【第2弾】リクエスト3銘柄(アサンテ、アルトナー、住友電工)検証

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銘柄検証

今回は約1ヶ月前にも行いましたが、私がブログと並行して投稿しているYouTube動画のコメント欄で銘柄検証をリクエスト頂いた3銘柄の検証をまとめて行います。

今回の銘柄はアサンテ、アルトナー、住友電工の3銘柄で、いずれも現在の配当利回りは高いですが、高配当銘柄として中長期投資可能か個別に検証していきます。

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アサンテ

それは本題ですが、まず始めはアサンテです。

アサンテは木材家屋を対象にシロアリ防除などの各種施工によって、木材をシロアリや湿気などから守るハウスアメニティ事業やホテルやオフィスビル、飲食店などの法人所有物件を対象に害虫、害獣防除を行なうトータルサニテーション事業を行っています。

また、地震対策として基礎補修や家屋補強、浴室、キッチンなどのリフォームも手掛けています。

社名の「アサンテ」はフランス語のsante(健康)から付けており、またアサンテにはスワヒリ語で「ありがとう」という意味もあるとの事です。

アサンテの現状

住宅政策において既存住宅の長寿命化とメンテナンスを重視する方針は変わらず潜在需要は依然大きいとしていますが、新型コロナへの社会における警戒感の高まりなどで成約に至るまでの条件が厳しくなっているとの事で、去年11月に発表した第2四半期決算では売上や最終利益の下方修正を発表しています。

そして、つい先日の4月20日には新型コロナの影響長期化により更に業績が下回る事に加え、連結子会社のハートフルホームにおいても新型コロナ影響の長期化や資材価格の高騰などの外部環境の悪化を踏まえ、のれんの減損損失約2億8300万円を特別損失として計上する事になったとして、通期最終利益を5億5000万円へ従来予想から約4億2000万円下方修正しています。

直近決算

アサンテは2月に第3四半期決算を発表しており、第3四半期時点の最終利益は8.4億円と前年同期比で約1.9億円の減益ですが、通期最終利益は9.7億円で変更ありませんでした。

しかし、先程お伝えした様に4月20日に再度業績の下方修正を発表していますが、年間配当は62円で変更ありません。

業績低迷の要因は、コロナ感染拡大による消費マインドの冷え込みや営業活動の制限などとしています。

株価推移

アサンテの株価はコロナショックで1300円割れまで売られた後、1900円を超える水準まで戻しましたが、その後はじわじわと値を下げ直近は業績の下方修正もあり1450円付近での動きです。

通期最終利益(億円)

2018年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックの影響が出始めた2021年3月期以降低迷が続いています。

銘柄名アサンテ
2018年3月期14
2019年3月期15
2020年3月期15
2021年3月期10
2022年3月期(会社予想)5.5

営業スタイルが戸別訪問で行っている点や、調査・施工は住居内で行わないといけない点などがコロナ感染対策の影響を受けている状況ですが、コロナ前と比較すると最終利益は3分の1位の規模になっていますので、そろそろ持ち直したいところです。

配当推移

銘柄名アサンテ
2015年32
2016年40
2017年46
2018年50
2019年54
2020年60
2021年60
2022年(会社予想)62

2015年からの配当推移を見ていきますが、据え置きとなった2021年以外は順調に増配傾向です。

コロナショック以降低迷する業績でも増配は続けていますが、今回の下方修正で配当性向は100%を超えていますので、今後の配当推移については警戒が必要です。

またアサンテの配当方針は上場以降株主還元に注力としていますが、配当性向などの具体的な数値目標は示していません。

株主優待制度

アサンテの株主優待は3月末と9月末に100株以上保有で三菱UFJニコスギフトカード1,000円分がもらえます。

年間2,000円分ですので今の株価(1452円)で計算すると優待利回りは1.3%くらいになります。

株価等指標(2022年4月22日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
アサンテ6073145228.941.34624.27123.5

アサンテの配当利回りは増配が続くなか株価は下落傾向ですので4%前半まで上昇しています。しかし、今回の業績下方修正で配当性向は100%を超えていますので、今後現在の配当水準を維持できるかは不透明です。

また、PERは29倍付近、PBRは1.3倍台と市場平均と比較して割高な数値となっています。

アサンテの今後

既存エリアは東日本が中心の為、今後西日本エリアへの進出を目指しており、営業エリア内の各JAと連携しJAの知名度・信用力を活用した営業活動を行うとの事。

また国策として既存住宅流通及びリフォーム市場は拡大方針の為、対応できる環境整備を進める方針。

アサンテの投資判断

以上の点を踏まえアサンテの投資判断ですが、現状は新型コロナの影響を大きく受け業績が低迷しています。新型コロナの今後については不透明な部分も多いですが、そろそろ対応していきたいところです。

そしてシロアリ対策やリフォーム業者と聞くとあまり良くないイメージを連想しがちですが、アサンテは業界内トップクラスの規模で今後のエリア拡大やJAとの連携など楽しみな部分もあります。

いずれにしてもまずは業績をコロナ前の水準に戻せるかが1番の注目ですので、今後の動向については偏見を持たず見守りたいと思います。

アルトナー

続いてはアルトナーですが、まずは事業内容を簡単にまとめていきます。

アルトナーは設計技術者の人材派遣に特化しており、主な取引先は本田技研、ニコン、住友電気工業、テルモなどです。

また、設計開発から設計技術周辺に至る業務自体も受注し、顧客企業の幅広い要望にも応える事が可能としています。

社名のアルトナーは、より優れたクオリティを追求する「Art」と、顧客の信頼に応える「Partner(パートナー)」を意味しているとの事です。

アルトナーの現状

コロナ禍の影響で厳しい状況は続いていますが、持ち直しの動きが期待されるとしており、その中でもカーボンニュートラルに関連する電気自動車(EV)、 燃料電池自動車(FCV)、また、自動運転、半導体関連の技術者ニーズが前期より活発に推移しているとの事で稼働人員は前期を上回っている状況です。

直近決算

アルトナーは1月決算銘柄の為、3月に本決算を発表しており、2022年1月期の最終利益は7.2億円と前期から約1億円の増益で年間配当は前期から11.5円増配の34.5円となっています。

今期の予測は最終利益が約7000万円増の7.9億円、配当は3.5円増配の年間38円予測で発表しています。

業績好調の要因は、コロナショックからの反動や自動車、半導体関連の技術者ニーズの高まりとしています。

株価推移

株価はコロナショックで500円付近まで売られた後は1100円を超える水準まで戻しました。

その後はじわじわと値を下げ今年に入ってからは800円台での動きが中心です。

通期最終利益(億円)

銘柄名アルトナー
2019年1月期5.4
2020年1月期6.1
2021年1月期6.2
2022年1月期7.2
2023年1月期(会社予想)7.9

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、順調に増益傾向です。

規模の部分ではまだ物足りないところもありますが、右肩上がりですので今後の伸びしろとしては楽しみです。

配当推移

銘柄名アルトナー
2015年6.25
2016年8.75
2017年11.25
2018年15
2019年18
2020年20.5
2021年23
2022年34.5
2023年(会社予想)38

2015年からの配当推移を見ていますが、業績と連動し配当も順調に増配傾向です。

アルトナーの配当方針は、今後の事業展開や業績及び経営環境、経営基盤の強化を総合的に考慮し、株主に対する安定的な配当を実施することを経営の最重要課題と位置付けており、目安の配当性向は2022年1月期より従来の30%から50%に引き上げています。

株価等指標(2022年4月22日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
アルトナー216382311.002.44384.6250.6

アルトナーの配当利回りは増配が続いているなか、株価は動きが止まっていますので4%半ばの水準です。

PERは11倍付近、PBRは約2.4倍とPBRは市場平均と比較して割高な数値となっています。

アルトナーの投資判断

以上の点を踏まえアルトナーの投資判断ですが、設計技術者に特化した人材派遣というのは面白い存在だと思います。

終身雇用制度が崩壊しつつある現代において、この様な雇用形態はエンジニアにとっても顧客企業にとっても有効な選択肢になるはずです。

企業規模の部分ではまだ物足りない部分がありますが、技術者派遣の市場規模やエンジニアを必要とする自動車関連、精密・電気機器メーカーの今後を踏まえると将来的にはまだまだ可能性を感じる企業だと思います。

住友電気工業

最後は住友電気工業ですのでまずは事業内容を簡単にまとめていきます。住友電気工業は大阪に本社がある日本最大手の非鉄金属メーカーで自動車関連や情報通信、電子部品など幅広い分野で事業を行っています。

また現状は、半導体不足などによる自動車の減産や資材価格高騰、グローバルな物流混乱、運賃高騰などの影響もあり厳しい状況が続いています。

直近決算

住友電工は2月に第3四半期決算を発表しています。

第3四半期までの最終利益は516億円と前年同期比で497億円の増益ですが、通期最終利益は従来予想950億円から800億円へ150億円下方修正していますが、配当は従来予想通り年間50円のままです。

業績下方修正の要因は、自動車メーカーの生産動向が不透明であるほか、原材料の価格高騰や物流コストの増加の影響が当面は残る見込みの為としています。

株価推移

株価はコロナショックで950円付近まで売られた後に1800円を超える水準に値を戻しました。

その後はじわじわと値を下げ直近は1300円台での動きとなっています。

通期最終利益(億円)

銘柄名住友電工
2018年3月期1203
2019年3月期1180
2020年3月期727
2021年3月期563
2022年3月期(会社予想)800

2018年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナの影響が出始めた2020年3月期より急速に業績が悪化しています。

自動車関連や情報通信など海外との取引も多いですので、コロナの影響を大きく受けている状況です。

配当推移

銘柄名住友電工
2015年30
2016年35
2017年40
2018年46
2019年48
2020年40
2021年32
2022年(会社予想)50

2015年からの配当推移を見ていきますが、配当もコロナの影響が出始めた2020年から増減が続いています。

住友電工の配当方針は、安定的な配当の維持を基本に連結業績、配当性向、内部留保の水準など総合的に判断する方針で具体的な配当性向の目安は示されていません。

株価等指標(2022年4月22日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
住友電工58021417.513.80.66503.5348.7

住友電工の配当利回りは2022年3月期は大きく増配という事もあり3%半ばの水準です。

現状の配当性向は50%付近ですので、そこまで無理をしている水準ではありませんが、第3四半期時点の通期進捗率は64%程度の為、5月中旬に予定されている本決算発表で更なる業績の下方修正があると配当性向が更に上がる可能性があります。

投資判断

以上の点を踏まえ住友電工の投資判断ですが、企業規模や会社内容は素晴らしい企業ですが、現状はコロナショックなどの外部要因に大きく影響を受けている状況です。

そしてコロナの影響や自動車メーカーの減産については今後の動向も依然不透明な部分が多いです。

という事で住友電工については、もう少し業績、株価の状況を見守りたいというところです。

まとめ

今回はYouTube動画のコメント欄よりリクエスト頂いた銘柄を3銘柄検証しました。

今回検証した3銘柄は個人的に今まで見た事がありませんでしたし、住友電工以外のアサンテとアルトナーについては正直どんな事をしている企業なのかも知りませんでした。

しかし、検証してみるとそれぞれ注意する点はありましたが、今後の動向次第では投資対象として面白そうな銘柄だと思いました。

プロフィール欄などには書いていますが、私は証券会社を退職した2010年頃から10年間は株式市場に全くノータッチでした。

その10年間で東証に上場している銘柄数は約2200社から約3800社へ大幅に増えており、まだまだ私の知らない高配当企業も数多くあるのだと今回の検証を通して実感しました。

リクエスト3銘柄検証はYouTubeで動画版を投稿していますのであわせてご覧ください。

【第2弾】コメント欄よりリクエスト頂いた3銘柄(アサンテ、アルトナー、住友電工)を検証

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