衝撃的な増配を発表した事で配当利回りが急騰した高配当株

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銘柄検証

最近の株式市場はトランプ大統領の動向に振り回される展開が続いているなか、国内企業は3月期銘柄の本決算発表を中心に決算シーズンに入っています。今回の決算ではトランプ関税の先行きが見通せないだけに、特に今期見込みをどの様に発表するのか悩ましいところで、決算シーズン前は今期業績や配当予測をかなり保守的な数字や未定で発表する企業が増える事も懸念されている状況でした。

しかし、決算シーズンもまだ序盤戦ですが、今のところは引き続き株主還元力向上の流れから、自社株買いや増配を発表してくれている銘柄も多い印象です。という事で今回は、これまで発表された本決算の中から保有銘柄を中心に特に気になった銘柄を検証していきます。

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今回検証する銘柄の個人的な配当額予想

今回検証する銘柄については、個人的に決算発表前の4月22日(火)に投稿した記事で前期の配当確定額や今期配当額を予想していましたので、改めて内容を確認しておきます。

銘柄コード前期配当(会社予測)前期確定配当
(個人的予想)
今期配当(個人的予想 )
伊藤ハム米久2296145145330
伊藤忠8001200200220
丸紅80029595100
三井物産8031100100110
三菱商事8058100100110
豊田通商8015100100110
リコーリース8566175175190
大和証券8601445844
スカパーJSAT9412272730

ちなみにこの表の見方として、まず1番左が銘柄名で次がコード番号、その右が決算発表前の前期配当会社予測額、その次が私が予想する前期配当の確定金額、そして1番右が私が予想する今期の配当金額となっていますので、この予想をもとに実際の内容がどうだったのかを個別に検証していきます。

また、私が各銘柄の配当額をこの様に予想した詳細な理由については、下記リンクの記事で説明していますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

【空前の増配ラッシュ!?】保有している3月決算全42銘柄の今期配当金をズバリ予測
現在保有している3月決算全42銘柄が今回の決算で今期配当見込みをいくらで発表するのか、個人的な見解や四季報予想も踏まえて、決算発表日ごとに検証しています。

【9412】スカパーJSAT

最初の銘柄は保有身柄の先陣を切って4月25日(金)に本決算を発表したスカパーJSATです。スカパーJSATは日本唯一の衛星通信専業会社でメイン事業は衛星多チャンネル「スカパー!」などを運営しているメディア事業と軌道衛星を活用した衛星通信サービスを展開している宇宙事業となっています。

そんななか、最近の業績は過去最高益が続いており、今期も好調な宇宙事業を中心に増益が期待できる事から、個人的な予想として今期配当は3円増配でキリの良い年間30円を予想金額にしていました。

直近決算

スカパーJSATは4月25日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は191億円と14億円の増益となっているなか、配当も6円増配の年間27円となっています。

今期予測は通期最終利益を210億円と19億円の増益見込みにしているなか、配当は11円増配の年間38円予測で発表しています。

決算の感想

決算の感想について、業績が拡大している宇宙事業を中心に今期も1割程度の増益予測で更に過去最高益を更新する見込みになっています。そんななか、今期から配当方針を変更しており、新たな配当方針では下限を従来の16円から38円に引き上げ、更に目安の配当性向も30%以上から50%以上に引き上げています。

新たな配当方針のもと、今期配当は私の予想をはるかに超える11円増配の38円予測となり、最近の株価も上昇傾向ですが、配当利回りも3%半ばまで急騰しましたので、今後に楽しみしかない銘柄です。

4月28日(月)発表銘柄

続いては、連休の谷間となった4月28日発表銘柄の中から、大和証券と豊田通商の2銘柄を見ていきます。

【8601】大和証券

4月28日決算発表最初の銘柄は今年2月に購入した大和証券で、証券会社の業績は株式市場の影響を大きく受けるため、前期の通期最終利益予測は例年通り非開示のままでしたが、配当は便宜上、下限の44円を年間の予測としていたなか、半期毎に配当性向50%の目安に沿って、中間配当は28円実施されていました。

従って、個人的に前期の年間配当は第3四半期のEPS33.1円と前年第4四半期の27.7円を参考に下期配当を30円と予想して年間58円予想、そして今期の配当予想は難しいところでしたが、とりあえずは下限の44円で発表する予想にしていました。

直近決算

大和証券は4月28日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は1543億円と328億円の増益となっているなか、配当も12円増配の年間56円としています。

今期予測については経済情勢や相場環境に大きな影響を受ける状況にあり、その業績予想を行うことは困難であるとして例年通り非開示にしており、年間配当も便宜上下限の44円予測になっています。

直近決算の感想

決算の感想について、業績は第3四半期までの好調が継続しており、最終着地も大きく増益となった事で配当も12円増配の年間56円となりました。今期予測について、業績は例年通り非開示となり、配当予測も下限の44円に戻りましたので、見た目は12円の減配スタートとなりますが、今期も業績次第では増配となる可能性もありますし、決算発表後の株価が売られている事で、配当が下限のままだったとしても現在の配当利回りは4%後半で推移していますので、買い増しを検討したくなる銘柄です。

【8015】豊田通商

続いては同じく4月28日(月)に決算を発表した豊田通商で今年3月に購入しています。最近の業績は増益が続いており、前期も過去最高益の見込みにしていましたが、自動車関連の営業利益が7割近くを占めており、トランプ関税の影響も大きい事から最近の株価も大きく売られていました。

ただ、豊田通商は今期まで累進配当を宣言しており、現状の配当性向も30%付近と余裕があった事から、今期業績は減益見込みになるかもしれませんが、今期配当は最低でも10円程度の増配は期待できると思い、年間110円を個人的な予想にしていました。

直近決算

豊田通商は4月28日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は3625億円と311億円の増益となっているなか、配当も約11.7円増配の年間105円と従来予測から5円増額されました。

今期予測は通期最終利益を3400億円と225億円の減益見込みにしていますが、配当は5円増配の年間110円予測で発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、前期業績は過去最高益を大きく上回る最終着地となり、今期はトランプ関税や為替の影響を考慮して減益見込みになりましたが、減益率は6%程度ですので、今後の決算で増益予測に上方修正される可能性はありそうです。

そんななか、前期配当は従来予想から5円増額され、今期は更に5円の増配で年間110円予測と、個人的な予想額と一緒でしたが、今期までが期限だった累進配当を2028年まで継続する事を早くも発表しており、配当性向の目安も従来の30%以上から総還元性向40%以上に引き上げた事はサプライズで決算後の株価も大きく上昇しています。

【8031】三井物産

続いては5月1日(水)に本決算を発表した銘柄ですが、保有銘柄では三井物産のみとなっており、前期業績は1割程度の減益見込みにしていたなか、配当は既に15円増配の予測でしたので、このまま年間100円での着地を予想していました。

今期予測は難しいところでしたが、年間配当額が100円で同じ総合商社の三菱商事は既に4月頭に今期配当予測を10円増配の年間110円で発表しており、三井物産も累進配当を継続中ですので、個人的にも同額の110円を今期年間配当の予想にしていました。

直近決算

三井物産は5月1日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は9003億円と1633億円の減益となりましたが、配当は15円増配の年間100円としています。

今期予測は通期最終利益を7700億円と1303億円の減益見込みにしていますが、配当は15円増配の年間115円予測で発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、資源部門に強みを持っている事もあり、最近の業績は商品価格下落の影響で苦戦しており、今期見込みも期初から14%程度の減益スタートとなりました。ただ、それでも配当は15円の増配予測となっており、私が予想していた110円を5円上回ってくれました。

また、累進配当の期限を今期までとしていたなか、収益基盤を大きく成長させていく道筋が見えているとして、現中経以降も累進配当を継続する方針を早くも示してくれましたので、頼もしい限りです。

5月2日(金)発表銘柄

続いては、4連休前日の金曜日という事で、今回の決算シーズンも序盤の山場を迎えた5月2日から5銘柄の決算を見ていきます。

【8001】伊藤忠

5月2日決算発表最初の銘柄は総合商社の伊藤忠で、最近の業績は商品市況反落の影響を非資源部門でカバーし、前期も1割程度の増益で過去最高益の予測にしていました。また、配当も既に40円の大幅増配予測にしていたなか、配当方針は年間200円か配当性向30%のいずれか高い方としていましたが、最終利益が予測通りの着地でも配当性向30%は186円でしたので、前期配当はそのまま年間200円着地を個人的な予想にしていました。

今期予測について、直近の配当は最低でも20円増配していますし、他の総合商社も今期は1割程度増配しそうでしたので、個人的には20円増配の年間220円を予想していました。

直近決算

伊藤忠は5月2日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は8802億円と785億円の増益となっているなか、配当も40円増配の年間200円としています。

今期予測は通期最終利益を9000億円と198億円の増益見込みにしていますが、配当は据え置きの年間200円予測で発表しています。

また、上限1500億円の自社株買いも発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、業績は資源価格の下落で苦戦する総合商社が多いなか、前期も予測通りの着地で今期も更に増益見込みと言う事がありませんが、それだけに今期配当が据え置き予測となった事は残念でした。

ただ、今期も配当方針は年間200円か配当性向30%のいずれか高い方としており、業績の引上げに合わせて1株当たり配当金200円からの早期積増しを図る考えとしている事に加え、現状の配当性向も31%付近と余裕がありますので、今後の上方修正で今期も増配となる可能性は十分ありそうです。

【8058】三菱商事

5月2日決算発表2番目の銘柄は同じく総合商社の三菱商事で数年前の業績は商品市況上昇の影響で過去最高益を記録していましたが、2024年以降は商品市況反落の影響で減益が続いていました。

そんななか、三菱商事は4月3日に今期も大きく減益となる業績見込みや10円増配の配当予測を既に発表していましたので、数字の部分でのサプライズはありませんでした。

直近決算

三菱商事は5月2日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は9507億円と133億円の減益となっていますが、配当は30円増配の年間100円としています。

今期予測は通期最終利益を7000億円と2507億円の減益見込みとしていますが、配当は10円増配の年間110円予測で発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、最終利益の予測は既に公表済みだったとは言え、今期は期初から26%程度の減益見込みと苦戦が続いている総合商社の中でも一段と悪い数字になっています。大幅減益の要因は資産・事業リサイクル関連損益の反動減としていますので、先行きも見通しにくい状況です。

ただ、非資源部門の底堅さによりキャッシュフローは9000億円を見込んでいるとの事で、配当は10円の増配予測となりましたが、配当性向は62%程度まで上昇していますので、何とか総合商社トップの貫禄で早期の業績回復を期待したいです。

【8002】丸紅

5月2日決算発表3番目の銘柄は同じく総合商社の丸紅です。ここ数年の業績は商品市況上昇の影響で大きく伸びていたなか、2024年は商品市況の反落で減益となりましたが、前期は非資源部門の伸長で増益予測にしていました。

そんななか、既に2月に2027年度までの中期経営計画を発表しており、新たな配当方針については総還元性向40%を目安とし、また年間配当100円を基点とする累進配当の継続を表明していましたので、配当額についてのサプライズは無い状況でした。

直近決算

丸紅は5月2日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は5029億円と315億円の増益となっているなか、配当も10円増配の年間95円としています。

今期予測は通期最終利益を5100億円と71億円の増益見込みにしているなか、配当も5円増配の年間100円予測としています。

直近決算の感想

決算の感想について、前期業績は予測通りの増益着地で今期も1%程度ですが増益予測となっていますので、苦戦が続く総合商社の中では健闘している方かと思います。そんななか、配当は2月に発表していた新中期経営計画通り、今期は年間100円からのスタートとなっていますが、配当性向の目安も従来の総還元性向30%~35%程度から40%程度に引き上げられており、また今回の決算で400億円の追加自己株式取得も発表されましたので、今後の増配も十分期待できる好決算だったかと思います。

【8566】リコーリース

5月2日決算発表4番目の銘柄はリコーリースで、30年近い連続増配を継続しているなか、前期業績は過去最高益並みと好調な予測ですが、配当は既に25円の大幅増配見込みでしたので、個人的にはこのままの最終着地を予想していました。

ただ、今期までに配当性向を40%以上にする配当方針を表明しており、今期配当は業績が前期並みだった場合でも15円増配の約190円となりますので、こちらを個人的な今期配当金の予想にしていました。

直近決算

リコーリースは5月2日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は156億円と44億円の増益になっているなか、配当も従来予想から5円増額して年間180円としています。

今期予測は通期最終利益を132億円と24億円の減益見込みにしていますが、配当は5円増配の年間185円予測で発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、リコーリースの今期配当は先ほどお伝えした様に個人的に年間190円を予想にしていましたが、四季報では205円~210円予想となっており、業績の上振れと共に、私の予想を大きく上回る大幅増配を密かに期待していました。それだけに、今期業績が資⾦原価と販管費増加を理由に大きく減益予測になった事で、配当予測も個人的予想を下回った事は残念でした。

実際、決算発表後の株価も売られてしまいましたが、それでも前期は従来予想から5円増額、今期も更に5円の増配となっており、またリコーリースは従来から保守的な予測を出す傾向もありますので、今後の上方修正で今期配当が更に増額される事を期待したいです。

【2296】伊藤ハム米久HD

5月2日決算発表最後の銘柄は伊藤ハム米久HDで先月購入したばかりの銘柄ですが、前期業績は減益予測のなか、配当は既に20円の増配見込みになっていました。そんななか、今期は経営統合10周年にあたるため、記念配当を175円実施する事を既に3月に発表しており、普通配当については累進配当方針に沿って、本決算で発表する事を表明していました。

従って、今期は既に175円の大幅増配が確定している状況でしたが、個人的に今期の普通配当は10円の増配にして、合計配当金は年間330円を個人的な予想にしていました。

直近決算

伊藤ハム米久HDは5月2日に本決算を発表しており、前期の通期最終利益は130億円と25億円の減益となっていますが、配当は20円増配の年間145円としています。

今期予測は通期最終利益を175億円と45億円の増益見込みにしているなか、配当は175円増配の年間320円予測で発表しています。

直近決算の感想

決算の感想について、配当は既に発表されていた記念配当175円分の増配で普通配当は据え置きとなりましたが、減益が続いていた業績は3割以上の増益予測で発表され、決算発表後の株価も大きく上昇しています。

従って、もちろん記念配当は1年間の期間限定となりますが、それでも現状の配当利回りは6%を超えていますので、当面の注目は今期業績が予測通りに進捗するかです。

今回検証した銘柄の配当まとめ

最後に今回検証した銘柄や保有銘柄を中心に既に本決算を発表した銘柄の前期配当確定額や今期配当の予測を私の予想と比較しています。

銘柄コード前期配当
(会社予測)
前期確定配当(個人的予想)今期配当
(個人的予想 )
前期確定配当今期配当
(会社予測)
伊藤ハム米久2296145145330145320
AREHD58578090808080
伊藤忠8001200200220200200
丸紅8002959510095100
三井物産8031100100110100115
三菱商事8058100100110100110
豊田通商8015100100110105110
伊藤忠
エネクス
81335858606262
リコーリース8566175175190180185
大和証券86014458445644
スカパーJSAT94122727302738

やはり、なかなかピタリと当てる事は難しいですが、個人的予想を大きく上回ってくれたスカパーJSATが現状では1番のサプライズとなっています。その他は個人的予想と大きく変わりませんが、伊藤忠エネクスや三井物産も私の予想を超える増配で発表してくれましたので、伊藤忠やリコーリースは私の予想を下回っていますが、今後の決算で増額される事を期待したいです。

明日以降に本決算を発表する保有銘柄の個人的配当予想額

また、こちらは明日以降、本決算を発表する保有銘柄の個人的な配当予想額になっています。

銘柄コード前期配当(会社予測)前期確定配当
(個人的予想)
今期配当(個人的予想 )
ニッスイ1332282830
大林組1802808590
大和ハウス1925147147150
エクシオG1951626265
宮地エンジニア343197.597.597.5
武田薬品4502196196204
日本空調4658404042
ENEOS5020262626
いすゞ自動車7202929292
ホンダ7267686868
SPK7466606065
日本紙パルプ8032252527
稲畑産業8098125125130
イエローハット9882353550
三菱UFJ8306646470
三井住友FG8316120120140
アルヒ7198404040
みずほリース8425434348
東京センチュ8439585864
オリックス859198.6133133
三菱HC8593404043
ジャックス8584180180180
MS&AD8725145145150
東京海上HD8766162162170
ミラースHD8897303035
センコーHD9069464650
住友倉庫9303103103105
NTT94325.25.25.4
KDDI943372.572.575
ソフトバンク94348.68.68.6
エディオン2730464647

やはり1番の注目は三菱UFJFGと三井住友FGのメガバンクになりますが、オリックスやイエローハットも大幅増配が確定的な状況です。また、トランプ関税の影響が特に大きいホンダやいすゞ自動車が今期見込みをどの様に発表するのか、政策株式売却の反動も懸念される保険株が今期も増配予測となるのかなど、注目点も多い各銘柄の本決算発表を楽しみに待ちたいです。

まとめ

今回は4月末から5月頭に発表された本決算の中から、保有銘柄を中心に特に気になった銘柄を検証しました。日本企業は従来から保守的な予測を発表する企業が多く、特に今年はトランプ関税の影響が見通せない状況ですので、いつも以上に控えめな決算が増える事も想定されていました。実際、伊藤忠やリコーリースの配当予測には、少し物足りなさを感じてしまう部分もありますが、今回発表された数字はあくまで現時点の予測ですので、第1四半期決算以降の上方修正を期待したいです。

という事で、いよいよ明日からは本決算発表も本格化しますが、より一層多くの銘柄が増配を発表してくれる事を期待しながら見守りたいと思っています。

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