今回は2022年3月11日時点のREIT(リート)配当利回り上位10銘柄を個別に検証しています。
そしてこの10銘柄の中から今週1銘柄を購入しましたので、購入した銘柄や購入銘柄以外で今後おすすめだと思うREIT(リート)を1銘柄個別に紹介していきます。
- REIT(リートとは)
- 東証REIT指数
- 第10位 スターアジア不動産(5.03%)
- 第9位 ケネディクス商業リート投資法人(5.07%)
- 第8位 タカラレーベン不動産(5.26%)
- 第7位 投資法人みらい(5.26%)
- 第6位 サンケイリアルエステート(5.31%)
- 第5位 エスコンジャパンリート投資法人(5.38%)
- 第4位 トーセイ・リート投資法人(5.56%)
- 第3位 いちごオフィスリート投資法人(5.62%)
- 第2位 マリモ地方創生リート投資法人(5.81%)
- 第1位 ザイマックス・リート投資法人(6.62%)
- REIT配当利回り上位10銘柄(2022年3月11日時点)
- 分配金推移
- 今週の購入銘柄
- REIT(リート)おすすめ銘柄
REIT(リートとは)
それでは本題ですが、まずはREIT(リート)について簡単に解説します。REIT(リート)とは投資家から集めた資金を不動産等に投資し、賃料等で得られた利益を投資家に分配する仕組みのファンドで現在は約60銘柄が上場しています。
REIT(リート)の投資先にはオフィスビル、マンション、ホテル、商業施設、物流施設等、様々な種類があり、投資するエリアと共に銘柄を選定するうえで重要な指標になります。
REIT(リート)は去年後半より全体的に調整が続いていますので、まずは東証に上場しているREIT(リート)全体の動きが分かる東証RIET指数からみていきます。
東証REIT指数
こちらが、ここ約3年の東証REIT指数の値動きですが、去年後半より売られ始め特に今年に入り大きく下げているのが分かるかと思います。
下落の要因は、全体的に軟調相場だった事もあるのですが、恒大集団の問題や長期金利の上昇、公募増資が多発した事が大きな要因です。
恒大集団の問題は同じ不動産関連銘柄として懸念され、長期金利上昇は借入金利の上昇や金利が上昇した債券へ資金が移る事への懸念から売られています。
また、REIT(リート)は新規物件を取得する費用を公募増資で集める事も多い為、公募増資により1口価値が希薄化する事への懸念から売られるケースも目立ちました。
しかし、公募増資に関しては短期的に考えると下落要因にはなるのですが、新規物件を取得しREIT(リート)自体の資産規模が大きくなるわけですので、長期的に考えるとマイナス要因ばかりではありません。
それではここからは、2022年3月11日時点のREIT(リート)配当利回り上位10銘柄を10位から個別に検証していきます。
第10位 スターアジア不動産(5.03%)
投資物件はオフィス、住宅で6割以上ですが、物流施設、ホテル、商業施設へも投資しています。
エリアは東京圏を中心に投資対象及び投資エリアごとに投資スタンスを決定。
スターアジア不動産の分配金は2019年頃までは3000円台半ばで推移していましたが、その後は下落が続いており、今年の予測は現状3000円を下回る2931円となっています。
第9位 ケネディクス商業リート投資法人(5.07%)
投資物件は商業施設中心でエリアは四大都市圏で80%以上となっています。
投資方針は生活密着性の高い商業施設への重点投資を通じて、地域コミュニティの活性化や社会インフラの整備に貢献し、中長期にわたる安定した資産運用を目指すとしています。
ケネディクスは投資先が商業施設という事で分配金は安定して増加傾向でしたが、2022年の予測は現状去年から863円のマイナス予測になっています。それでも2020年までの分配金よりは高い水準ですので今後の分配金推移に注目です。
第8位 タカラレーベン不動産(5.26%)
投資先はオフィス、住宅、商業施設が中心でエリアは4大都市圏へ80%以上。
タカラレーベングループの開発力及びファンド運用会社であるPAGのソーシング力並びに両社が有するネットワークを通じて収集される幅広い物件情報と取得ルートを活用する方針。
タカラレーベンの分配金は2018年の上場後、下落傾向が続いていますので、そろそろ回復するか注目です。
第7位 投資法人みらい(5.26%)
投資先はオフィス、商業施設、ホテルが中心で東京都が6割近くを占めます。
三井物産グループ及びイデラキャピタルのスポンサーパイプラインを活用し物件取得の戦略を立てる方針です。
投資法人みらいの分配金は数年前までは3000円付近の水準でしたが、2021年と今年の予測は2000円台半ばの水準になっています。
第6位 サンケイリアルエステート(5.31%)
投資先は東京都のオフィスビルが中心。
人口及び経済・商業集積度等に鑑み、東京圏、大阪市及び名古屋市を投資エリアとし、オフィスビルを主たる投資対象としています。
サンケイリアルエステートの分配金は、ここ数年5000台半ばの水準で安定しています。
第5位 エスコンジャパンリート投資法人(5.38%)
投資物件は暮らし密着型商業施設へ80%以上としており、エリアは四大都市圏(首都圏、近畿圏、中京圏、福岡圏)へ75%以上となっています。
投資方針は今後も継続的な人口集中が予想される首都圏、近畿圏、中京圏及び福岡圏の四大都市圏に重点を置きつつ、地域住民の生活に根差した暮らし密着型商業施設を主要な投資対象とするポートフォリオを構築する方針です。
エスコンジャパンリートのここ数年の分配金は7000円を少し超える水準で落ち着いています。
第4位 トーセイ・リート投資法人(5.56%)
投資物件はオフィス、住宅で90%以上、エリアは東京経済圏中心。
投資方針は中小規模のオフィス、商業施設、住宅及び物流施設が投資対象で、利回りの水準及び安定性を重視して賃貸不動産としてのポテンシャルを見極め、バリューアップの可能性までを視野に入れた投資を行ない、投資主価値の向上を目指す方針です。
トーセイ・リートの分配金は現状2018年までの水準は上回っていますが、2019年の7727円を高値に下落が続いており、今年の予測も去年より300円弱下がる見込みです。
個人的にトーセイ・リートは以前からの保有銘柄ですので、そろそろ下げ止まって欲しいところです。
第3位 いちごオフィスリート投資法人(5.62%)
投資物件は中規模オフィスが中心で、エリアは東京首都圏へ70%以上投資し、残りは全国の主要都市へ投資しています。
投資方針は首都圏を中心に、安定的かつ成長性のある中規模オフィスのポートフォリオを構築するとしています。
いちごオフィスリートの分配金についてはここ数年4000円を超える水準で安定しています。
またいちごオフィスリートには抽選ですがJリーグのチケットが当たる優待もありますのでサッカーが好きな方は狙ってみても良いかもしれません。
ちなみに私はいちごオフィスリートも保有しており、サッカーのチケットも先日当選しました。
第2位 マリモ地方創生リート投資法人(5.81%)
投資物件はレジデンス(住居)、商業施設へ8割以上投資しており、エリアは現状東京圏以外へ80%以上です。
投資方針は「地方の創生」への貢献を実現するため、主として地方に所在するレジデンス及び商業施設を中心としたポートフォリオを構築し、ホテル、オフィス及び駐車場へ総合的に投資し、「相対的に高い投資利回り」かつ「安定的な収益」の確保を目指すとしています。
マリモ地方創成リートは地方の物件への投資に特化しており、他のリート銘柄と比較しても異色の存在ですが、分配金は順調に増加傾向で今年1月に購入しました。
購入後公募増資を発表し基準価格は下がりましたが、将来的には面白い銘柄だと思っています。
第1位 ザイマックス・リート投資法人(6.62%)
投資物件は現状オフィスへ50%以上投資しており、残りは商業施設、ホテルが中心でエリアは東京経済圏で65%程度です。
投資方針はオフィス、商業施設及びホテルをメインアセットとして位置付け、中長期にわたる運用資産の着実な成長と安定した収益の確保を実現し、投資主価値の最大化を目指すとしています。
ザイマックス・リートは、年明けに増配を発表し今年の分配金は初めて7000円を超える予測になっています。増配を受けて基準価格も上がりましたが、2月に新規物件取得を目的とした公募増資を発表し再び売られています。
直近では公募増資も終了し、基準価格は売り出し価格を少し上回る水準で推移していますので狙っても面白そうなところです。
REIT配当利回り上位10銘柄(2022年3月11日時点)
順位 | 銘柄 | コード | 決算月 | 投資口価格 | 予想分配金 | 配当利回り | 保有物件の特徴 | |||||
1 | ザイマックス・リート | 3488 | 2、8 | 116700 | 7722 | 6.62 | オフィスへ50%以上残りは商業施設、ホテル等、東京経済圏へ60%以上 | |||||
2 | マリモ地方創生リート | 3470 | 6、12 | 126400 | 7344 | 5.81 | レジテンス、商業施設中心、現状東京圏以外へ80%以上 | |||||
3 | いちごオフィスリート | 8975 | 4、10 | 81500 | 4579 | 5.62 | オフィス特化型。首都圏へ70%以上 | |||||
4 | トーセイ・リート | 3451 | 4、10 | 128000 | 7120 | 5.56 | オフィス、住宅で90%以上、東京経済圏が中心 | |||||
5 | エスコンジャパンリート | 2971 | 1、7 | 132500 | 7135 | 5.38 | 暮らし密着型商業施設80%以上、四大都市圏へ75%以上 | |||||
6 | サンケイリアルエステート | 2972 | 2、8 | 106600 | 5661 | 5.31 | オフィスへ85%以上、東京都で7割近く | |||||
7 | 投資法人みらい | 3476 | 4、10 | 48350 | 2545 | 5.26 | オフィス、商業施設、ホテルが中心、東京都で6割近く | |||||
8 | タカラレーベン不動産 | 3492 | 2、8 | 114000 | 6000 | 5.26 | オフィス、住居、商業施設中心、四大都市圏へ80%以上 | |||||
9 | ケネディクス商業リート | 3453 | 3、9 | 267500 | 13560 | 5.07 | 商業施設中心、四大都市圏で80%以上 | |||||
10 | スターアジア不動産 | 3468 | 1、7 | 58300 | 2931 | 5.03 | オフィス、住宅で6割以上も物流施設、ホテル、商業施設へも投資 |
今回検証したREIT(リート)配当利回り上位10銘柄を表にまとめています。
REIT(リート)は全体的に調整局面が続いていますので10位の銘柄でも5%を超える高水準となっています。また、ここに記載している分配金は2022年の予想分配金となっており、今後変更になる可能性もありますのでご注意ください。
また、各リートの主な投資先やエリアも一緒に記載していますので銘柄比較の材料にして下さい。
しかし、他の業種同様、高配当株投資で最も重要な事は安定して配当を出し続けてくれるかですので、上位10銘柄の分配金推移も表にまとめています。
分配金推移
銘柄名 | ザイマックス・リート | マリモ地方創生リート | いちごオフィスリート | トーセイリート投資法人 | エスコンジャパンリート |
2017年 | ‐ | 6893 | 3853 | 6974 | ‐ |
2018年 | 2621(半期) | 6886 | 3978 | 6967 | ‐ |
2019年 | 6648 | 6998 | 4405 | 7727 | 8257 |
2020年 | 6249 | 7040 | 4393 | 7393 | 7158 |
2021年 | 5811 | 7496 | 4317 | 7393 | 7137 |
2022年(会社予想) | 7722 | 7344 | 4579 | 7120 | 7135 |
銘柄名 | サンケイリアルエステート | 投資法人みらい | タカラレーベン不動産 | ケネディクス商業リート | スターアジア不動産 |
2017年 | ‐ | 2109 | ‐ | 12159 | 3768 |
2018年 | ‐ | 2869 | ‐ | 12554 | 3425 |
2019年 | 1399(半期) | 3000 | 8091 | 12963 | 3672 |
2020年 | 5527 | 2990 | 6722 | 13081 | 3112 |
2021年 | 5711 | 2536 | 6256 | 14423 | 3138 |
2022年(会社予想) | 5661 | 2545 | 6000 | 13560 | 2931 |
こちらに2017年からの分配金推移をまとめています。分配金推移を比較していくとコロナショックの影響が出始めた2020年から2021年にかけて分配金が下がっている銘柄が多い事が分かるかと思います。特に投資先にオフィスやホテルが多い場合はコロナの影響を大きく受ける事が予想されますので分配金の推移も銘柄選びの大切な要因です。
今週の購入銘柄
配当利回りが高く高配当銘柄として人気が高いREIT(リート)ですが、個人的にもトーセイ・リート、いちごオフィスリート、マリモ地方創成リートの3銘柄は以前から保有しています。
そして冒頭でお伝えした今週の購入銘柄は、ケネディクス商業リートです。
ケネディクス商業リートは、その名の通り商業施設に特化したリートで、物件及びテナント等との大半は固定賃料であるものの、物件又はテナントの特性等に応じて一部に変動賃料を導入し、アップサイドポテンシャルも追求していくとしており、安定的に成長を求めていく方針です。
今年の分配金は去年と比較して大きく下がっていますが、それでも一昨年以前の分配金は上回っている水準ですので今後への期待を込めて購入しました。
REIT(リート)おすすめ銘柄
また今回検証した中で、保有銘柄以外で気になったのはザイマックス・リート投資法人です。今年に入り公募増資と増配を発表し基準価格も大きく上下しましたが、公募増資の受け渡しも終了し直近は公募価格を少し上回る水準です。
短期的にはマイナス要因になってしまう公募増資ですが、さすがに暫くは行わないでしょうし、今回の増配で配当利回りも6%半ばまで上昇している為、チャンスがあれば狙ってみたいと考えています。
REIT(リート)配当利回り上位10銘柄の検証はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。
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