当推移を見ていきますが、コロナショックの影響を受けた2021年は減配になっていますが、概ね順調に増配傾向です。

増配幅は年によって差がありますが2022年は10円と大きく、前期は現状据え置きの見込みとなっています。

ホンダの配当方針は、連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努めるとしています。

第3四半期時点の配当性向は28%付近ですので微妙な水準ではありますが、これまでの配当推移を見ると最終利益が見込みを上回る着地となれば前期配当増額の可能性も十分ありそうです。

ホンダの本決算発表は、5月11日を予定しています。

【8098】稲畑産業

前期配当の増額が期待できる2番目の銘柄は稲畑産業です。

稲畑産業は情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の4つの事業を世界17カ国、約60拠点で展開しており、売上比率も50%以上が海外と国際的な企業です。

2022年以降の業績は樹脂価格上昇に加え保有株式の売却益も加わり急激に伸びています。

そして前期第3四半期までの業績は20億円程度の減益を見込む通期最終利益に対して進捗率は75%付近と微妙な状況ですが、前期も保有株式の売却益が加われば配当増額があるかもしれません。

配当推移

銘柄名稲畑産業
2015年33
2016年36
2017年40
2018年40
2019年48
2020年53
2021年63
2022年110
2023年(会社予想)115

2015年からの配当推移をみていきますが、減配はなく順調に増配傾向です。そして2022年は一気に2倍近い増配幅となっており、前期は現状5円増配の予測になっています。

稲畑産業の配当方針は、2024年3月期までの中期経営計画中は累進配当を継続としており、具体的な目安は総還元性向で概ね50%程度としています。

しかし、政策保有株式を売却し相当程度のキャッシュインが発生した事業年度においては、今後の資金需要や会社の財務状況、株価、マーケットの状況などを総合的に勘案し、総還元性向の目安には必ずしも囚われずに、株主還元を実施するとしています。

そして保有株式の売却については、2021年3月末残高に対し2027年3月末まで概ね80%を削減する方針で、売却で得られた資金は基本的に株主還元と成長投資へ充てるとしています。

この様に業績からみると前期の配当増額は厳しそうですが、第4四半期で保有株式の売却益があれば配当増額があるかもしれません。

稲畑産業の本決算発表は、5月10日を予定しています。

前期最終利益の上積み期待

2つ目の期待ポイントは前期最終利益の上積みが期待できる銘柄です。先程の配当と同様にほとんどの銘柄は前期最終利益の見込みを公表していますが、もちろん数字が確定するのは本決算となります。

そこでこのパートでは、第3四半期までの状況を踏まえ前期最終利益が見込みよりも上積みできそうな4銘柄をみていきます。

【8001】伊藤忠

前期最終利益が上積みできそうな最初の銘柄は総合商社の伊藤忠です。

伊藤忠は従来から繊維や食品などの非資源部門に強みを持っていますが、ここ数年の業績は商品市況上昇に円安の追い風も加わり好調な状況が続いています。

前期業績について通期最終利益は現状200億円程度の減益見込みではありますが、第3四半期時点の進捗率は85%付近ですので、本決算での上積みを期待したいです。

通期最終利益(億円)

銘柄名伊藤忠
2019年3月期5005
2020年3月期5013
2021年3月期4014
2022年3月期8202
2023年3月期(会社予想)8000

2019年からの通期最終利益について、コロナショックで2021年は減益となっていますが、2022年は商品市況上昇の影響などで過去最高益の水準へV字回復しています。

前期は現状減益見込みとしていますが、機械、エネルギー・化学品、住生活を中心とした非資源分野での更なる伸⾧や円安の影響により、第3四半期までは前期比増益で推移していますので、本決算で過去最高益を更に更新できるかもしれません。

伊藤忠の本決算発表は、5月9日を予定しています。

【8316】三菱UFJFG

前期最終利益が上積みできそうな2銘柄目は三菱UFJFGで、メガバンクの三菱UFJ銀行を中核に持つ国内最大手の金融グループです。

前期業績について本業は順調に推移していますが、MUB(米国地銀ユニオンバンク)の株式譲渡に絡む臨時損失が発生した事で、第3四半期時点の通期進捗率は34%付近と悲惨な状況になっています。

しかし、この損失の大部分は特別利益として第4四半期に戻ってくるとしており、特別利益を勘案すると第3四半期時点の最終利益は1兆1449億円と既に通期目標をクリアしているとの事ですので本決算での大逆転を期待します。

通期最終利益(億円)

銘柄名三菱UFJ
2018年3月期9896
2019年3月期8726
2020年3月期5281
2021年3月期7770
2022年3月期11308
2023年3月期(会社予想)10000

2018年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックで大幅減益となった2020年以外は順調に増益傾向です。2022年はコロナショックによる倒産に備えていた与信関連費用の戻り入れなどの影響で最終利益は1兆円の大台に乗せており、前期は現状減益見込みとしていますが、1兆円の大台はキープする予測になっています。

ただ先程もお伝えした様に、第3四半期まではMUB株式譲渡に絡む特別損失で進捗率もかなり低迷していますが、第4四半期の巻き返しで更なる上積みが期待できそうです。

三菱UFJFGの本決算発表は、5月15日を予定しています。

【8425】みずほリース

前期最終利益が上積みできそうな3銘柄目はみずほリースです。

みずほリースは、リース及び割賦といった「モノ」に係わるファイナンスを中心に発展し、現在では法人向け総合金融サービスグループとして国内外で積極的に事業を展開しています。

前期業績については、収益性の高いファイナンスや不動産分野での資産積上、採算重視の取り組みなどのために好調を維持しており、過去最高益を見込む通期予測に対しても進捗率は95%付近と更なる上積みも期待できる状況です。

通期最終利益(億円)

銘柄名みずほリース
2019年3月期165
2020年3月期175
2021年3月期217
2022年3月期149
2023年3月期(会社予想)260

2019年からの通期最終利益についてコロナショックも関係なく順調に増益が続いていましたが、2022年は大きく減益となっています。大幅減益の要因は、航空業界の低迷による業績悪化及びロシアウクライナ情勢に伴う減損計上に加え、投資有価証券売却益の反動としています。

前期業績は過去最高益の水準へV字回復する見込みのなか、第3四半期までは順調に推移していますので、綺麗な最終着地に期待です。

みずほリースの本決算発表は、5月12日を予定しています。

【1332】ニッスイ

前期最終利益が上積みできそうな4銘柄目はニッスイです。

ニッスイは水産品の加工や物流を手掛ける大手水産メーカーで、家庭用の冷凍食品でも馴染みがあると思います。

前期業績は過去最高益を見込む通期最終利益に対しても第3四半期時点の進捗率は92%付近と順調に推移していますので、本決算での更なる上積みに期待です。

通期最終利益(億円)

銘柄名ニッスイ
2019年3月期153
2020年3月期147
2021年3月期143
2022年3月期172
2023年3月期(会社予想)200

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響を受けた2021年頃は減益が続きました。しかし、2022年はコロナからの経済回復や国内養殖事業の改善に加え、堅調な市況価格の影響もあり大きく業績が回復しています。

前期業績については、原材料や円安を始めとしたコストアップの影響を大きく受けつつも、引き続き国内外の販売が堅調に推移している事や国内養殖事業の改善が一部の魚種を除き継続し、北米加工事業のコスト削減も進んだことなどで過去最高益の見込みとしています。

そして、第3四半期までの業績も順調に推移していますので、このまま突き進んで欲しいものです。

ニッスイの本決算発表は、5月12日を予定しています。

今期最終利益予測に期待

ここまでは前期業績や配当の上振れに期待できそうな銘柄を検証していきましたが、このパートでは今期の最終利益予測に期待できそうな2銘柄をみていきます。

2銘柄とも前期業績は微妙な状況ですが、今期以降は持ち直しの動きも期待できそうですので個別にみていきます。

【8766】東京海上HD

今期の最終利益予測が期待できそうな最初の銘柄は東京海上HDで東京海上日動火災保険や日新火災海上などを傘下にしている保険持株会社です。

前期業績は国内や台湾におけるコロナの影響や自然災害といった一過性の影響で大きく減益見込みとしていますが、今後の利上げが期待できる国内情勢も含め、今期の業績予測には期待したいです。

通期最終利益(億円)

銘柄名東京海上
2019年3月期2745
2020年3月期2597
2021年3月期1618
2022年3月期4204
2023年3月期(会社予想)3700

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響を受けた2021年にかけては減益傾向が続いていましたが、2022年は大幅増益となっています。

2022年の業績が大きく伸びた要因としては、⾃然災害の減少やコロナの反動、北⽶のキャピタルゲインなどの一過性要因に加え、運用資産を背景としたインカム収益の拡大としています。

前期は先程も触れた様に一過性の影響を通期で1600億円の減要因として見込むため、第2四半期決算で業績を下方修正した事により減益見込みとなっています。

前期は大幅減益見込みと厳しい状況となっていますが、減益要因は一過性のものが多く、数年前と比較すると最終利益は大きく伸びていますので、今期のV字回復に期待です。

東京海上HDの本決算発表は、5月19日を予定しています。

【8591】オリックス

今期の最終利益予測が期待できそうな2銘柄目はオリックスです。

オリックスは現在リース業にとどまらず、不動産、金融、事業投資など様々な事業で海外を含む多くの企業と取引しています。

前期業績については、2022年3月期の第4四半期に弥生の売却益1632億円が計上されている反動もあり減益見込みとなっています。

しかし、コロナからの経済回復を受けて輸送機器や不動産運営事業などが増益となるなど、持ち直しの動きもありますので今期業績予想に期待です。

通期最終利益(億円)

銘柄名オリックス
2019年3月期3237
2020年3月期3027
2021年3月期1923
2022年3月期3121
2023年3月期(会社予想)2500

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響で大きく減益となった2021年以外は3000億円前後で安定していますが、先程も触れた様に2022年は弥生の売却益が含まれていた事もあり、前期はその反動で大きく減益見込みとなっています。

ただ今期以降はコロナからの経済回復を受けて本業も更に回復していく事が想定されますので、リース最大手である規模感も含め、ここからの巻き返しに期待したいです。

オリックスの本決算は、5月10日発表を予定しています。

今後の配当方針に期待

最後のパートでは今後の配当方針に期待できる銘柄をみていきます。

配当方針とは企業の配当に対する考え方を示すものですが、期限を区切って公表するケースも多く、前期で配当方針の期限が切れている銘柄もあります。

配当方針の期限が切れた銘柄は今回の本決算で新たな配当方針を打ち出す可能性が高いですので、このパートでは今後の配当方針に期待が持てる4銘柄を見ていきます。

【9434】ソフトバンク

今後の配当方針に期待する最初の銘柄は通信会社のソフトバンクです。

配当方針は、2021年3月期から2023年3月期においては総還元性向85%程度を目安に、安定的かつ継続的に1株当たりの配当を実施するとしています。

ソフトバンクの配当性向は85%とかなりの高水準に設定されていますが、期限は前期で切れていますので、今期以降の配当方針は気になるところです。

配当推移

銘柄名ソフトバンク
2019年37.5(期末のみ)
2020年85
2021年86
2022年86
2023年(会社予想)86

ソフトバンクは上場が2018年のため、2019年からの配当推移をまとめていますが、ここ数年はほぼ横ばいの動きですが、高水準に設定されている配当性向のもと配当利回りも5%台と高水準です。

業績も通信料金値下げの影響はありつつも、通信部門以外でカバーし増益が続いていますので、今後の増配はあるのかを含め配当方針に注目です。

ソフトバンクの本決算発表は、5月10日を予定しています。

【8593】三菱HCキャピタル

今後の配当方針に期待できる2銘柄目は三菱HCキャピタルで、2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルの合併により誕生した総合リース会社です。

配当方針は、2023年4月にスタート予定の新中期経営計画期間中の配当性向イメージである40%程度に沿って決定する方針としていますので、実際にどの様な配当方針になるのか期待です。

配当推移

銘柄名三菱HCキャピタル
2015年9.5
2016年12.3
2017年13
2018年18
2019年23.5
2020年25
2021年25.5
2022年28
2023年(会社予想)31

2015年からの配当推移をまとめていますが順調に増配傾向が続いており、連続増配は前期までで24期連続を更新見込みとなっています。

そしてコロナショック時の2021年は増配額が0.5円とぎりぎりの増配でしたが、その2021年以外は安定した増配額です。

三菱HCキャピタルは合併の影響で最近の配当方針は新中期経営計画の配当性向をイメージした水準になっていましたので、今回の決算で新中期経営計画が示されるのだと思います。

三菱HCキャピタルの本決算発表は、5月15日を予定しています。

【8316】三井住友FG

今後の配当方針に期待する3銘柄目は三井住友FGで、メガバンクの三井住友銀行やSMBC日興証券などを傘下に持つ金融持株会社です。

配当方針について、配当は累進的とし配当性向は2022年度までに40%を目指すとしています。現在の配当方針は累進配当のもと前期までに配当性向40%を目指す方針でしたので、今期以降どの様な配当方針になるのか期待です。

配当推移

銘柄名三井住友FG
2015年140
2016年150
2017年150
2018年170
2019年180
2020年190
2021年190
2022年210
2023年(会社予想)230

2015年からの配当推移をまとめていますが、順調に増配傾向です。コロナショックの影響が出た2021年など据え置きとなっている年もありますが、概ね安定して増配をしているイメージです。

そして前期についても好調な業績を背景に増配幅は20円となっていますが、第3四半期時点の業績で配当性向を計算すると約40%となります。

三井住友FGは前期までに配当性向40%を目指す方針で、このままいけば目標を達成できる事になりますので今期以降どの様な配当方針にするのかは気になります。

三井住友FGの本決算発表は、5月15日を予定しています。

【8566】リコーリース

今後の配当方針に期待する4銘柄目はリコーリースです。

リコーリースは複合機やパソコンなどのオフィス関連機器に加え、医療機器や産業工作機械、計測器などのファイナンス・リースや法人向けに融資を行っているリコー系のリース会社です。

配当方針は2022年度までの中期経営計画の目標として、配当性向30%を目指すとしていますが、第3四半期時点の業績で配当性向を計算すると31%付近となりますので、今期以降の配当方針に注目です。

配当推移

銘柄名リコーリース
2015年50
2016年55
2017年60
2018年70
2019年80
2020年90
2021年100
2022年120
2023年(会社予想)135

2015年からの配当推移を見ていきますが好調な業績を背景に増配傾向が続いており、前期までで28期連続増配を更新見込みです。そして直近の増配幅は好調な業績を背景に大きくなっていますが、前期の配当性向は現状目標付近となっています。

目標達成でも配当性向は30%付近とまだ余裕がありますし業績も好調な状況ですので、配当性向の引き上げを含め、今期以降の配当方針に期待です。

リコーリースの本決算発表は、5月9日を予定しています。

まとめ

今回は保有銘柄を中心に本決算に期待できそうな12銘柄をそれぞれ期待できるテーマごとに検証しました。冒頭でも触れた様に明日以降本決算発表が本格化しますが、特に今週はかなりの数の決算発表が予定されています。

決算内容がどうなるのか投資家は見守るしかない状況ですが、あらかじめ注目ポイントを整理しておく事で決算の見え方も変わってくるかと思います。

そして実際の決算が期待していた点と比較してどの様な内容だったかは改めて記事でまとめたいと思っていますので宜しくお願いします。

本決算を期待したい12銘柄については、YouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

【未来予想図】本決算が期待できそうな高配当株12選

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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