今回は先週100株購入した伊藤忠エネクスについてまとめていきます。
伊藤忠エネクスは、ガスや石油製品などのエネルギーをメインで取り扱っており、配当利回りも4%半ばと高水準ですので2022年3月期決算の内容を中心に伊藤忠エネクスの現状と今後を検証していきます。
伊藤忠エネクスとは
まず伊藤忠エネクスの事業内容を簡単にまとめていきます。
伊藤忠エネクスは伊藤忠グループ中核のエネルギー商社で、エネルギー商社としての売上は業界トップクラスです。
石油製品・LPガスを中心とした生活に欠かせないエネルギーを全国のガソリンスタンドや工場、病院、一般家庭へ販売しています。
また最近では脱炭素社会への移行を踏まえ、新たな事業領域・環境対応ビジネス・次世代エネルギー・海外事業へ積極的に取り組んでいるところです。
伊藤忠エネクスの現状
2021年3月期は石油製品の輸出入事業における原油価格の変動を捉えたオペレーションで大幅増益となった事もあり、コロナショックによる落ち込みをカバーし増益となっています。
2022年3月期はコロナ感染拡大によるリモート勤務や外出自粛の影響は残るとしていますが、ガソリン、軽油の販売量、店舗、工場などの稼働率は回復傾向な事に加え、資源価格の上昇もあり業績は順調に推移しています。
伊藤忠エネクス直近決算
伊藤忠エネクスは4月28日に本決算を発表しており、通期最終利益は132億円と約10億円の増益、配当は従来の予想から2円増額して年間48円としています。
今期最終利益は130億円と約2億円の減益、年間配当は48円の据え置きで発表しています。
業績好調の要因については、前期の原油価格の変動を捉えたオペレーションによる一過性収益の反動等があったものの、 LPガス輸入価格上昇に伴う在庫影響やメガソーラーの子会社化に伴う評価益などの影響で増益としています。
通期最終利益(億円)推移
銘柄名 | 伊藤忠エネクス |
2018年3月期 | 110 |
2019年3月期 | 115 |
2020年3月期 | 120 |
2021年3月期 | 121 |
2022年3月期 | 132 |
2023年3月期(会社予想) | 130 |
2018年からの最終利益推移を見ていきますが順調に増益傾向でコロナショックの影響を受けた2021年も原油価格の変動を捉えたオペレーションで増益となっています。
2022年3月期もLPガス輸入価格上昇に伴う在庫影響などの影響もあり、最終着地は従来予想を7億円程度上回っており7期連続で過去最高益を更新しています。
配当推移
銘柄名 | 伊藤忠エネクス |
2015年 | 22 |
2016年 | 24 |
2017年 | 32 |
2018年 | 40 |
2019年 | 42 |
2020年 | 44 |
2021年 | 50 |
2022年 | 48 |
2023年(会社予想) | 48 |
配当推移について2021年までは順調に増配傾向でしたが、2022年3月期は2円減配となっています。
しかし2021年は設立60周年の記念配当が6円出ていましたので、記念配当を考慮すると2022年も実質的には増配です。
伊藤忠エネクスの配当方針は、継続的に安定配当を実施することを重要方針として掲げており、その指針を連結配当性向40%以上としています。
株価推移
株価はここ1年半くらい950円から1150円付近のボックス圏での推移です。今年に入ってからは割としっかりとした動きとなっており5月頭には1100円に迫る場面もありましたが、連休後は全体の軟調相場の影響もあり1003円まで売られました。
そこからは切り返し、直近では1030円付近での動きとなっています。
株価指標(2022年6月24日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
伊藤忠エネクス | 8133 | 1028 | 8.9 | 0.80 | 48 | 4.67 | 41.6 |
増配が続いているなか、株価はボックス圏での動きが続いていますので配当利回りは4%半ばの水準です。
PBR、PBRは市場平均と比較して割安で配当性向は40%付近と方針通りです。
伊藤忠エネクスの今後
伊藤忠エネクスは2023年3月期までの中期経営計画を策定しており、その中で3つの基本方針を示しています。
基盤の維持・拡大
国内販売ネットワーク、顧客基盤の更なる充実やアジアを中心とした海外事業の展開強化を掲げており、タイのLPガス市場への参入やトラック塗装事業への参画を進めています。
環境・エネルギービジネスの深化
環境商材をはじめ電力他多様なエネルギーで未開拓エリア(新事業領域)への進出や再生可能エネルギーを中心に、発電から売電まで電力事業の更なる拡大を目指す方針で実際にメガソーラー(大規模太陽光発電所)も取得しています。
次世代人材の育成
事業部門・商材(縦割り)の壁を越え、国内外で活躍するマルチ人材の育成に注力する方針で、若手抜擢を目的としたチャレンジ登用制度の開始や継続的な海外への人材派遣実施を行っています。また新たな事業の取り組みとして太陽光発電やLNG船舶燃料供給の事業化、水素ステーションの事業を進めています。
伊藤忠エネクスの投資判断
今までの点を踏まえ伊藤忠エネクスの投資判断ですが、企業規模や業績、配当推移は安定傾向で現在の配当利回りも4%半ばですので高配当銘柄として十分購入を検討できる銘柄だと思います。
株価はここしばらく横ばいが続いていますが1000円前後の水準であれば長期的にみた場合チャンスだと思い先週100株購入しました。
エネルギービジネスは、脱炭素の流れを受けたガソリン車の販売禁止や電力販売の自由化など変化の大きい分野ではありますが、伊藤忠グループという抜群の顧客基盤やネットワークを活かし今後の展開も楽しみな企業です。
伊藤忠エネクス2022年本決算の検証はYouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。
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