今回は2022年3月権利落ち後に購入を検討している日本空調サービスの直近決算内容を中心に日本空調サービスの現在の株価や今後を検証してみたいと思います。
日本空調サービスとは
それでは本題ですが、まず日本空調サービスの会社内容を簡単にまとめていきます。
日本空調サービスは、建物設備のメンテナンス・維持管理、設備・環境診断、ソリューション提案を行うサービス部門を中核に、リニューアル工事を主体とする設備工事部門を併せ持つ、建物設備のトータルサポート企業です。
中核事業のメンテナンスサービスで培った技術力を生かし、質の高い診断に基づく省エネ提案・環境改善提案を行い、お客様の立場に立ったきめ細かなサービスを提供としています。
日本空調サービスの現状
今期は太陽光発電関連及び学校空調関連工事等のリニューアル工事が減少した影響やコロナ禍で海外の売上も減少している状況です。
しかし、メンテナンスは年間契約を中心にコロナ禍の影響も少なく順調でスポットも病院等を中心に順調に推移しているとの事です。
また、今期は従来よりも新卒採用を増やしており、人的資本の価値向上を目的とした先行投資としています。
日本空調サービスの直近決算
ここからは日本空調サービスが2月7日に発表した第3四半期決算の内容を検証していきます。
第3四半期までの最終利益は21億円と前年同期比で9億円の増益です。
通期最終利益は従来予想の29億円、年間配当は41.5円で変更はありません。
業績好調の要因は、リニューアル工事の減少や新卒積極採用による人件費増加等で売上や経常利益は減っていますが、最終利益は投資有価証券売却益(13億円)により増益との事。
株価推移
日本空調サービスの株価は、コロナショックで530円まで売られる場面がありましたが、その後は順調に株価を戻しています。
そして昨年9月に発表した保有株式の売却による業績の上方修正と大幅増配を受けて株価も大きく上昇し瞬間的に880円を超える場面もありましたが、最近は800円前後での動きになっています。
業績推移
日本空調サービスの2018年からの最終利益推移と2020年からの第3四半期時点最終利益を検証していきますが、順調に増加傾向です。
しかし、今期業績が伸びている主な要因は保有株式の売却益によるもので、保有株式の売却益13億円を除くと減益になってしまいます。
第3四半期時点最終利益(億円)
銘柄名 | 日本空調サービス |
2020年3月期第3四半期 | 14 |
2021年3月期第3四半期 | 12 |
2022年3月期第3四半期 | 21 |
2020年3月期通期進捗率(%) | 77.7 |
2021年3月期通期進捗率(%) | 63.1 |
2022年3月期通期進捗率(%) | 72.4 |
最終利益(億円)
銘柄名 | 日本空調サービス |
2018年3月期 | 15 |
2019年3月期 | 17 |
2020年3月期 | 18 |
2021年3月期 | 19 |
2022年3月期(会社予想) | 29 |
配当推移
銘柄名 | 日本空調サービス |
2015年 | 12.5 |
2016年 | 15 |
2017年 | 22 |
2018年 | 23 |
2019年 | 26 |
2020年 | 28 |
2021年 | 28.5 |
2022年(会社予想) | 41.5 |
2015年からの配当推移を見ていきますが順調に増配傾向で、特に今期は13円増配と勢いが凄くなっています。
しかし内訳は特別配当が13.5円となっており、増配の要因は保有株式の売却益ですので来期以降もこの水準が維持出来るかは不透明です。
日本空調サービスの配当方針は、中期経営計画中(2023年度迄)の総還元性向は目安として概ね50%程度としています。
株価等指標データ(2022年3月18日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
日本空調 | 4658 | 813 | 9.74 | 1.42 | 41.5 | 5.10 | 49.2 |
日本空調サービスの株価等指標データですが、最近の株価は800円前後で落ち着いていますが大幅増配の影響で配当利回りは5%を超えています。
また、配当性向は目安としている50%付近となっています。
日本空調サービスの今後
日本空調サービスは2024年3月までの中期経営計画を発表しており、全てのステークホルダーの幸せ向上を長期ビジョンに掲げています。ステークホルダーとは利害関係者の事で顧客、従業員、株主の幸せ向上を目指すとしています。
しかし、数字の部分では2024年3月期の最終利益目標19億円、EPS(1株当たり利益)54円としており、中期経営計画としては保守的な気がします。
最終利益が今期より少ない部分は、今期は保有株式の売却益があったので仕方が無いと思いますが、2021年3月期より少ない数字なのは、どうかなというところです。
2年後の目標ですのでもう少し景気の良い数字を出して欲しいところですが、この堅実さが日本空調サービスの魅力なのかもしれません。
日本空調サービスの投資判断
特殊な環境を有する施設が売上の約7割と維持管理に高度な技術が必要な為、参入障壁が高く、またメーカー制約がない為、迅速な自社対応が可能としています。
そして売上の約4割が年間契約工場で安定していますが、今後多業種展開による景気リスク分散が成長の鍵との事です。
この様に独自のサービスで安定的な売上を確保しており将来性も楽しみな企業です。
今後に備え積極的な新卒採用を行っている事が人件費高騰に繋がっていますが、長い目で見た場合は期待できる展開だと思います。
しかし今期年間配当41.5円のうち特別配当は13.5円と高比率です。そして今期業績好調の要因は保有株式の売却であり来期以降の動向は不透明です。
今期の特別配当を考慮しないと現状の配当利回りは3%半ばまで低下してしまいますので、高配当銘柄としては少し寂しい水準になります。
以上の事を踏まえ日本空調サービスについては、今回の期末配当はあきらめて3月権利落ち後の株価が下がったタイミングで、出来れば来期配当見込みの発表を待って狙う方が長い期間で考えた場合は良さそうな気がします。
日本空調サービスの検証はYouTubeで動画版も投稿していますのでご覧ください。
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