【割安!?】ここ数年で見ると株価が下がっているおすすめ高配当株3選

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銘柄検証

高配当株へ投資する1番の目的は中長期にわたって配当をもらい続ける事で、株価による値上がり益(キャピタルゲイン)を狙って投資する訳ではありませんが、それでも株価が安いタイミングで購入した方が良い事に変わりはありません。

しかし、株価が下げ続けているからチャンスという訳ではありませんし、長期間にわたり株価を大きく下げている要因はそれなりにあるはずです。

そこで今回はここ数年で見ると株価が下落している3つの銘柄が高配当株として投資可能か検証していきます。

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【4208】UBE株式会社

最初の銘柄はUBE株式会社です。

UBEは大手化学メーカーで従来の宇部興産ですが、今年4月から従来略称として使用してきたUBEを正式社名に変更しています。

UBEは化学を中心に機械の分野で事業を行うメーカーで、デジタル家電、自動車部品、医薬品など身近なものから、社会インフラ、最先端の航空宇宙分野など幅広い事業を手掛けています。

今年4月の社名変更と共にセメント事業及びその関連事業をUBE三菱セメントに承継させるなど事業改革を進めているところです。

直近決算

UBEは8月4日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は57億円と前年同期比で10億円の増益となっています。

しかし第1四半期は前年同期比増益でしたが、通期最終利益は従来予想から60億円減の150億円へ下方修正しており、年間配当100円は従来予想から変更ありません。

第1四半期が前期比増益の要因は、セメント関連事業を移管したことに伴い、あらかじめ合意していた事業価値と実際に移管した資産との評価差などで特別利益が73億円発生した為としています。

通期最終利益(億円)

銘柄名UBE
2019年3月期324
2020年3月期229
2021年3月期229
2022年3月期245
2023年3月期(会社予想)150

2019年からの最終利益を見ていきますが減益傾向が続いています。

しかし、2022年は化学セグメントを中心にコロナ禍による需要減退からの回復を受けて販売数量が堅調に推移した事に加え、ナイロン・ラクタム・合成ゴムなどの販売価格が上昇した影響で増益となっています。

今期は機能品セグメントが好調を維持するものの、4月よりセメント関連事業を分割した影響に加え、樹脂・化成品セグメントにおける原材料価格上昇などの影響が大きく、減益見込みとしています。

そして第1四半期決算で通期予測を下方修正した要因については、原材料価格の高騰や一部製品の需給悪化、市況動向などの影響としています。

配当推移

銘柄名UBE
2015年50
2016年50
2017年60
2018年75
2019年80
2020年90
2021年90
2022年95
2023年(会社予想)100

配当については減益が続く業績とは反対に増配が続いています。

UBEの配当方針は、配当の実施を株主に対する重要責務として認識し、業績に対応した配当を行うことを基本方針としており、2022年度を初年度とする中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」においては、連結総還元性向30%以上およびDOE(株主資本配当率)2.5%以上を目指すとしています。

DOE(株主資本配当率)とは

DOE(株主資本配当率)とは「株主資本配当率」の事で株主資本に対してどの程度の配当を支払っているかを示す指標です。

株主資本とは株主が出資した資本金や利益余剰金などで構成されています。

当期利益は年ごとに増減が激しい企業も多く、利益を基準にした配当方針だと配当額の大きな増減にも繋がる為、最近はDOEを株主還元の目安とする企業も増えてきています。

株価推移

株価はコロナショックで1434円まで売られた後は、約1年で2559円まで上昇しました。

しかし、その後はじわじわ売られており最近は2000円前後で推移しています。

株価指標(2022年10月14日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
UBE4208194212.60.501005.1564.6

最近の株価は低迷していますが、増配が続いている事で配当利回りは5%付近と高水準です。

業績も減益傾向ですがPERは市場平均並み、PBRは市場平均より割安で、配当性向は60%超と今後の減配リスクも懸念され始める水準です。

投資判断

今までの内容からUBEの投資判断ですが、今年4月より社名を含め事業内容を大きく再編しており、今後は化学事業を中核にグローバルに展開していく方針です。

そしてセメント事業移管などの影響で直近の業績は低迷していますが、化学事業を中心に今後業績が回復していけば今の株価は割安に思えてきます。

ただ現状は配当性向の高さが少し気になる水準になっていますので、再編の動向をもう少し見守りたいというところです。

【8439】東京センチュリー

2番目の銘柄は東京センチュリーです。

東京センチュリーはオートリースや航空機リースなどを手掛ける伊藤忠系の大手総合リース会社です。

東京センチュリーについては、今年5月にも今回と同様に株価が下落している銘柄として検証しており、その時より株価は戻していますが、まだ去年の高値からみると株価を下げていますので再度検証してみます。

直近決算

東京センチュリーは8月5日に第1四半期決算を発表しており、最終利益は194億円の赤字に転落していますが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

第1四半期業績が赤字に転落した要因は、国内リースや国内オート事業は順調に推移していますが、ロシアのウクライナ侵攻を受けてロシアの航空会社向け機体の減損として444億円を計上した為としています。

通期最終利益(億円)

銘柄名東京センチュリー
2019年3月期522
2020年3月期563
2021年3月期491
2022年3月期502
2023年3月期(会社予想)200

2019年からの通期最終利益を見ていきますが、前期までは500億円前後で安定していましたが、今期は大きく減益見込みとなっています。

今期大幅減益の要因としては、先程もお伝えした様にロシアのウクライナ侵攻により、連結子会社を通じてロシアへ航空機をリースしていた事が大きな要因です。

リース機体8機について将来のキャッシュ・フロー見積りが困難になったとして帳簿価額の全額444億円を特別損失として第1四半期に計上しています。

ロシアウクライナ情勢の今後は不透明な状況が続いていますが、東京センチュリーとしては、他の事業はロシアウクライナ情勢の影響を受けず順調に推移しているとしています。

またリース機についても保険会社に請求権を行使しており、保険金は業績に含まれていないとの事です。保険金については戦争が免責事由になり支払われない可能性もありますが、いずれにしてもロシアウクライナ情勢により今後更なるマイナス要因が発生する可能性は低そうです。

配当推移

銘柄名東京センチュリー
2015年65
2016年80
2017年100
2018年114
2019年124
2020年136
2021年138
2022年143
2023年(会社予想)143

ここ数年の業績は低迷していますが配当は順調に増配傾向で、そして今期の業績は大きく減益見込みですが配当は据え置きの予測としています。

東京センチュリーの配当方針は、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本とし、持続的な利益成長を果たしたうえで配当性向の向上も図っていきたいとしています。

具体的な配当性向などの目安はありませんが、他のリース銘柄同様、株主還元力は強いです。

株価推移

株価はコロナショックで2870円まで売られた後、2021年1月に9340円の高値を付けていますが、その後は右肩下がりの状態が続いています。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて今年春ごろには4000円を割れる場面もあり、直近は少し戻し5000円付近で推移していますが、2年弱で株価は半値近くまで下げています。

株価指標(2022年10月14日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
東京センチュリー8439498530.50.891432.8787.4

直近の株価は安値圏からは上昇していますが、配当は据え置きとなっていますので配当利回りは3%付近の水準です。

業績低迷を背景にPERは市場平均と比較してかなり割高で、配当性向は87%付近とかなりの高水準です。

投資判断

今までの内容から東京センチュリーの投資判断ですが、直近の業績や株価はロシアウクライナ情勢の影響を大きく受け低迷が続いています。

しかし、途中でも触れましたが現状最悪の状態を想定していますので、ロシアウクライナ絡みでこれ以上業績が悪化する可能性は低く、来期以降の業績に期待したいところです。

来期以降業績が通常状態に戻るとするのならば、今の株価はお買い得にも思えてきます。

【5976】ネツレン

最後の銘柄はネツレンです。

ちなみに「ネツレン」は通称で、正式名称は高周波熱錬株式会社です。

事業の基盤となる「IH(誘導加熱)技術」は、電気の力で金属を加熱する技術の一種で、加工受託、鋼棒・ばね鋼線などの金属熱処理加工メーカーです。

また、自動車向けの売上が半数を占めており、中国を中心に北中米、欧州など海外への売上比率も高い企業です。

直近決算

ネツレンは、8月5日に第1四半期決算を発表しており最終利益は約5.8億円と前年同期比で0.8億円の減益ですが、通期最終利益、年間配当予測に変更はありません。

前期比減益の要因は、土木・建築関連や自動車関連製品の売上は中国での販売量が伸びた事などで増収でしたが、材料費や電力費などのコストが増加した為としています。

通期最終利益(億円)

銘柄名ネツレン
2019年3月期9.5
2020年3月期2.5
2021年3月期2.6
2022年3月期26
2023年3月期(会社予想)24

2019年からの最終利益を見ていきますが、前期から業績は約10倍に伸びています。

業績が大きく伸びている要因として、自動車、建設機械関連製品や工作機械、建設機械業界の受注が回復し大幅に増加した事や、これまでの投資の成果による増収効果や原価低減活動により大幅増益を達成としています。

配当推移

銘柄名ネツレン
2015年14
2016年14
2017年25
2018年22
2019年25
2020年22
2021年14
2022年30
2023年(会社予想)30

2015年からの配当推移を見ていきますが、増配と減配を繰り返す展開となっています。

しかし、2022年は好調な業績を背景に前期比約2倍の水準へ増配となっており、今期も現状据え置きの予測となっています。

ネツレンの配当方針は連結配当性向 40%以上を基本とした上で、業績連動の利益還元を 維持しつつ「安定した配当」については、自己資本配当率(DOE)1.5%を下限としています。

UBEに続きDOEが出てきましたので、やはり目安にしている企業は増えている様です。

株価推移

株価は2017年11月に1319円まで上昇していますが、その後は右肩下がりとなっており、2020年12月には432円まで下落しています。

その後はじわじわと値を戻し直近は600円台で推移していますが、5年前と比較すると半値付近の水準です。

株価指標(2022年10月14日時点)

銘柄コード株価PERPBR配当配当利回り配当性向
ネツレン597667210.80.43304.4648.0

直近の株価は上がっていますが、前期の増配を受けて配当利回りは4%半ばの水準です。業績好調を背景にPER、PBRは市場平均と比較して割安で、配当性向は48%付近と方針通りの水準です。

投資判断

今までの内容からネツレンの投資判断ですが、直近の業績、配当は順調に推移しており配当利回りも4%台と高配当株として魅力を感じる水準です。

企業規模はそれ程大きくなく、また直近業績は急激に伸びていますので今後の反動などは懸念点ではあります。

しかし、今の株価はここ数年で見るとかなり安値圏ですし最低購入金額も6万円台ですので、ポートフォリオの一部として数年後を期待して保有する事はアリの様な気もします。

まとめ

今回はここ数年で見て株価が下落している高配当株を3銘柄検証しました。

3銘柄とも直近の業績や株価を下げている要因は様々ですが、株価が下落している要因と現在の状況や今後の展望を踏まえ、自分なりに納得する事が出来れば購入を検討しても良いのではないかと思います。

個人的にも今回の3銘柄はそれぞれ懸念材料もありましたが、今後の動向を見守りたいと思っています。

ここ数年で見ると株価を下げている3銘柄については、YouTubeで動画版も投稿していますのであわせてご覧ください。

【割安!?】ここ数年で見ると株価が安いおすすめ高配当株3選

40代元証券マンの高配当株投資(YouTube編)

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