今年の相場がスタートして早くも2週間が経過しましたが、年明けの相場は好調な経済指標から今後の利下げ観測が後退した事で下落したNY市場や日銀による追加利上げへの警戒もあってか、売られる場面が増えています。
ただ、今年の相場はまだ始まったばかりである事や今後も株式市場に大きな影響を与えそうなイベントが数多く控えている事を踏まえると、ここから上昇トレンドに入っていく可能性も十分あります。
という事で今回は、2025年に起きる出来事を踏まえ 、今年の株価上昇が期待できる5つの高配当株を検証していきます。
日銀の追加利上げ
今年起きる出来事として最初に想定される事は日銀による追加利上げです。日銀は去年の春にマイナス金利を解除し、7月に追加利上げを行っていますが、今年は更なる利上げが予想されています。
実際、早ければ来週開催される日銀会合や遅くても3月の日銀会合では追加利上げが決定するとの見方が強まっており、去年7月の利上げから株式市場が大暴落に見舞われた事は記憶にも新しいですので、日銀の動向は今年の株式市場に大きな影響を与える出来事と言えます。
そこで最初は追加利上げによって株価上昇が期待できる銘柄を検証していきます。
【8306】三菱UFJFG
追加利上げによって株価上昇が期待できる銘柄は三菱UFJFGです。三菱UFJFGはメガバンクの三菱UFJ銀行を中核に持つ金融持株会社で国内最大手の金融グループです。銀行は利上げによって企業や個人へ融資する金利の上昇や運用利回りの上昇が期待できる部分でメリットとなります。
直近決算
三菱UFJFGは11月14日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は1兆2581億円と前年同期比3309億円の増益となっているなか、通期最終利益の見込みを2500億円上方修正し、配当も10円増額の年間60円へ修正しています。
業績好調の要因は、子会社のタイ大手銀行KS(クルンシィ)の決算期変更影響や海外における買収、円金利上昇に加え、政策保有株式の売却も進んだためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | 三菱UFJ |
2019年3月期 | 8726 |
2020年3月期 | 5281 |
2021年3月期 | 7770 |
2022年3月期 | 11308 |
2023年3月期 | 11164 |
2024年3月期 | 14907 |
2025年3月期(会社予想) | 17500 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、コロナショックで大幅減益となった2020年以外は概ね増益傾向で、2022年はコロナショックによる倒産に備えていた与信関連費用の戻り入れなどの影響で最終利益は過去最高益となる1兆円の大台に乗せています。
そして、前期も貸金収益や海外の融資関連に加え、受託財産業務など資産運用ビジネスを中心に各種手数料収入が増加した事などで過去最高益を大きく更新しており、今期も好調な流れは続くとして更に増益の予測としていたなか、先ほどお伝えした様に第2四半期決算で上方修正を発表していますが、通期進捗率は72%付近と更なる上方修正も期待できそうな水準です。
配当推移
銘柄名 | 三菱UFJ |
2015年 | 18 |
2016年 | 18 |
2017年 | 18 |
2018年 | 19 |
2019年 | 22 |
2020年 | 25 |
2021年 | 25 |
2022年 | 28 |
2023年 | 32 |
2024年 | 41 |
2025年(会社予想) | 60 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、2018年頃からは順調に増配傾向です。コロナショックで業績が落ち込んだ2021年は据え置きでしたが、ここ数年は業績好調を背景に増配額も大きくなっており、前期は過去最高の引き上げ幅となる9円の増配、今期も期初から同額の増配見込みとしていましたが、第2四半期決算で更に10円増額された事で合計19円の大幅増配見込みになっています。
三菱UFJの配当方針は、利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針にしており、具体的な目安は配当性向40%程度としています。
株価推移
株価はコロナショックで380円まで売られた後は上下を繰り返しながらも順調に上昇していました。
そして、去年は今後の金利先高観が高まった事や全体の強さもあって上昇ペースが加速し、直近は1900円前後で推移しています。
株価指標(2025年1月16日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
三菱UFJ | 8306 | 1890 | 12.5 | 1.07 | 60 | 3.17 | 39.7 |
最近の株価は上場来の高値付近まで上昇していますが、大幅増配が続いていますので配当利回りは3%前半となっています。
業績は過去最高益が続いていますのでPERは市場平均より割安で、配当性向は40%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容から三菱UFGFGの投資判断について、ここ数年の業績は過去最高益が続いており、今期も一時的要因が含まれているとは言え、第2四半期時点の通期進捗率は72%付近と更なる上方修正も期待できそうな水準です。
業績好調の大きな要因は、コロナからの経済回復や国内金利の上昇に加え、海外市場の成長などが影響しており、今後も国内金利の上昇0.25%あたり1800億円の増益が想定できるとのシミュレーションも公開しています。
以上の点を踏まえると、現在の株価は上場来の高値付近で推移しており、既に追加利上げについても織り込まれている部分があるかとは思いますが、利上げによる上方修正からの更なる株価上昇も期待できそうに感じます。
更なる円安
今年起きる出来事として2番目に想定される事は更なる円安です。世界的に見て今年最大のイベントは来週就任するトランプ次期大統領の誕生だと思いますが、トランプ政権には減税や規制緩和に加え、関税の引き上げなど就任前から様々な政策が取り上げられています。
実際、就任後のトランプ大統領の動向によって日米ともに株式市場は大きな影響を受けると思いますが、同時に為替相場も大きく変動する事が想定されます。そんな為替相場については、トランプ大統領の政策によって円高円安どちらに触れるか見通しが分かれている部分もありますが、就任直後は減税や規制緩和により再びアメリカのインフレが進む事で円安に振れるとの見方が強いですので、まずは今年更に円安が進んだ時にメリットとなる銘柄を検証していきます。
【7267】ホンダ
今年更に円安が進んだ時にメリットとなる銘柄はホンダです。円安がメリットになる日本企業は多いですが、やはり代表格は輸出が多い自動車株になるかと思います。そんなホンダは日本を代表する輸送機器メーカーで、国内に限らず北米やアジアなど世界各国に製品を販売しており、直近の海外売上比率は9割に迫る水準です。
また、去年年末に日産と経営統合に向けて協議を開始すると発表した事でも話題になりました。
直近決算
ホンダは11月6日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は4946億円と前年同期比1217億円の減益となっているなか、通期最終利益の見込みを500億円下方修正していますが、年間配当予測に変更はありません。
前期比減益の要因は、日本やアメリカでの販売台数は伸びていますが、中国の販売台数が価格競争激化などの影響で減少した事に加え、持分法による投資利益減益などのためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | ホンダ |
2019年3月期 | 6103 |
2020年3月期 | 4557 |
2021年3月期 | 6574 |
2022年3月期 | 7070 |
2023年3月期 | 6514 |
2024年3月期 | 11071 |
2025年3月期(会社予想) | 9500 |
2019年からの通期最終利益について、コロナショックで大きく減益となった2020年以降は順調に推移していましたが、2023年は半導体供給不足の影響による四輪車の生産・販売台数減少や原材料価格高騰の影響で減益となりました。
しかし、前期は米国での堅調な需要による四輪車の販売増加や機種収益の改善に加え、円安の追い風もあった事で過去最高益を更新しており、今期は研究開発費の増加や為替のマイナス影響などを考慮して期初から減益見込みにしていたなか、先ほどお伝えした様に第2四半期で更に500億円下方修正されましたが、通期進捗率は52%付近で推移しています。
配当推移
銘柄名 | ホンダ |
2015年 | 29.3 |
2016年 | 29.3 |
2017年 | 30.6 |
2018年 | 33.3 |
2019年 | 37 |
2020年 | 37.3 |
2021年 | 36.6 |
2022年 | 40 |
2023年 | 40 |
2024年 | 68 |
2025年(会社予想) | 68 |
2015年からの配当について、コロナショックの影響を受けた2021年は減配になっており、たまに据え置きの年もありますが、概ね順調に増配傾向となっています。そんななか、前期は業績好調を背景に一気に28円の大幅増配となっており、今期は現状据え置きの予測にしています。
ホンダの配当方針は連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努めるとしています。
株主優待
ホンダには株主優待があり、100株以上の保有で希望者全員にホンダのカレンダーが1部もらえます。
また、いずれも抽選にはなりますが1年以上の継続保有でレースやEnjoy Hondaの入場券、3年以上の継続保有で事務所やHonda Jetの見学会に参加できますので、ホンダファンの人にとっては嬉しい株主優待です。
株価推移
株価はコロナショック時に706円まで売られましたが、その後は上下を繰り返しながら約1年で1000円を超える水準まで上昇しました。
そこからは1000円付近での値動きが中心でしたが、2023年春以降は右肩上がりで去年3月には1959円まで上昇し、その後1200円付近まで売られましたが、直近は1500円前後まで上昇しています。
株価指標(2025年1月16日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
ホンダ | 7267 | 1456 | 7.1 | 0.55 | 68 | 4.67 | 33.2 |
最近の株価は乱高下しているなか、配当は高水準を維持していますので配当利回りは4%半ばとなっています。
今期業績は減益見込みですがPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は33%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からホンダの投資判断について、今期は減益見込みになっていますが、同じく苦戦が続いている他の自動車メーカーと比較すると減益率は低めですので、健闘している方かとは思います。そんななか、去年は株価が低迷する場面も多く、年末に発表された日産との経営統合も最初の報道時点では日産への救済色が強いとの見方から更に株価が売られてしまいましたが、新たに上限1.1兆円の大型自社株買いを発表した事で直近の株価は一気に上昇しています。
もちろん、今後どの様に協議が進んでいくのか不透明な部分も多く、世界的な自動車販売の不振やトランプ次期大統領による関税の引き上げも懸念事項ではありますが、今年更に円安が進めば業績や株価には追い風となりそうです。
円高が進んだ場合
ここまでは、今年起きる出来事としてトランプ次期大統領の就任で更に円安が進んだ場合を想定しましたが、トランプ次期大統領はドル高を牽制する発言も行っています。従って、トランプ次期大統領の政策によって最初は円安が進むとの見方が強いですが、その後は円高が進む可能性が高いとの意見もあります。
また、為替は当然トランプ次期大統領の政策以外に日米の金融政策にも反応し、特に今年は冒頭でお伝えした様に日銀による追加利上げの可能性が高まっていますので、日米の金利差縮小から為替が円高に触れる可能性も十分あります。
という事でここからは、円高が進んだ場合にメリットとなる銘柄を検証していきます。
【2060】フィード・ワン
円高がメリットになる銘柄はフィード・ワンです。フィード・ワンは畜産や水産用の配合飼料を製造する飼料メーカーで主要株主は三井物産です。国内のみに限らずベトナムやインドでも事業を展開しており、グローバルな飼料メーカーを目指す方針です。
そんななか、畜産飼料原料の約50%を占めるとうもろこしは海外からの輸入が多いため、ここ数年の円安はマイナス材料となっています。
直近決算
フィード・ワンは11月8日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は30億円と前年同期比10億円の増益となっているなか、通期最終利益の見込みに変更はありませんが、配当は10月末に2.5円増配の年間29.5円へ修正しています。
前期比増益の要因は、畜産飼料の販売数量増加や売上原価が改善したためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | フィード・ワン |
2019年3月期 | 46 |
2020年3月期 | 38 |
2021年3月期 | 44 |
2022年3月期 | 36 |
2023年3月期 | 10 |
2024年3月期 | 50 |
2025年3月期(会社予想) | 45 |
2019年からの通期最終利益を見ていきますが、2019年に過去最高益を記録したあと2021年は増益となっていますが、その後は減益が続きました。特に2023年はロシアウクライナ情勢による穀物などの供給不安と急激な円安進行から多くの原料価格が歴史的な高騰を続けた事や燃料高騰の影響で大きく減益となりました。
しかし、前期は飼料事業の販売数量増加や水産飼料・食品事業の販売価格改定による増収に加え、畜産飼料の原材料価格低下などによる売上原価減少により過去最高益を記録しており、今期は水産飼料で原材料価格の上昇を想定している事などで減益見込みにしているなかではありますが、第2四半期時点の通期進捗率は67%付近と順調に推移しています。
配当推移
銘柄名 | フィード・ワン |
2015年 | 15 |
2016年 | 20 |
2017年 | 22.5 |
2018年 | 22.5 |
2019年 | 22.5 |
2020年 | 25 |
2021年 | 25 |
2022年 | 25 |
2023年 | 25 |
2024年 | 27 |
2025年(会社予想) | 29.5 |
2015年からの配当推移について、2020年以降は年間25円で据え置きが続いていましたが、2023年は業績が大きく減益となるなか配当性向は100%に迫る水準まで上昇していました。
そんななか、前期は業績が大きく伸びた事で配当も久しぶりに2円の増配となり、今期も期初時点では据え置き予測としていましたが、去年10月の上方修正で2.5円の増配見込みになっています。
フィード・ワンの配当方針は、安定した配当の継続と段階的な増配を目指すとしており、具体的な目標は連結配当性向25%以上としています。
株価推移
株価は2017年10月に1765円の高値を付けた後は右肩下がりの状況が続き、2022年5月には625円まで値を下げました。
その後も600円台で停滞する時期が続き、2023年春以降は反発して去年2月には1068円まで上昇しましたが、直近は800円前後まで下落しています。
株価指標(2025年1月16日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
フィード・ワン | 2060 | 775 | 6.6 | 0.56 | 29.5 | 3.81 | 25.1 |
最近の株価は下落が続いているなか、今期も増配見込みになりましたので配当利回りは3%後半となっています。
今期業績は減益見込みですがPER、PBRは市場平均より割安で、配当性向は25%付近と方針通りの水準です。
投資判断
今までの内容からフィード・ワンの投資判断について、今期業績は現状減益見込みですが、数年前と比較すると大きく伸びており、また順調な進捗率から今後上方修正が発表される可能性も十分あります。そんななか、最近の業績が順調に推移している要因は、輸入原料の価格が落ち着いた事や販売価格改定の影響としており、輸入原料が8割以上を占めている現状から今年の為替が円高に進めば更に業績への追い風となりそうです。
以上の点を踏まえると、最近の株価は下落が続いている事を含め、今年の株価は反発しそうな雰囲気もあります。
AI・半導体市場の更なる飛躍
今年起きる出来事として4番目に想定される事はAI・半導体市場の更なる飛躍です。去年の株式市場の大きなテーマとなった業種はAIや半導体関連銘柄で間違いないと思いますし、AI向けの半導体を製造するエヌビディアの株価は去年大きく上昇しており、また決算発表は現在でも株式市場に大きな影響を与える存在となっています。
そんなAI半導体関連銘柄は今年も更に飛躍する可能性が高いですが、エヌビデイアの様に既に株価が大きく上昇しているケースも多いですので、ここからはデジタル化の進展や生成AIの普及に伴い、その処理を行うデータセンターの需要が高まっている事を踏まえ、今年の株価上昇が期待できる銘柄を検証していきます。
【1951】エクシオグループ
データセンターの関連銘柄はエクシオグループです。エクシオグループは、主にNTTグループなど通信事業者向けの電気・通信基盤構築を手掛けている電気通信工事事業者です。
通信キャリア事業はNTTグループやNCC向けに基地局から端末機器に至る通信設備の設計や施工、保守までの一元的なサービスを提供しており、その他にデータセンターを含む都市インフラやシステムソリューション事業も行っています。
直近決算
エクシオグループは11月8日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は63億円と前年同期比10億円の減益となっていますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。
前期比減益の要因について、通信キャリア事業で利益が拡大している事や国内ソリューション事業も堅調に推移していますが、都市インフラ事業で不採算案件の発生など特殊要因が発生したためとの事です。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | エクシオG |
2020年3月期 | 156 |
2021年3月期 | 241 |
2022年3月期 | 277 |
2023年3月期 | 222 |
2024年3月期 | 200 |
2025年3月期(会社予想) | 223 |
2020年からの通期最終利益について、2022年をピークに減益傾向ではありますが、200億円台で安定はしています。そんな2022年に業績が伸びている要因は大規模データセンターの構築やリニア中央新幹線関連の大型案件を受注できた影響としています。
その後、前期にかけてはモバイルキャリアの投資抑制やのれんの一括償却に加え、グローバルビジネスの低迷で減益となっていますが、今期は堅調な国内ビジネスの継続とグローバルビジネスの収支改善により増益予測にしているなか、第2四半期時点の通期進捗率は28%付近と過去5年の平均約35%も下回っている水準です。
配当推移
銘柄名 | エクシオG |
2015年 | 16 |
2016年 | 19 |
2017年 | 23 |
2018年 | 25 |
2019年 | 35 |
2020年 | 40 |
2021年 | 41 |
2022年 | 48 |
2023年 | 51 |
2024年 | 60 |
2025年(会社予想) | 62 |
2015年からの配当推移を見ていきますが、減配はもちろん据え置きの年すらなく順調に増配を継続しており、増配は前期までで12期連続となっています。特に最近の増配幅は業績が安定するなか大きくなっており、前期は9円、今期は現状2円の増配見込みと2015年と比較すると4倍弱の水準です。
エクシオグループの配当方針は、連続増配と継続的な自己株式取得により積極的に株主還元を実施するとしており、具体的な目安はDOE4%としています。
株価推移
株価はコロナショックで953円まで売られた後、約1年で1500円付近まで上昇しました。
その後再び1000円付近まで下落した後、去年5月には1859円まで上昇し、その後も乱交下していますが直近は1650円前後で推移しています。
株価指標(2025年1月16日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
エクシオグループ | 1951 | 1655 | 15.4 | 1.10 | 62 | 3.75 | 57.6 |
最近の株価は乱高下しているなか、増配は継続しているため配当利回りは3%半ばと高水準です。
今期業績は増益見込みですがPER、PBRは市場平均並みで、配当性向は58%付近となっています。
投資判断
今までの内容からエクシオグループの投資判断について、最近の株価は乱高下していますが、10年以上増配が継続している事もあり配当利回りは3%台を維持しています。また、事業内容もNTT向けを中心に安定感があるなか、最近は活況なデータセンター市場に対応している事で事業領域も順次拡大中との事です。
以上の点を踏まえると、既にデータセンター関連銘柄として注目を集めている部分はありますが、今年の更なる飛躍からの株価上昇も十分期待できる銘柄かと思います。
大阪万博
今年起きる最後の出来事は大阪万博です。大阪万博については今までの4つの出来事とは違い今年の4月13日(日)から開催される事が決定しています。そんな大阪万博では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに様々な未来社会の実験場が準備されています。
実際、前回の大阪万博で「月の石」の展示が話題となった事もあり、今回は「火星の石」が展示される予定で、その他にも宇宙関連の様々なイベントが準備されていますので、最後は宇宙に関連する銘柄を検証していきます。
【6486】イーグル工業
宇宙関連で検証する銘柄はイーグル工業でメカニカルシールや機器製品の総合メーカーです。メカニカルシールとは機械で取り扱われる水や油などの流体が機械外部への漏れを防ぐパッキン部品の一種で、世界中の自動車や船舶などで利用されています。
そして、メカニカルシールは宇宙関連でも航空機や宇宙ロケットのジェットエンジンに使用されています。
直近決算
イーグル工業は11月7日に第2四半期決算を発表しており、最終利益は27億円と前年同期比16億円の減益となっているなか、通期最終利益の見込みを10億円下方修正していますが、配当は10円増額の年間100円予測に修正しています。
通期最終利益を下方修正した要因は、自動車・建設機械業界向け事業や半導体業界向け事業が落ち込んでいるためとの事ですが、配当方針を変更した事で年間配当予測は増額されています。
通期最終利益(億円)
銘柄名 | イーグル工業 |
2020年3月期 | 29 |
2021年3月期 | 40 |
2022年3月期 | 57 |
2023年3月期 | 67 |
2024年3月期 | 74 |
2025年3月期(会社予想) | 70 |
2020年からの通期最終利益を見ていきますが、順調に増益が続いています。業績好調の要因は新規拡販により半導体業界向け事業が堅調に推移した事や航空宇宙業界向けの売上が順調に推移したためとの事です。
しかし、今期は半導体業界向け事業で更なる需要拡大に対応するため生産能力の拡張を進める事で人員増・償却費増が見込まれる事や前期に計上した為替差益の反動により期初から減益見込みにしていたなか、第1四半期で上方修正、第2四半期で下方修正と落ち着きが無いですが、現状は減益見込みとなっているなか通期進捗率も38%付近と心配な水準で推移しています。
配当推移
銘柄名 | イーグル工業 |
2015年 | 40 |
2016年 | 45 |
2017年 | 45 |
2018年 | 50 |
2019年 | 50 |
2020年 | 50 |
2021年 | 50 |
2022年 | 50 |
2023年 | 70 |
2024年 | 80 |
2025年(会社予想) | 100 |
2015年からの配当推移について、数年前までは50円で据え置きの期間が長かったですが、2023年は久しぶりに20円の増配となっています。そして、前期も10円の増配となっていたなか、今期は期初時点では据え置きの見込みでしたが、第1四半期、第2四半期決算で10円ずつの増額が発表された事で合計20円の増配予測になっています。
イーグル工業の配当方針は、2026年3月期までの中期経営計画中は年間100円を目安としています。
株価推移
株価はコロナショックで595円まで売られる場面がありましたが、その後は停滞する時期を挟みながらも上昇傾向です。
そして、2023年春以降は上昇ペースが加速し、直近は2000円前後で推移しています。
株価指標(2024年1月16日時点)
銘柄 | コード | 株価 | PER | PBR | 配当 | 配当利回り | 配当性向 |
イーグル工業 | 6486 | 2003 | 12.9 | 0.79 | 100 | 4.99 | 64.4 |
最近の株価はここ数年の高値圏で推移していますが、配当も増配が続いていますので配当利回りは5%前後と高水準です。
今期業績は減益見込みですがPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は64%付近となっています。
投資判断
今までの内容からイーグル工業の投資判断について、メカニカルシールなどの商品を自動車や半導体向けへ提供しており、今期業績は現状減益見込みですが数年前と比較すると大きく伸びている状況です。
そんななか、去年はメカニカルシールなどを納入しているH3ロケットの打ち上げが成功しており、また今後も航空宇宙産業は成長が見込まれ、当社固有の技術が活かせる分野のため、各案件へ積極的に取り組んでいく方針ともしていますので、大阪万博の成功とともに宇宙関連銘柄としてイーグル工業に注目が集まる可能性もありそうです。
まとめ
今回は今年起きそうな出来事や予定が確定している5つの出来事を踏まえたうえで、関連する銘柄を検証しました。今回検証した5つの出来事は確定している大阪万博を除き、ある程度の確率で起きる事が想定されていますので、既に株価に織り込まれている部分もあるかと思いますが、実際に起きると想定以上に株価が反応する可能性はあります。
また、今回取り上げた出来事以外にも2025年は株式市場に影響を与える様々な事が起きるかと思いますので、常にアンテナを張りながら優良高配当株を探し続けたいと考えています。
今年の株価上昇が期待できる5銘柄はYouTubeで動画版も投稿していますので、あわせてご覧ください。
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