【今がチャンス!?】円高の時に買いたい高配当株3選

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銘柄検証

連日報道されていた通り去年の春以降為替は大きく円安となり、昨年10月には約30年ぶりに150円を超える水準まで円安が進みました。その後は、政府の為替介入や年末に日銀が長期金利の上限幅を引き上げた事などをきっかけに円高が進み、直近は130円前後で推移しています。

為替は株式市場に与える影響も大きいですが、最近の為替は変動幅が大きく今後どの様に動くか予想する事は難しい状況が続いています。しかし、株式投資で大切な事は外部環境がどの様な状況になっても大丈夫な様に準備をしておく事です。

そこで今回は、円高の時に買いたいと思う3つの高配当株と最後の部分では今後の為替展望について個人的な見解をまとめています。

ちなみに私は去年11月5日に円安の時に買いたい高配当株についての記事を投稿しており、その中で今後の為替展望について円高になる可能性が高いと予想していました。

だから何だと言われるとそれまでなのですが、下記にその時の記事リンクを貼っていますので、良かったらご覧ください。

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【1332】ニッスイ

最初の銘柄はニッスイです。

ニッスイは水産品の加工や物流を手掛ける大手水産メーカーで、国内外で養殖事業も手掛けています。家庭用の冷凍食品でも馴染みがありますが、医薬品事業や船舶の建造、修繕など食品事業以外も手掛けています。

そしてニッスイは海外から原料を輸入する事も多いため、円高は仕入れコストが下がる事でメリットとされています。

直近決算

ニッスイは11月2日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は117億円とほぼ前年同期並みの数字でしたが、通期最終利益を200億円へ20億円上方修正しています。

業績上方修正の要因は、水産事業については前期に引き続き国内外の販売が堅調に推移している事や北米加工事業のコスト削減が進んだためとの事です。

通期最終利益(億円)

銘柄名ニッスイ
2019年3月期153
2020年3月期147
2021年3月期143
2022年3月期172
2023年3月期(会社予想)200

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響を受けた2021年頃は減益が続きました。

しかし、前期はコロナからの経済回復や国内養殖事業の改善に加え、堅調な市況価格の影響もあり大きく業績が回復しています。

今期は原材料費高騰の影響は受けつつも、前期から引き続き消費が堅調な事や魚価上昇により更に増益見込みとしています。

配当推移

銘柄名ニッスイ
2015年3
2016年5
2017年6
2018年8
2019年8
2020年8.5
2021年9.5
2022年14
2023年(会社予想)16

2015年からの配当推移を見ていきますが順調に増配が続いており、特に前期以降は好調な業績を背景に大幅増配となっています。

ニッスイの配当方針は、長期的・総合的視野に立った企業体質の強化ならびに将来成長が見込まれる分野の事業展開に備えた内部保留も勘案しながら、経営環境の変化に対応して連結業績に応じた株主還元を行うとしています。

株主優待

ニッスイは株主優待が設定されており、保有株数によって自社商品の詰め合わせセットがもらえます。

具体的な金額は、500株以上で3000円相当、1000株以上で5000円相当となっており、最低単元の100株ではもらえませんので注意が必要です。

株価推移

株価はコロナショックで398円まで売られた後、2021年10月には689円まで上昇しています。しかし、その後はじわじわと値を下げ、直近は500円台で推移しています。

株価指標(2023年1月20日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ニッスイ13325268.20.76163.0424.9

最近の株価は動きが止まっていますが配当は順調に増配が続いているため、配当利回りは3%前後の水準です。

好調な業績を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は25%付近と余裕を感じます。

投資判断

今までの内容からニッスイの投資判断ですが、為替の影響も関係なく今期の業績は好調です。円安は仕入れ価格高騰によりマイナス要因とされていますが、最近は海外での売上が増えている事やコスト削減の効果もあり、以前ほどマイナス要因ではない様にも感じました。

その割に最近の株価は低迷しすぎの様な気もしますので、今後円高が進む場面では狙ってみても良いかもしれません。

【2502】アサヒグループHD

2番目の銘柄はアサヒグループHDです。

アサヒグループHDは、アサヒビールやアサヒ飲料などを傘下に持つ持株会社です。

アサヒグループHDも原材料の多くを輸入している事で円高はメリットになる銘柄とされています。また、近年はヨーロッパやオーストラリアを中心に事業買収を行うなどグローバル化を進めているところです。

直近決算

アサヒグループHDは12月決算ですので11月10日に第3四半期決算を発表しており、最終利益は1144億円と前年同期比で101億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありませんでした。

前期比減益の要因は、コロナからの経済回復によるビール需要の回復などで売上は伸びていますが、原材料価格の高騰や前期にあった固定資産売却益の反動としています。

通期最終利益(億円)

銘柄名アサヒHD
2018年12月期1510
2019年12月期1422
2020年12月期928
2021年12月期1535
2022年12月期1465

2018年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響を受けて大幅減益となった2020年以外は順調に推移しています。

前期はコロナからの経済回復を受けて急速に業績が回復し、今期も売上は前期を上回る水準で推移していますが、原材料価格高騰の影響などで最終利益は減益見込みとなっています。

アサヒグループHDは、健康志向の高まりなどからビールの位置付けは大きく変わっていくとしながら、今後もビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大を図る方針です。

配当推移

銘柄名アサヒHD
2015年50
2016年54
2017年75
2018年99
2019年100
2020年106
2021年109
2022年(会社予想)111

2015年からの配当推移を見ていきますが、据え置きの年すらなく順調に増配が続いています。業績が大きく落ち込んだ2020年でも増配しており、数年前と比較すると配当額は2倍以上に増えています。

アサヒHDの配当方針は、創出されるフリー・キャッシュフローは2020年に実施した豪州のCUB事業の取得に伴い増加した債務の削減へ優先的に充当し、成長投資への余力を高めていく一方で、株主還元では配当性向35%を目途とした安定的な増配を目指すとしています。

株主優待

アサヒグループHDには株主優待が設定されており、保有株数によって自社商品の詰め合わせセットがもらえますので内容を表にまとめています。

保有株数金額
100株以上500株未満1000円相当
500株以上1000株未満2000円相当
1000株以上3000円相当

自社商品セットは、株主限定のプレミアムビールや清涼飲料水の詰め合わせセットなどから選べますのでアサヒグループファンには嬉しい優待です。

株価推移

株価はコロナショックで3006円まで売られた後、2021年9月には5684円まで上昇しました。

しかし、その後はじわじわと値を下げ直近は4000円台前半で推移しています。

株価指標(2023年1月20日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
アサヒHD2502414814.31.011112.6838.4

最近の株価は低迷していますが配当は増配が続いている事で、配当利回りは2%半ばまで上昇しています。

業績はコロナ前の水準へ戻していますが、PER、PBRは市場平均並みで、配当性向は38%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容からアサヒグループHDの投資判断ですが、業績はコロナ前の水準へ戻しており、今後更に経済活動が進めば注力している海外事業も含め期待できそうな印象です。

為替に関しては海外展開を進めている事もあり、アサヒグループHDも以前ほど円高のメリットはない様な気もします。

個人的にビールはキリン派という事もあり、キリンHDは既に100株保有していますので、アサヒグループHDについては、もう少し様子をみたいというところです。

【7267】ホンダ

最後の銘柄はホンダです。

ホンダは日本を代表する輸送機器メーカーで、オートバイの販売台数、売上高は世界1位です。

国内に限らず北米やアジアなど世界各国に製品を販売していますので、今期は円安のメリットを受けている企業です。

従って円高時には、業績、株価が低迷する可能性がありますが、逆に安く購入するチャンスでもありますので検証していきます。

直近決算

ホンダは11月9日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は3385億円と前年同期比で507億円の減益となっていますが、通期最終利益を7250億円へ150億円上方修正しています。

第2四半期時点では国内関連会社の持分法による投資利益の減少などで減益となっていますが、二輪販売台数の増加や円安の影響などにより通期最終利益を上方修正しているとの事です。

通期最終利益(億円)

銘柄名ホンダ
2019年3月期6103
2020年3月期4557
2021年3月期6574
2022年3月期7070
2023年3月期(会社予想)7250

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックで大きく減益となった2020年以外は順調に推移しています。

今期は原材料価格⾼騰の影響で大きく伸びている売上ほど最終利益は伸びていませんが、二輪販売台数の増加に円安の追い風が加わり増益見込みとしています。

配当推移

銘柄名ホンダ
2015年88
2016年88
2017年92
2018年100
2019年111
2020年112
2021年110
2022年120
2023年(会社予想)120

配当についてもコロナショックの影響を受けた2021年は減配になっていますが、概ね順調に増配傾向です。

増配幅は年によって差がありますが前期は10円と大きくなっており、今期は現状据え置きの見込みとなっています。

ホンダの配当方針は連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努めるとしています。

株主優待

ホンダには株主優待があり、100株以上の保有で鈴鹿サーキットとモビリティリゾートもてぎの優待券がもらえます。

また、応募製にはなりますがホンダのカレンダーも1部もらえますので、ホンダファンの人にとってはおすすめの株主優待です。

株価推移

株価はコロナショック時に2120円まで売られましたが、その後は上下を繰り返しながら3000円を超える水準まで上昇しています。しかし、そこからは3000円台での動きが続き、直近は3000円前後で推移しています。

株価指標(2023年1月20日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ホンダ726730697.10.441203.9127.9

直近の株価は3000円前後で低迷している事で今期配当は据え置き見込みですが、配当利回りは4%前後まで上昇しています。

業績好調を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は28%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容からホンダの投資判断ですが、今期は原材料価格高騰の影響を受けつつも円安の追い風もあり業績は順調に推移しています。

今後円高に振れたタイミングでは業績や株価が落ち込む可能性はありますが、ホンダの株価は去年8月の高値から既に2割程度下落しています。

そのため、円高が今くらいの水準で落ち着つくのならば、今のホンダはチャンスかもしれません。

今後の為替展望

最後に今後の為替展望についてまとめていきます。

去年春以降円安が進んだ大きな要因は、日米の金利差拡大によるものです。

アメリカはインフレ対策を目的に急激な利上げを進めましたが、日本は景気後退を懸念して利上げを行いませんでしたので両国の金利差は拡大が進み、必然的に金利の低い円が売られ金利の高いドルが買われる展開が続きました。

その後は冒頭で触れた様に、日本政府による為替介入や日銀の大規模金融緩和策の見直しにより円高が進み、ピークから3ヶ月弱で20円以上円高になっています。

今後の見通しについて、アメリカは去年かなりのペースで利上げを進めた事で春頃に利上げはピークアウトする可能性があり、逆に日本は長期金利の変動幅引き上げをきっかけに本格的な利上げが始まる可能性があります。

そうすると両国の金利差は縮まり、去年円安が進んだ要因と逆の事が起きるため円高に振れる可能性があります。

しかし、この様な状況は既に市場参加者の多くが想定しており、日銀の大規模金緩和策の見直しも、多少時期が早かった事はサプライズでしたが想定内の出来事だと思います。

そして去年10月以降、一気に20円以上円高が進んでいる事を踏まえると、ここから更に大きく円高が進む可能性も低そうな気はします。

私は冒頭で触れた様に去年11月の時点では、今後円高に進む可能性が高いと予想していましたが、これ程のスピードで進むとは思っていませんでした。

そこで個人的な今後の予想として、今後春頃にかけてはもう少し円高が進みそうですが、春以降は今くらいの水準で落ち着く流れを現状は想定しています。

まとめ

今回は円高の時に買いたい3つの高配当株についてまとめました。

途中でお伝えした様に円高メリット株とされていた銘柄でも最近は海外事業の拡大などにより以前ほど円高メリットは無くなっている様な気がします。

どちらにしても今後の為替を予想する事は難しいですので、自分なりの予想を立てつつも円安円高どちらに振れても大丈夫な様に準備をする事が大切です。

という事で個人的には春頃にかけてもう少し円高が進む場面を想定しつつ、中長期では円安になっても良い様に購入候補銘柄を選定していきたいと考えています。

円高の時に買いたい3つの高配当株については、YouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

【今がチャンス!?】円高の時に買いたい高配当株3選

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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