今回は家電量販店のエディオンが高配当銘柄として投資可能かエディオンの現状や今後を踏まえて検証してみたいと思います。
エディオンの最新情報は下記記事で投稿しています。
エディオンの歴史
まずエディオンの歴史を簡単にまとめていきます。
エディオンは中部地方を基盤とするエイデンと中国地方を基盤とするデオデオの経営統合により2002年に誕生した家電量販店で現在の売上高は業界3位となっています。
その後、各地方の企業を関連会社化するなどして企業規模の拡大を目指し、2013年にはLIXILグループと資本・業務提携を結び住宅リフォーム事業の強化も進めています。
エディオンの決算等
ここからはエディオンの直近決算等の内容を検証していきます。
2022年3月期第2四半期最終利益(億円)
銘柄名 | エディオン | 進捗率(%) |
2020年3月期第2四半期 | 92 | 84.4 |
2021年3月期第2四半期 | 103 | 62.5 |
2022年3月期第2四半期 | 76 | 60.8 |
エディオンの2022年3月期第2四半期決算ですが、中間決算の最終利益は76億円と前年103億円から約27億円の減益になっています。また中間決算を受けて通期最終利益を従来予想142億円から125億円へ17億円下方修正しています。
業績低迷の要因は、前期の特別定額給付⾦⽀給や「テレワーク」「巣ごもり需要」などにより伸⻑した反動や緊急事態宣言による休業要請の影響、また⻑雨などの影響によりエアコン等季節商品が苦戦した為としています。
2022年通期最終利益(億円)
銘柄名 | エディオン |
2019年3月期 | 116 |
2020年3月期 | 109 |
2021年3月期 | 166 |
2022年3月期(会社予想) | 125 |
また、エディオンの2019年からの最終利益推移を検証していきますが、2021年3月期は特別定額給付⾦⽀給の恩恵等を受けつつ過去最高益を更新しています。今期業績は前期からの反動やコロナの影響で減益見込みですが、現状の最終利益予想はコロナ前を上回る水準です。
株価等データ
エディオンの株価はコロナショックで800円を割れる水準まで売られましたが、その後は特別定額給付⾦⽀給の影響で業績も好調となり株価も1300円を超える場面がありました。
今期は前期からの反動や度重なる緊急事態宣言による休業等の影響で業績は落ち込み、株価も1050円前後まで売られてきている状況です。
第2四半期決算後の配当比較
年 | 配当推移 |
2015年 | 20 |
2016年 | 22 |
2017年 | 26 |
2018年 | 28 |
2019年 | 32 |
2020年 | 34 |
2021年 | 46 |
2022年(会社予想) | 44 |
2015年からの配当推移をまとめていますが順調に増配傾向です。今期の配当は前期から2円減配となっていますが、2021年は第20期記念配当が5円実施されていましたので、記念配当を考慮すると実質的には増配となります。
エディオンは配当方針を資本効率の向上を通じて、株主の皆様への⼀層の利益還元と機動的な資本政策を遂⾏としていく方針で、具体的な数値目標としては安定配当のもと配当性向30%を目指すとしています。
株主優待制度
エディオンには株主優待制度もありますので内容を表にまとめています。
エディオンなどで使用出来るギフトカードが貰える優待ですが、保有株数によってかなり細かく金額が設定されています。また1年以上の長期保有によって優待額が加算されますので、中長期投資家にとっては有難い優待です。
保有株数 | ギフトカード |
100株~499株 | 3,000円 |
500株~999株 | 10,000円 |
1000株~1999株 | 15,000円 |
2000株~4999株 | 20,000円 |
5000株~9999株 | 25,000円 |
10000株以上 | 50000円 |
1年以上長期保有の場合は下記優待が加算
保有株数 | ギフトカード |
100株から999株 | 1,000円 |
1000株以上 | 2,000円 |
株価等指標の比較
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
エディオン | 2730 | 1075 | 8.8 | 0.55 | 44 | 4.09 | 36.00 |
エディオンの配当利回りは最近の株価下落もあり4%前半の水準です。配当性向は業績の下方修正の影響で現状36%と目標としている30%を上回っています。
またPERは8.8倍、PBRは0.55倍と市場平均と比較して割安な数値です。
エディオンの今後
エディオンは地域に展開する家電量販店を統合してきた経緯から、統合後もその地域に根付いた店舗ブランドを使用していましたが、今後はオリジナル商品、PB商品の開発を強化し、ブランドを順次統一していくとしています。
また、デジタル化の推進として全店電子プライス化やECサイトリニューアル、エディオンアプリ・CRMを活用したマーケティングも強化するとしています。
そして家電以外の部分ではリフォーム部門や教育事業の拡大としてオンラインスクール事業を強化方針です。
エディオンの投資判断
エディオンの投資判断ですが今期業績については減益となっていますが、それでもコロナ前を上回る水準で配当も記念配当を考慮すれば、ずっと増配傾向であり中長期投資銘柄として魅力的に感じます。
しかし、今後については通販の普及や同業他社との競争激化もあり、従来の家電量販店としてだけでは利益を順調に伸ばせていけるかは少し疑問が残ります。エディオンは家電の他にリフォームや住宅関連事業、モバイル事業等も手掛けていますが、まだ売上としては物足りず今後の動向も不透明です。
配当についても今期の配当性向は36%とそこまで高い水準ではありませんが、エディオンが目標としている配当性向30%は上回っている状況です。今後も順調に増配を続けていく為には、業績を伸ばし続けていくか、配当性向の目標を切り上げていくしかない状況です。
しかし、配当利回りについては現状の水準でも4%を超えており、株主優待まで含めると保有株数にもよりますが総合利回りは7%を超える可能性もあります。そして株主優待には長期保有の加算もありますので中長期投資には最適です。
株価についてはここ数年800円前後から1200円前後の間での動きが続いています。
しかし、800円を割れたのはコロナショックで大きく売られた時だけでしたので1000円前後の水準であれば購入を検討する価値もありそうに思えます。
エディオンの投資判断はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧下さい。
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