SBIホールディングスは高配当銘柄として投資可能か株価や今後を検証

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銘柄検証

今回は高配当株として人気の高いSBIホールディングスについてまとめていきます。

SBIホールディングスは、投資をしている方には馴染みのあるSBI証券を中核にしている金融持株会社で、個人的にもSBI証券には口座を持っていますのでSBIといえば証券会社のイメージが強いですが、最近は経営難に陥っている地銀との業務提携を結ぶなど多角的な経営を進めています。

また、前期の配当利回りは5%を超えており高配当株としても注目を集めていますので、今回はSBIホールディングスの現状や今後を踏まえつつ、高配当銘柄として投資可能か検証していきます。

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SBIホールディングスとは

SBIホールディングスは国内最大手の証券会社「SBI証券」を中核に銀行業、暗号資産、ヘルスケアなどの子会社を抱えています。

1999年にソフトバンク子会社のソフトバンク・インベストメントとして設立されましたが、2005年にSBIホールディングスへ商号を変更し、現在はソフトバンクグループからは独立しています。

そして2021年には新生銀行をTOBにより子会社化するなど企業買収を中心に拡大路線を進めています。

SBIホールディングスの現状

SBIホールディングスの現状ですが、最近の業績は企業買収の効果もあり急激に伸びています。

そして「地銀連合構想」を掲げ、SBI ホールディングスらが出資する共同持株会社のもとに経営難となった地方銀行と連携し、SBIのフィンテックや運用技術を提供して成長軌道に乗せ、地銀の連合体を「第4のメガバンク」とすることを目指しています。

また、6月末には三井住友FGとの包括的な資本業務提携を発表し、個人向けデジタル金融サービスにおける業務提携を実施していくと発表しています。

SBIホールディングス直近決算

SBIホールディングスの2022年3月期最終利益は、3668億円と2858億円の増益、年間配当は150円としています。

今期業績は株式市場などの変動要因による影響が極めて大きいとして、最終利益も年間配当も開示していません。

業績好調の要因は新生銀行の連結子会社化に伴い第3四半期に「負ののれん」発生益などで2367億円を計上した為としています。

「負ののれん」とは

そもそも「のれん」とは買収した企業の純資産額と買収価格との差の事で、実際に買収した企業の純資産額よりも低い金額で買収した場合は、その差額が「負ののれん」となります。

「負」という文字からマイナスのイメージに感じますが、買収した企業の資産額よりも安く買収出来たという事ですので、負ののれん発生で利益が増える格好になります。

通期最終利益(億円)推移

銘柄名SBI
2019年3月期525
2020年3月期374
2021年3月期810
2022年3月期3668
2023年3月期(会社予想)

2019年からの最終利益を見ていきますが、2020年にコロナショックの影響で減益となった時以外は順調に推移しています。

特に2022年は急激に伸びており、大きな要因は先程お伝えした通り新生銀行の子会社化に絡むものですが、買収絡み以外の部門でも業績は順調に伸びている状況です。

また証券会社は経済情勢に業績が大きく影響を受ける為、他の大手証券会社も含め今期予測を非開示としているところが多いですが、業績が読みにくい点は懸念材料になります。

配当推移

銘柄名SBI
2015年35
2016年45
2017年50
2018年85
2019年100
2020年100
2021年120
2022年150
2023年(会社予想)

2015年からの配当推移を見ていきますが順調に増配傾向で、特にここ数年の増配ペースは好調な業績を背景に凄いペースになっています。

SBIホールディングスの配当方針は、配当金総額に自己株式取得額を加えた総還元額の水準について、当面の間は (セグメント変更後の)金融サービス事業において定常的に生じる税引前利益の30%程度を目安にする方針です。

株価推移

株価はコロナショックで1275円まで売られた後は順調に値を戻しています。

去年夏頃にかけて売られる場面もありましたが、その後は切り返し3月権利落ち前には3375円まで上昇しました。

権利落ち後は値を下げましたが、直近では三井住友FGとの業務提携を受けて上昇したものの2600円付近で推移しています。

株主優待

SBIホールディングスには株主優待もありますので内容を紹介します。

100株以上で2000円相当、1000株以上かつ1年継続保有で8000円相当の暗号資産XRP(リップル)を受け取れるクーポンコード券やSBIアラプロモが販売する健康補助食品(サプリメント)、化粧品などが選択できます。

またSBIホールディングスは単元未満株でも優待があり、SBIアラプロモが販売する健康補助食品(サプリメント)や化粧品などを通常価格から50%割引の優待価格で購入できる割引購入申込券を1枚もらえます。

株価指標(2022年7月1日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
SBI HD847325760.691505.82

直近の株価は上がっていますが、前期の配当150円で計算すると配当利回りは5%後半の高水準です。

今期業績見込みを公表していない為、PERや配当性向は算出できていない状況ですが、前期業績で算出するとPER、PBRは割安で配当性向は10%付近となります。

SBIホールディングスの今後

銀行分野およびノンバンク分野へ経営資源を傾斜配分し収益力を徹底強化する方針で、当社グループの持続的成長を目指し新生銀行グループの顧客基盤や銀行・ノンバンク機能などの徹底活用やノンバンク領域を中心に国内外でのM&Aを相互連携しながら積極的に推進していくとしています。

また、新生銀行グループは既にアジア・オセアニア地域で銀行・ノンバンク事業への参入を推進中との事です。

SBI証券の今後

SBI証券については新生銀行と金融商品仲介業での全面的な提携に向けた検討を加速化する方針で、新生銀行グループの有する顧客属性を徹底的に精査し、SBIグループの各事業とのマッチングを図るとしています。

また、オンラインでの国内株式取引の売買手数料や現在投資家が負担している一部費用の無料化を図るネオ証券化の早期実現に向けた商品・事業領域の多様化とM&A戦略を強力に推進していく方針です。

地銀連合について

「地方創生戦略」の第2幕においては新生銀行グループの銀行・ノンバンク機能を徹底活用するとしており、SBIグループの推進する地方創生への取り組みを飛躍的に発展させるべく、新生銀行グループと地域金融機関の協働で 「トライアングル戦略」を徹底推進する方針です。

そしてSBI・新生銀行グループが関係性を有する地域金融機関を中心に、各地域におけるニーズの吸い上げや新規案件の引受け等を通じ、地域社会の課題解決と事業の更なる拡大を目指すとしています。

以上の様にSBIホールディングスの今後は、新生銀行が大きい役割を担う事になりそうです。

SBIホールディングスの投資判断

今までの点を踏まえSBIホールディングスの投資判断ですが、国内最大手のSBI証券を中核に地銀との連携や海外進出など魅力を感じる企業体制です。

業績、配当は順調に増加傾向で前期の配当利回りは5%を超えており株主優待もありますので高配当株として十分購入を検討できる銘柄かと思います。

今後については途中で触れた様に2021年に子会社化した新生銀行が大きなポイントとなりそうです。

来年1月には「SBI新生銀行」へ社名を変更すると発表していますが、SBI証券との顧客面での提携や地銀連合での中心的役割、国内外でのM&Aなどの部分においても新生銀行との連携が順調に進むかは注目です。

しかしグループ中核のSBI証券については他の証券会社同様、株式市場の動向が業績に大きな影響を与えてしまいます。

今後の相場展望については、アメリカのインフレ対策による金利引き上げからの景気後退懸念を中心に悲観的な見方も多いですので、株式市場が弱含むと証券会社の株価は特に売られてしまう恐れがあります。

以上の点を踏まえSBIホールディングスについては、今後株価が大きく下がる場面があれば狙っていこうくらいの気持ちで今後を見守りたいと考えています。

SBIホールディングスの投資判断はYouTubeで動画版を投稿していますのであわせてご覧下さい。

SBIホールディングスは高配当銘柄として投資可能か株価や今後を検証

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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